新聞部部長の苦悩

作:マロエ




「はぁ・・・どこかに大ニュースおちてないかなぁ・・・」
夕暮れの並木道。高校からの帰宅途中にある大きな公園で、ベンチに座った裕也は一人落ち込んでいた。
今日の新聞部での出来事が原因だった。

新入生が持ってきたニュース――先生と生徒がラブホテルに入っていくという動画が部員達に好評だったのだ。
3年で部長の裕也は、さっそくそれを記事にするように皆に伝え、自分もどういう風に記事にするか考えてはいたが、実は辛かった。
最近の記事はもっぱらこの新入生のお手柄だったのだ。
部長として、なんとしてでも次のニュースは自分が見つけたい。だが、そうそうニュースになるような事に出会えないということも、3年間もしていたら嫌でもわかっていた。

「くそっ」
なんとしてでも、今日中にニュースを見つけてやる。
意気込み立ち上がり、公園を出て行こうとしたところで、木々の隙間から向かいの道路を歩く女の人が見えた。
なんだか、女の様子がおかしい。
裕也は目を凝らしてじっと見つめた。
彼女は時折ふらつきながら、ピクンと体を震わせ、苦しそうに自分を抱きしめている。

「なんだ?」
気になった、裕也は学校指定のカバンからビデオカメラを取り出し、録画ボタンを押す。
女はとうとう力尽きたのか、その場に倒れこんでしまった。

だが、裕也は動かなかった。
新聞部部長としての勘だろうか。これはニュースになる。そんな気がしていたのだ。
倒れてる女を見て声をかけないというのは、人道的に問題があるかもしれないが、そんな事にかまっていられなかったのだ。

カメラをズームにして彼女を見ていると、ピクンピクンと手が少し動いたのが見えた。
遠くからではよく見えなかったが、カメラのズーム越しにはよく見える。

彼女は20代前半くらいだろうか。髪は少しカールのかかった茶色のロング、綺麗な肌によく似合う白いシャツ、デニムのミニスカートから伸びる両足には黒のニーソックスを穿いている。靴は少しヒールがあるソックスと同色の黒のパンプス。綺麗なお姉さんという感じだ。

じっと観察していると、彼女はむくりと立ち上がり、辺りを見回した。
そして、次にとった行動は、自分のシャツの胸元をあけて覗き込む、だった。
裕也は驚きはしたが、隠れてカメラをまわし続けた。
女はなかなか顔を上げない。どうやら匂いを嗅いでるみたいだ。
やっと顔を上げると、なんだか満足したような顔で今度は、デニムスカート越しに股間やお尻を触ったり、自分の足を撫でていたりする。

「なに、やってるんだ……?」
彼女は交通量は少ないとはいえ、道の真ん中で一人で自分の体を撫で回しているのだ。
おかしすぎる光景だろう。
一通り、自分の体を触った彼女は嬉しそうな顔でこっちに向かって歩いてきた。

やばい、ばれたか!
裕也はこっそりと椅子の裏側に隠れた。

彼女はミニスカートなのも気にせず、公園のフェンスを跨いで、近道で入ってきた。
もう少し先に公園の入り口があるにも関わらずだ。
足を大きく広げた分、デニムのスカートがもちあがる。
ニーソックスとデニムのスカートの間に見える、生足の面積が広くなり妙にドキドキしてしまった。
確か、これって絶対領域とか言ったっけ?詳しくは知らないんだけど……。

そして彼女はそのまま木々の生い茂った方へ向かって歩いていく。

「気づかれてない?」
裕也はそっと呟き、悩んだ末に彼女の後を追うことにした。

どんどん奥へ、人気がないところまでいくと彼女はそこにしゃがみこんだ。

「……草が邪魔して、よく見えないな」
裕也はカメラのレンズだけを草の間に通す、するとまたカメラ越しに彼女の姿を見ることができた。
距離的に近いからだろうか今度は声も聞こえる。

「へへっ、一度こんなお姉さんになってみたかったんだよなっ」
彼女の声は、可愛らしいものだったが、言ってることがよくわからない。

「さてと、このわがままな体をどうしようか……好きにしていいのよ?私あなたになにされてもいいの、よしよし、それじゃ……」

そう言いながら彼女はシャツを脱いで、ブラジャーをはずした。そして、一度立ち上がりパンツを脱いだのだった。
ええ!?予想してなかった行動に裕也は、あやうく声をあげるところだった。
だが、そこはさすが新聞部部長、すぐに冷静さをとりもどし、じっとカメラを向ける。
彼女は草むらに女座りして、両手で自分の胸を揉みだした。

