代行屋(後編)

 作:Howling


ここのところ朝を抜くことも多かった伊織。
買い物もほとんどできていなかったが、
冷蔵庫に運良く残っていたあり合わせの食材で朝食をとった。

今までゼリーとかで朝食をすませていた分、十分な食事だった。

食後、コーヒーを飲んで一息つく伊織。


「・・・・せっかくだし、満喫しよっか♪」


そう割り切ると後は早かった。

午前中は今までまともにとれなかった睡眠時間を確保、
とにかく寝ることにした。

ぐっすりとはいかずとも、これまでの疲れを癒すのに十分な睡眠がとれた。

『こんなにごろごろできたのいつぶりだろう・・・・・
 幸せ・・・・・・』

伊織の表情はゆるみきっていた。


11時を過ぎたところで起きてから、伊織は一度食べてみたかった平日限定ランチを食べに
外へ繰り出したり(会社からは十分離れたところであったが、伊織は会社の人に見られたらと
思うと道中そわそわしていた。)、
家に戻ってからは撮りだめしていたテレビ番組を見るなど、"自由な時間"を満喫した。

『自分の時間楽しむのって・・・・・最高・・・』


テレビ番組を観ている途中で、急に電話が鳴った。

相手は・・・・・・奈美からだった。

「もしもし・・・」

『もしもし、伊織ちゃん。奈美だけど、今電話大丈夫かしら?』

「え、ええ。あの、奈美さん、昨日はありがとうございました。」

『うんうん、自分の時間、満喫できてる?
 こっちは大丈夫よ、もう一人の貴女が無事に仕事こなしてくれてるわ。』

「そうですか・・・・ありがとうございます。」

『それでね、昨日言い忘れてたんだけど、その"代理人"にはね、色々オプションがあるの。
 アドレスを送っておくから、よかったら見てみて。』

「あ、はい。ありがとうございます。」

『それじゃ。またね』
電話はここで切れた。

電話を切って1分もしない内に奈美から代理人の会員限定サイトのアドレスが送られた。

伊織はそのサイトにアクセスしてみた。

「SUBSTITUTE AGANCY.」
サイトのトップページは黒を基調としているデザインで、
どことなく蠱惑的な印象を与えていた。

「パスワード・・・・そういえば・・・・」

伊織は昨日店に行ったとき、千春から教えられていたパスワードを打ち込んだ。

すると、代理人システムの説明や料金設定などが掲載されていた。
伊織は、そのサイトに目を通していく。

「色々できるのね・・・・って、あら?」

伊織は、サイトのオプションのページに「裏」と書かれた文字を見つけた。

「どういうことなの?」


そこをタップすると、またページが変わった。


「ええっ!?」


伊織が見たそのページには、なんと代理人と性的行為が可能になるオプションの説明が詳しく記載されていた。

他にもさまざまな裏オプションが説明されていたが、あまりの衝撃さゆえ、伊織の目には入らなかった。

そんななか、伊織はふと自分の代理人のことを考えた。

あの祐介という人がやっている代理人は、完璧といってもいいくらい自分になりきっている。

もはやもう一人の自分と言ってもいいくらい。

記憶や癖、仕草や息づかいまでまったく同じ。
そんなもう一人の自分がもし、この裏オプションのように責めてきたら・・・・・
私の体で、私の顔で・・・・・
普段しないようないやらしい笑みを浮かべて・・・・
耳元に私の声で囁いて・・・・・
私と同じ手つきで胸を揉んで・・・・・・

もしそんな風にされたら・・・・・・

そう考えていると、無意識のうちに伊織は自分自身を慰め始めていた。

右手で自分の胸を揉みし抱いて、左手で自分の内側に手を宛がう。

すでにソコは今までになく湿っていた。
それでもなお、中からどんどん愛液が溢れていくのが分かった。

『ど、どうしよう・・・・想像しただけで・・・・止まらないっ!!』

んああっ・・・・あああん・・・・はぁあ・・・・

一人きりの自室で、伊織は、もう一人の自分に犯されるのを想像したまま、
激しく自分を慰めていった。
今自分のしているこの手つき、力加減で犯される。
妄想が妄想を呼んで、興奮が収まらない。
仕事尽くしで自分を慰める間もなかった伊織は、ありえないほど早く絶頂を迎えるのだった・・・・・




「はぁ・・・・はぁ・・・・・はぁ・・・・」

肩で息をする伊織。
ここまで興奮したことがあっただろうか?

