<プロローグ> 「ちくしょう。茜音に復讐してやる!」 いつも俺にいじめならぬ行為をする、高橋茜音にがまんならない。だから、明日。俺(=千村貴明)は復讐を決行する。 復讐という言葉は、その人の日常を脅かす危険な言葉。故に生半端な覚悟で出来るほど、復讐は甘くない。それを行うのなら、復讐という言葉に似合う、非日常的なアイテムが必要なのだ。 だから、やめるのなら今のうちよ、と誰かが呟く。俺はそんな忠告を嘲笑った。 「俺にはあるんだよ!このゼリージュースがな!!」 水色の液体に赤い自分の血を入れて完成した、紫色の飲み物は、暗い部屋の中で光っていた。 「ゼリージュース -紫色の復讐-」 作:紫木(むらさき) <前半> 放課後、授業が終わってみんなが下校する。俺も鞄に教科書を入れていると、 「貴明。喉渇いたからジュース買ってきて」 百円も渡さず、ただ茜音は命令して友達と一緒にくすくす笑っていた。その笑みが昨日まではむかついていた。でも、今日は違う。 これは、好機到来だった。 すぐに俺は自動販売機まで買いに行く・・・フリをした。既に手には昨日作った紫色のゼリージュースを持っている。茜音が一人になるまで俺は静かに待った。茜音の仲間は茜音を残して教室から去っていく。飲み物を頼んだ茜音は俺が帰ってくるまで待っているようだった。 百円も渡してないんだから俺を無視して帰ればいいものを・・・ その少しの優しさが俺の復讐劇を開始する予告ベルになったのだ。 教室には茜音のみが残った。俺は教室に入った。 「買ってきました」 「遅すぎ!いつまで待たせる気よ・・・・・・なにこれ?」 怒りを露にした茜音だったが、目の前に差し出された紫色のジュースに目が奪われる。 「ぜ、ゼリージュース。ブルーベリー味」 「ふぅん。ゴク、ゴク・・・」 茜音は受け取るとすぐに飲み出す。ゼリージュースを飲み干す。くくく・・・ 「うっ・・・!」 茜音の動きが止まる。苦しそうな声を上げた茜音に、続いてもおかしなことが起こったのだ。茜音の身体がなんと、徐々に透明になっていき、終いには消えていったのだ。服が浮いていることが茜音がそこにいる証明だった。 茜音は一向に動かない。ゼリージュースに俺の血を入れたことによって、俺の血が茜音の身体を媒体して動き回っているのだから。 それでは足りない。 俺は茜音の着ている制服を脱がせた。上着、スカート、下着、靴下全てを脱がし、これで茜音がまわりに見える事はなくなった。茜音が裸になっているのに見ることができないのは残念だ・・・。 まわりは茜音の居場所を知らない。茜音がここにいるのを、俺だけが知っている。 俺も服を脱いで素っ裸になった。 「これで・・・」 恐る恐る足を進める。すると、そこだけ温かさがあった。きっとここは茜音の中なのだろう。 (十秒くらいでいいんだよな・・・) ・・・十秒たってその場所を離れ、すぐに俺は衣服を着る。と、先程放れた場所から何かが現れた。 茜音だった。当然か。でも、俺に衣服を全部脱がされた茜音は全裸だった。 「・・・う、うん・・・・・・」 茜音がようやく意識を持った。そして、自分の姿に目を疑っていた。 「きゃあ!!」 服を集め、俺から身を隠すような格好を取るが、恥じらいは隠し切れない。ニヤケが止まらない。 「貴明。あなた何したのよ!?」 「とりあえず服着なよ、『茜音さん』」 「言われなくてもそうするわよ!!」 茜音が俺の言ったように制服を着始める。 ハハハ・・・。そう。服を着てもらわなきゃこの後がつまらないもんな!! さぁ、開幕するぞ!俺の一世一代の復讐劇が!! 茜音がようやく服を着たところで、準備は完了した。 「さぁ、私に何をしたの?」 「説明してもいいけど、どうせ言っていることが分からないと思うよ?」 「いいから言いなさい!今日の貴明は生意気でムカツク」 茜音が俺に向けて手を振り降ろす。 「『茜音さん』。その手は自分に」 ゴツン 「いたい!なに?」 くくく・・・。茜音は分かっていない。 「怒った顔しないで、『茜音さん』。笑顔で聞いててよ」 「うるさい!」 