Skin Coupling(前編) 作:Howling 「んっ・・・・・・」 日下部裕也は不意に目を覚ました。 どうやらベッドの中だった。周囲に目線だけ向けると、日が差していないことから、まだ夜だと分かる。 裕也本人はベッドに行った覚えはないが、妻の恭子が連れて行ってくれたのだろうか。 裕也は、三年前に妻の恭子と知り合い、去年結婚したばかりだった。 恭子は甲斐甲斐しく自分を支えてくれる。性格もさることながら、瑞々しさとは違う適度に成熟した豊満な肢体は、性的にも裕也を満足させていた。 昨日は金曜日、仕事で疲れたからな。無理もない。それに、久しぶりに夫婦一緒に酒を飲んだ。 仕事疲れと酔いでダウンしたというところか。恭子に悪いことをしたな。そう思い、寝ぼけ眼のままベッドを出たところで、裕也は驚いた。 「え?」 ベッドを出たときに視界に入った脚が、見慣れた自分の脚ではなく、毛ひとつないすべすべの女性の脚だったのだ。 華奢で、どこか見覚えのある・・・・・ 「ど、どういうことだ・・・って、ええ!?」 声にも違和感がある。男の声より幾分甲高い。女性の声だ。眠気は一気に覚めた。 この違和感の正体をはっきりさせたく、裕也は鏡がないか周囲を見渡す。 ベッド横にある明かりのスイッチを入れて、周囲を見て裕也はさらに驚く。 「「どうゆうことだ?ここって恭子の部屋じゃ・・・!!!」」 次から次に疑問が増えていく。 ようやく姿見を見つけた。しかし・・・・ 「な、なんだ?これ!?」 裕也は驚愕した。部屋の鏡に映っていたのは裕也じゃなく、妻、恭子の顔だったのだ。 しかもその姿は全裸だった。 「わっ!?」 思わず両手で胸を隠す。 「「ど、どうゆうことだ?なんで俺が恭子の姿に・・・・・???」」 戸惑っている恭子の姿をした裕也。 しかし、裕也の脳裏に、記憶がフラッシュバックしていく。 自分の経験していないはずの記憶。 家の中で家事をしたり、自分自身を介抱して部屋に連れて行く様子が、あたかも自分の経験したことのように思い出されていくのだ。 「「これって、全部自分がやったこと・・・・・なのか?? じゃあ、本当に今自分は・・・・・・???」」 ガチャ・・・・・ 不意に、部屋の扉が開く。 扉の方を振り返り、裕也はさらに驚いた。 「な・・・・・!?」 なんと、部屋に入ってきたのは、裕也自身だったのだ。 どうゆうことだ?自分が二人? ますます混乱する。 「恭子・・大丈夫か?」 目の前のもう一人の自分は心配そうに俺に問いかける。 「だっ、誰だ!?」 「誰って裕也だよ。」 「違う。裕也は俺だ!」 「何言ってるんだよ?お前は恭子だよ。悪い夢でも見たのか?」 「夢なんて・・!!」 「落ち着けって。まあ座りなよ。」 「そんなことありえ・・・・んんっ!?!?」 裕也は突然、抱きしめられ、唇でふさがれた。 「んむっ!?」 裕也は突然の事態に慌てもがく。 その間も、自分の舌が入念に這い回る。 「「な、なんだ、これ・・・・? すっごく、きもち、いい・・・・・・??? キスで、こんな・・・・・??」」 裕也は、突然のキスにショックと戸惑いを隠せなかった。 相手が自分自身とはいえ、男とキスしてしまったという事実が屈辱でしかなかった。しかし、そんな思いとは裏腹に、今まで軽い前戯程度にしか思っていなかったキスに異様なまでの快感を感じていた。 この体が女性として欲情してしまっているのだろうか?普段感じない快感に思わず力が抜けてしまった。 普段自分も恭子と何度もキスをしたことはあるが、彼女は果たしてここまで感じたのだろうか? 放心状態になったその様子を見て、もう一人の自分がささやく。 