俺と”マドカ”と入れ替わりの本
 作、挿絵:JPG






「ここは試験にもよく出るから忘れないでね。じゃ、きょうの授業は終わります」
俺が言うと塾生たちは挨拶をして帰り支度を始める。

「俺も帰るか。あー、疲れたなあ。あっ、田崎さん!お疲れさまです!」
「佐藤くん、お疲れ様でした」
俺は廊下で田崎さんに会い、ドキドキしながら挨拶をした。
田崎加奈さんは俺が教えている学習塾の先輩教師だ。といっても歳は俺のひとつ下だが。
人に心を開かず喜怒哀楽を出さない。小柄で左利き。
初対面で一目惚れして、今まで何度もデートに誘っているのだが…
「田崎さん、週末どうするんですか?俺、ネットでいいカフェ見つけたんですけど、生徒たちの情報交換も兼ねて行きませんか?」
「家でゆっくりしたいので」




「あーもう!クールすぎて歯が立たない!うあー!田崎さんー!」
不完全燃焼のもやもやが収まらず、俺はなじみの風俗嬢のマドカに荒々しく性欲を叩きつけだ。
こいつは田崎さんと真逆だ。すらりと背が高くて巨乳でバカ。オシャレと遊びが大好き。誘えばいつでも嫌な顔ひとつせず大喜びでついてくる。
初対面から異常にフレンドリーだったが、やつに言わせれば誰にでも心を開くわけではなく、俺だったからとのことだ。光栄と言っていいのか。
ま、なんでも話せる気軽さもあって、半ば友達、半ば彼女みたいな感じでもう長い付き合いだ。

「友生まだ田崎さん諦めてないのー?へへ~。今日はあたしが田崎さんになってあげようか?
えー…ウン、コホン…
佐藤くん、お疲れ様。あ、あの…わたし、男の人とどうやって話したらいいかわからなくて…それで、話しかけられてもついそっけなくしてしまって…。本当はすごく嬉しいのに…。本当はずっと前から佐藤くん、いえ、友生くんが好き…」
マドカは上目遣いで瞳をうるわせ、俺の目を見つめてきた。
強い視線なのに、自信がなさそうな怯えた瞳。
いつものふにゃふにゃな喋り方ではなく、田崎さんを思わせる硬質で透明感ある声にガラリと変わったマドカに俺は驚愕し、思わず居住まいを正した。
そっと俺の首に腕を回し体を密着させてくる。
「ん…加奈は友生くんのものです…。恥ずかしい…」
熱い吐息。おずおずしたキス。歯がカチッとぶつかる、なれていない人のキスの感じ。

マドカと田崎さんは見た目が全く違うのだが、だんだん田崎さんに言われているような気がしてきて俺は興奮し、目の前の女体を狂おしいほど愛おしく感じた。
思わずマドカの姿の田崎さんをしっかり抱きしめ、お互いをむさぼるように愛し合った。
「わたしっ!毎日っ!友生くんのことばかり考えてっ!ひとりでいやらしいことしてる加奈をいっぱい叱ってっ!友生くんっ!友生くんっ!もっと強く加奈を抱きしめてっ!」
「ううっ…。加奈っ、加奈っ…。好きだっ…!」

「ああーっ!!思い出した!!」
もういくというタイミングで突然マドカがとんでもない大声を上げ、ビクッとした俺はちょっと中に出してしまった。
「な、なんだよ!」
「思い出した!ね、友生。あんたの夢かなうよ!」
「どゆこと?」
「あたし13歳まで田舎のおばあちゃんの家に住んでたんだ。もう死んじゃったけど。そのおばあちゃんが不思議な本を持ってたんだよね。それがあればあんたの夢かなうよ!」
「夢って」
「本物の田崎さんとセックスしたいんでしょ?」
「セックスしたいっつうか…」
「心はあたしだけどね」
「は?」
「あした田舎に行ってくるからちょっと待っててね!ていうか今から田舎帰るから友生はもう帰って!」
何が何やら分からぬまま、俺は半ケツ状態で部屋から叩き出された。


