館にて3
 作:Howling


「んっ、んっ、んはぁ・・・・・・ああっ・・・・いいわぁ・・・・」

一人の女性が、鏡に向かって一心不乱に自らを慰めている。
ハイレグタイプの青を基調とした競泳水着を着て、深紅のハイヒールを履いている。
ストレートのロングヘアーに、他者を魅了する吊り目。
女性として、十分に豊満な肢体をしていた。
彼女の名前は宮城優子。この館で一人暮らしをしている。

彼女は今、大きな姿見を前にしてオナニーに耽っていた。
片手で豊満な胸を揉みし抱き、もう片方の手で股間に手をやる。
瞳を潤ませ、色っぽい呻き声と吐息を漏らしている。
彼女の汗や吐息、そしてその肉体からにじみ出る牝のフェロモンが部屋に充満する。
それすら快感に置き換えられ、彼女はもだえているのだ。
競泳水着の下で乳首がピンと屹立しており、快楽を感じているのは間違いない。

しかし、そのオナニーは・・・・・特殊だった。

彼女の股間が・・・・・・膨らんでいる。もっこりと膨らんでいるのだ。

「あぁ・・・・男の感触ってやっぱり新鮮だわぁ・・・・・
 しごいてるだけなのにこんなにビンビンで・・・・・」

なんと、信じられないことに、彼女の股間にはそそり立つ逸物があるのだ!

「んふふ・・・・・男の子を中身にすればこそできる遊びよね〜。
 どう晴樹君?女のカラダでこれをしごくのって。
 女の指でしごかれるだけでも感じるでしょう?」

誰もいない部屋で、優子は誰かに語りかけるように話す。
もうお分かりだろう。

宮城優子は"皮"であり、今ある男子を自らの中に入れて弄んでいるのだ。
男子の名前は森ノ宮晴樹。高校生だ。
偶然彼女の住む館に足を踏み入れ、彼女の秘密を知り、以来彼女の虜となった。


夏休みになると、何かと理由をつけては彼女の館へ行き、
未知の女性の快楽を愉しんでいる。

優子と出会ってからというもの、様々な未知の体験をしてきた晴樹。
最近は、皮の内側から自分の逸物を出しての"ふたなりプレイ"にハマッている。
男と女の快楽を同時に味わえるからと二人ともがハマっているのだ。

レースクイーンを思わせるような、ハイレグの競泳水着をまとった優子。
しかし、その股間にある晴樹の"もの"が競泳水着の内側でびくびくと存在感を主張している。

そのアンバランスさを愉しむ優子。そこから自らの股間に手を忍ばせる。
女性のきめ細やかな手が、優子の内側から出た晴樹の"もの"を上下にさする。
「ふふ・・・晴樹君。気持ちいいんでしょう?
 君の"もの"の先っちょから、カウパー粘液が出てきてるわぁ・・・・・」

(あはぁ・・・・ゆ、優子さん・・・・こんなの・・・・反則・・・・)

今、体の主導権は優子が握っている。
しかし、中身になっている晴樹は、テレパシーみたいに優子と意思疎通が出来る。
優子が部屋で独り言を話しているように見えるのも、実際は晴樹と会話しているのだ。
晴樹自身、美人の優子が自分の"もの"をしごいている様子を鏡越しに見ることによっても興奮していた。
それに加え、乳房の愛撫などから来る優子の、女性の快楽も感じていた。
優子と晴樹は、互いにとって未知なる異性の快感に悶え合っているのだ。

(すご・・・・おっぱいの感じも・・・・・ああっ・・・・!!いいっ・・・)

「いいのよ。晴樹君。いっぱいよがりなさい。私も最高にキモチイイんだから・・・・・
 私のカラダにこれがあるなんて、いつ見ても最高だわぁ・・・・・ねえ。1回イッてもいいかしら?」

(いいかしら?って、俺に主導権なんてないのに・・・・・ってぁあああっ!)

