スタバにて

作:夏目彩香(2003年3月27日初公開)


 

-- 夏目彩香の日記より


2002年10月16日(水)

街の中で歩いている人にはいろいろな人がいるよね。そんな時、彩香はどんな人でもいつも何かを考えて歩いていると思うの。どんな人にだってここに生まれてきた意味や価値があるんだからね。今日は街の中を歩いていてちょっと変な光景に出くわしちゃったの。

ちょっと用事があって、いつもとは違った道を歩いていると、向こうからきれいなお姉さんが歩いてきたんの、彩香の方にそのきれいなお姉さんが近づいてきてね。それで、突然「お姉さん、お茶しませんか?」なんて言うのかと思ったら……そんなんじゃなくって、近くの駅までの道を聞かれただけだったの。


彩香も初めての場所だったけど、駅は来た道を戻るだけだったからなんとか教えて、そのお姉さんとはすぐに別れたんだけどね。10mほど先の道を曲がったらまた前の方から歩いてくるのが、そのきれいなお姉さんでね。外見がほとんど同じだったからびっくりしちゃった。別れてた時の状況から考彩香は最近よくスタバに行くんだけど、今日も行ってきたよ。スタバはスターバックスコーヒーのことだってのは当然知ってるとは思うけど、わからない人のために一応書いておいたよ。最近横浜に日本の400店舗目ができたって見つけたんだけどオーブンで焼き上げたフードが約30アイテムもあるなんて……行ってみたいなぁ。彩香が日本にいないのがちょっと残念!

それで、今日の話はスタバで目撃したことなんだけど。昼ご飯が終わってスタバに行ったら席が半分くらい埋まっていたかな。いつものようにコーヒーを頼んでから、彩香は適当に席を見つけて座ったんだけど、その席からだとスタバの店内がぜ〜んぶ見渡せてね。なんだかおもしろかったよ。その席で本を読みながら1時間弱過ごしたからね。

でね。彩香が席に座ってから5分くらいたった時に入ってきたお客さんがいてね。若いカップルだったよ。年は20代の前半ぐらいで大学生って感じだね。男の方は体格がしっかりしていて、女の方はほっそりとしていて二人が並ぶとちょうど男の頭が抜き出るぐらいだったかな。

あんまり細かく覚えていないけど、女の子をもっと詳しく説明するとね。ベージュのヒールに膝の下くらいまである落ち着いた茶色のロングタイト、黄色のセーターの襟元から白いブラウスが見えていたよ。肩ぐらいまでの黒髪がしなやかに動いてたからうらやましかったし(爆)、胸のふくらみはよく見えなかったけど、明るめの薄化粧がとっても印象的で、軽くパープルのシャドーが入ってたなぁ。唇はピンクで光ってた。

それで、二人が注文をしている時になんだかおかしいなって思ったんだけど、女の子は妙に落ち着かない感じがしてね。レジの前に黙って立っていられなかったみたい。男の方は別に変わった様子も無くてね。注文が終わって商品を取るまでもやっぱり女の子はそわそわしていたみたい。髪や体をむやみに触ってたし……あれってなに?ってね。

二人掛けのソファー席が空いていたから、二人はそこに座ったんだよ。なんか違和感を感じると思ったら女の子の座り方がおかしくて、スカートがピ〜ンと張った状態になるくらいに股が開いてさぁ。左足のヒールを脱いで右の足の上に載せいてたよ。足を組むんだったらわかるけど、なんだか不自然だった。

そして、男の方が女の子の肩に腕をかけようと思っていたみたいだけど、女の子はかわいい顔して嫌がってたよ。しょうがないからつきあってるのかなぁ、あの2人って。今考えても不思議なくらいに話が合わないみたいだった。それに突然女の子が立ち上がって「便所行ってくらぁ。」って言ったんだよね。しかも彩香もしっかり聞こえるくらいに大声でね。周りのお客さんも驚いていたよ。女の子が化粧室に向かうときに歩き方をよく見ていたんだけど、ぎこちない動きだったの、手と足の動きが合わなくて、変な感じがしちゃった。

で、化粧室から帰ってくる時も気をつけて見てみようと思ったら、今度はすっかりきれいな歩き方になってね。「お待たせ」なんて言ってからまたソファー席に座ったの、ほっそりとした足をしっかりと組んで座ったし、男の要望にも自然に応えていた。何か仲直りでもしたのかな?

そこまで見ていると彩香も店を出る時間になってね。彼女も使った化粧室に寄ってから店を出ることにしたの、彩香が化粧室を使ったのはちょうど彼女の後だったから、ここに何か無いかと気になったしね。個室は一つしか無かったからそこに入ったんだけど。何がここであったのかわからなかった。

化粧室から出たらもうさっきのカップルはいなくなっていて、また真相がわからなくなっちゃった。

また同じ時間に来たら会えないかなぁ。今度はちゃんと解明できるようにして見るからね。彩香の行くところっていつも変な光景に出くわすよね。明日はどんな日になるのかなぁ。今日の話はこれでおしまい。(^o^)/~~~





 

本作品の著作権等について

・本作品はフィクションであり、登場人物・団体名等はすべて架空のものです。
・本作品についてのあらゆる著作権は、全て作者の夏目彩香が有するものとします。
・本作品を無断で転載、公開することはご遠慮願いします。

copyright 2011 Ayaka NATSUME.







inserted by FC2 system