二日後、塾のバイトが休みの日、俺はマドカと駅前のファーストフード店で落ち合った。
あいさつもそこそこに、マドカはブランドのかばんから、それに似つかわしくない古い本を出して机の上に置いた。
「これよ、これ。ひひひ。友生。あんたこれから楽しみにしといてね」
マドカは何かを企んだ顔でニンマリと笑い、呆然とする俺を残してさっさと店から出て行ってしまった。


部屋に帰った俺はAVを観はじめた。
この女優は少し田崎さんに似ているので、かれこれ10回はリピートしている。
「はあ~。田崎さんとデートしてぇなあ…」
ぼやいているとチャイムが鳴った。
ん?なんかネットショッピングしたっけ?ビデオを切って玄関のドアを開けると、田崎さんが立っていた。

ポカーンと立ち尽くす俺に田崎さんは
「佐藤くん、こんにちは。遊びにきました」
と言った。
田崎さんはいつも着ている野暮ったい膝丈コートを着て、コートの下からは黒タイツとぺたんこ靴を穿いた華奢な脚が伸びている。

我に返った俺がどもりつつ
「えっ!?田崎さん、今日仕事じゃありませんでしたっけ?ていうか、何で俺の家知ってるんですか!?」と言うと、
「佐藤くんに会いたかったので仕事を勝手に休みました。住所は塾の重要書類が入ったロッカーの鍵を盗んで、佐藤くんの履歴書を見ました」
「え、田崎さん、いままで一回もお休みとったことないのに…。なんで…」
「部屋に入れてください」
小柄な田崎さんはドアをおさえる俺の腋の下をするりとくぐって玄関のたたきに腰掛けるや、呆然と見つめる俺を尻目にぺたんこ靴を脱ぎ、勝手に部屋に入っていった。

田崎さんはベッドに腰掛け、ほっそりした脚をぶらぶらしている。いつもの無表情で
「佐藤くん、わたしのタイツ脚どうですか?興奮しますか?」
「えっ、あっ、かわいいです」
「嬉しいです。もっと言ってください」
「田崎さんは世界一かわいいです」
「わたしはもう嬉しくてまん〇が大洪水です。パンツも見たいですか?」
「えっ!?」
「でもだめです」
「はい」
「いま、パンツを穿いていませんから」
「はっ!?」
「コートの下はこんなですから」
言うや田崎さんは露出狂がチンコを見せつけるときの動きでコートの前をはだけた。
田崎さんはY字型のヒモ水着に黒タイツを穿いただけの格好だった。

「どうですか?わたしは変態ですか?田崎さんは変態。変態田崎さん」
田崎さんは何故か自分を苗字読みのさん付けで呼んだ。

「佐藤くん、あ、あの…わたし、男の人とどうやって話したらいいかわからなくて…それで、話しかけられてもついそっけなくしてしまって…。本当はすごく嬉しいのに…。本当はずっと前から佐藤くん、いえ、友生くんが好き…。それできょう、加奈は友生くんに気に入られるためにいっぱい勉強して、こんな媚びを売るための服を着てきました。友生くん、加奈を可愛がってください。加奈を友生くんのものにして」
コートを脱ぎ捨て、ほとんど裸になった田崎、いや、加奈さんが俺に抱きついてきた。小柄な加奈さんのつむじが見えた。そのままベッドに倒れ込む。
「加奈、友生くんの乳首いっぱい舐めてあげる」
きれいな小さいピンク色の唇から、きれいな小さいピンク色の舌を出し、加奈さんは俺の乳首を舐めながら右手で俺のものをしごいている。
「友生くん、加奈の小さくて細い指でしごかれて気持ちいいですか?」
「うう…は、はい。憧れの加奈ちゃんにこんなことしてもらって、めちゃくちゃ幸せです」
「加奈、左利きだけど、いまは右手でしごいてるでしょ?どうしてかわかる?」
「いいえ、わかりません」
「心はマドカだからよ」
「…はっ!?」
「キャハハハハ!ねぇ~ん友生くぅん。加奈、マドカちゃんに体乗っ取られちゃったぁ!」