晴樹が納得する間も与えず、優子はしごくピッチを上げ始めた。
玉袋をねっとりと鷲づかみにしたり、指先で亀頭をこりこりと刺激する。
晴樹と一体化した優子の息づかいが荒くなる。それに合わせて汗が滴り落ちる。

「ああん、いい、いいわぁ。私、おかしくなっちゃうぅ!」
"もの"をしごきながら優子は嬌声を上げた。
腰をガクガクとふるわせながら太ももをきゅっと締め上げ、天を仰ぎ、その快楽を貪る。
(ゆ、優子・・・・さん!!も、もう・・・・・)
優子の中にいる晴樹も限界に近づきつつあった。
「うう〜ん、いいの、いいのよ晴樹君。
 さあ、い、一緒に、イキましょう・・・・・
 あ、ああ、き、キタ・・・・・」
さらに激しくしごく優子。もう限界だった。

「あ、あ、あ、あ、あああっ!!!
 い、イク!イッくうううううううううううう!!!!」
(ああああああああああああっ!!!!)


どぴゅっ、どぴゅっ!!!!!


大量の白濁を放出し、放心状態となった優子(そして晴樹)。

その場に大の字になって倒れ込む。

「はぁ・・・・はぁ・・・・・・・」
荒く呼吸する優子。
(あ〜・・・・・・すごかったぁ・・・・・・)
晴樹も、絶頂の快楽の中でまどろむ。


天を仰いだまま、肩で激しく呼吸する彼女。その表情は快楽に溺れきっていた。


「ふふっ。お疲れ様。おかげで今日も気持ちよかったわぁ・・・・・・」

(ああ〜・・・・はぁ・・・・・・・)

彼女は、内側にいる晴樹に声をかけると、自らの背中に手をかけた。

するとその背中は、両側に開いたのだ!

