落し物をした俺が、運よく届けられた落し物を受け取りに警察署に行った時が彼女との最初の出会いだった。
「お前が落としたものはこれか?」
「はい、そうです」
「この書類のこことここに記入するんだ。記入したら、これを持ってさっさと帰れ」
「先輩、ちょっと言い過ぎです。良かったね、君。もう落とすんじゃないよ」
無愛想に俺に書類を差し出す女性警官の横で、そう言って俺に向かってかわいく敬礼してにこっと笑ってくれた女性警官。それが愛しの愛ちゃんだった。






愛しの愛ちゃん

作:ecvt
画:ライオン丸


俺は、落し物をしたときに丁寧に対応してくれた婦人警官に恋をした。
しかし、
彼女はレズであった。

かなりの美人ではあるが、あの時めんどくさそうに高飛車な態度で対応してきた彼女の上司である婦人警官に恋をしていることがわかってしまった。

(くそっ、何であんな女にっ!)
俺が女上司のことを強く念じたその時、視界が真っ暗になった。
気が付くと、部屋にいたはずの俺は街中にいたのだった。
(ん・・・!?どうなったんだ?)
「先輩、どうしたんですか?」
俺が辺りを見回していると、声を掛けられた。
(ん?)
振り向くと、俺が恋をした婦人警官、山根愛が立っていた。
「先輩・・・?」
彼女を俺のことを先輩と呼び、心配そうにこちらを見つめている。
下を向くと、俺は婦人警官の服を着ていて、胸には大きな二つの膨らみがあった。
(な、なんだ、これは・・・!?)
俺は慌てて道路にある鏡に駆け寄った。
するとそこには驚いた顔をしてこちらを見つめるあの高飛車な女上司、高瀬美野里が映っていた。
俺が右手を挙げると鏡の中の彼女も右手を挙げ、ウインクすると彼女もウインクした。
胸を揉むと鏡の中の彼女も揉んだのだった。
「あんっ・・・こ、これは・・・はっ、声も・・・」
声もあの女独特の色っぽい声に変わっていた。
「あー、あー、私は高瀬美野里」
そういいながらスカートをめくると、鏡の中の彼女もそうした。



(わぁ、何でも思いのままだ!それに彼女の声で何でも言わせられる・・・そうだ、なんだかわからないけど俺は、あの女上司、高瀬美野里になったんだ!コレは面白いことになりそうだ)
心配そうに俺を見つめる彼女を見ながら、俺は心の中でほくそ笑んだ。
(クックックッ・・・って、何で私が自分で自分の身体が思い通りに動くことで喜んでたのかしら・・・っんん!?こいつの意識も混ざってやがるのか?って、何で私は自分のことを、こいつ、だなんて考えたのかしら・・・私はおかしくなってしまったの!?あぁー!)
どうやら高瀬美野里の魂に、俺の意識が混ざり混んだようなのだ。
彼女はパニック状態だ。
俺はなんとか彼女を落ち着かせようと考え、彼女に介入した。
(あぁ、私は病院に行かないと・・・なんてことはどうでもいい、そういう細かいことは気にしないようにしよう!・・・そうよ、そんなこと気にしたなんてバカらしい!さっ、仕事に戻りましょう!)
「なんでもないわ。駐禁の業務に戻るわよ!」
どうやら俺の意識の方が優先権が強いようで、彼女はケロッとして通常業務に戻ったのだった。


(警察の業務はわからないから、まんま彼女にやらせて、俺はちょくちょく介入するとしますか・・・)
俺は美野里に通常業務をさせながら、ちょくちょく介入して胸元のボタンを一つ外して谷間を見せたり、ワザとスカート捲り上げてからしゃがんで、パンティを愛ちゃんに見せつけながら愛ちゃんの赤らむ顔をや反応を楽しんだ。







美野里は、変な行動をしているにもかかわらず、全く気にせずに業務を続けたのだった。
(この体で愛ちゃんにお触りしても全く嫌がられないし、下を見れば美野里の巨乳を眺め放題。まさに天国だな!フフフ・・・)
移動中のミニパトの助手席で、バックミラーに映る自分の姿を眺めながら、美野里の顔には自然と笑みがこぼれた。
「先輩、今日はなんだか気分良さそうですね!何かいいことでもあったんですか?」
愛ちゃんが俺にそう聞いてきた。
「フフフ、なんだかわからないけど、すごく天国にいるような幸せな気分なのよ」
俺と魂が同期している美野里は、俺と同じ気持ちなのでそう答えながら、しげしげと自分の胸を眺めたのだった。
バックミラーには、まるで俺であるような男の表情で自分の胸を眺める美野里が映っていた。
俺はその様を眺めていると、だんだと興奮してきた。
(この美野里の身体をじっくり見てぇよな!どっか個室で一人になれるところはねーかなぁ・・・そうよ、トイレがいいわ!トイレに行きましょう!トイレで自分の身体をじっくり見たくなっちゃったわ!私ったらナルシストになっちゃったのかしら!)
「山根さん、私、トイレに行きたくなっちゃったから、そこのモールに入って頂戴」
俺の考えにシンクロした美野里は、トイレに行こうと考えると、愛ちゃんにそう命令したのだった。
「はい、先輩!」
愛ちゃんはそう答えると、ミニパトをモールの駐車場に入れたのだった。


