吉田美由紀(仮名) 企業CEO婦人 33歳



私の名前は吉田美由紀といいます。
私は今、ある企業のCEO婦人となっています。
縁の引き合わせと言いますか、このご時世でいわゆる玉の輿に乗れたなんて本当に運が良かったと思っています。
おかげで、何不自由ない生活を送っています。
衣食住、すべてが満たされた理想の環境にいることに、そして夫にも感謝しています。
ただ、どんな環境にも少なからず足りない何かというものはあって、とにかく今の生活には何かこう、刺激がないのです。
家事もすべて使用人の方がしてくれて逆に何もすることがないのです。
贅沢な悩みと言われればそれまでですが、それでも、物足りないと思ってしまうもので・・・・・・
外に出て何かをすることもあまりないので、何か趣味でも探さないとと思っていました。

そう思っていたある日のことでした。その"刺激"が突然やってきたのは・・・・・


私は自分の部屋で姿見の前に立っていました。通信販売で買った服を試しに着ていたのです。
白いフリル付きのブラウスに膝丈のタイトスカート、それに合わせる光沢ストッキングに赤い革製のヒール。
清楚さを前面に押し出した服装。そして髪を後ろで綺麗に束ねる。

自慢ではありませんが、私は自分のスタイルに自信がありました。
CEO婦人として、主人が恥ずかしい思いをしないよう気をつけていた成果でもあります。
シルエットの細さ、長い脚、どれも数少ない私の自慢です。
しかし、いくらスタイルを良くして着飾ろうとしても、私の心は満たされませんでした。
別の服に着替えてみようか・・・・
そう思っていた矢先でした。


突然、後ろのウォークインクローゼットの扉が開く音がしたのです。
振り向こうとしたが、出来ませんでした。
なぜなら、私は後ろから口を布か何かで押さえ込まれ、羽交い締めにされたのです。
身体をじたばたさせましたが、布から香る変な匂いを吸い込むにつれて、私の意識は薄れ、そのまま意識を失ってしまいました。


「・・・・・・!?」

気がつくと、私は床に寝かせられていたようでした。
薄暗く、周囲に服がたくさん掛かっていることから、ウォークインクローゼットの中だと分かりました。
しかし、この後私は、今の自分が置かれた状態に驚きました。
私は、服を脱がされ、下着姿にされていたのです!
身体を起こそうにもうまく起こせません。体中何かできつく固定されていることが分かりました。
後ろ手にされて、手首から肘までがっちりと縛られ、胸の上下にきびしく食い込んだ縄は私がその場から動くことをほとんど不可能にしていました。
足首と膝にも同じように縄が施され、私の自由は少しも残されていませんでした。
声を出そうにも、口の中には何か布のような感触のものを押し込まれて思うように声が出ません。
しかもそれを押さえ込むように口周りも布か何かで縛られていました。
そのせいで私の悲鳴はただのかすかなうめき声にしかなりませんでした。
一体何が・・・・・?

「あ、もう起きたか・・・・・」

突然、ウォークインクローゼットの扉が開きました。
まぶしさで目を瞑ってしまいます。

「ふふふ・・・・・気分はどうかな?奥様」

若い感じの男の声がしました。
目が明るさに慣れてきたところで相手の男を見ようとして、私は驚きのあまり目を見開きました。

なんと、目の前に立っていたのは・・・・私。そう、私が目の前に立っていたのです!

フリルのついたシルクのブラウスに細い腰、黒のタイトスカート。
光沢ストッキングに包まれた美脚に赤いパンプス。
先ほどまで私が着ていた服をそのまま着て。
しかも服装だけでなく、顔も私そっくりだったのです!
近くで見ても見分けがつかないほどにそっくりでした!

「ふふふ・・・アンタの服を着てみたよ。」

私の口から、先ほどの男の声がするのはなんとも不思議な感覚でした。
しかしよく見ると、メイクが若干濃く、ネイルが派手な色で、どことなくお尻が張り出して見えたりと
どことなく色っぽさが目立ちました。
笑みを浮かべているのが色気を、どこかいやらしさを感じます。
目の前でもう1人の私は何を思ったのか思い切り息を吸い込みました。
「はぁ・・・・・脱がしたての服を着たからアンタの匂いとぬくもりを全身で感じるよ・・・・」

私ってこんなにいやらしいのでしょうか・・・・目の前のもう1人の自分を見て思いました。

「この顔、どうだろうか?アンタそっくりだろう?まつげまで綺麗に再現したんだ。」

そう言うもう1人の私は、自分の頬を指でつまみ、引っ張りました。
何と、その部分が異様に薄く長く伸びたのです。
本当に私の顔を正確に模したゴムみたいな素材のマスクを着けているのだと分かりました。