その内側には、明らかに違う色の肌があった。

中から現れたのは、彼女より若い、高校生くらいの男子だった。

「はぁ・・・・はぁ・・・・すごかった・・・です・・・・・優子さん・・・・・」

彼もまた、相当に汗をかいていた。よほど体力を使ったのだろう。
「はぁ・・・はぁ・・・・・あ、あれ?」

絶頂に浸る中、晴樹は女性の快楽を満喫しながらも、今までになかった違和感を感じていた・・・・


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「あ〜、ふたなりプレイってハマるわね」


優子は普段着に着替えて余韻に浸っていた。

ソファに座り、優雅に脚を組んでいる。

生脚が蠱惑的に蠢く。

晴樹も、着替え直してその場に同席していた。

優子の姿、立ち振る舞いに興奮がぶり返す。
無理もない。
少し前まで自分は彼女の姿で女の快楽に身を委ねていたのだ。

そんな晴樹は、先ほどの違和感がいまだに頭をもたげていた。
一体何だったのだろう?考えても分かるわけない。
晴樹は思いきって優子に尋ねた。

「あの・・・優子さん」

「?どうしたの晴樹君?」

「実は、さっき・・・・・・変な感じがしたんです」

晴樹の問いかけに優子は目を細める。

「変な感じって?」

「なんかこう・・・・力がみなぎる・・・みたいな?」

晴樹がそう答えると、優子は、ニヤニヤと笑みを浮かべた。
愉しみでたまらないといった雰囲気だ。

その様子を見て一瞬背筋を凍らせる晴樹。

「ど、どうしたんですか?優子さん・・・」

「うふふ・・・・さすが晴樹君ね。私の"中身"になって一体化してる時間がそれなり長くなったから分かってきたのかしら?」

笑みを崩さない優子にますます疑問に思う晴樹。

「どうゆうこと、ですか?」

優子は立ち上がって、晴樹の目の前に近づく。

女性のほのかな香りが晴樹の鼻腔を満たす。


「そうよ。私、成長してるの」

「成長?」

「ええ。私ね、中身と一緒に絶頂し続けると色々できることが増えるの。
 中身の男の子から精力をもらうことでね」

「精力を・・・・」

「そうそう。その気になったら中身なしでも外に出ることができるようになったりするわ」

「本当ですか!?」

「ええ。他にも色々あるけど、そうね・・・・晴樹君の精力のおかげでできそうなことが一つあるの。やってみない?」

「できそうなこと?」

「そう、今日はもう遅くなるから、今度うちに来たときにでもやってみましょう。それまでのお楽しみ・・・・・」

晴樹は、優子に来週会う日までオナニーしないことを条件として、帰るように促した。


その1週間、晴樹はひたすら我慢した。
もっとも、優子のもたらす快楽に浸された晴樹には、普通のオナニーだけでは十分な満足感は得られなくなっていたが・・・・・



そして1週間後・・・・・・・・


晴樹は朝から優子の館に脚を運んでいた。
何が起きるのだろうか、と期待に胸を膨らませていた。

思い切ってノックすると、優子が出迎えてくれた。

「うふふ・・・・来てくれたのね」

いつものように笑みを浮かべる優子。
招かれるままに、優子についていく晴樹。


奥の広間につくなり、優子に抱きしめられる晴樹。
中身がない状態だと、肉感を味わえないことがもどかしかったが、
優子の匂いが晴樹を満たしていく。

「うふふ・・・・一週間我慢するの大変だったでしょう?」

耳元でささやかれゾクッとする。優子の声が耳の中を震わせる。


「は・・・はい・・・・」

「うふふ。正直でよろしい」

優子は、自分の着ていた服に手をかける。


「さ、いらっしゃい」

いつものように服を脱いで、晴樹を迎え入れる体勢になる。

背筋にそって切れ目が入り、開いていく。

「ねえ、早くぅ、早く来てぇ・・・・・」

腰をくねらせて晴樹を誘う優子。

「じゃ、じゃあ・・・・・」


晴樹も服を脱ぐ。そこからいつものように脚を入れていく。

「んああ・・・・」

優子の喘ぎ声をBGMに、晴樹は優子を着ていく。

脚がもこもこ音を立てて一体化していく。

そのまま腰、腕と一体化して、いよいよ頭も・・・・・

慣れた手つきで、晴樹は、優子と一体化した。


「あ、あれっ・・・・・?」

優子を着た瞬間、晴樹は自分の身に変化が起きているのを感じた。

体中が熱く、火照っていく感覚。それでいて、蕩けそうな感覚。

「な、なんだ、これ・・・・?」

『そのままそのまま。何もしないでね。その感覚に身を委ねるの・・・・・』

優子に言われるまま、ぼーっとする。
それが1分くらい続いたところで、身体の火照りは収まった。


『いいわよ。私を脱いでみて』

優子の声がした。

「ぬ、脱ぐ?」

『そうよ。脱ぐの。脱いだら分かるわ』

優子に言われるまま、彼女を脱ぐ。


「ふぅっ・・・・って、あれ?」

優子を脱いだのに、晴樹は視界に長い髪の毛が垂れているのに違和感を覚えた。

触ってみると、自分の髪のように感触が伝わる。

「これってどうゆう・・・・あ、あれ?」

呟いた声が女の、優子の声だった。一体どうゆうことだろう?

周囲を見回すと、姿見が目に入った。

「って、ええ!?」

晴樹の姿は、元通りの自分自身ではなく、優子の姿のままだったのだ。

一方、さっき脱いだはずの本物の優子はすでに立ち上がってこちらの様子を見ていた。

「うふふ・・・・すごいでしょ」

優子はそう言って自分の姿になった晴樹に近づく。

「私との結びつきが強くなると、こんなこともできるの」

「こんなこと・・・?」

若干混乱する晴樹に、優子は笑みを浮かべながら説明する。

「実はね。さっき念を送って晴樹君の身体に私の身体を上書きしたの。
 つまり今の晴樹君は完全に私と同じ身体になったのよ。すごいでしょう?」

優子は、自分と同じ姿になった晴樹を連れて姿見の前に立つ。
姿見には、寸分変わらず同じ姿の女性が2人立っている。
片方は自信たっぷりな、もう片方は弱々しい表情をそれぞれ浮かべている。

