僕は黒田麗実!?

作:ecvt


「くそっ、なんで俺が美人だけど超性格悪い、黒田麗実になんなきゃなんねーんだよ」
モーターショーの合間に、具合が悪いからと言い突然ステージから降りて控え室に戻り、個室に入った黒田麗実は胸を露にし、ユニフォームを引っ張ると乱暴な口調で自らを貶し出した。
「こいつ、性格悪いくせに身体だけは発達してやがる・・・まてよ、性格悪い奴だけに、俺が好き勝手やっても罪悪感が無いからいっか!」
麗実は急にニヤリとすると、自らの胸を揉み始めた。
「あはぁーん・・・麗実って性格も悪いけど・・・いやらしいくもあるのよぉーん!あんっ!」
麗実は自らを罵倒しながらオナニーを始めた。
「まったく・・・美人だからって高飛車になりやがって、麗実めぇ、こうしてやるぅーあぁぁん!」
麗実の自らを罵倒しながらのオナニーは、激しさを増していく。
「なかなか気持ちいいじゃねぇか、麗実の身体って奴も・・・お前が淫乱でいやらしいやメス豚だからこんなに感じちまうのかぁ!?どうなんだ、麗実よう!?」
麗実のアソコはもうぐちゃぐちゃだ。
「わ・・・わたし・・・黒田麗実が・・・いやらしくて・・・淫乱な・・・メ、メス豚だから・・・こ、こんなに・・・感じちゃうんですぅー・・・ごめんなさぁい・・・あぁぁっぁん!」
そう言う自らの言葉にさらに興奮したのか、麗実はさらに速く手を動かしだした。
「あんっ、イ、イクッ、麗実イッちゃうーっ!!・・・・・・」
とうとう麗実は個室の中でイッてしまい、床に崩れ落ちたのだった。

「まったく、お前がいやらしいからついついオナニーしちまったじゃなぇか・・・いやらしい奴だな」
しばらくしてから衣装を戻しながらゆっくりと立ち上がった麗実は、姿見の前に立つとそうつぶやいた。
そう、この黒田麗実は今、俺が身体を乗っ取っている。
俺があるピンチに陥った昨日、悩んでいたところに届けられた差出人不明の小包に入っていた「幽体離脱マシーン」。
そいつを利用してショー途中の黒田麗実の身体と心を乗っ取った俺は今、黒田麗実として、コンパニオンしか入れない控え室の姿見の前に立っている。

「コイツってこうやって黙ってるといい女なんだよな・・・ウフン!」
俺は黒田麗実の身体を使ってポーズをとり、ウインクをした。
「おっと、こんなコトしてる場合じゃねぇな!早くコイツの家に行かないと!」
俺は慌てて黒田麗実のロッカーを開け、荷物の入ったバッグを持つと、驚いて呼び止めるコンパニオン仲間の声を無視して、衣装のまま走って会場を後にした。

「ふぅ・・・何とか電車に乗り込めたな・・・どおっこいしょっと・・・」
(でも・・・この身体の記憶が読めねぇっていうのが面倒だよな・・・まぁコイツの家は、俺の彼女の真希を迎えに行ったことがあるからわかるけど、まずはカメラを探さねぇと・・・)
黒田麗実は俺の彼女、真希の友達で、俺が浮気してた現場に偶然居合わせて写真を撮られ、脅されていたのだった。
「ん!?」
人もまばらな電車のシートにドカッと座り込んで考え込んでいた俺は、周りの客の好機の視線を感じた。
「ん!?なんなんだ!?」
ちょうどトンネルに入ったのでその向かいの硝子越しに映る自分の姿が目に入った。
そこには電車の中でレオタード姿で、下品にがに股で座る黒田麗実の姿が映っていたのだった。
「おっといけね、俺って今黒田麗実だったんだっけ・・・まぁコイツの評判が下がるだけだから別にいいんだけどな」
俺はとりあえず脚を閉じた。
すると、まだ、オタクっぽい男がじっとこちらを凝視していた。
(なんだコイツ・・・ちょっとからかってやるか・・・)
「いえ、からかってやりましょう」
俺は色っぽく脚を組むと、そいつに視線を投げかけながらウインクしてやった。
するとソイツは顔を真っ赤にすると、急いで首から下げたカメラで俺を撮ったのだった。
(おぉ、なんだか撮られるっていうのも気分いいなぁ)
調子に乗った俺はもうワンポーズとってやった。
ヤツは嬉しそうな表情でシャッターを押すと、俺の方に近付いてきたのだった。
「あの・・・黒田麗実さんですよね?」
(あぁ、コイツってコンパニオン以外に普段レースクイーンとかやってるからそのスジの奴には結構有名だったんだっけ・・・)
よく見ると、電車の吊り広告に今の俺と同じ衣装を着た黒田麗実のポスターも掲げられていた。
(おぉ、コレが今の俺かよ・・・俺って有名人!)
「え!?えぇ・・・そうよ、私、黒田麗実なのよ!」
「握手してもらえますかぁ?」
「えぇ、もちろん!ファンは大切にしないとね!」
(うわっ・・・汗っぽい・・・)
「あの・・・これから・・・」
奴の目が血走ってきた。
「ゲッ、いつも応援ありがとう!バッハハーイ!」
ちょうど目的の駅に着いたので俺は慌てて電車を駆け下りた。
「ふぅ・・・あぶねぇ・・・有名人にも困ったもんだな・・・」
俺はレオタード姿で多くの視線を浴びたまま駅を後にすると、黒田麗実のマンションへと向かったのだった。


(終わり)


inserted by FC2 system