と言いながら茜音は今まで俺に見せたことないくらいのとびきりの笑顔で微笑んでいた。そんな笑顔を見せてくれれば、喋っても良い気になってくる。 「いい?今飲ませたゼリージュースは、『飲んだ相手が媒体となる血を犠牲にした者の意思を持つ』というもの。今、茜音の中には君と『茜音さん』がいるんだ。『茜音さん』は俺だから君を知っているけど、君は近すぎるため『茜音さん』を知らない。まぁ知らなくていいんだ。俺が話しかけるのは『茜音さん』。君は無意識のうち身体を提供し、やがて君は俺に服従してもらうんだ。 ――それは君が俺にやってきた行為。君が俺の人生を駄目にしてきた行為。それが俺の復讐」 ゼリージュースを手に入れたからには、絶対に失敗は許さない。 「言ってる事がわからない。私が貴明より下っ端になるわけないじゃん。復讐?――笑わせるね。気の弱い貴明がそんなこと出来るなら、やってみせてよ」 くくく・・・。挑発的な茜音の言葉を、今なら許そう。最後に笑うのは、俺なのだから。 「ああ。この復讐劇、存分に楽しませてもらうさ」 下校のチャイムが鳴り響く。場所を変える必要がありそうだ。 「長話したね。そろそろ家に帰ろうか。もちろん一緒に」 「な、なんであんたなんかと帰らなきゃいけないのよ!一人で帰んなさいよ」 鞄を持って彼女(=茜音)は逃げるように教室を出て行こうとする。 「『茜音さん』。家に連れてって」 彼女(=茜音さん)はピクリと足を止めた。そしてくるっと振り向いて俺の手を取る。そして仲良く下校する。 「『茜音さん』。手に腕を回してもらえるかな?」 彼女(=茜音さん)は俺の手に腕を回して抱きついてきた。時折彼女(=茜音)の胸がつっつく。 「なによ、貴明なんて・・・」 一人で帰っている気になっている彼女(=茜音)は独り言をぼやいている。隣でそれを聞いている。 彼女(=茜音)は家に帰ってきた。部屋に入って鞄を置いたところで、俺に気付いた。 「なんで貴明がいるのよ!!?」 「俺を連れてきたのは君だよ?」 「そんなはずないじゃない!私は知らないわ!」 言ってることが違って当たり前。 茜音は何も分からない。俺にしか分からない。 「まっ、せっかくこうして足を運んだんだから、話でもしようよ」 「えっ、なっ、何の話よ?」 「ワールドカップ見た?」 「・・・・・・へっ?」 本当に雑談で拍子抜けしているようだった。何を期待していたんだ? 「見てないわよ。サッカー興味ないし」 それでも彼女(=茜音)は話に乗ってくれた。 「残念だな。面白かったのに・・・『茜音さん』。ジュースが欲しいんだけど」 彼女(=茜音さん)が話の途中に立ち上がり、部屋を出て行ってしまった。次に現れた時、お盆にオレンジジュースを持って帰ってきた。彼女(=茜音)がすっとジュースを差し出す。面白い。 「――なお笑いで。だからRーメンズ大好き」 いつの間にかサッカーがお笑いに変わってるし。まぁいい。では、始めようか。 茜音の家に帰ってこれたことや、なんなく冷蔵庫やお盆のある場所まで取りにいったことから、『茜音さん』は茜音の記憶を支障なく読み取ったはずだ。なら、できるはずだ。 「『茜音さん』。近々やったオナニーを見せて下さい」 お笑いに夢中な彼女は、今の言葉を聞いていなかったように話を進めていく。失敗したのかとも思ったが『茜音さん』はしっかりと聞いていた。彼女(=茜音)の手はピクッと静かに動き出し、すっと服の上から胸を触り始めた。服の上から乳房を持ち上げるようにあてがい、包み込むようにゆっくりと動かしていく。彼女(=茜音)は着やせするタイプらしく、時折両手に余る感覚が否めない。最初はゆっくり揉んでいる手が、徐々にスピードを上げて中心を狙い打つ。 「しんばぁし!ハァ・・・って、知ってる?」 「ん・・・?知らないな」 喋りながらも息がどんどん弾んでいく。 我慢ならなくなった手は、制服をはだけ、黄色いブラジャーを外した。先程教室で見た、カタチの良い綺麗な乳房が現れた。解放された喜びのようにかすかに上下に動いている彼女の白い乳房。けど、俺に見られていることに恥ずかしいとを訴えているかのように乳首は紅潮。