声からして、中身は男なのでしょう。しかし、目の前で私に成りすましている姿からは想像ができません。
仕草や指の動きも、女性そのもの、いや女性以上に女性に感じました。
まるで、漫画やドラマの中にいるようです。

「あ、声も自由さ。こうやって・・・・・・うんっ、うっ、うっ・・・・

 ・・・・うふふ、どうかしら?これで声も貴女そっくりでしょう?」

私は何度驚いたのでしょう。彼?の口から私の声が流れてきたのです。
これで彼?は完全に私となってしまったのです。

「うむぅ・・・うむっ・・・!!!」
私は再度声を出そうとするも、やはり口の詰め物のせいで声が出せません。

「あら?何か話しがしたいのかしら?大声を出さないと約束できるかしら?」

彼?は私の顔で冷ややかに見つめながら言いました。

拒んだらどうなるだろう?想像もしたくなかったので私はこくこくと頷きました。

「うふふ・・・イイ娘ね。それじゃ・・・」

そう言って、もう1人の私は私の口周りの布の結び目を解き、口の中の詰め物を外しました。

「けほっ、けほっ・・・・」

私は思わず咳き込みました。

もう1人の私は私の口の中に入っていたものが何なのか見せつけます。

指の動きもなめらかで、一瞬中身が男なのを忘れるくらいです。

「これ、見覚えがあるでしょう?貴女のショーツよ。そして貴女のスカーフ、これで猿轡をかませていたのよ。すてきでしょう?」

「あ・・・・あなた・・・何がしたいの?お、お金ならあげますから・・・・・」
そう言うともう1人の私は私の目の前に顔を近づけて笑みを浮かべます。

ぞっとすると同時にこんなに近くから見てもそっくりなのかとぞっとしました。

「お金?そんなものはいらないわ。私が欲しいのは、あ・な・た。」

そう言うと、もう1人の私は私の顎を掴んで、強引に唇を吸ってきたのです!!

「んんっっ!?んっ、んっ・・・・・」
「んんっ・・・んむぅ・・・んふぅ・・・」

私は恐怖と驚きで訳が分からなくなりました。
目の前で私が私にキスをしているのですから・・・・・
でも、何でこんなに色っぽいのでしょうか・・・?
ほんのりと私が普段使う香水の匂いもしてきます。
一瞬、訳も分からず興奮してしまい、無意識のうちに舌を・・・少しだけ絡めてしまいました。


「ぷはっ・・・」

もう1人の私は満足したのか唇を離しました。
唾液が伝って互いの唇に橋を架けていました。

キスされた!?突然のことに戸惑う私。

一方で、もう1人の私も妙に興奮しているのが分かりました。

だらしなく、涎が垂れていました。
私って、こんな顔するの・・・・?

「あらぁ・・・・貴女もまんざらじゃないんでしょう?」

戸惑う私の心を見透かしたかのように問いかけられました。

「そ、そんなこと・・・・」
「じゃあ、貴女のショーツ、どうして染みが出来てるのかしら?」

もう1人の私が私の下半身に目を移し、目を細めました。
「!?」
私は、言われて初めて気がつきました。
私のアソコが疼いて、ショーツに染みをつくっていたのです。

うそ?私、こんなひどいことされて感じていたの???

自分が内側に秘めていたとんでもない考えに私自身驚いてしまいました。

「あらぁ、図星だったのねぇ。今日までずっと観察してたから分かるわ。貴女・・・欲求不満なんでしょ?」

耳元で囁かれ、私はビクンと身体を震わせます。

それは、完全に図星でした。実際、主人と夜もおろそかだったのです。

「もっと気分を盛り上げてあげましょうか・・・・うふふ・・・」
そう言ってもう1人の私は私の口の中に涎で濡れたショーツをまた押し込みました。

「んぐっ・・・・んむうううっっ・・・!?」

また口を塞がれてしまいました。
そして、膝回りの縄も解かれます。

「それじゃ、私も下半身だけ男に戻ろうかしら?」

そう言って、もう1人の私はスカートの裾から手を入れ出しました。

「ん・・・・んむううっっ!?」

私は、声にすらならない悲鳴を上げてしまいました。

もう1人の私のスカート、そこに、女性にあるはずのない膨らみが浮かび上がってきたのです!!
そこの部分はときおり脈打っていて、それに合わせて表情もより一層だらしなくなっていました。

「ほらぁ・・・・・私の肉棒と遊びましょうよ・・・・・」
もう1人の私はスカートの上から膨らみを擦った後、スカートをまくりあげて私にのしかかってきました!

「素敵ね・・・・吉田美由紀同士のセックスなんて・・・・」

目の前に上気した私の顔が迫ります。
次の瞬間、私の内側を貫く感触が襲いかかりました!

「んんっっ!!!んぐっ!!!んぐぅうううっっ!!!」

私は身動き取れず、悲鳴を上げることもままなりません。

襲われているのに、何故か目を反らすことができません。

目の前で私が、興奮した表情を浮かべて私を貫いているのです。
その光景から目を離せませんでした。私、私に犯されてる!?