「悪い夢みたんだよ。大丈夫。一度気持ち良くなれば夢も忘れるよ。」 「う・・・・・・うん・・・・・」 「じゃ・・・・・・しよっか・・・・・」 恭子の体となった裕也は、素直にそれに従った。どうゆうわけか。今、自分は恭子になってしまったのだ。 なら、これが当たり前なのだと。恭子として受け入れてしまえばいいだけ・・・・・・ それに、まだ酔ってるせいか夢の続きを見てるのかもしれない。 それなら・・・・・・・女として受け入れてしまえばいい・・・・・・ 不思議なくらいに、今の自分が恭子であることを受け入れていく。促されるままベッドに仰向けになる。 「はぁ・・・・・綺麗だよ恭子。」 「や、い・・・やぁ・・・・・」 まじまじと自分の、いや恭子の体を見つめられ恥ずかしくなって目を背ける。本当に恭子になってしまったかのようにいやいやをする自分自身に内心驚いた。 ますます恭子になっていく感覚に一瞬戸惑う。 もう一人の裕也は、そんな様子に笑みを浮かべながら再度キスをした。裕也自身も、吹っ切れたのか、最初ほどの嫌悪感はなく、その舌を受け入れた。口の中で舌が這い回りあう。さらに裕也(in恭子)は自分の後頭部に手を回され、なでられる感触を味わった。 胸や股間を愛撫されているわけではないのに、とてつもない快感を感じていた。肉体を重ね、包まれる安心感のせいかもしれない。 裕也(in恭子)は思った。普段自分はこんなふうに恭子を愛したろうかと。 ここまでの快感になるのなら、もっとしてあげればよかったかなと。ふと裕也(in恭子)は、自分の内側で熱いものがこみあげる感触を味わった。 まさか漏らした?一瞬戸惑うも、なぜか考えるまもなく、それが自分の股間から愛液がでているのだと分かってしまう。 ますます恭子になっていく感覚。 ここまで来ると、裕也(in恭子)は自分が日下部裕也であることを忘れてしまいかけていることに気づく。 しかし、それを嫌うどころか平然と受け入れていく。恭子に染まっていくのが快感になりつつあったのだ。 「落ち着いたね。それじゃ・・・・・」 もう一人の自分は、裕也(in恭子)の、たわわに実ったEカップの乳房の左側を揉み始めた。 下側から入念に揉んでいく。 「んああああっ!!!!」 裕也(in恭子)は、自分を襲う未知の快感に嬌声を上げる。裕也(in恭子)は驚く。 「「すっ凄い!!!こんなの・・・・・・反則過ぎる!!!!」」 胸への愛撫はそれだけでは終わらなかった。 もう一人の自分は続けて空いた手で反対側の乳房にも愛撫を始めた。左右それぞれに、強さや緩急の違いを加えて。 さらに、片方の乳首を舐め回していく。 「んあっ!!ああっ!!!あはああ!!」 快感が止まらない。そのまま乳首に吸い付かれた。しかも舌や歯を使って様々な刺激を加えていく。今耳にしている喘ぎ声が自分の口から出ていることにも若干興奮していた。 妻の体で、妻になって喘いでいると。快感にあらがう術もないまま、裕也(in恭子)は、先ほどからあった自分の内側の熱が出口を求めて暴れている感覚を味わっていた。 「ああっ!!!!も、もうだ、だめえええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!!!」 無意識のうちに女言葉で喘ぎ、絶叫と共に、頭が真っ白になった。 はぁ・・・・はぁ・・・・・はぁ・・・・・・・・ 背を丸め、快感の余韻に浸る裕也(in恭子)。 真っ白になった感覚。これが女の「イク」という感覚なんだろうか。 「すごいね今日は。すぐにイッちゃったみたいだよ。