勃っているのが分かる。 まさに、今の彼女(=茜音)はこの乳首で、今こうして話している彼女は茜音じゃないような感覚に陥りそうになる。 そんな乳房を彼女(=茜音さん)は直に触りだした。弾いて、つまんで、伸ばして、痛さを快楽にしている。 (この子はMか。しかもかなり手馴れている) 「ひぅん!!」 一生懸命に胸に手を這わせている彼女(=茜音さん)を見ていると興奮してくる。敏感な乳首だということは見ていればよく分かった。 甘くなる吐息。とろけていく目、紅潮する顔、隆起する乳首、濡れる下着・・・ やがて彼女(=茜音さん)の手は股の間へと落ちていく。スカートに隠された場所を触っているのが分かる。くちゅくちゅというみだらな音だけが聞こえていた。 「『茜音さん』。俺の見えるように角度を付けてやってください」 彼女(=茜音さん)は言われた通りにベットに寄りかかって、両足をテーブルに乗っけて、足を広げた。手の動きは丸見えになり、白いパンティも、指の動きとと供に割れ目の輪郭に浮かび上がるしみもはっきり見えるようになった。 次は脱ぎだすかと思ったら、突然彼女(=茜音さん)が立ち上がった。そして机の引き出しから、バイブを取り出したのだ。 (そんなもの持ってたのかよ) ヴィーンという低い音がうねり始め、彼女(=茜音さん)はしみのついたパンティーを脱ぎ捨てた。そして、ふっくらとした恥毛の生え際でわずかに皮が盛り上がり、それに包まれるようにピンク色の肉芽に、震えるバイブをあてがった。 「オンエアー・ウォーにひああ!!!・・・たんだよ」 会話の中で一際目立った声。でも、それは続く。彼女(=茜音さん)がバイブを握り締めている限り、クリトリスにバイブが触れている限り、『やめてぇ!!』という彼女(=茜音)の叫びを無視し、ぬるぬるとしたその液体が潤滑油となって、快感を俺に現していた。 「ら、あーえんじゅ・・・の・・・ああああ!!!」 呼吸が合っていない。既に発音が言えていない。それは、彼女(=茜音)の絶頂が近い証拠。 「はああああああぁぁぁぁぁ!!!!」 2、3秒間ずっと伸びたままだった彼女(=茜音)がガクン、と力が抜け、手の動きも止まる。荒い息遣いだけが流れだした。 無意識は、自分の中にある抑制さえ働かない。つまり彼女(=茜音さん)は今、昨日よりも激しいオナニーをしたということだ。肩で息をしながら、テーブルに乗せた足はビクビクと痙攣している。透明な水滴が俺の顔に多く張り付いていた。俺の顔に垂れようともせずに張り付いたついたままの、彼女(=茜音)の愛液。どうやらこれは、イった瞬間に、彼女(=茜音)の股間から吹き出されたものであるらしい。 (俺、潮吹きって初めて見た) 「ハァ・・・ハァ・・・で、でね、しょの時のコントがね・・・」 (まだ会話している。その努力は認めよう。 ――でもね。君は自分でも知らない間に処女を俺に捧げているのさ!!) 休ませる気はない。君が俺にやってきたようにな。 「『茜音さん』。次は69だ。知らないはずないよな?」 俺は服を脱ぎだす。その光景を見た彼女(=茜音)は驚いていた。 「ちょっ、ちょっと!なに脱ぎだしてるのよ!?」 「熱いんだから仕方ないだろう」 君のショーを見て俺のイチモツはもうビンビンだった。ここらで俺も楽しむとしよう。 「クーラーつけるわよ。それでいいでしょ?」 「うるさいなぁ。『茜音さん』。始めて」 彼女(=茜音さん)が這いながら動き出す。俺の顔を彼女(=茜音さん)は通過していく。俺が彼女(=茜音さん)の敏感な乳房を触りながらも、彼女(=茜音さん)は俺のイチモツへ到達した。『茜音さん』は早速それを遊び始めた。触って、こすって、引っ張って、咥えて。 「んほう。はんとかひなさいよ」 と言いながら口の中に涎を溜めてフェラチオをしている。舌先でカリの部分だけを刺激したりと、彼女(=茜音)の腕は思っていたより遥かに高い。 「あっ!」 「ちろちろ、ふぁっ、じゃふぁーい。れろ」 「ああ!!」 彼女(=茜音)がしゃべる度に俺の何も振動を受ける。