未だに快感で体がびくっとなる。

喉が渇く。その本能に従うまま水を一杯一気飲みした。

「はぁ・・・・はぁ・・・・・」

深呼吸してようやく落ち着いた。
まさかあんなふうに興奮してしまうとは・・・・・


気づくと午後7時半。とりあえず、晩ご飯でもと思った瞬間、玄関が開いた。

「ただいま〜。」

帰ってきたのは伊織、いや中身は祐介のもう一人の自分だった。

「あ、おかえりなさい。」

とっさに声をかける伊織。

「今日一日どうだった?自分の時間、愉しめた?」


「はい、おかげさまで・・・・」

「それはよかったわ。貴女、最初に見たときよりずっと生き生きしているわよ。」

伊織(祐介)の指摘に、思わず嬉しくなる伊織。
と同時に、今までの自分がそれだけやつれていたのかと再認識した。


しかしそれ以上に、伊織は、目の前にいるもう一人の自分に魅せられていた。
汗ばんだ肌、ほのかに薫る汗と香水の匂い。
先ほどオナニーした影響か、体の内側がぞくぞくするのがすぐ分かった。


「今日一日貴女の代理はきっちり務めたわ。
 会議も無事に済んだわよ。これでしばらく連勤地獄からは解放されるわ。」

「そ、そう・・・・・」

もう一人の自分の仕事に関する報告は、もはや伊織の耳には入っていなかった。

もう一人の自分と、まぐわいたい。エッチしたい・・・・
そんな衝動が、今の伊織を支配していた。

その衝動が、抑えきれない!

「それじゃあ荷物は返すから中身を見てもらって、そしたら私は・・・・」

「あ、あの!!!」
伊織は伊織(祐介)の話を遮った。

「はい?」
若干戸惑い気味の伊織(祐介)に、伊織は自分のスマホのある画面を見せた。

「こ、これって・・・・本当にしてもらえるの?」

伊織が見せたのは、さっきまで見ていたあの裏オプションのページだった。

伊織(祐介)は伊織の顔で目を細めた。

それは、伊織自身が普段見せないような色っぽさを醸し出していた。

「・・・・・ええ。できるわよ。」
「ほ、本当?」

「ふふっ、伊織ちゃん本性は変態のレズビアンだものね。」

「うっ・・・・」

図星だった。
伊織自身、自らの性癖を暴露されて気恥ずかしくなった。
しかし、目の前にいるもう一人の自分は、皮を着ている間何もかも自分をコピーしている。
記憶や考え方も。だから、嘘偽りはなかったのだ。

「分かるわよ。今の私は貴女なんだから。
 もともと女性が大好きで、余裕のあるときには
 自分で慰めてたんでしょ?
 それに、妄想の中で奈美さんや色んな女性とエッチしちゃったり・・・・・」

