REPLICA(レプリカ)
 作・JuJu


第3話「洗滌(せんじょう)」

「今お前が見ているのが、プロテウス社のウェブページだ。
 レプリカ・シリーズは、プロテウス社が開発した最新のドールの名称だ」
「すごい会社だな。
 でも、プロテウスなんて初めて聞いたぞ?
 レプリカを開発したのに、どうして話題にならないんだ?」
「ドールを造っているメーカーと言っても、色々な所がある。
 正規のメーカーもあれば、裏で極秘に動いているメーカーもある」
「つまりプロテウスは、裏の世界の会社なのか?」
「そのうち話してやるよ」
 久保田は鈴香を見た。
「上原、お前髪につけたな?」
 鈴香の髪を見ると、精液が付いていた。
 しまった! 鈴香にフェラチオしてもらって顔に出した時、髪にもかかっていたのか!
 精液って髪に付くと、落ちないんだよな。
「……スマン」
「仕方ない、まだ早いがメンテにするか。
 鈴香、今日はもういい。メンテナンスに入れ」
「はい高志様。それでは、休ませていただきます」
 鈴香は久保田と俺に一礼をすると、部屋を出ていった。
「鈴香はどこに行ったんだ?」
「隣の四号室だ。
 隣の部屋を鈴香のメンテナンス・ルームにしたんだ。
 ドール・カプセルは大きいから、この部屋に置くとじゃまで仕方ないからな。
 ドール・カプセルと言うのは……、見た方が早いな。行ってみろ」
 四号室に入る。
 でかい冷蔵庫みたいなのが二つ並んでいた。
 部屋の隅に小さなタンスが置いてある。
 タンスの前に籠が一つ。
 部屋の中はそれだけだった。
 この冷蔵庫みたいのが、ドール・カプセルだろうか?
 二つのうち片方のドール・カプセルは、のっぺらぼうな白い四角い箱だった。
 上下からパイプが伸びていて、隣のカプセルに繋がっている。
 もう片方も似た様な形をしているが、こちらは前面が扉になっている。
 ますます冷蔵庫みたいだ。
 冷蔵庫と違うのは、顔くらいの高さの所に丸いガラス窓が開いている事だ。中が覗ける様になっている。
「なあ鈴香、これがドール・カプセルとか言う……なにしているんだ?」
「服を脱いでます」
 鈴香はエプロンを外して籠に入れていた。
 鈴香の手は黒いワンピースの胸元伸びて、ボタンを次々外していく。
 まるで俺など存在しない様に、ボタンを外していく。
 俺の目の前で、恥ずかしげもなく淡々と服を脱いでいく鈴香。
 部屋に鈴香と二人きり。
 まるで自分が透明人間になって、鈴香の部屋に忍び込んでいるような錯覚を感じた。
 俺は急に鈴香を襲いたくなった。
 今の鈴香ならば、黙って俺を受け入れる様な気がしたからだ。
 だが隣の部屋には久保田がいる。鈴香は久保田の物だ。勝手な事は出来ない。
 でも、オナニー程度なら良いかな?
 この様子なら俺が目の前でオナニーをしていても、平然と服を脱ぎつづけるだろう。
 俺は部屋の中を見渡したが、この部屋にはティッシュ・ペーパーがなかった。
 くそう。俺の部屋にティッシュを取りに行くか?
 だが、その間に脱ぎ終わってしまうかもしれない。
 しかし、このままで俺の股間がだまっていない。
 どうしたらいいんだ!!
 その時、ワンピースを脱ぎかけていた鈴香の手が止まった。
 気のせいかその表情は、恥ずかしそうだった。
「メンテナンスの様子はどうだ?」
 後ろから久保田の声がした。
 ゲッ! いつの間に来たんだ?
 まあ、俺が鈴香の脱衣に夢中で気がつかなかったのだが。
 ふー。あぶないあぶない。鈴香の脱衣に欲情しなくてよかった。
 もう少しで、鈴香をオカズに俺がオナニーしている所を久保田に見られる所だった。
 鈴香を見ると、すでにワンピースを脱いで、ブラウスとペチコートの姿になっていた。
 表情も、元の無表情に戻っていた。
 鈴香はブラウスのボタンを外すと脱いだ。
 白いブラジャーに包まれた胸が大きく揺れる。
 鈴香は背中に手を回すと、ブラジャーをはずした。
 鈴香の大きな胸があらわになる。
 鈴香はペチコートに手を伸ばすと脱ぐ、ペチコートは足元にすべり落ちる。
 黒いガーターベルトに吊るされた、黒いストッキングと、白いパンティがあらわになる。
 久保田の趣味だろう。
 パンティのほとんどの部分はレースになって透けていて、一番大切な所がかろうじて隠れる程度だった。
 鈴香はためらいもなく、パンティに手を掛ける。