これではやられっぱなしだ! せっかく目の前にスカートに隠れたままのアソコがあるんだから、俺も負けてはいられない。 彼女(=茜音)の腰を下ろし、オナニーですっかり大きくなっていたクリトリスに舌を這わす。 「ふああああああ!!!」 彼女(=茜音)が口からモツをこぼす。 先程イッテしまった彼女(=茜音)にとって、未だに感度は敏感だった。どんどん愛液は溢れ、俺の顔を汚していく。彼女(=茜音)の愛液もアソコと供にじゅるじゅると音を立てて舐めあげる、お世辞にもうまいとはいえない。だが、舐めても舐めても汁は止まることがない。 「ひぃぁぁぁぁああああああああああ!!!」 彼女(=茜音)の腰が震える。二度目をイッテしまったようだ。「ファ・・・ファ・・・」という温かい吐息が、俺のモツに降りかかる。これがヤバかった。 俺も遅れて限界を突破してしまった。 「ん!んんん!!!」 彼女(=茜音)の口の中に流れる精液。 「『茜音さん』。それを溜めておいて」 「ごぽッ!ごぽッ?!」 何かを言っているが言葉になっていない。69を終えて口の中を見ると、俺の出した精液が彼女(=茜音)の中で粘ついていた。 「・・・『茜音さん』。よく噛みしめて、飲んでいいよ」 もぐッもぐッ・・・ごっくん 「ごほっ!ごほっ!なんか口の中が粘つくし、なんかボーっとしちゃってたみたい。ハァ・・・なんで息が切れるんだろ?えっと、何の話だっけ?」 くくく・・・。雑談なんてもう関係ないんだよ。 さぁ、いよいよ終盤だ。 「――そうだった。クーラーつけるね。この部屋暑いみたいだから。なんだか私も暑くなってきちゃったし」 思い出したように彼女(=茜音)はクーラーに近づく。今更二人の体温を下げさせはしない。 「『茜音さん』。俺とセックスしましょう。俺は、ベットの上で仰向けになりますから、『茜音さん』は上にのって挿入しちゃいましょう」 俺は勝手にベットに寝っころがり、騎乗位を要求して待っていた。 彼女(=茜音さん)はそれに答えた。彼女(=茜音さん)は俺の上にまたがり、俺のモツを手で2,3回しごいて再び立たせ、股を開いてその上に腰を沈めてくる。そして、 くちゅ 挿入。 そこからは二人の濡れた愛液のおかげですんなり奥へと入り込むことができた。奥に入れば後は快楽の空間だ。彼女(=茜音さん)は腰を揺らし、俺は腰を突き上げる。他ならない、彼女(=茜音)を壊すために!腰のピストン運動はどんどん速くなる。彼女(=茜音さん)は後ろに両手をついて少し天井の明かりを仰ぐような体勢で腰をがっくんがっくんと動かし続けた。 彼女(=茜音)の膣が素晴らしかったこともあり、彼女(=茜音さん)の手助けもあって、俺ももう耐えられなくなってきた。 「で、出る・・・!!」 「た、かあ・・・、あああああああああああ、あああ!!!!!」 彼女がイク。俺がダス。妊娠しようが関係ない。茜音の人生を壊す復讐。これはほんの序曲。 茜音は何度も失神した。失神しても腰の動きを止めることはなく、快楽が茜音の意識を起こし、再び気絶させるを繰り返した。やがて立て続けの3度目の射精を終え、 「あああああー。」と一声あげて茜音はバタリと倒れた。あまりの快感に身体が耐え切れなくなったのだろう。茜音の膣はものすごく気持ちよかった。蓋をしていた俺のモツは抜かれ、出口を見つけた白と赤の液体は今まで繋がっていた場所から流れ落ちた。 俺のモツももうピクリとも動かない。 逆に俺の心を満たしていくのは、一つの征服という快感。 楽しい。人を操るのがこんなに楽しいなんて!! 次の日も、その次の日も、俺は茜音に呼ばれ(呼ばせ)、そこでのオナニー観賞、ディープキス、マグロ、コスプレ、アナル、時には部屋ではなく風呂場、野外、と次々とやりまくった。それは、俺の目的を最後まで到達させる為の布石にすぎなかった。 ここで一息入れましょう。トイレに行く方はここでしてくるといいでしょう・・・ふふふ・・・。 <後半> 「ねぇ。最近の茜音、授業中でも寝てるけど、体調、大丈夫なの?」 「うん。よく寝てるんだけど、疲れが抜けないの」 「何時に眠ってるの?」 「10時」 「早っ!!」 