モールの女子トイレに入った美野里は、用を足した。
(ふぅ、でも何で急にトイレに行って自分の身体なんかじっくり見たくなったのかしら・・・やっぱり私、おかしく・・・ないよ!そんなこと気にしないで服を脱ごうぜ!)
俺は不安になった美野里の考えにそう介入すると、彼女は服を脱ぎ出した。
彼女は黒いレースの下着にストッキング姿になった。
(うひょー!いい眺め!・・・って、いつも見てる姿じゃない、なんで興奮するのかしら・・・



って、やっぱりおか・・・しくなーい!もういちいち介入するのめんどくさくなってきたな!)
イライラした俺が強く念じると、美野里の意識が俺の意識の中に溶け込んでいくのを感じた。



「はっ、今、何が起きたのかしら・・・?」
俺の口から自然と美野里の口調で台詞がこぼれた。
「私の意思は俺なんだけど、美野里の記憶や仕種も自由に引き出せるわ・・・俺が私、高瀬美野里の全てを支配下においたってワケなのね!オホホホホホホホホ!」



自然に出る口調や仕種は美野里のもので、意思は俺ということのようだ。
(こいつは便利だぜ!)
「これは便利よね!」
自然と美野里の口調で台詞が出てくる。
(さぁて、じゃあじっくりとコイツの裸を拝ませてもらうとしますか!)
俺は手慣れた手付きでブラを外してストッキングとパンティを脱ぐと、便座に腰掛けたのだった。

「確か私はいつもこんな感じでオナニーをしてたのよね・・・」
俺は美野里の記憶通りにオナニーを始めたのだった。
(あぁ・・・こりゃいいぜ・・・本人の記憶だから、気持ちいい場所を知り尽くしてやがる・・・)
「あぁ・・・これはいいわ・・・本人の記憶だから、気持ちいい場所を知り尽くしてるわ・・・」
口からは自然と美野里の口調に変換されて台詞が漏れる。
「あぁっ、イ、イクっ、あぁあぁぁぁぁぁあっ!」



美野里の身体でイッた俺は、グッタリと便座に屈み込んだ。
(あぁ、女の身体って、こんなに気持ちいいもんだったのかよ・・・知らなかったぜ・・・男と違って際限ないぜ・・・)
「あぁ、女の身体って、こんなに気持ちいいものだったのね・・・知らなかったわ・・・男と違って際限がないわ・・・」
俺はそう言いながら左の手首をひねって腕時計を眺めた。
(おっ、女の向きでつけられてた腕時計も自然に見られたな)
「あら、もうこんな時間。愛ちゃんが心配するわ!まったく、この身体ったらスケベすぎて困っちゃうわ!」
そう言った俺は立ち上がると、慣れた手付きで女物の下着とストッキング、婦警の制服を身に付けたのだった。

個室を出た俺は、鏡の前に立った。
「うーん、私ったらホント、スタイルがいいわぁ!うっふーん!」
鏡の前で色々と色っぽいポーズをとって楽しんでいると、化粧直しに来た女性がトイレに入ってきて隣に立って化粧直しを始めた。
彼女は鏡に向かって色々とポーズをとっているおかしな婦警の姿に、怪訝な表情を向けてきたが、俺は気にせずに続けた。
(うーん、いいねぇ!でも、なんかインパクトが足りねーなぁ・・・)
「うーん、いいわぁ!でも、なんかインパクトが足りないわね・・・」
そう言った俺は、スカートをパンティギリギリまで短く捲り上げると、ネクタイを外してシャツのボタンを二つ外して谷間を強調したのだった。
「うん!これでバッチリだわ!」
そう嬉しそうに言った俺に、隣の女性の冷たい視線が刺さる。
「ちょっと、なに見てるのよ!グダグダいうなら逮捕するわよ!」
俺はそう言うと、高瀬美野里の警察手帳を見せ付けた。
女はスゴスゴと女子トイレを後にしたのだった。
「あっはっは!いい気味ね!さて、私は愛しの愛ちゃんのもとに戻るとしますか!ラララーン!私は愛ちゃんが好きな高瀬美野里なのよー!」
俺はスキップしながら女子トイレを後にしたのだった。