ほら、こんなに濡れて・・・・・」 「・・・・・え・・・・・・・??」 裕也(in恭子)は自分の股間を見つめた。 視界には、股間を中心にベッドのシーツが濡れているのが映った。 「す・・・・すごい・・・・・・・・」 「そうだね。でもまだまだだよ。」 いよいよ股間を弄るのかと思いきや、触れられたのは、脇腹だった。 「んはあああっっ!!!!!」 もう一人の自分の、体の内側よりかは低い温度の両手が絶妙な刺激を生んだ。 少しひんやりした感じが余計に体をゾクゾクさせた。 指先の微妙な動きひとつひとつに体をのけぞらせる。 「ひやあああっ!!!!」 脇腹への愛撫をされながら、今度は首筋から耳の下にかけて舌で舐め上げられた。 「ああああああっ!!!」 裕也(in恭子)の体は、入念な愛撫によって全身が性感帯になりつつあったのだ。 時折緩急付けて迫る手や舌の愛撫がどれだけ続いただろうか。 裕也自身、あれから2,3回イッてしまい、完全に妻・恭子の体の快楽に溺れきっていた。全身を快感で震えさせ、少しの刺激でよがる程の淫乱な体になっていた。 「「はあ・・・・・・はあ・・・・・・・はあ・・・・・・・・き・・・・・気持ち良すぎる・・・・・・・・」」 しかし、ここまで股間には一切愛撫を受けていなかった。 胸と股間だけの愛撫ではなく、全身くまなく愛撫されることがいかに快感かを身をもって知った。この状態で股間を愛撫されたらどうなるだろう?はやくやって欲しい。でも、ここまで一度も触られていない。そのことがもどかしい。もう、どうにでもしてほしい。この体をむちゃくちゃにしてほしい。 このことが、今の裕也の心を完全に支配していた。 「す、すんごい・・・・もっと、もっとぉ!!!」 裕也は恭子の体、恭子の声でさらなる快感を欲する。 全裸で曲げた両腕を上に上げ腰を振って懇願している。 その姿は、もう男の欠片もない、快感を貪る従順で淫乱な雌だった。 「どこをして欲しいの?言ってもらわないとわからないな。」 「い、意地悪ぅ〜。お・・・・」 「お?」 「おま○こぉ!おま○んこしてぇ!!!」 すべてをかなぐり捨てて快感に溺れていた裕也は臆面もなく口にした。身も心も「女」になってしまったと裕也は思った。 「いいねぇ。妻にそう言ってもらって興奮するよ。それじゃいよいよ・・・・・」 もう一人の自分は懇願を受け入れたのか、裕也(in恭子)の股間に顔を埋めた。 「んほおおおおおおおお!!!!」 自分の内側に何かが入ってくるという未経験の快感に獣のような声を上げ、太ももでもう一人の自分の頭を挟み込んだ。 くぐもった声と内側での舌による愛撫に、快感が止まらない。 女って、なんでこんなに気持ちイイ体をしているのだろう?裕也自身、うらやましくなっていた。 「ま、またあっ!!!んなああああああああああああああああああああああ!!!!!!」 数回舐められただけでイッてしまった。イッた余韻に浸る間もなく、歯が当たった瞬間、急激な快感が襲う。 クリトリスを甘噛みされたのだ。 「ひやああああ!!!!だ、だっめぇええええええええ!!!!!」 ほんの一噛みでイッてしまった。もう一人の自分は構うことなく貪っていった・・・・・ もう何回目の絶頂だろうか。放心状態になった裕也(in恭子)は太ももでの圧迫を解く。 「ふうっ。さすがに息ができなかったよ。相変わらずむちむちした太ももだ。」 「は、恥ずかし・・・・・」 「もう俺も我慢できないよ。そろそろ・・・・・・・・」 言いかけたところで裕也(in恭子)はためらいもなく自らの股間を見せつけるように脚を広げた。 「き、きてぇ〜・・・・あなたのそれを、この穴に入れてぇ〜」 裕也(in恭子)はもう一人の自分を誘う。 