「あんたの疲れは寝すぎからきてるんじゃない?」 『あはは・・・』と笑っている茜音と友達。 ところが友達も、茜音すらも知らない。 茜音は確かに夜に眠っている。しかし、茜音の身体は寝ていないのだ。 俺は茜音さんに毎日、夜中に起きて朝までオナニーし続けろという伝言を残しておいた。茜音さんは忠実に守り、夜中に起き、彼女の身体を慰める。その疲れは彼女に直接来るということで、今の彼女はほぼ一日起きているも同然だった。茜音さんが動き出さない授業中のみが、彼女の休まる時間になっていた。今も先生の目をはばからず寝ている茜音。 だが、それも今日で終わる。茜音、お前は今日から休みたいだけ寝ていればいいんだからな! 茜音さんが、茜音になる日は近かった。 ・・・ 深夜。俺は茜音の寝室に忍び込んでいた。家の鍵は前もって茜音さんからもらっていたから何の苦労もなく進入できた。 中には、今日も彼女の身体を勤しんで開拓している茜音さんの姿があった。俺は暗闇の中、茜音さんの行為を見つめていた。衣服を全部脱いで、全裸でベッドで寝転び、胸を揉みくちゃにする。時には口まで持っていき、ペロペロと舐めたり吸ったりしていた。汗をかいているのがわかる。 いつの間にかベットには茜音の持っているバイブが転がっていた。やる前に持ってくるとは茜音さんは用意周到だ。そのバイブを持ち、濡れたおま○この中へ突っ込んだ。始めはクリトリスを焦らすだけだったのに、今では突っ込むことも可能にしたのか。それほど、俺との快楽を忘れられないということなのだろう。バイブはずぶずぶと奥に入ったり、出したりして、膣全体を揺らしていた。 「ひうん!」 身体が弦のように曲がる。そして脱力した。イったようだった。 「・・・・・・」 声もなく肩で息をする茜音さんだが、パジャマを掴み、着替え始めようとする。どうやら今日はこれで終わりらしかった。 「『茜音さん』。聞こえたら右手を上げてください」 「・・・」 突然聞こえた俺の声に、彼女(=茜音さん)は右手をあげた。俺は茜音さんに近づく。茜音さんはパジャマを掴んで固まったまま、その場に座り込んでいた。目も閉じている為、一瞬寝ているのかと思った。 (現に寝ているのか) 彼女(=茜音)は知らない。俺が今日、この部屋に来ていることを。 「『茜音さん』。目を開けてください」 彼女(=茜音さん)は俺の言われた通りに目を開けた。もし茜音が声を上げたのなら、俺は不法侵入で逮捕されかねないだろう。しかし、茜音の目には光がなかった。それは彼女が寝ぼけ眼だからじゃない。彼女が、茜音さんだからだ。 「『茜音さん』。俺をもっと良く見て下さい。俺を強く感じて下さい。もう一度見て下さい。貴方の世界を」 彼女(=茜音さん)が力強く目をこじ開けているように見える。時々目に力が入って、瞬きや、涙を零している。 ――そして、その時は来た。それは長年光を失っていた者が手術に成功して包帯を取った感覚に似ていた。 茜音さんの目に、輝きが入ってきた。真っ直ぐで澄んだ紫色の輝きを向けて。 「みえる・・・見える!」 茜音さんが初めて自分の意思で言葉を発した。目という視覚を手に入れれば、他の五感もリンクするかのように茜音さんの思うように動いてくれた。 今までの茜音さんは俺の言うことに忠実に動いただけの媒体。それは身体を動かしていたのではない。ただ、身体を操作していたにすぎない。でも、今からは違う。 「さぁ、これで『茜音さん』は自我を持った。自分のしたい事が出来るんだ」 茜音さんが満面の笑みで微笑んだ。 あぁ、この笑みの意味をわかる人がいるだろうか?しかし、先に忠告はしておかなくてはいけない。 「だけど、それは彼女(=茜音)が寝ている間の話だ。彼女(=茜音)が起きてしまえば再び身体の主導権は取られてしまう」 もともと茜音の身体である為、主導権は茜音にあるのは自然の理。後から埋め込まれた茜音さんでは限界があるのだ。 茜音さんはその事実に笑みが消えていく。せっかく手に入れた身体を再び茜音に返さなくてはならない。未だに自由に使えないこの身体・・・所詮人間じゃない茜音さんにとって、それだけのリスクがあるということだ。 