REPLICA(レプリカ)
 作・JuJu


第2話「鈴香」

「鈴香、上原にフェラをしてやれ」
「かしこまりました。
 それでは上原様のお部屋でご奉仕させていただきます。どうぞこちらへ」
 俺は鈴香さんについて、廊下に出た。
「鈴香さん」
「私はドールです。鈴香と呼び捨ててください」
「じゃあ、鈴香。
 やめてもいいんだぜ? 久保田にはやったって言っておくからさ」
「いいえ、マスターのご命令です。それに私、精液って大好きなんですよ」
 精液って……。
 この娘から精液なんて言葉が出てくるとは思わなかった。
 俺の部屋に帰って来る。
 鈴香は俺をイスに座らせると、足元にひざまずく。
「それでは上原様、失礼いたします」
「誠でいいよ」
 鈴香は俺のズボンのベルトを外した。ズボンとトランクスを下ろす。
 彼女の目の前に俺の一物がさらけ出される。
 パンツを下ろされただけなのに、俺のチ○ポは膨張していた。
「誠様の物、ご立派ですねぇ」
 鈴香は右手で俺の棒を握った。右手の上に左手を添える。
「いっぱい出して下さいね」
 鈴香は俺のモノに顔を近づけてくる。口が開き、濡れた舌伸びる。
 柔らかい鈴香の舌が俺のモノをなめはじめる。頭を上下に動かす。鈴香は舌の根本から先端まで使ってなめた。温かくて、濡れている、ちょっとザラザラした舌が気持ちいい。
 今度は鈴香が俺のモノを口で含んだ。
 彼女の小さな左手は俺の玉を握っていた。転がすように玉を揉む。
 俺はたまらなくなって、両手で鈴香の頭を持った。前後に振る。
 チ○ポの先端が鈴香の喉に当たって気持ちいい。
 鈴香も俺の棒のあらゆる場所をなめ尽くすために舌を動かした。
「出る! 鈴香! 出る!」
 鈴香は射精を怖がるどころか、激しく舌を動かした。
 ダメだ鈴香! そんな事をされたら、我慢ができない。
「誠、あたし! いるんでしょ?」
 部屋の戸がノックされたかと思うと、茜が部屋に飛び込んで来た。
「ゲッ、茜、来たのか? ハアハア……待てっ! 開けるなっ!」
「どうせまたお腹空かしているんでしょ。今日は手作りハンバーグ……。
 ――なにしているの?」
「あのっ……これは本物の女じゃないんだ。鈴香はドールで……だから……、鈴香……そんなに吸われたら……出る……出るー!!」
 俺はチ○ポに吸い付いていた鈴香をむりやり離す。
 だが、俺のチ○ポは止まらなかった。
「きゃっ!」
 精液を鈴香の顔と髪ににかけてしまった。
 鈴香は驚いて声あげたが、すぐに頬に付いた俺の精液を指ですくった。その指を自分の口元にもって行き、舌を出してペチャペチャと音をさせてなめる。
「誠様の精液、とてもおいしいです」
「誠のバカー!!」
 茜は走って出ていった。
 俺は茜を追い掛けようとしたが、鈴香が俺の腰に手を回して、まとわりついている。
「誠様、まだ終わっておりません」
 鈴香はまた俺のチ○ポに吸い付いて、尿道に残っている精液を吸った。
「茜を追いかけないと……でも……」
 茜の誤解を解かなくちゃいけないのはわかっていたが、鈴香が俺のチ○ポを吸っている。
「誠さまの精液は濃くておいしいです」
 精液を吸い終わった鈴香は笑った。
 鈴香は服を整える。
 俺は茜に携帯電話をかけた。

               §

 茜は誠のアパートの近くにある児童公園にいた。
 日が暮れて、公園にいるのは茜一人だけだ。
 茜はブランコに乗って、月を見ていた。
 誠のバカ。なんで追いかけて来てもくれないのよ。
 携帯電話が鳴った。
 誠からだ。
 きっと、深い訳があって追いかけてこれないんだ、だから携帯で謝る気なんだ。
 誠の考える事なんて、お見通しなんだから。
『茜か?』
 誠の声だ。
「どうして追いかけて来てくれなかったのよ?」
『それは鈴香が離れなかったから、しかたなく……』
「鈴香? さっきの女の人?」
『ああ。
 でも鈴香はドールだから、人間じゃないから……。
 ほら、アパートの隣にオタクな奴が住んでいるだろう? 久保田って言うんだけど、あいつがドールを貸してくれたんだ。せっかくだからどんな感じなのか試して見たくてさ』
「ふーん?
 誠、ドールとエッチしたいって言ってたものね。
 それで、あたしの事なんかより、ドールとのエッチを大切にしたわけ?」
『だって、鈴香は特別なドールなんだぞ? こんな高性能なドールとエッチできるチャンスなんてめったに……』
 あたしは電話を切った。
 あんな男とは思わなかった。
 ひざの上には誠に渡すつもりだった大きなお弁当箱がある。
 今日、誠のアパートに行くって言ったのに。
 少しでも早く笑顔が見たくて、誠のアパートまで走って行ったのに。
 それなのに、誠はあたしを待つどころか、ドールとエッチしているなんて。
 あたしを追いかけて来ないで、その間もドールとエッチを楽しんでいたなんて。
 ――あたしよりも、ドールを選ぶなんて。
「誠のバカ……」