度重なる快感で、自分でも信じられないほどに女になりきってしまっていた。 「じゃ、遠慮無く・・・・・」 ズブッ!! すでにこれまでの行為で湿りきっていた股間はもう一人の自分の「もの」を難なく受け入れた。 異物が体の奥まで入ってくる感触。それはもはや裕也にとって快感の範疇を大いに超えていた。 そのままピストンに入る。 「「ああ!!!!す、す、すごすぎっ!!!狂う、狂っちゃう〜〜〜」」」 裕也(in恭子)は、初めて経験する「自分の体に異物が入ってくる感覚」に酔いしれていた。 無意識のうちに、もう一人の自分の首に両手を回し、両脚を絡めた。 全身で密着し、さらに喘ぐ。 「あっ、あっ、あっ、あっ、き、きもちっ、いいよぉ〜!!!!!!」 「いいよ!そろそろ出そうだ!!!」 「き、きてぇ!!中に、中にどくどく出してぇ〜〜〜!!」 そして、いよいよそのときがきた。 「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」 「イッくううううううううううううううううううううんん!!!」 どぴゅっ、どぴゅっ・・・・・・・・ 裕也(in恭子)の膣内に、勢いよく精液が流し込まれた・・・・・・・・・・・・・ はぁ・・・・・はぁ・・・・・・・はぁ・・・・・・・・ 深く呼吸し、快感の余韻に浸る。気持ちよさのあまり、裕也(in恭子)は体を動かせないでいた。 一方、もう一人の自分は最初こそ息を荒くしていたが、落ち着いたところで、裕也(in恭子)を見て笑みを浮かべた。 「ふう・・・・気持ち良かったよ。恭子、君もそうとう気持ち良かったみたいだね。」 はぁ・・・・・はぁ・・・・・・・はぁ・・・・・・・・ なんとなくもう一人の自分の声が遠くから聞こえる感覚にいた。 放心状態のまま、裕也は一瞬思う。 こんなに気持ちイイなら、戻れなくても、いいかな・・・・・・・・ 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・私になってみてのセックスはいかがだったかしら?」 「え?」 裕也(in恭子)は、突如、目の前にいるもう一人の自分が女言葉を使い出したのに驚いた。 私になって?どうゆうことだ? 「ふふふ・・・・・・・・驚くのはここからよ。」 混乱する裕也(in恭子)をよそに、もう一人の自分は手先を舐めると背中に手をやる。 唾液を塗りつけるように上下させていく。 そして1分後、 ジジジ・・・・・ まるで、ジッパーを開くような音がした。 すると、目の前の自分の頭が異様に伸び、そしてしぼんだではないか! 「えええ!!」 その後ろから出てきたのは・・・・・・ 「ふうう・・・・・・・・男の快感っておもしろいのね。」 「な!?」 なんと、そこに現れたのは妻・恭子の顔だったのだ。 なんということだ。恭子は自分の皮を被って自分に成りすましていたというのか。 そもそも他人に変身できる皮なんて・・・!!!!裕也の頭の中を驚きと疑問が支配した。 「どうだったかしらあなた?私の、女の快感は?」 「きょ、恭子・・・・???」 「動かないで。今すぐその皮、はがしてあげるから。」 恭子は、自分がしたことを裕也にやるよう促し、裕也はあっという間に頭部だけ剥いでもとの顔に戻った。 お互い、首から下が異性の体になっているのは奇妙だなと裕也は苦笑した。一方の恭子は愉しんでいるようだった。 「どっから聞けばいいのか・・・・・どうゆうこと?」 「ふふふ・・・戸惑うのも当然ね。今から説明してあげるわ。この皮のことをね・・・・・・・」 |