「そんなの嫌!!」 茜音さんが絶望に泣き叫ぶ。・・・そんな茜音さんに俺は笑う。その悲痛の願いを俺が叶えてやるために。 俺は一つの提案を上げた。 「彼女(=茜音)の眠っている間、茜音さんが動くことが出来るなら、彼女(=茜音)にはずっと眠っててもらえばいいんだ」 そう。もう茜音さんは茜音が眠っている時には、この身体を自由に使えるんだ。ならばこの身体を使い続ける為に、茜音には眠り続けてもらえば良い。 「でも殺しちゃ駄目だ。そんなことをしたら精神と供に身体まで死んでしまう。あくまで彼女(=茜音)だけを虐めるんだ。彼女(=茜音)だけを虐めるその方法・・・」 「そんな方法があるの?」 精神だけを殺す唯一の方法。茜音さんが俺に聞きかけるが、そんなの愚問だ。茜音さんなら分かるはずだ。今の今までベットの上でやっていたんだから。 「身体を四六時中虐めなさい。茜音に負担をかけなさい。もちろん、それは茜音さんにも負担をしいる事になるけど、君は知っている、この事実を。勝った者がこの身体の所有者になれることを」 授業中に茜音が眠っていることからも、エッチな行為こそが茜音を眠らす最善の方法。茜音に対する復讐の最終幕。 「さぁ、夜の街に行こう。彼女(=茜音)を倒す、凶器を買いに」 俺は手を差し出す。茜音さんは一度躊躇したが、しっかりと俺の手を取り合った。 ・・・ 一週間後、茜音の家を再び訪れた時、そこにはもう茜音の姿はなかった。体中の至る箇所を自ら弄(まさぐ)り、何度も果てていたのだから。ベットの上で裸になってあらゆる体液を放出し、その度に歓喜の声をあげていた。汗、愛液、涎・・・ 「ひぃん、死んじゃえ、私(=茜音)!!」 涙を流しながら喜んでいる茜音さん。 ベッドに転がる多くのバイブやローター、ローションなどが濡れている。まさしく茜音さんは限界を知らなかった。茜音が寝るとすぐに起きだし、朝ギリギリまでオナニーをし続け、その疲れを茜音に渡す。茜音はもちろん、朝に起きれるはずがなく、代わりに茜音さんが学校に行く日が現れ始めた。またある日は、 「茜音。あんた顔色悪いよ」 「保健室で休んできなよ」 「うん・・・」 フラフラの状態で授業中に教室から出て行った茜音が、5分後に再び教室に入ってきて、 「ご心配おかけしました〜」 なんて、いつもの元気な笑顔と供に授業に戻ってきた時の友達の呆然とした顔が面白かった。 ハハハ・・・!!俺だけが知っている。彼女は茜音じゃないということを!! そう!茜音は一日を生きられなくなっていた。 半日を起きれなくなっていた。 学校に来れなくなっていた。 授業を受けられなくなっていた。 一時間を許されなくなっていった。 そして・・・ 茜音は・・・眠った・・・・・・ 身体の主導権は逆転した。今や茜音さんがその身体の主導権を握るようになっていた。茜音は以前の『茜音さん』になっていた。しゃべることも見ることもできない。言葉は聞いているかも知れないが、茜音に表現する術がなかった。俺のように話しかけてくれる人もいない。誰も、茜音の居場所を知らないのだから。 つまり、茜音さんは以前の『茜音』になった。 「私は、貴明様に仕えるメス豚です。貴明様の為に生きて、貴明様にこれからを尽くしたいと思います」 前まで俺をバカにしていた茜音がこんなことを言っている。アーハハハハハ・・・・・・!!!!! いいよ。可愛がってやるよ。これからずっと、茜音は俺の為に生きれば良い。それが俺の復讐。 アハハハハハハ・・・・・・ <エピローグ> この頃、茜音の様子がおかしかった。俺の知らない所で自分で身体を弄んでいたり、時折「俺」口調で話したり、それはまるで・・・・・・。 ・・・気付くべきだった。俺が作り出した『茜音さん』は、俺だと言うことを。ゼリージュースによって茜音に入り込んだ俺の血。それが茜音さんの正体。 俺が茜音に会うと、やはり自分の身体を見てエロ親父のようににやけている茜音がいた。 「へへへ・・・よぅ」 茜音(=茜音さん=貴明)はすでに隠すことをしない。俺口調のまま、俺に話しかけてきた。 