喜々として自分の性癖を語るもう一人の自分の姿に、激しく赤面する伊織。

「あと、こんなものじゃ今は満足できてないんでしょ?」

伊織(祐介)は、おもむろにクローゼットの中の引き出しを開けた。

「あ!?ちょっと・・・・!!!」

伊織が止めようとするもすでに手遅れだった。

伊織(祐介)は、引き出しの中にあった物を伊織の前に差し出した。

「よほど欲求不満なのね。色々あるけど・・・・」

伊織(祐介)の差し出した物。それは、バイブやローターだった。
それも、随分使い込んでいる様子がすぐに分かるほどだった。

伊織(祐介)は、すぐにそれらをしまった。

「あんなおもちゃじゃ、もうイケないのよね。」

よりいっそう赤面する伊織。そんな伊織に対し、伊織(祐介)が耳打ちする。

「それに、自分自身といやらしいことするのって不思議で・・・・・・興奮するんでしょ?」

さらに赤面する伊織。その顔からは湯気が出そうな程だ。

「うふふ・・・分かるわよ。今の私は貴女なんだから。」

「そ、それじゃあ・・・・」

「ええ、本来は有料オプションだけど、今日は特別、サービスするわ。」

伊織(祐介)はそう言うと、伊織の顎に優しく手を添えて、口づけをした。

「んむっ、くちゅっ、んんっ・・・・むふぅ・・・・・」

突然のキスに目を見開く伊織。しかし、すぐに目をとろんとさせてそのキスを受け入れる。

「んんぅ・・・・んはっ・・・・・はぁああっ・・・・っむんっ・・・・」
「んちゅ・・・・・ちゅるっ・・・・はっ・・・・あんんんっ・・・・いぃ・・・・・」

二人の伊織は激しく舌を絡め合い、吸い合う。
その口からは涎が溢れていく。
女の、それも自分の舌が自分の口の中を蹂躙していく。
柔らかい唇や舌も、唾液も、吐息の香りも、すべてが自分と一緒なのだ。
伊織の両の頬に伊織と同じ手が優しく添えられる。
視界には、色っぽく上気した自分の顔が映る。
不思議な体験をしているという認識が、よりいっそう伊織の興奮をかき立てた。
そして、もう一人の自分も・・・・・

「「はぁぁ・・・・・こんなのってぞくぞくしちゃうわ・・・・」」

思わず、思ったことをそろってつぶやいてしまう。
まったく同じ事を考えてしまっていたことに苦笑する二人。

伊織は間髪いれずに、伊織(祐介)の首筋を舐め回した。
汗の味もまた格別に思えた。

「ああん・・・シャワー浴びてないわよ。汗臭いわ。」

「うううんん、いいの。私の汗のにおい・・・・ああ・・・・イイ・・・・・」

「もう、しょうがないわね、私って。こんなにイヤらしかったかしら?」

「私って本当は変態なの・・・・・分かってるんでしょ。」

「そうよね、分かるわよ。私は貴女。貴女が変態なら、私も立派な変態よ。」

レロ〜・・・・

今度は伊織(祐介)が伊織の首筋に舌を這わせた。

「ああっ!!ああぁぁぁ・・・・・」

伊織は、舌の感触に喘ぎ声を上げる。
同じ姿をした女の艶めかしい舌がいやらしく伊織の首筋から耳の後ろをなぞっていく。
伊織(祐介)は、舌を這わせる度にびくんびくんと動く伊織の反応を楽しんでいた。
そのまま右手を伊織のTシャツの中に忍ばせ、豊満な胸を優しく揉んでいく。