「恥ずかしそうにしてる私の姿も新鮮ね」

「う、うそ・・・・こ、こんな・・・・」

優子の姿になって戸惑う晴樹。

そんな晴樹を、優子は後ろから抱きしめる。

「うふふ。晴樹君。怖がらなくていいのよ・・・それに・・・・」

優子は、晴樹の、もう1人の自分の胸を優しくもみほぐす。

「ああっ・・・・あん・・・・」

気持ちよさに声を漏らす晴樹。

「ふふっ。ほら、身体は正直。もう乳首が立ってるじゃない・・」

そう言って胸を揉み続ける。

その手つきは繊細ながらも、急所を完全に理解しているもみ方だった。

「ああっ・・・・ああああ・・・・・」

膝をガクガク震わせ、快感に悶える晴樹。

「その身体は私の身体よ。だからどこをどうすればキモチイイかなんてちゃんと分かってるわ」

快感のあまり腰の力が抜け、優子にもたれかかる。

「!?」

晴樹は驚く。普段中身がなく肉感のないはずの優子に・・・・人の身体を、女性の身体を抱いている感覚があった。

「うふふ・・・・・今の私はすごいわよ。館の中でならちょっとの間だけ肉体の感覚があるの」

「そ、そんなことが・・・・・」

「そうよ。私、成長してるもの・・・・そんなことより・・・・」

優子は真正面から自分と同じ姿の晴樹を見つめる。

「もっと愉しみましょうよ・・・・・私同士で、色々ね・・・・」

そう言って、優子は半ば強引に唇を押しつけた。

「んんっ!!!」

晴樹は驚いた。今の彼女は中身のない皮とは思えなかった。
今、晴樹は優子を抱いている。
それも、自らも彼女自身となって・・・・・

「んっ、んむぅ、んっ、んっ、んっ・・・・・・」
「むぅ・・・んむっ、んあっ、んふぅ・・・・・・」

舌を、唇を貪り、舌を絡め合う濃厚なキス。
いつしか、2人とも膝をついていた。
時間を忘れ、互いの唇を会わせ続ける・・・・・

「「んはぁっ!!」」


互いに身体が火照る。向き合った状態で互いの胸を揉み合う。
「ああ・・・・い、いい・・・・いいのぉ・・・・」

「き、キモチイイ・・・・ですぅ・・・・んあああっ・・・・」

意思確認するまでもなく、今度は互いの乳首を擦り合わせる。


「んんんんんんっっ!!!」

電流のような快感に優子になった晴樹は呻く。

そんな様子を、優子は嬉しげに見ていた。
快感によがる晴樹は今や自分と同じ姿なのだ。

「ああ・・・・いい・・・いいわぁ・・・・自分とセックスするのって・・・・快感・・・・」

優子は天を仰ぎ、爛れた笑みを浮かべながら言った。

快感に悶える晴樹を、優子は容赦なく責める。

乳首を吸いながら、指を秘部に押し込む。中でうねうねと動かした。

「ああああっっ!!!!あっ、あっ、あっ・・・・・・・」

指の動きに合わせて快感で身体を痙攣させる晴樹を、自分と同じ姿になった彼を優子は愉しげに見つめる。

「自分を責めるのって、こんなに愉しいのね・・・もっと虐めたくなっちゃう。」

優子は、自分と同じ姿になった晴樹の顔を舐めた。頬に垂れた汗の味もいける。

もっと、もっと快楽を貪りたい。優子は思った。そして、晴樹も・・・・・

『す、すごい・・・・・今優子さんになって優子さんとエッチしてるなんて・・・・すごすぎる・・・もっと・・・もっとキモチヨクなりたい・・・・』



晴樹は、優子の脚をなで回す。
彼女の美脚を丁寧に。この脚と同じものを自分が持っていることも快感になっていた。

「うふふ・・・そうよ。もっと自分に正直になりなさい、晴樹君。もっと好きにしていいのよ・・・・」

そのまま晴樹は、優子の脚を少しだけ開く。
そこには、女性の秘部が目の前にあった。

