オンラインワールド

作:マロエ




「よ、よし、設定終了!」
今日から僕はオンラインワールドで勇者として冒険にでるんだ!

2025年。現在の技術でゲームの中に自分の精神を移すことが可能になっている。
ゲームの値段はすごく高いが、人気がありなかなか手にはいらない。それを、今日僕は手に入れた。
早速、プレイしてアバターを作る。モニターの中の僕は現実の自分とは正反対のがっしりした筋肉質の男性だった。

これでもう、バカになんてされないぞ!

「いくぞ!! ログイーーンッ!!」
力みすぎたのかその時、マウスがずれた。
クリック!!性別の欄が「女」にかわった。

「あ、しまったーーーっ!!」
叫んだが、動きだしたゲームは止まることはなかった。
「う、うぁぁぁ……」
僕の意識はそこでとぎれた。



気が付くと、見慣れた僕の部屋ではなく、見渡す限りの草原だった。
そこに僕はぽつねんたっていた。

「ここが、オンラインワールド…って、えっ!?」

僕の声がおかしい!?
視線を草原から自分の体に向ける。
そこには、見慣れたひょろひょろの僕の体はなかった。
青い鎧に包まれていてもわかる豊満な胸に、白いひらひらとしたロングスカート越しにでもわかる綺麗な両脚がそこにあった。

「こ、これが僕・・・?」
そっと、右手を喉にもっていくと、喉ぼどけはなく、すべすべした細い首があった。
震える右手でそのまま下に体を撫でていく。首元へたどり着く。

「ん・・・」
すごい!
シルクのような肌触りがした。
それになんだか気持ちがいいような・・・

「・・・こ、これが僕なんだ」
その時に気が付いた。
黒の短髪だった僕の髪が伸びて、黄金のような金色になっていること。
腰まである髪の毛が、なんだか不思議に嬉しかった。

草原の奥に視線を向け、アイテム袋から剣と盾を取り出し装備する。
僕は、その綺麗な脚で一歩、オンラインワールドの大地を踏みしめた。
予定していた筋肉アバターとはだいぶ違うけれど、これはこれでいいかもしれない。

「僕の旅、いえ、私の生まれ変わる旅が今はじまる!」

一歩、また一歩と、皮のサンダル越しに、草原の柔らかな感触が脚に伝わる。
そして、その両脚を動かすごとにゆれる白いロングスカート。
スカートのやさしい生地が擦れて、少し気持ちがいい。

「スカートってこんな感じなんだ・・・」

僕は頬が緩むのを感じた。
おっと、いけないいけない。勇者が自分のスカートを見てニヤニヤしてたらかっこ悪いよな。
気をひきしめて、新たに一歩踏み出した瞬間!

ビビッ!!ビビッ!
両脚に電気が走った。

僕は一瞬何が起こったかわからなくなった。
痛みはない。

「なっ、なに!?」

身長に辺りを見回すが、特に変わった様子はない。
深呼吸一つ、気にせず歩き出そうとしたが・・・。

「あれ?脚が動かない」
脚を軽くひらいたままの格好で固まってしまったのだ。

「ど、どうなってるんだ!?」
下半身が、まったくいうことをきいてくれない。

「え?なんで?どうなってるんだ?」
おちつけ、おちつけ、僕は勇者なんだ。
これはトラップか魔法だ。
解除する方法があるはずだ…。

僕はそのままの格好で目をつむり考え始めた。



だから僕は気づかなかった。脚の間、軽くひろがったロングスカートの中に、地面の影から手が伸びゆっくりと入ってきていたことには・・・。

「う〜ん・・・トラップを解除するには、ひぁん!」
考えてる最中に突然股間を撫でられたような感触。自分でも想像していなかった、かん高い悲鳴が僕の口から出た。

「え? な、なに?・・・あぁん」
もともとは男がついてた場所を通り越して、女になってる部分を触られる。
かなり、変な感じがする。

「ぅぁ…な、なんだよ・・・これ・・ぁん」
股間の感じからして、下着は穿いているはずなのに、まるで直接触られてるような違和感。

「っく・・・これじゃうまく考えられない」
触られる感じからして、それはなんとなく人の手ということには気がついたが、僕の下半身は動かないのでスカートの中で何が起きてるかはまるで見えない。
モニュモニュとお尻、股間を攻められ続ける。
だんだん、僕の下半身が熱をもってきていることや、体が疼いてきているのがわかった。

「あっ!だめ!気持ちわるいけど・・・気持ちいい?あぁぁ・・・」
下着をつけているというのに、僕の股間をさわっている手は、なんと下着を通り越して女になっているアソコに指を入れてきた。

「あぁん!そ、そこはだめ!!・・あぁぁぁぁぁ!!」
手の感じからして中指だろうか・・・それが今、僕の股間にはいっている。

「うぁ・・・な、なんだこれは・・・」

「ど、どうなって・・・ぁあぁん!!」
またもかん高い悲鳴。股間にはいってる中指が動き出したのだ。
クチュクチュといやらしい音がスカートの中から聞こえる。

「あ、だめ…あぁん、あぁ・・・や、やめ・・・」
大きな手はいったん動きを止めると、人差し指も差し込んできた。

「んああっ!はあっ、ああっ……ああんっ」
男では感じたこともない快感が身体を襲う。
広い草原にクチュクチュと淫らな音が響く。

「あっ……ああっ…はぁ、はぁん」
勇者の僕の口からはまるで娼婦のような喘ぎ声しかもうでてこない。

「うああっ……ああっ……はぁ、はあ〜っ……これは…だ、だめぇぇえ!!」

「あひっ!あひっ!お、お腹がっ……ああっ!んああっ……はあっ、はあっ、はあっ」

お腹がふくれあがってるのがわかる。
下着がビショビショなのもわかる。
ダメと言いながらやめないで欲しいとも思ってる自分に驚いた。

「ああっ……だ、だめだっ……いいっ、いいよ……イク、イクッ……これが女のイクなのかな……はあ、はああ……んあああっ!」

「ああっ、いいっ!いいっ!だめ!だめだ!ひ、ひぃっ!ひぃぃっ!いくぅぅぅ!ふぁぁぁあああああ!!!」
ジョーーー・・・僕の股間から何かがでてきた。

「はぁ・・・はぁ・・・」
目が潤んで前がよく見えない。
いまだに下半身は動かないままだったけど、それでよかった。
でなければ、多分草原に倒れて起き上がれなかっただろう。
下着からポタポタと液体が落ちている。
それが自分のおもらしと愛液だと気がついたのはだいぶたってからだった・・・・・・。



草の影に隠れていた二人の男の会話――

「な? 初心者をPK(プレイヤーキル)するよりおもしろいだろ?」
「だな、あんな綺麗なアバター見たことないしな」
「なぁ、そろそろ、トラップ解除してやれば?」
「ん? あぁ、そうだな! ニヒヒ」

「「あははは、ふらついて尻餅ついてやんの、よっぽど気持ちよかったんだぜ!きっと!」」

男達は腹を抱えて笑いながら、倒れた女勇者を見ていた――。






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