伊織の乳首は、すでに硬く屹立していた。

「うふふ・・・乳首が勃ってるわよ。」

意地悪そうな表情を浮かべて伊織(祐介)は伊織に耳打ちした。

「ああん!言わないで・・・・だ、だってぇ・・・・こんなの・・・・興奮しちゃって・・・・」

甘えたような声を出す伊織。

「そうよね。自分自身とヤっちゃうのって興奮するわよね・・・・・」

伊織(祐介)はそのまま伊織をベッドに押し倒した。

そのまま伊織が着ているTシャツを脱がせていく。

伊織は、されるがまま身を委ね、服を脱いでもらう。
そして、水色がかった伊織のブラジャーが露わになる。

伊織(祐介)は、伊織の背中に手を回し、ブラジャーのホックを外した。
そのままブラジャーをはぎ取り、伊織の胸を露わにさせる。

「あぁ・・・・・綺麗・・・・この体って本当に綺麗ね・・・・」

伊織(祐介)はそう言うと、すでに固く勃っていた伊織の乳首に口づけをした。

「ああああっっ!!!!」

伊織はいっそう大きく喘いだ。
女性に、それも自分と同じ顔をした人物に自分の胸を吸われている。
そんな奇妙な体験に興奮が止まらなかった。
伊織(祐介)は、上目づかいで伊織を見つめ、ペロペロと乳首を重点的に舐め、責めた。
息づかいや吐息、また自分の両腰に優しく添えられる手の感触、
伊織はそのすべてに興奮していく。

もっと、もっと犯して欲しい。
瀬名伊織同士のレズセックスで行き着くところまで行きたい。
そんな欲求が止まらなくなっていく。

伊織(祐介)もそんな伊織の様子を感じ取ったのか、
普段伊織がしないようなイヤらしい表情を浮かべたかと思うと、
より激しく伊織の乳首を吸い上げた。

「あああんんんんっ!!!!」

伊織は、ベッドのシーツを握りながら声を上げた。
体じゅうをぷるぷると震わせる。

『な、なに!?なんでこんなにちょうどいい吸い加減なの!?
 まるで、私の躰のことちゃんと理解してるような・・・・・
 ああ・・・・すごい・・・・キモチイイよぉ・・・・』

伊織がそう感じるのも無理はない。
なぜなら、目の前にいるもう一人の自分は、伊織のすべてをコピーしているのだ。
感じる急所など、当然心得ているのだ。
その間も、伊織(祐介)の愛撫ひとつひとつを快感に感じていく伊織。
他人にしてもらっているはずなのに、自分にしてもらっているような不思議な感覚。
伊織は、そんな快楽の虜になっていった。

伊織(祐介)は、その反応に満足してか、一度伊織の乳首から口を離した。


「うふふ・・・・貴女の胸、おっきくて柔らかくっておいしかったわぁ・・・」


うっとりする伊織(祐介)。
そんな彼女?の表情に伊織はぞくぞくとした。
自分が淫乱な女に生まれ変わったように見えて興奮したのだ。


そんな表情が、伊織のどす黒い欲望という炎にさらに油を注ぐ。


もっと、もっとめちゃくちゃになりたい・・・・・!!!
もっと、もっとめちゃくちゃにしたい・・・・・・!!!


「・・・・って、ちょっと!?」


今度は伊織(祐介)が驚く番だった。
伊織が、伊織(祐介)を力強く押し倒した。

本能の赴くままに、伊織は、伊織(祐介)の服を剥ぎ取っていく。
あっという間に、上半身を丸裸にしていく。

「あん・・・・!そんなに興奮しちゃって・・・・・」

余裕のある振る舞いを崩さなかったものの、伊織(祐介)も内心驚きを隠せなかった。
ここまでトんでしまう女性にそうそう出くわすことがなかったからだ。

「いいの・・・・・・"私"が気持ち良くなるんだから!!!」

そう言って伊織は伊織(祐介)の胸に吸い付いた。
「ああんっ!!!」

伊織の耳元に自分と同じ声が響き渡る。
自分自身が気持ちいいと思う力加減。
それは、伊織の皮を被った祐介にも確実に快感として伝わっていた。

「い、いい!!いいわぁ!!もっと、もっとイヤらしくしてぇ・・・・・
 私に犯してもらえるなんてゾクゾクしちゃうの・・・・」

伊織(祐介)はワザとイヤらしい言葉を並べて伊織の興奮を煽った。
伊織自身、相当火が入ってしまったのか、自分の顔でイヤらしいこと
を言われる羞恥心すら快感に変わっていく。


