シーメールトランス
 作:Howling   挿絵:みゆきさん


「うっ・・・・・なんなのよこれ・・・・」
私は呆れていた。
目の前に転がっている肌色の物体に。
その物体には、髪の毛がついている。
それは、女性の型を模した全身タイツだった。
しかし、ただの女性の型ではない。
その股間には、
女性にはあり得ない男の"もの"がくっついていたのだ。
「あいつ・・・
・・・どんな趣味してんのよ・・・・」
私が言った"あいつ"とは、私の彼氏である。
製薬会社で働いている彼は、ときどき妙な遊びをしかけてくる。
それは、女性に変身すること。
女性願望のあるらしいあいつは、
会社の実験と称して時折女性の体型に変身できる全身タイツを作ったり、
変な薬を使って女性に変身して私の前に現れてくる。
私そっくりに変身してきたこともあった。
最初は何なのかと呆れてはいたけど、
あいつの妖しい遊びに魅了されていったのも事実だった。
あいつの変身した女性と一緒に外出するのも、私同士でセックスするのも、違和感がなくなってしまっていた。
それもどうかと思うけど・・・・・
「よりによって、
香苗ちゃんの皮でやらなくても・・・」
香苗ちゃんとは、私の同僚で、私から見てもかわいいと思う。
その彼女を模した全身タイツを作ってそこに男の"もの"をつけるなんて・・・・・・
「でも・・・・・」
今まで彼が女性に変身しているのを見ていた私はふと思った。
別人に、異性になるって
どんな気分なんだろう。
普段じゃ絶対味わえない異性の快感・・・・・
思わず固唾をのむ私。
いつしかその手は目の前に落ちている皮に
手を通し始めていた。
するすると私の脚を通って行く全身タイツの感覚。
「あっ・・・・・・」
腰まで通して、私は、今まで自分になかった男の感覚に驚いた。



自分の股間についている男の感覚。
そして、別人になっていく感覚。
私は、躊躇することなく全身タイツを
最後まで着始めていた。
いよいよ頭を通す。これで私は、
香苗ちゃんに・・・・・・・
目の部分に空いた穴から、視界が広がる。
「んっ・・・・・」
ふと、身体の感覚が変わった。
全身タイツを着ている、という感覚が消え、自分の皮膚のような感覚に変わっていくのがわかった。
顔に貼りついた皮の感覚も一体化していく。
部屋にあった姿見を見た。
肩近くで綺麗にそろえて切られた髪、
形のよい大きな胸、くびれ。すらっとした脚。
股間にある男の"もの"以外は、
どうみても香苗ちゃんだった。
「うわぁ・・・・って、
この声・・・・・香苗ちゃん!?」
声も香苗ちゃんになっていた。
あいつ、こんな風に愉しんでたんだ・・・・
「えっ・・・・すご・・・・・!」
私は、股間の違和感に驚いた。股間の"もの"がびんびんといきり立っていたのだ。
しかも、血管が浮き出ていてグロテスクだ。
「これ・・・・・触っても・・・・・・・」
私は、恐る恐る自分のものになったそれに触れた。
「ああっ!さ、触っただけで・・・・?」
私は、雷に打たれたような快感を感じた。
女性のような、じわじわくる快感じゃない。もっと異質の快感だ。
「男の快感って、こんなに・・・
・・んあああっ!!!」
私は、"もの"をしごく手を止められなくなっていた。
気持ちいい、気持ちいい!!快感が止まらない。
やがて、内側から何かが登ってくるのを感じた。
「あー、な、何かが・・・・何かが・・・・で、出るぅ!!!」
ドピュッ、ドピュッ
先端から白いものが勢いよく飛び出した。
部屋に飛び散り、
つんとした匂いが部屋に充満した。
「はあ・・・・・はあ・・・・・・・
す、すごい・・・・・・・」
突然のことに放心状態になる私。
私は初めての経験をしてしまった。女なのに男の快感を。それも、香苗ちゃんの姿で。
あいつはこんな風に気持ちいいことをしていたのか・・・・・?
手だけでこんなに気持ちよかったんだ。
もしこれを女のあそこに入れたら・・・・
「うそ・・・・・」
気付けば、私の股間についている男の"もの"は一度イッたのにもかかわらず、
再びいきり立っていた。
姿見をみるとそこには、
淫乱な表情を浮かべる香苗の姿があった。
そのとき、
「ただいま〜。」
女の、それも私の声が聞こえた。
この声の主を知っている。
私、村島由里香の彼氏である乙部卓だ。
「由里香〜・・・・って、ええ!?」
卓は私の顔で驚いていた。無理もない。
私が全身タイツで他人になって
快感に溺れていたのだから。
私は香苗ちゃんの顔でとろんとした目を、
私の姿をした卓に向けた。
なんで私の姿になって外に出ているかなど、どうでもよかった。
目の前にいる女を犯したくてしょうがなかった。
「あ〜たくぅ〜、おかえりぃ〜・・・」
「それ、着ちゃったの?」
「ねえ・・・・・しよ!!」
私は、自分の股間の"もの"から来る
本能のまま、私の姿をした卓を押し倒した。
「え!ちょっ、待って!!」
「ふふふ〜、もうだめ。この姿してたら、
我慢できなくて・・・・・!!」
私は、私の姿をした卓が着ていた服を
はぎ取って、唇を奪った。
「むっ、むっ、むふう〜!!」
「む、むふっ!!!」
私の身体になってるのだから、
どう感じるのかも分かっていた。
「ふむっ、むむう・・・・・・」
卓の、私の身体が興奮しているのがわかる。頬が紅潮してきた。
「濡れてるね、もういいでしょ・・・・・・!」
私は、本能のまま、
私の身体に"もの"をぶち込んだ。
「「あああああああああああっ!!!!」」
私の声と、香苗ちゃんの声がハモる。
私が、香苗ちゃんの姿で私を犯してる。
そのことがさらに私を興奮させていた。
腰をピストンさせる。
なんで男のセックスの仕方が分かるんだろう?本能ってやつだろうか?
本能の赴くままに私を犯していた。
互いの大きな胸が揺れる。
「ああ〜!いい、いい!!気持ちいいよお!これが、男のセックスねぇ!!!」
「あっ、あっ、あっ・・・・・・!!!!」
私の内側で、あの絶頂の感覚が来るのを感じた。
「ああっ!も、もうだめ!!
い、イク!イク!!
イッちゃううううううううう!!!!」

ドピュッ!ドピュッ!

私は、私の身体に中出しして、果てた。







「はぁ・・・・・はぁ・・・・・・・・」


私は、私の身体に倒れこんで荒く呼吸していた。
もう、私は完全にはまりこんでしまった。
異性の快感に。
卓がどっぷりはまるのも、今なら分かる気がする。
「ねえ・・・・・・たくぅ・・・・・・・」
私は、快感のあまり放心状態の卓に言った。
「あんたが作ったり着たりする全身タイツ・・・・・
 ・・・・・・私にも愉しませて?」








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