               §

 なんだよ、茜の奴一方的に切りやがって。
 風俗に行こうが、ドールにフェラさせようが、俺の勝手じゃないか。なんでいちいち茜の顔色をうかがわなければならないんだよ?
 そりゃあフェラさせている所を見せたのは悪かったけどさ、あれは茜が勝手に入って来たからだろ?
 ああそうだよ。茜の言うとおり、俺はエッチが大好きだよ。それをどうして茜にとがめられなければいけないんだ?
「上原様、ご心配事ですか?」
 鈴香が言った。
 そうだ、女は茜だけじゃない。
 ドールの鈴香でさえ、こうして俺の事を心配してくれているじゃないか。
 いや、茜なんかよりドールの方が断然いい!! 可愛いし、従順だし、エッチだってやり放題だし。
 もう、茜なんてどうでもいいや!
「誠様、そろそろマスターの元に戻らないとなりません」
「そうだった。久保田はフェラをしてこいって言ったんだっけな」
 俺は鈴香と一緒に、アパートの廊下を渡った。
 レプリカって、本当に命令どおりに動くんだな。
 もしも俺が鈴香のマスターだったら、やっぱり鈴香は俺の命令通りに動くんだろうか?
 俺の命令に忠実で、いつも俺の事を心配してくれて、もちろんエッチだってしたい時にしたいだけやれる。
 こんな美人の女性を、俺の思いのままに動かせる。
 俺は久保田の部屋に入った。
「どうだ? まあ鈴香の服の乱れを見れば聴くまでもないか」
「いいな!!
 たとえばオナニーって抜いたらおわりじゃないか。でも鈴香のは抜いた後も吸ってくれて気持ちいいし」
「おいおい、レプリカとオナニーを一緒にするなよ。
 とにかく、風俗なんかで使われている安物とは、物が違うという事がわかってくれればいいんだ。うんうん」
 レプリカか……。
 もしかしたら人間の女よりもいいかもしれない。
 いや、人間の女なんかより、よっぽどいい!!
 茜なんか、絶対やらせてくれないし。
「決めた! 俺もドールを買う! 当然、鈴香みたいな高級な奴だ!」
「どうしたんだよ急に?
 買うのはいいが、お前、そんな金あるのかよ」
「……ない」
 俺は一気に現実に引き戻された。
「でも、一生かけて稼いで、買ってみせる」
「大した意気込みだな。
 つまりお前も、レプリカのすばらしさに目覚めたって訳か。
 じゃあその野望の第一歩として、ドールのウェイブ・サイトでも見ていくか?」
「おう! さっそくインターネットを使わせてもらうぜ!」
「よし、ちょっと待ってろよ?」
 俺が座ったパソコンのモニターに、トミタのホームページが映った。確かドールの販売では一番のシェアをもっている会社だったな。
 適当にページをめくってみる。
 二十歳くらいの女の写真が並んでいた。
 どれも可愛いしスタイルもいいが、鈴香にはかなわない。
「不満か? でもこれが普通のドールなんだぜ?」
「鈴香を見た後じゃ、こんなのじゃ満足できないな」
「分かってきたじゃないか!」
 大久保が立ちあがって、パソコンを空ける。
「上原、このワークステーションを使ってみろ」
「このパソコンでいいよ」
「レプリカ・シリーズはこのワークステーションじゃないと見れないんだ」
「そういうものなのか?」
 俺は高志の使っていたパソコンに座る。
 そこには、十体の女の写真が並んでいた。
 どれもさっきの女とは比べ物にならないほど美人ばかりだ。
 その中には鈴香もいた。
 ページをめくる。
 そこには幼稚園や小学校程度の年齢のドールも載っていた。
「おい。これって」
「ああ、そういう趣味の奴も多いからな」
「ロリコン用のドールなんて聞いた事ないぞ?」
「確かに児童虐待にあたるとして、一五歳以下のドールは許されていない。法律上ではな」
 そういえば、レプリカ・シリーズって言うのもさっき初めて聞いたんだな。
 俺は鈴香を見た。
 鈴香は俺の視線に気がついて微笑を返してくれる。
 人間の感情持つドール、レプリカ。
「久保田。レプリカって何なんだ?」





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