「ようやく思い出したよ。『俺』は『お前』だと言うことを。――茜音が消えてようやくこの身体は俺のものになった」 これは俺の胸だといわんばかりに自分で胸を揉み始める。 「ハァ・・・やっぱり女の身体はイイもんだなぁ。何回でもイクことが出来るし、男と比べ物にならないくらいに快感が押し寄せてくる。 ――分かるぜ?お前は女の身体に憧れてたんだ。いつも俺をいじめていた茜音に、復讐という好意を持っていたんだ。でも、茜音になったのはお前じゃない。俺だ。 この身体の良さはお前には分からない。俺にしか分からない・・・ 「――」 くくく・・・と笑う茜音さん(=貴明)に、言葉を失う。 「さっ、じゃあ俺を気持ちよくさせてくれよ。もう手やバイブじゃ物足りないんだよ」 俺を引っ張ってベッドに誘う。俺は一瞬躊躇した。確かに俺は茜音を復讐したかった。だが、こんなことになるとを予想していただろうか?俺のしたかった復讐は、茜音という女性のまま俺の傍に置いておくという一種の茜音を拘束したかったもの。それが、茜音自身を俺に染めてしまったということは茜音を拘束したのではない、消滅させたのだ。茜音がもう、いないという事実・・・。じゃあ、目の前にいる茜音の姿をした奴は・・・誰? 俺・・・?想像したくもなかった。 「どうしたの?早く私とセックスしようよ」 突然、俺口調だった茜音が普段どおりの口調に戻る。それは、かつて見た茜音の姿だった。 「私、今だから言えるの。いつも貴明をいじめていたけど、それは私も、貴明を拘束していたかったの。貴明君のことが好きだから!!私に振り向いて欲しいから・・・好きだったからいじめたかったの!」 子供っぽいいじめの理由・・・嘘くさいのに、茜音が俺に告白している。頭がクラクラする。その裏で俺にちょっと待てと抑制がかかる。 違う。これは俺が茜音の口調を真似て、女の感じるセックスを味わいたいだけだ! 「俺は茜音の記憶を読み取ってるんだぜ?彼女の言えなかった想いを俺が変わりに言ったんだぜ?良かったじゃねぇか?両想いじゃねぇか。ハハハ・・・。 ――安心して。私は今もこの身体にいるよ。この身体は私(=茜音)のものなの。だから茜音さんなんか気にしないで、二人で楽しもう」 茜音と貴明、二人が俺を誘惑させる。本当に良いのだろうか?このまま身をまかせても良いのだろうか? 「ねぇ、ベッドに行こう?復讐でも、拘束でもなく、純粋に私を愛して欲しいの」 茜音(=貴明)が赤面しながら話しかける。男なら、こんな条件が揃っていれば愛さない訳がない。俺は、茜音とベッドに向かった。茜音(=貴明)は笑う。俺(=貴明)もニヤリと笑い合う。 ――その瞬間、俺は意識を失った。 「勘違いするな」 「きゃっ!」 低く冷たい声で茜音をベッドへ押し倒す。 「お前は自分の立場が分かってないようだな。お前は俺から生まれた俺の一部。集合体から捨てられた欠陥品」 茜音の着ている上着を千切る。 「お前は茜音。俺のメス豚。俺のしたい時にして、しない時は俺に尽くせ。それがお前のすべきことだ」 服を破かれたことで現れた茜音の裸体を隠しながら、茜音(=貴明)は俺の言動に、信じられないという表情をしたまま固まっていた。 「茜音を服従させることこそ俺の復讐。――確かに認めよう。俺は茜音を愛していた。だが、そこにもう愛はない。あるのは淡い恋(シタゴコロ)だ」 「お、お前は俺だろう?何故お前は俺と供に笑わない?!?!」 「お前は茜音。俺は貴明。それがわかってないようだな」 「ひぃ!」 茜音(=貴明)の襟を掴んで拳を上げる。 「二度と調子に乗るな。二度と「俺」口調なんていう言葉使いで話すな!虫唾が走る」 「たかあ――」 「お前を殺すぞ」 その一言で既に茜音(=貴明)は恐怖で涙を流していた。 「ご、ごめんなさい!」 俺はもう一度茜音(=貴明)をベッドへ投げ捨てる。そして、ズボンを脱がし、下着を剥がす。 「今日はその見せしめとしてやってやろう。身体に切り刻め。茜音の主導権はゼリージュースでも、お前(=貴明)でもない、俺だ」 「はい・・・はい!ありがとうございます、ああ!!!!」 