田崎さんの体と声のマドカが語った。
「例の本で、あたしと加奈ちゃんの体が入れ替わったのよ。あたしの体の加奈ちゃんは、あたしのマンションで眠ってる。
あたし、他人になるの好きだったんだよね。他人を演じるっていうか。
それはおばあちゃんのおかげ?せい?なんだ。
それまでは外で男の子と遊んだり、女の子の友達と花を摘みに行くのが好きな、どこにでもいる普通の子供だったんだけど

小学校5、6年の頃かなー。座敷でテレビ観てたらおばあちゃんに呼ばれて
「おばあちゃんは元気だけど、”若い頃の無茶”のせいで足がちょっと悪いから、歩くのだけが大儀なんだ
晩ごはんの買い物に行きたいから、マドカちゃんの体を”ちょっと”貸してくれないか」
って言ったんだ。

なんのことかわかんなかったけど、おばあちゃんは古い本を取り出して「この本で二人の体を取り替えられるんだよ」って言うんだ。
あたしは遊びのつもりで「やってみて」って言うと、おばあちゃんは本に書いてある文字を読んだ。そうしたら本当にあたしはおばあちゃんになって、おばあちゃんがあたしになっちゃった。
おばあちゃんの体はすごく重くて、動かそうと思ってもあまり動かなかったし、脚がめっちゃ痛かった。
あたしの目の前であたしの体が勝手に動いて、「いま、マドカちゃんの体にはおばあちゃんが入っているんだよ」って言った。あたしの声で。

それから毎日、おばあちゃんはあたしの体で買い物に行って、晩ごはんを作ってくれるようになった。
おばあちゃんと入れ替わっているときに本の使い方を教えてもらって、もとの体に戻るときはあたしが本の文字を読んだ。
おばあちゃんがあたしの体で買い物に行ってる間、おばあちゃんのふりをして近所の人と話すの。誰もあたしだって気がつかないんだよ。それがおもしろくておもしろくて、病みつきになっちゃって。
おばあちゃんのおかげ?せい?で、「他人になる」楽しさに目覚めたんだと思う。絶対。


あたしの最初のターゲットは、あたしを「都会から来た生意気な子」って意地悪してたクラスの中心の女の子だった。
その子と入れ替わって、その子の体でセックスの練習したんだ。
近所に3歳くらい歳上のちょっと知恵が遅れてる男の子がいて、その男の子にあたしに意地悪してた子の体を抱かせてあげた。
もちろん初めてだったから痛かったけど、だんだん気持ちよくなって、いじめっ子の体でいっぱい腰を振ったりベロチューも何回も何回もした。
あたしになったいじめっ子は発狂して「あれはあたしじゃない!あたしがあたしなのよ!」ってずっと叫んでたけど、そんなの他人が聞いても意味がわからないよね。
もう少し頭がよかったら、ちゃんと人に説明できたかもしれないのにねー。
ま、いま思えば、いじめって言ってもたわいもないものだったし、そこまで仕返ししなくてもよかったかなってちょっと思うけど。
その子は自分の体がセックスして腰振ってるのを見て頭がバカになっちゃった。
きれいな子でプライド高かったから、自分のみっともない姿に耐えられなかったんだろうね。あんなにもろいとは思わなかったけど。
もとの体に戻るまで、さっきまで自分だった体がケラケラ笑いながら手足をヒラヒラしてるのを見るのはけっこう気持ち悪かった。

あたしもだんだん巧妙になって、眠っている体と入れ替わるようになったんだけど、いろいろやってホントおもしろかったなー。
成金のおじさんになっておばあちゃんの家に大金置いてから戻ったり、
貞淑なふりしてお金取ってセックスしてた若い未亡人の体で全裸になって走り回って自分の正体を大声でわめいてから元に戻ったり、
事故でずっと植物状態で寝たきりの女の子になって、お母さんの前でスケスケの下着着てセクシーダンスを踊ってみせたこともあった。寝たきりだったからその体は肌が透き通るように白くて綺麗だったけど、毛の処理してないから、お尻のほうまでタワシみたいな剛毛がびっしり生えててそこだけ違和感がすごかったな。お母さん腰抜かして「ばばばば」しか言わなくなっちゃった。
若い男になってたまたま通りかかっただけの女の子を犯しちゃったしたこともあったなあ。無理矢理犯されて泣いている女の子と入れ替わって、今度はさっきまであたしだった若い男を逆レイプしちゃったけど。