「うふふ・・・愛ちゃん、かわいいわ・・・」
「う、嬉しいです、先輩・・・でも、こんなところで・・・」

ミニパトに戻った俺は、色っぽい格好の美野里の姿に簡単に悩殺された愛ちゃんと、早速のカーセックスに及んだのだった。





(あぁっ、お、女同士のエッチってこんなのいいもんだったのかよ・・・俺、病み付きになりそうだぜ!)
「あぁっ、お、女同士のエッチってこんなにいいものだったのね・・・私、病み付きになってしまいそうだわ!」
あまりの気持ち良さに、俺の口である美野里の口からは思わずそんな台詞が漏れた。
「嬉しいですぅー!私、ずっと先輩のコト・・・大好きでした!私の恋人になってください!」
愛ちゃんが俺に見かって愛の告白をしてきた。
(おぉっ、愛しの愛ちゃんからの愛の告白!確かに嬉しいけど、告白している相手は俺じゃなくて、この高瀬美野里なんだよな・・・きっと俺は元の身体に戻っちゃうんだろうし、そうなると、コイツと愛ちゃんを恋人同士にさせるのもシャクだな・・・でも待てよ、元の身体には戻れるのか?っていうか、俺の身体はどうなってるんだ?)
俺は激しく美野里の腰を動かしながらも漠然とこんなことを考えていた。
すると、視界がダブってくるのがわかった。
(あ、あれ?もう一つの視界は・・・俺の部屋!?そうだ、俺自身の視界だ。美野里の脳と俺の脳と二つあるからか、美野里を動かすのにまったく影響なく、自分の身体の方も自由に行動できるぜ!それに感覚も自由に繋いだり切ったり出来るぜ!)
俺は美野里の方ではそのまま腰を動かし、俺本体の方はズボンをおろしてオナニーを始めた。
(おぉ!こうすると、二つの視界がシンクロして、俺本体は愛ちゃんとエッチしてるみたいだぜ!)
「あぁん!先輩っ・・・私の告白っ・・・受け入れていただけますかぁ?あぁっ・・・!」
快感に溺れながらも、答えを待ちきれない愛ちゃんは俺にそう聞いてきた。
(これなら俺は美野里でもあるってことだから、美野里と愛ちゃんが恋人同士になるってコトは俺と恋人同士になるってコトなんだから全然いいよな!普段は二体同時は面倒だから美野里本人の度合い増やして通常業務とかをさせて、楽しみたいときだけシンクロ率を上げればいいだけだし、もう美野里の魂は俺と一体なんだから、美野里が怪しんだり悩むことも無く、美野里の意思イコール俺の意思と同じなんだから逆らうこともないしな!)
「いいわ、あんっ!恋人になりましょう!あぁぁん!さぁっ、一緒にイキましょう!あぁぁっぁっぁぁぁぁあっぁあん!」
「せんぱぁい!あぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああぁぁぁんっ!」
ミニパトを激しく揺らして二人は同時にイッたのだった。





数日後、美野里は俺のベッドの上で、横たわる俺に跨ってノーパンに婦警の制服姿で激しく腰を振っている。
(あぁんっ!こういう女を上に跨らせてのご奉仕セックスっていうのもなかなかいいよな!)
「あぁんっ!こういう女を上に跨らせてのご奉仕セックスっていうのもなかなかいいわよね!」
そう言ったのは上に跨っている美野里の方だった。

美野里はあの日以来、俺の意思通りになんでもご奉仕してくれる存在となった。
それはそうだ、俺の意思と彼女の意思は完全に一致しているのだから・・・
痒い所に手が届くという感じで至れり尽くせりだ。
(クックック・・・あの高飛車女がね・・・)
「私はあなた様の為に何でもさせていただく奴隷ですわ!」



美野里は腰を動かしながら俺の思った通りにそういう台詞を吐いた。
「あぁ・・・女の感覚と男の感覚が同時に味わえて最高だぜ!ホント、コイツと混ぜれて最高の人生だぜ!」
「あぁ・・・女の感覚と男の感覚が同時に味わえて最高だわ!ホント、この人と混ざれて最高の人生だわ!」
二人は同時にそう言った。
(美野里も最高だと思ってるならよかったよかった!って、俺の感情と一緒なんだか当たり前か!)

最高のセックスを終えた二人はベッドに横たわっていた。
するとアラームが鳴った。
「ん?もうこんな時間か・・・これから愛ちゃんとデートだったな・・・よっこらしょっと」
アラームを止めた俺がそう言ったのだが、起き上がったのは美野里の方だった。
「さぁて、コッチの身体で出掛けないとね!モミモミ!」
起き上がって自分の胸を何回か揉んだ美野里は、自分のボストンバックから服を取り出し、婦警の制服から色っぽい感じの女物の服に手馴れた感じで着替え、鏡の前でポーズをとったのだった。



「よし、完成!私、美野里よー!愛ちゃん、今、あなたの愛しの美野里が会いに行きますからねー!って、中身は俺なんだけどね!うふふ!!」
そう言って彼女はスキップしながら出掛けたのだった。









*ライオン丸さんからいただいた絵に合わせて、ecvtさんの原作に無かった冒頭部を追記させていただきました(toshi9)


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