茜音(=貴明)に乱暴に俺のブツを突っ込む。涙を流しながら快楽を喜ぶ茜音(=貴明)。これでもう二度と茜音(=貴明)が調子に乗ることはないだろう。 貴明は茜音として生き、茜音は貴明として生きる。 それは貴明すら知らないこと。それは私のみが知っていること。 貴明は勘違いしていた。あのゼリージュースは精神同居によって無意識に操作されるものじゃない。 あのゼリージュースはあるモノとあるモノを交換するという新商品の味(ブルーベリー)。それは部分交換でも良いし、精神でも良い。 ただ今回、貴明は一滴の血を交換し、私は呆然としていた間に交換に差し出すものを考え、「茜音」という一個の身体を交換条件に出すことを決めた。 あまりに釣り合わない交換条件だと思うが、そうでもなかった。 私の身体をもらった一滴の血は、私の身体全体に行き届く訳もなく、私の精神のいくらかが身体に残ったのだ。よって貴明は私の身体を支配したのはほんの一握りであり、私が意識を持っていると彼は出てくることもなかった。 逆に残りの私の精神はどこに行ったのか?身体を失った私は、貴明が全裸で重なった時に、貴明が失った一滴の血の場所へと乗り移ったのだ。その瞬間、彼の記憶、記録、軌跡、全てが私に入ってきた。彼が何を思って、何をしたかったのか? 彼の復讐すらも私は読み取った。彼を読み取って重なった身体を放した――所要時間ぴったり十秒。 私の目の前に私がいた。私は貴明になっていた。 じゃあ貴明はどこにいったの? 一滴の血しか入らない場所に私の精神が入り込んだことによって、貴明の精神が耐え切れなくなって、消滅してしまったみたい。何も知らずにゼリージュースを飲んだ私が彼を支配してしまったとは、皮肉以外に何も言えない。 茜音は、貴明に見せる態度と同じように私に話しかけてきた。 貴明(=私)も、彼の復讐劇をなぞるように進めていく。私の言葉にだけ現れる茜音さん(=貴明)に笑いが出た。 オナニーの時は驚いた。私が昨夜やったオナニーを茜音さん(=貴明)はそっくりに真似たのだから。ゼリージュースの効果は凄いと思った。 後は彼の筋書きをなぞっていった。茜音の身体が弄り回される度に私は身震いした。茜音の身体をいたぶる度に違った感情が私の中にうごめいていた! それは、今も・・・ 「あん!あん!!すごい・・・貴明!痛い、けど・・・気持ちいいよ!!イク、茜音、イっちゃう!!」 「出すぞ!茜音(=私)」 「たかあ、ああああああんっ!!!!!」 私は茜音のあえぎ声を聞く度に興奮した!私が茜音を虐めるということに歓喜した!! これぞ究極のオナニー!!!! 私は究極のSだと実感した。 繋がった部分から二人の混ざり合った液体が垂れ落ちた。 肩で息をする茜音。快楽に流されて幸せそうな表情を浮かべていた。私はそんな姿を見て笑っていた。 貴明。あなたが私に勝てるはずがないのに・・・なんてバカなの。――安心して。あなたがわずか一滴の血だけになってしまったとしても、私はあなたを一生傍に置いてあげるからね。 貴明の居場所を知っているのは私だけなのだから。 アハハハハハハ・・・・・・ <あとがき> 「ゼリージュース-紫色の復讐-」をご観賞頂きまして誠にありがとうございました。 さて、こうして描かせていただきましたゼリージュースを使った復讐の話。ある人を憎んだ気持ちをみなさんも一度は持ったことがあるのではありませんか?貴明の復讐劇は、皆様にとって近いものになりましたでしょうか?しかし、私は思います。復讐という言葉からは悲しみしか生まれません。 この復讐劇も、復讐を逆手に取られ、貴明は茜音の奴隷となってしまいました。もし、彼がゼリージュースに頼らず、茜音を見返すほどの努力をやり遂げたとしたら違った結末があったかもしれません。元々愛し合っていた二人なのですからね(カタチは少し違っているような気がしますが・・・それも良し)。 いったい茜音は何を思ってオナニーしていたか・・・あー。想像が膨らみ、ナニからナニが込み上げてきそうです!!! では、この話はこれで終わります。ありがとうございました。 |