自分以外の二つの体を入れ替えられることもわかった。
農作業してるおじさんをトンボと入れ替えたら、おじさんはいきなり田んぼに腹這いになって、羽ばたくみたいに手足をバタバタし出した。口をモグモグというかワシャワシャというか動かして、よだれの泡がいっぱい出てた。トンボになったおじさんは、いっぱい探したんだけど見つからなくて、おじさんはトンボになっちゃった。
いじめを見て見ぬふりをしてた担任の30歳くらいの女の先生を、クラスで飼ってたネズミと入れ替えてやったこともあるよ。スカートなのに脚を開いて床にお尻から座ってる先生の前に給食のパン屑バラ撒いたらハイハイしながら食べてた。途中でめっちゃ大きいおならを「バブッ!」てしておもしろかった。いつもは「みんな仲良くしましょう』とか「学ぶことは大事です」とか真面目な顔で言ってるのにね。

かなりやばいこともあったけど、みんな、「人の中身が入れ替わる」なんてことはありえないと思い込んでるから、最後はいつも「あいつは頭がおかしくなった」ってことで落ち着いて、結局一回もバレなかったよ。

色々な体でどこが感じるのかをいっぱい体験したから、あたしは誰よりもセックスが上手くなったんだよね。

あっ、実はおばあちゃんは、前は別の人だったんだって。一目惚れしたおじいちゃんを射止めるために、いまのおばあちゃんの体に変わったって。
本当のおばあちゃんの体は頭はよかったけど、ガリガリで眉毛がつながってたって。
死ぬまぎわ、最後におばあちゃんに会ったとき言ってた。
「マドカは、いまのおばあちゃんの体の若い頃と瓜二つだねえ」って。

「”マドカと入れ替わったら、おばあちゃんはまだまだ生きられるけど、かわいい孫にそんなことはしないからね”」

って」

マドカが入った田崎さんの長い話を聞き終わり、俺は戦慄した。

『マドカの祖母の体が他人のものならば、俺がよく知っていたはずのマドカとは「何」なんだ?
血が繋がっていたはずの本当の祖母は、別人として、別の人生を強制的に歩まされてしまった。それならマドカ、お前は何者なんだ?』

しかしそれを問うことは、今までの話を全て事実だと認めることになるので、俺は恐ろしくてできなかった。

「それそろ来るころね」
「え、来るって誰が?」
「スマホに、ここにいるって書いておいたから」
「だから…」

玄関が開いて泣き顔のマドカが入ってきた。
「わたしの…わたしの体を返してください!」

「いいよ。返してあげる。でも、あたしの体で友生とセックスしたらね」
「えっ!?わ、わたしはそんなことできません」
「遠慮しないで~。そのあたしの体ヤリマンの風俗嬢だから。加奈ちゃん、まだ男の人と付き合ったことないでしょ?普通初体験はすごく痛いけど、開発済み感度ビンビンの体で初体験できるのよ~。超ラッキーじゃん!」
「そんなことはわたしは必要ありません!わたしの体を早く返してください!」
「おい、優しくしてりゃあつけ上がってんじゃねぇぞ?お前を戻してやるかどうかはこっちが決めるんじゃ!グチャグチャ言ってねぇで早くやらんかい!」
マドカは田崎さんの体と声でいきなり啖呵を切った。本当の田崎さんなら絶対にしないであろう暴力的な目つきと態度を見て、何故か俺は密かに興奮した。
「…なーんてね!いまのは男になったとき身につけた啖呵の切り方よぉん。そしてこれも…」
マドカ(体は田崎さん)は素早く田崎さん(体はマドカ)を羽交締めにした。
「ひっ!?」
「さあさあ友生。はやく加奈ちゃんに初体験させてあげて~!」
「やだあっ!怖い!やめてぇ!佐藤くん!怖いよおぉぉ!」
田崎さんはマドカの体でよだれと鼻水を垂れ流して無様に号泣している。
しかし鼻水を垂れ流して無様に泣いているのは本当はいつもクールで完璧な女、憧れの田崎さんなのだと思うと、俺のものは興奮で痛いほど硬くなった。
「田崎さん、俺、ずっとあなたが好きでした。体は俺の友達のマドカだけど、俺は田崎さんを抱きます。心は田崎さんだから。俺は田崎さんが好きです。大切にするので、どうか俺に抱かれてください。俺の気持ちを受け取ってください」
「…佐藤くん」