これまでの行為で、ソコはぬめぬめと湿っている。

その入り口に、舌を這わせた。

「んんんっっ!!」

優子は、気持ちよくなって思わず太腿で晴樹の、もう1人の自分の頭を挟みこんだ。

晴樹は、圧迫されながらも、優子の匂いを直に感じその感触を貪る。

「うふふ・・・・もっと私を味わいたいのね。いいわよ晴樹君、もっと味わいなさい・・・・あああっっ!!!」

太腿で圧迫されながら、晴樹は優子の秘部に舌での愛撫を続けた。

その度に優子の秘部から愛液が流れていく。その味すら晴樹には媚薬となった。

彼女が"皮"であったことを一瞬忘れるくらいに耽溺していく。

晴樹はそのまま腕を伸ばし、優子の胸を揉みし抱く。

「ううううんんっっ!!は、晴樹君、いい・・・もっとぉ・・・・・」

胸を、秘部を重点的に責められる。優子はより一層太腿に力を込め、快楽に喘ぐ。

「んんっ・・・・も、もう我慢できないわ・・・・」

優子は太腿での圧迫を止めて、晴樹を押し倒した。片脚を上に上げて開く。

「ねえ・・・しましょ♪女同士のセックス・・・・」

優子は、晴樹の、もう1人の自分の秘部に自らのそれを押し当てた。
そのまま腰をグラインドさせる。

互いの秘部からくちゅくちゅと水音が響き、全く同じ喘ぎ声が響き渡る。

「ああああっっ!!!!い、いい!!いいよぉ・・・・・!!」
「ああんっ!!すっ、すごぉい・・・・!!!!」

2人の優子はとめどない快楽に喘ぐ。
自分自身とのまぐわい。
それは、今まで味わったどの快楽よりも甘美なものだった。


「ああっ!!!あっ、あっ、あっ、・・・・自分とのセックスなんて、たまんないわぁ・・・・・・」

「あっ、あっ、あっ・・・・・・い・・・いいのぉ・・・・女の快感・・・・味わってたいのぉ・・・・・・
 い、いいわぁ・・・・・!!!」

いつしか晴樹も優子の身体の快感に呑まれ、無意識の内に女言葉を使っていた。
優子になりきって快感を貪る。

その様子に優子は、快感に溺れながらも嬉しげに目を細めた。

「うっふふふふ・・・・晴樹君もすっかりできあがっちゃってるわね!」

「晴樹ぃ?・・・・・・私は優子よぉ・・・私は貴女よ優子ぉ!もっと女の・・・貴女の快感味わいたいの!!
 もっとおかしくなりたいのぉ!!!」

この瞬間、晴樹は自分が男であることを忘れた。

淫乱で、快楽を貪るのが至上の喜びの美女、それが今の自分と思えた。
箍が外れた今、自分と同じ姿の牝と無限の快楽地獄に堕ちたい。
それが唯一の本能だった。


「いいのよ!!ここにいるのはワタシタチだけ。私同士なんだから何の遠慮もいらないわ!
 一緒にイキ狂いましょう!!!!」

「あああん!!!嬉しい!!!!」

互いに激しく抱き合い、濃厚なキスを交わす。
口だけでなく、胸を、脚を、すべてを擦り合わせる。

人間であることを忘れ、快楽に溺れる牝のように。

「「んはぁ〜っ・・・・・」」

2人の舌と舌、唾液で透明な橋ができあがる。
その表情は、だらしなく快楽に溺れ爛れた笑みを浮かべていた。

「うふふ・・・素敵よぉ・・・・自分自身とこんなエッチなことするなんて・・・・最高だわぁ」

優子が言いながら、もう1人の自分の頬を舐め回す。

「あん・・・くすぐったいわ・・・・私もこんなの初めて・・・」

すっかり"優子"になりきってしまった晴樹は嬉しそうに返す。

その仕草は、中身が男とは思えないほど淫靡なものだった。

「ねぇ・・・・2人でイキましょう・・・・」
「ええ・・・・・」

2人は、すでに湿りきって愛液がほとばしっていた互いの股間を・・・・密着させた。
そのまま腰をグラインドさせる!!