「ええ・・・・!!いいわよぉ・・・・もっとおかしくなりましょ・・・・・!!!」

伊織は、伊織(祐介)の、自分の欲情した表情と訴えを受けて、いっそう激しく伊織(祐介)の上半身を愛撫し続けた。
胸を舐め回し、乳首を吸い上げ、右手で反対の胸を揉みしだいていく。

今度は、自分が自分を犯すという行為になったことが、伊織をよりいっそう興奮させた。
「んふぅ〜っ、レロレロ・・・・・・」

伊織は、乳房を舐め回していたが、そのまま舌を伊織(祐介)の左脇まで這わせる。
腋の下を入念に舐め回す。

「ああ・・・・・私の濃厚な汗の味・・・・・感じちゃう・・・・・」

「ふふっ・・・・伊織は匂いフェチだものね。いいわよ、私の仕事帰りで汗だくの匂いを堪能しなさい・・・」
「んふぅ〜・・・・・」

伊織は、伊織(祐介)の腋の下に顔を突っ込み、押しつける。

『ああっっ!!!いい!!私の汗の匂い・・・・!!!最高・・・・・・!!!』

伊織は、右手で自分の胸も揉みしだいた。

その度に感じているのか、時折体をぴくぴくと痙攣させる。

「んんんんっっ!!!」

伊織は、突如訪れた快感に悲鳴を上げた。

いつの間にか、伊織(祐介)の右手は、伊織の股間に伸びていたのだ。

「うふふっ・・・・すごく感じてるのね・・・・いつになく興奮してるのが分かるわ。
 ほら見てぇ〜・・・・」

伊織(祐介)は伊織に先ほどまで突っ込んでいた右手を見せつけた。

その指先は、ぬめっとした液体がまとわりついていた。

「貴女のアソコ、素敵な汁でいっぱいよ。んん〜・・・・」

伊織(祐介)は、伊織の目の前で右手の指先を口に含んだ。
入念に舐め回して伊織の愛液を啜る。

「ぷはっ・・・・んあああ〜・・・貴女の下のお口から出る汁はおいしいわぁ・・・・」

「いやっ、恥ずかしい・・・・」

「そんなことないわよ。私達の間に恥ずかしさなんてないわ。  
 だから・・・・もっと味わわせて。」



そう言うと、伊織(祐介)は、未だに着ていたスカートやショーツを脱ぎ捨てて全裸になった。
恥ずかしさを感じないのか、妙に堂々としている。

「さあ、貴女も脱ぎなさいよ。自分に裸を見られても大丈夫でしょ?」

ニタリと笑みを浮かべる伊織(祐介)。伊織は、自分の声で促されることに安心感を覚えたのか、
何のためらいもなく、残っていた服を脱ぎ捨てた。
伊織(祐介)は、再度伊織を押し倒すと、自分の頭を伊織の股間に、逆に自分の股間が伊織の頭に来るように体勢を変えた。
いわゆるシックスナインの体勢だ。

「せっかくだから、一緒に舐め合いましょうよ。」

「うわぁ・・・・・」

伊織は、いきなり押しつけられた女性の、自分のお尻に圧倒された。
そのお尻は自分のお尻だ。
その付け根、自分と同じ形の入り口からは、ぬめぬめとした液体が垂れ続けている。

「分かるかしら?私も興奮してるの。自分自身を犯しあってるからかしらね。
 だからどうすればキモチイイのかも分かるはずよ。」

伊織(祐介)は、さらに伊織に向けてお尻を突き出した。

「それじゃ、お願いね。私も気持ち良くしてあげるから・・・・」


『ああ・・・・こんなことってありえない・・・・・ 
 でも・・・・・・余計に・・・・・・興奮しちゃう・・・・・』

伊織に、迷いはなかった。
目の前のもう一人の自分のお尻を掴む。
柔らかいそのお尻に自分の指が食い込んでいく感触を楽しみながら、
すでに濡れそぼっている出入り口に舌を突き入れた。