俺はマドカの体の加奈さんを抱いた。マドカが加奈さんの顔でニヤニヤしながら俺たちを見ていた。
加奈さんはおびえていた。俺は壊れ物に触るように、大切に大切に加奈さんを扱った。最後ちかく、加奈ちゃんは俺の体を抱きしめてくれた。

「こんなことは汚いと思っていたけど、…悪くなかった。うれしかった…。佐藤くんだけは受け入れられます。あの、マドカさん、わたしを自分の体に戻していただけませんか?そして、佐藤くんに、わたしの体にキスしてほしいです…」
加奈ちゃんはマドカの顔を真っ赤にしながら、聞こえないくらいの小声で言った。


「田崎さん、きょう、授業が終わったらどう?」
俺はバイト先の塾で加奈に声をかけた。
加奈は顔を真っ赤にして何も言わない。
「そっかー。じゃあ残念だけど、今日はマドカと2人で楽しむしかないかー。残念だなぁ~」
「!あ、あのっ!わ、わたしも参加します…!させてください…っ!あの…わたし、友生くんの体を使いたい…」
消え入りそうな声で、しかしはっきりと加奈は答え、以前より短いスカートを穿くようになったそのスカートの裾を持ち上げた。
「授業のあとでどう?って言われただけで、もうこんなに…」
チラッと見えた子供っぽいダサいパンツの股間にはっきりシミができていた。

俺らはマドカの本で、体をシャッフルしてセックスする遊びにハマった。
俺は加奈やマドカの体で、中身が加奈やマドカになった俺の体に犯される悦びの虜になった。
加奈の体で犯されるとき、俺は本人ならば絶対にしないようなこと…舌たらずな知能が低そうな喋り方をしたり、売春婦でも言わないような卑猥な言葉を使っておねだりをしたり、お尻の穴を使うことを心掛けた。加奈自身も知らない、加奈の全ての可能性を引き出し味わいたかったのだ。
高嶺の花だった加奈の体を俺の思い通りにするのは最高の快楽だ。外部から加奈を支配するのではなく、言葉通り、俺が加奈体を動かすのだ。快感じゃないわけがない。

ときどき、加奈の体でデートに出かけることもある。痴女のような服を着た加奈の体で人通りの多い場所を歩くのはセックスとはまた違う甘い快感だ。
ノーパンノーブラで出かけるのが常なので、タイトな服を着た日は興奮で乳首がくっきり浮き出ているのが丸わかりになる。
すでに何人かの加奈の生徒が、中身が俺のときの加奈を目撃しているらしく噂になっているという。

俺の体の加奈は自分自身の恥ずかしい姿を見せつけられ「やめて…もう帰りたい…」と言うものの、帰宅してから貪るように自分の体を犯す。
いままでずっと自分だった体が他人の意思で好き勝手に動かされ、自分の体なのに自分で全くコントロールできないというもどかしさ、無力感。
プライドが高いだけにショックなようだが、男の体で自分自身を犯すことで自分の体を思い通りにコントロールしているというねじれた支配欲を感じているようだ。
いままで理性で抑えていた欲望のタガが外れた上、興味を持ったことはとことん追求しなければ気が済まない加奈が、俺ら3人の中で一番狂っているのかもしれない。
加奈の脳はもう治らないだろう。



その日は久しぶりに、俺は自分の体でマドカとセックスした。

ことが終わったあとの気だるいひとときに、俺はマドカからおばあちゃんの話を聞いて以来、どうしても頭から離れなかったある疑問を口にした。

「なあ、マドカはおばあちゃんと入れ替わったことがきっかけで他人になるのが好きになったんだろ?
なのに、どうしてせっかくおばあちゃんがくれた本を田舎に置きっぱなしにしたの?」

「”もう必要なかったからね”」

“マドカ”は笑って言った。















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