「んあっ!あっ、あっ・・・どう?今自分に犯されるの、キモチイイでしょう?」

目の前にいるもう1人の私が私を犯してる。普通じゃない光景が私の視界を埋め尽くしました。

「あらっ?乳首が硬くなってるわ。貴女も興奮してるのね、うふふ・・・嬉しいわぁ・・・」

「んぐぅっ!?」

「貴女、肌綺麗ねぇ・・・・・」

そう言ってもう1人の私は私の頬を舌で舐め回します。

「ひぐぅっっっっ!?」

ゾクッとする悪寒で全身がより一層震えました。
その一方で、自分自身に舐められる異様な光景に快感すら覚えてしまっていたのです。
私自身、おかしくなってるのでしょうか?
いつしか、気づけば、私も目の前にいるもう1人の私の動きに合わせて腰を振ってしまっていたのです。

「ああん、締まりが良くなったわ。キモチイイのね。それじゃ、もっと奥まで突いてあげますわ。」

そう言うと、より一層激しく突かれました。

「んっ、んっ、んっ、んっ・・・・・・!!!」

「ああ・・・もう、そろそろ出ちゃうわ。ああ、いい・・・・中にぴゅるぴゅる出ちゃう!
 私が私に・・・射精しちゃう!あああああ・・・・」

次の瞬間、私の内側に、暖かい液体が流れるのを感じました・・・・・


「あああ・・・・気持ちよかったわ。」
そう言うもう1人の私は、髪を下ろし、ピンクを基調としたワンピースに着替えていました。
普段の私からはありえないほどの派手な服装です。

その近くで、私は快感のあまり目を見開きぷるぷると身体を震わせていました。
「うふふ・・・・・」
もう1人の私は近づいてきます。そして、耳元で囁きました。

「自分自身とのファック・・・・興奮するでしょう?」


その言葉は、私の奥底に妙に深く響くのでした・・・・・


『ええ・・・興奮するわ。とっても・・・・』








 *   *   *








「奥様、お茶をお持ちしました。」

あれからしばらくして、私は専属の使用人を雇いました。

名前は綾瀬雪香。
メイド服にツインテールの可愛げな女の子です。
最近は身の回りのことを大抵してくれます。

「ありがとう、雪香さん。」
私は、自分の部屋で雪香さんの淹れた紅茶を飲む。
すぐに私好みの淹れ方を覚えるあたり優秀な娘です。

「美味しいわ。」

「お褒めにあずかり光栄です奥様。」

「あ、あら・・・・」

一息ついたところで、私はめまいに襲われました。

「あら、奥様大丈夫ですか?」

声をかける雪香さん。しかし、薄れゆく意識の中ではっきり見えました。
雪香さんが笑みを浮かべているのを・・・・・


気づけば、私は姿見に全身が映るよう、椅子に縛り付けられていました、
しかし、私は恐怖に怯えるというより、これから起きることが楽しみでしょうがありませんでした。


ウォークインクローゼットが開くとそこには・・・・

「うふふ・・・お・ま・た・せ」

そこに立っていたのは、私でした。

ノースリーブの白いワンピースに腰のベルトでワンポイントを作り、
黒のサポートタイツで脚を引き締めている。
しかしその表情はどこかいやらしさを醸し出していました。

もうお分かりかと思います。
目の前にいるもう1人の私はあの日私を襲った"彼"です。
実は、私はあれから私に変装する"彼"を雇ったのです。

男を雇うわけにはいかなかったので、彼の変装技術によって"綾瀬雪香"という架空の人間を用意してもらい彼女として振る舞わせることにしました。


普段仕事づくめで構ってあげられない負い目があったのか、主人にもあっさり認めてもらうことができました。


この家にいる者で雪香さんの正体が男であることを知っているのは私だけというのも、
誰も知らない秘密を抱える私にとってはいい刺激になっていました。

こうして私は、この生活に足りなかった刺激というものを満喫しています。

「うふふ、今日はこれで主人の婦人会に行かせてもらうわね。
 私が完璧に貴女を演じてみせるわ。その間、貴女はここでお留守番をしてるのよ。」
「む、むぅぅ・・・・」

「あら、そんなに嬉しいのかしら。帰ったらまた・・・たあっぷりかわいがってあげるわね」

そう言って、もう1人の私は私の頬を舐め回しました。

このとき、私の背筋に悪寒とも快感とも分からない衝撃が襲ってきます。
この感触がもう病みつきになっています。

「それじゃ、行ってきますわね。うふふ・・・・」

「む、むむーっっ・・・・・!!!」

にやりと笑みを浮かべる私の姿をした偽者。

こうしてまた私はウォークインクローゼットの中へ、暗闇の中へと閉ざされるのでした。











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