「あああっっ!!!す、すご・・・・いぃん!!もっと!!もっとぉ・・・・・・!!!」

伊織が舌を動かす。その度に伊織(祐介)が体をびくびく震わせる。
その振動が伊織に直接伝わる。
間違いなく、感じてヨガっているのだ。
自分がこんなにイヤらしい女だなんて・・・・・

そう思うと、伊織自身、さらに興奮して、体の内側が熱くなるのを感じていた。

「んんっっ・・・・・ま、負けてられないわぁ・・・・私も・・・・・」

伊織(祐介)もまた、伊織がしているように、伊織の股間に口づけをした。

「んあああっ!!!んむううう!!!んぷう〜・・・・・」

伊織は激しい快感に身を震わせた。
と同時に、伊織(祐介)が太ももを閉じて伊織の頭を固定する。


「んんんんんんんんんっっっっっ!!!」

頭を固定され、逃げ場のない快楽の渦に巻き込まれた伊織。
伊織もまた、太ももを閉じて、伊織(祐介)の頭を固定する。

互いに強制的に股間を舐め合い、啜り合い・・・・・
逃げ場のない快楽。
まるで、人間を捨ててただの永久快楽機関へと変わり果てていく二人の伊織。
理性をなくし、人間であることをやめ、ただ快楽に溺れる牝。
そうなっていくことに例えようのない興奮を覚える二人の伊織。

「「んんんん〜〜〜〜っ!!!んむぅ!!!!んぷぷぅ〜ん!!!!」」

体をびくびくと痙攣させて快楽を享受する二人。
容赦のない快楽地獄に、絶頂が訪れる!!!!

『ああんん!!!私の愛液!!!こんなに美味しいなんて!!
 私の口が私のアソコを犯してる!!!最高!!感じちゃう!!!!
 で、でももうダメ!!!止まらないよぉ!!!!
 イク!イク!イクイクイッちゃうううううううんんん!!!』


びくびくびくっ!!!!!!びくっ・・・・びくっ・・・・・!!!!

二人はひときわ激しくその体を震わせる!!!

やがて、力が抜けたのか、太ももによる拘束が解け、伊織(祐介)は、伊織の横に倒れかかった。

「「はぁ・・・・・はぁ・・・・・・・」」

同じテンポで深呼吸する二人の伊織。
二人揃って全身汗だくになり、その口元は、女性の、いや自らの愛液というべき液体でべとべとだった。

伊織(祐介)は、むくっと起き上がり、伊織に顔を近づけた。

「素敵よ、自分自身とこんなことできるのって。」

伊織は、自分の顔で微笑むもう一人の自分の姿にぞくぞくしてしまう。
その口には、いまだに自分自身の愛液がべっとりとついている。

「ね、ねえ・・・・・」

言いかけた伊織の口を、伊織(祐介)は人差し指を当てて止める。

「分かってるわよ。皆まで言わなくても・・・・・」

そう言うと、伊織(祐介)は伊織を優しく寝かしつけ、力なくのびている伊織の右脚を抱え上げた。
その体勢のまま、伊織の脚にしがみついて、互いの股間を擦り合わせていく。
いわゆる松葉崩しの体勢だった。

「最後は、瀬名伊織同士でイキましょうよ。」

伊織(祐介)は、その体勢で腰を動かし始めた。

「んあああっっ!!あっ!!あああっ!!!ああああああんんん!!!!」

伊織は為す術なく喘いだ。
密着した互いの股間。クリトリスが接触し合う度に快楽の悲鳴を上げる。
互いの愛液が混ざり合う。しかし、それはどちらも同じ"瀬名伊織"から溢れる愛液だ。
混ざり合って、ひとつの愛液に変わっていく。

そして、股間から直接くる快感だけでなく、右の太ももに這い回る指の感覚にもゾクゾクしてしまう。

「あぁ・・・・素敵だわ。瀬名伊織同士の貝合わせ・・・・同じ愛液がじゅぶじゅぶ流れて
 同じ喘ぎ声を出して・・・・・・溶け合ってひとつになっちゃいそう・・・・・
 あああっっ!!あああああ・・・・・・・」