「んぁ、ここきもちいぃ・・・ふふふ、もっと揉んでいいのよ」
両の指がいやらしく動き、大きな胸を変形させる。

「はぁ、な、なんて気持ちいいんだ。この体は最高だな、んふふ、そうでしょう?私淫乱なんですもの」

荒い息をしながらそんなことを呟いた。
どうなってるんだ?二重人格なのか?こんな綺麗な人が公園でオナニーするなんて……
裕也は興奮を抑えながら極めて慎重にカメラをまわし続ける。

「あぁ、いい、いいよ、あぁぁ……んんっ! もっと、もっと触ってぇ〜」
だんだんと大胆に胸を揉みだした彼女は右手だけ、デニムスカートの中へ手を差し入れた。

「さて、そろそろ下も濡れてきてるみたいだし……っと、あぁん!気持ちいい……」
残念ながら、この角度じゃ彼女のスカートの中は見ることができないけれど、くちゅくちゅと言う音だけでも十分だった。

「んあぁ!ここやばい!」
体を震わせ、一際大きな声で喘いだ。
しかし、なんだろうこのギャップは、裕也は彼女が彼女じゃないような気がしていた

「……けど、そこになんかドキドキするような」
小さく頷きながらも、レンズ越しに彼女の痴態を覗きつづける、裕也の股間は痛いぐらいに張っていた。

「いいぃ、いいぃよ、ああぁぁあ!!あなた、触るの上手いわねぇ、もっと、そこ触って〜」
彼女の長い髪は、汗で額にひっつき、口からは少し涎が垂れている。

「すごい、すごぉぉい!!んぁっ」
彼女は気持ちよさのあまりか、地面に後ろから倒れこんだ。その拍子に片方のパンプスが脱げる。
上半身は裸で下半身はデニムのミニスカート(中にパンツは穿いていない)に黒のニーソックスと片足だけのパンプス。
乳首はぷくっと尖っていて全身に汗をかいている姿は、すごくいやらしかった。

「んあぁ、いいぃ、いいぃよ、すご、んなぁあぁ!この女、かなり気持ちいい……」
彼女の細い指は的確に自分の気持ちいいところをついている。

「んんぁぁ・・・ふぅ、ふぅ・・・あぁん、ああぁん!!も、もうダメだ……」
左手で胸を揉み、右手はスカートの中で激しく動いている。

「あ、くる、くる、くる・・・んんぁ・・・ああああぁっぁぁぁぁぁぁあぁあああぁぁ!!!」
ニーソックスにつつまれた足がピンと伸びて、彼女はそのまま動かなくなった。
どうやら気を失ったようだ。

「すごい……」
裕也はカメラを止めて、この場から逃げようと立ち上がった瞬間、体が動かなくなった。

「え?あ、あれ……?な、なん……だ?うぅ……」
そして意識が闇に沈んでいった。





しばらくして、裕也は公園のベンチに座っていることに気がついた。

「……え!? あれっ!?」
陽はもう完全に沈み、あたりは真っ暗だった。

「ゆ、夢だったのか!?」
あんなリアルな夢……。

「そ、そうだ! カメラだ!」
裕也はカバンからカメラを取り出し、震える手で再生ボタンを押した。
そこには先ほどの彼女の痴態が録画されて、いなかった。

「そ、そんな……せっかくニュースが撮れたのに……ん、あれ…?なんだ、別ののファイルがある…?」
不審に思いながらも、裕也はそのファイルを再生してみることにした。
そこには、先ほどの女の姿があった。
よかった夢じゃなかったと思ったのもつかの間、裕也の声がカメラの中から聞こえてきた。

「あーあー。俺、裕也はこの女に今から顔射します」

「え? あ? お、俺?」
カメラの中の裕也は自分にレンズを向けてニタ〜と笑った後、大胆にも彼女に近づき、気を失っている彼女の胸やスカートの中を撮りだした。
そしてカメラを彼女と自分が写るように調節して木にひっかけた。

「俺? な、何をしてるんだ……」
混乱する裕也。なにがどうなっているのかわからない。
カメラの中の裕也は、勢いよくズボンを下ろして、いきり立ったものを扱き出した。

「え、ええぇ!?」
そして・・・彼女の顔に、精液をかけたあとズボンをはいて、

「すっきりしたぜっ!」
と、言って、裕也はカメラに近づき、スイッチを切ったのだった。
どうなっているんだ……?
もう画面には何も映っていないのに、ずっと見続けてしまう。

「俺が……俺が、あんなことを……?」
ベンチに座った裕也は暗闇の中、一人で落ち込んでいた。



翌朝、暗い顔の裕也が登校していると、新聞部の期待の新入生はニタニタした顔で挨拶していったのだった。

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