Ubiquitous Aftercare

作:夏目彩香(2003年3月22日初公開)




この前、ちょっと書き足りなかったことがあったのでそれを付け足そうと思います。場面はさかのぼって、本当の萌ちゃんが目を覚ますところから。そもそも公衆電話に向かって行ったのは、携帯電話の発信記録に残らないようにするためだと今頃ようやくわかったんだけど。さすがに隆くんって賢いんだなってこの時思いました。

萌ちゃんが目を覚ましたあとは、不思議なことに私と会っていたことも覚えていて、家に帰るまでのちょっとの間に一緒にいても、別にぎこちない関係はなかったけどね。どことなく隆くんの性格も残ってしまったみたいだけど、それは本当に軽くしか残っていませんでした。

それで、萌ちゃんと一緒に家に帰ると気づいたのは、私の部屋に入っていたことも覚えているみたいだったよ。部屋に入る前に私のワンピースを脱いでシャワーを浴びてきて、、白いフレアスカートとピンクのカーディガンに着替えて、もちろん下着も自分のに着替えたよ。

そのあとで、ベッドに座って私と話をしたんだけど、昼間に私の部屋に来たことも覚えているみたいだったよ。でも、微妙に記憶が差し替えられているようで、取り憑いた本人に知られるとまずいことについては記憶が違っていたの。

私の部屋の中で何をしていた?って尋ねてみたんだけど、あまり覚えていなかったからね。覚えていたのは私の服に着替えたことなんだけど、どうして私の服に着替えたかってことについては言ってくれなかったわ。

そのあとで、萌ちゃんが帰ることになって家のドアを開けたんだけど、そこには隆くんが立っていてね。萌ちゃんを目の前にして、しかも私もいるのにつきあって欲しいって言うんだからびっくりしちゃったよ。目の前でカップルが誕生しちゃって、2人を私の部屋に入れ直して少しいてもらったの。

この2人、実は転校をしてからも文通をしていて、なぜかそれ以上の仲には発展していなかったんだけど、大学に入るときに同じ大学を目指すようになって、それからだんだんとお互いを意識するようになったんだって、でも2人とも人前では堂々と会うことができなかったので、どちらかが思い切った行動に出るのを待っていたって、そう言ってたよ。

そして、萌ちゃんがトイレに行ってる時に、隆くんは私の体を自由に使う日を話し始めたんだ。でも、そもそも私に入るメリットが無いのに私に入って何をしたいって聞いたら「萌ちゃんと優子さんを連れてショッピングに行きたい」んだって。まぁ、それ聞いたら週末自由に使ってちょうだいって1度だけ許可したよ。

そう言えば、TSアプリを見せてもらったよ。携帯電話の液晶にTSアプリ起動中って、瞬時に立ち上がってね。説明書の欄を見せてもらったよ。説明書の下にTSアプリを使う場合には使う相手の同意が必要ですって書いてあったんだ。だから、萌ちゃんはこのことを知ってたみたいだよ。でも、動物でも物でも取り憑けるんだよね。その時はどうするの?って、まだまだ不思議な点は残りました。

萌ちゃんがトイレから戻ってくると、2人で仲良く話始めていたんだよ。なんか羨ましくなっちゃった。今度の週末に私の体に取り憑くよりも2人でデートした方がいいと思うんだけどなぁ。まぁ、勝手にしてよね。くれぐれも悪いことには使わないこと。




 

本作品の著作権等について

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