伊織(祐介)はそんなことをつぶやきながら股間を激しくこすりつける。
太ももを抱きかかえ、その柔らかさを頬ずりして堪能する。

「んっ、んっ、んっ・・・・脚柔らかいっ!!!
 いいよ!!いいよぉ!!!おかしくなっちゃうよぉ〜!!!」

伊織(祐介)は、完全に伊織になりきって喘ぐ。その目には、快楽の余り涙が浮かんでいる。


「ああん!!すごい!!!しゅごい!!!
 私が、ワタシにイかされるぅ〜!!!!!」

伊織も、未知の快楽に完全に溺れきっていた。

自分自身と貝合わせをしている。自分と同じ喘ぎ声が部屋中に響き渡る。
あまりにも体の相性が良すぎた。
そのまま溶け合って、ひとつになっていくような錯覚・・・・・

「「あん、あん、あん、あん、ああん、あん、あん、ああん・・・・・!!!!」」

同じ喘ぎ声が響き合う中、やがて、最後の絶頂が訪れた・・・・・

「い、イク!!!どうしようもなくイッちゃう!!!!おかしいのぉ!!!」

「いいわよ伊織ぃ!!イキなさい!!!私達、二人で一人なのよ!!
 誰にも遠慮はいらないわ!!二人でイキましょう!!!
 ・・・・んあああああああああ!!!!イクぅうううううううう!!!」

「私もぉ!!!!イックぅううううううううううううう!!!!」

二人の伊織は、首を大きくのけぞらせて、同時に絶頂を迎えた・・・・・・・・・・・・




事が終わって、伊織は、伊織(祐介)に抱きついていた。
互いの胸が重なり合い、押し潰していく。
そのぬくもりに安心したような表情を浮かべる伊織。
脚も、絡め合っていた。

「うふふ・・・・どうだったかしら?うちのオプションは・・・・」
「もう、なんて言うか、最高で・・・・・」
「そのようね、貴女、最初に会ったときよりずっと生き生きしているわ。
 女はやっぱり笑顔が大切よ。」
「そう?そんなに変わった?」
「もちろんよ。効果てきめんね。」

伊織は、もう一人の自分が浮かべる自分の顔で作る笑みに、安心感すら覚えるのだった。
「ねえ・・・・またお願いできる?」
「もちろんよ。貴女の望む限り・・・・・」
「そう・・・・嬉しい・・・・」

伊織は、もう一人の自分に抱かれたまま、眠りについた。










「・・んんっ・・・・・・」


伊織は、目を覚ました。時計を見ると、朝の6時。普段と同じ起床時間だった。

周囲を見渡すと、もう一人の自分はどこにもいなかった。
すでに役目を終えて、帰ってしまったのだろうか。
起き上がろうとしたところ、ベッドの枕元に、一枚の紙が残っているのを見つけた。
それは、伊織(祐介)が残したものだった。


『おはよう。冷蔵庫に、サンドイッチを入れてあるわ。
 朝はちゃんと食べるといいわよ。
 それと、大変になったらいつでも言うのよ。
 私はいつでも貴女の代わりを務めるわ。  もう一人の貴女より』

その筆跡は、伊織自身の筆跡そのものだった。
筆跡もコピーできるなんて・・・・・

乱れたであろうスーツもきれいにハンガーにかけられ、冷蔵庫を開けると、確かに色とりどりのサンドイッチが保存されていた。
今さらになって、代理人のすごさを改めて思い知らされる伊織であった。




準備を済ませた伊織は、颯爽と出勤していく。
ここ数日の間に起きた出来事、それは確実に伊織の心に活気を取り戻させたのだ。
その表情は、どこか晴れ晴れとしていたのだった。

「さて!今日も頑張ろう!!!!」






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