「ああっ!!!あっ、あっ、あっああああっ・・・・!!!!」

「んんっ!ひぎぃっっ!!!い、いいよぉ・・・・・!!!!」

とてつもない快楽が2人を満たす。そして、絶頂は唐突に訪れた。

「「あああああああああああああんんんんんんんっっっっっっっ!!!!」」

2人の優子は天を仰いで絶頂した・・・・・・







絶頂を迎えてから、しばらく2人は天を仰ぎながら肩で息をしていた。
やがて、本物の優子が起き上がり、いまだ快感のあまり失神しているもう1人の自分を見つめ、笑みを浮かべた。
そのまま抱き起こす。

「うふふ・・・・晴樹君、あなたは最高よ。あなたを決して粗末には扱わないわ・・・・・」

耳元で囁くように、優子は言った。それが何を意味するのか、失神している晴樹には分かる由もなかった・・・・・・

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「・・・・・・!?」



晴樹は、まどろみから目を覚ました。あれからどれだけ時間が経ったのか・・・・?

そうしたことを考える余裕はすぐになくなった。

自分の体がひとりでに動いている。
優子の中に入ったときに身体の主導権が彼女に移ったように・・・・

「うふふ、おはよう晴樹君。ぐっすり眠ってたみたいね。」

優子が声を上げる。

『ゆ、優子さん、これって・・・・』

「気絶してる間に私の中に入ってもらったわ。元の姿に戻るには一度私の中に入らないといけないからね・・・・・
 そろそろいいわよ。私を脱いで」

『は、はい・・・・』

そう言って優子は、いつものように背中に裂け目を入れた。

中から晴樹が出てくる。すでに元の姿に戻っていた・・・・・

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「お疲れさま」

優子が晴樹に麦茶を出す。喉が渇いていたのか、晴樹はそれを飲み干した。

「あ、ありがとうございます」

「うふふ、いいのよ。私も愉しんだからね」

向かい合わせに座る優子は満足そうな笑みを浮かべた。

「で、どうだった?私の身体・・・・?」

悪戯っぽい笑みを浮かべて優子は晴樹に尋ねる。

晴樹は思わず目線をそらす。

「そ、その・・・・・とんでもなく気持ちよかったです・・・・」

「うふふ、そうよね〜。思わず私の口調になってたもの。ゾクゾクしたわ」

優子に言われ晴樹は赤面する。思い出すだけでも恥ずかしい・・・・・・

その反面、晴樹は一抹の不安を感じていた。


このまま優子さんに依存してったら、やがて自分が消えて優子さんに何もかも取り込まれてしまうんじゃないか・・・・・


その不安を払いたくなり、晴樹は優子に切り出した。

「あの、優子さん・・・・・?」

「?どうしたの?」

「優子さんって、僕をどうしたいんですか?」

「?どうゆうことかしら?」

「最近、不安なんです。普段の生活じゃありえないことが続いてて、このまま僕、
 優子さんに飲み込まれて消えちゃうんじゃないかって・・・
 うまく言えないんですけど・・・・・」

たどたどしく話す晴樹の様子を見て、優子は晴樹の隣に座った。

「晴樹君、安心して」

優子は晴樹に笑みを浮かべる。いつものような誘惑するようなそれではなく、優しげな笑みだ。

「私は別に君を食べたりなんかしないわよ。むしろ逆だわ」

「逆?」

「ええ。久しぶりに私と相性のいい中身に出会えたんですもの。食べたり永久に私の中に包み込んで閉じ込めたりなんてしないわ」

「は、はぁ・・・・」

「それにね。私、ちゃんと目的があるもの・・・・」

「え?」

「聞いてみたい?」

優子の問いかけに、晴樹は少し考えた後、頷いたのだった・・・・・














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