「こんなパンティを鈴香にはかせるなんて、久保田もエッチだような」
 俺は久保田も鈴香の脱衣を見て興奮していると思ったのだが、久保田は無表情だった。
 この、ムッツリスケベが!!
「なあ久保田? せっかくの鈴香が脱いでいるのに、お前は興奮しないのか?」
「俺は鈴香の裸なんて、いつも見ているしな」
「そう言えばそうだよな。
 久保田が一声脱げって言えば、いつでもどこでも鈴香は脱いでくれるんだもんなー。
 くぅ?うらやましいぜ!!」
「それに、しょせんはドールだしな」
 久保田のその言葉を聞いたとき、鈴香がかすかに悲しそうな目になった気がした。
 久保田は冷蔵庫の様な物の前に立った。
「これがドールのメンテナンスをする、ドール・カプセルだ。
 ドールはこの中で身体の内外の洗浄をする。そして喫飯や睡眠をとるんだ。
 ――鈴香」
「はい」
 全裸になっていた鈴香は、頭につけていたヒラヒラしたカチューシャみたいな物を取ると、ドール・カプセルに向かった。
 鈴香はカプセルの横についているボタンを押す。
 窓がついている方のカプセルが開いた。
 鈴香はカプセルの中に入った。
 しゃがむと、足元にあったホースをつかむ。
 ホースの先はチ○ポそっくりの形をしていた。
 ホースの部分がチ〇ポの皮で、その先からチ〇ポの先の部分がむき出している感じだ。
 小便の出る穴まで作られていた。
 鈴香は中腰になって足を大きく開くと、チ○ポ型のホースの先を秘所に刺し込む。
「はあっ!」
 鈴香は声をあげた。
「おい久保田! 鈴香は何をしているんだ?」
「これか?
 ドールは性処理の為に存在するから、日々能力を開発する様に工夫してあるんだろうな」
 鈴香はしゃがみこみ、震える手でもう一本のホースを手も取る。 こちらも先がチ○ポ型をしている。
 今度はそれを尻の穴に入れた。
「くっ」
 鈴香は顔をしかめる。
「このカテーテル管――ホースみたいな物だな――の先からは勢いよく洗浄液が噴出される。
 これで膣内や内臓の洗浄を行う。
 その後、バキューム機能で、洗浄液と排泄物を吸い取る訳だ」
 鈴香は耐えるようにしゃがみこんでいたが、しばらくして立ちあがった。
 天井に手を伸ばす。
 天井から伸びたホースを手にとっていた。やはり、チ○ポの形をしている。
 鈴香は口を開き、ホースをくわえる。
「こっちのカテーテル管からはクローン・フードが出る。
 クローン・フードと言うのは、ドールの生命活動・維持に必要な各種栄養やホルモンなどが入った流動食だ。
 ドールは成長した姿で産まれるから、胃の容量が極端に小さい。だから、俺達が食べている様な物は食えない。
 その為、栄養価の高くて流動性の専用の食料を与えるんだ。
 ――鈴香、もっとちゃんとくわえないと補給できないぞ!」
 鈴香は目でうなづくと、両手でホースをつかみ、喉に押しこんだ。
 ホースの先が喉に当たっているのだろう、香は苦しそうな顔をした。 
「ピッ!」
 電子音が鳴った。
「んっ!!」
 鈴香は目を見開き、身体を振るわせた。
「カテーテル管が身体から抜けたり、隙間から漏れたりしないように、カテーテル管の先端が膨張したんだ」
 鈴香に繋がっているホースがヘビのようにのたくった。
 ホースの中を何かが通っていく動きだ。
「本来はドアを閉めるんだがな」
 鈴香の下の穴二つに勢いよく洗浄液が噴射されているんだろう。
 ホースが揺れている。
 鈴香は身体をくねらせてもだえている。鼻で苦しそうにうなっていた。
 洗浄液が身体に溜まってきたのだろう。鈴香の腹が膨らんでいく。
 ホースが出す音が変わったかと思うと、鈴香の腹がへこんで来た。
 今度はホースが吸いこんでいるんだろう。
「メンテナンスの仕方は、こんな物でだいたいわかっただろう」
 久保田はメンテナンス・カプセルのボタンを押す。
 カプセルのドアが閉まった。
 窓からは鈴香の顔だけが見えた。
 鈴香の頭は天井から落ちてくる水でぬれていった。
「おい! 水が出てきてるぞ?」
「それは全身を洗浄するためのシャワーだ。
 シャワーの後は熱風が出て鈴香の身体を乾かす。
 そして鈴香は、ここでこのまま眠る。
 さて、俺は部屋に戻るぞ」
 俺は部屋を出ていく久保田の後を追った。





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