二転三転憑依劇
 作:嵐山GO


皆さんは魂に重さがあるのをご存知だろうか?
 これは今までにも何度も検証が行われ、証明されて
きた。
 おそらく危篤の人間を秤に乗せ死んだ後と体重を
比較したのであろう。
 それについては「失われた21g」という文献が
残っているので興味を持たれた方は読んでみるといい。

 実は私の友人も幽体離脱の経験がある。一度目は
横断歩道で曲がって来た車と接触した時だという。
 この時は自分の姿を数メートル上から見下ろし、
人が集まって懸命に倒れている自分に声を掛けて
いるのを見たと言っている。

 二度目は建築現場で仕事中に足を踏み外し、数メートル
下に落下した時だそうだ。
 だが、どちらの体験も自分の身体の重みを感じたことは
ないらしい。
 
 もう十年以上、この友人とは会っていないのでその後、
どうしているのか不明である。
 もしかしたら自由に幽体離脱出来るようになって、
夜な夜な街を徘徊しているかもしれない。
 これから描く主人公はそんな幽体離脱を望んでいる男の
話である…。
 
 
   ☆  ☆  ☆  ☆  ☆

 彼は極めて孤独な男であった。
身寄りも無く、悩みを打ち明けるような友人すら
いない。
 ただ毎日を自宅であるアパートの一室と会社を
往復するのみ。
 当然、一杯呑みに行くことも遊びに寄ることもない。
 だがそんな彼が命がけで突っ走っている事がある。
 それは、ひたすら現金を貯める事、そして「憑依薬」
と呼ばれる怪しげな物を購入する為だった。
 その怪しげな商品を頭から信じ込み、退職願いを
出す日まで貯め続けた。

『憑依薬』、それは名の通り他人の身体を奪って
乗っ取る薬。
 たまたまネットで見かけた、その薬を疑いもせず、
信じた彼はまさに血の滲む思いで貯めたのだった。


 主人公は身の回りのものを全て売却して処分し、
その日に備えた。
 そしてついに、『その日』は来たのだ。
 彼は、全て売り払い身体一つだったが部屋の鍵は
開けておいた。
 万一、薬が偽物で失敗して死に至るようなことになっても
家賃を取りに来るであろう大家に身体を発見して貰うためだ。

(別に身寄りもないのだから死体が見つからなくても
いいんだけど、部屋が汚れたら大家さんに迷惑かけちゃうしな)
 結局のところ迷惑を掛けてしまうことには間違いないのだが、
もう他のことは考えないことにした。
 そうでもしないと、この計画は一向に前に進められない。

 この計画…それは薬を使って幽体離脱し近所の女子校生の
身体を乗っ取る事。
 だが問題は他にもある。
 万一、上手く他人の身体に入れたとしても激しく拒絶されれば
乗っ取るどころか乗り換える事も、元に戻る事も出来ず精神は、
そこで消滅してしまう。
 つまり『死んでしまう』という事だ。
 ただし相手が身体の受け渡しを了解してくれれば、その身体は
永遠に自分のものとなる。
 身体を奪われた相手は永遠に目覚める事はないらしい。
「まじで命がけだぞ。これは何としても成功させないと」 


 その日の夜…。
(お、いたいた。パジャマ姿か…やっぱ桃香ちゃん、可愛いな)
 少女は自分の部屋にいた。食事も風呂も終え椅子に座って
くつろいでいた。
 通勤途中で、ほぼ毎日見かける可愛い子。
 住んでいる場所や名前は分かっても、声を掛けることは
出来ない。
 募る想いが続く内に彼は、いつか他人に奪われるくらいなら
身体ごと自分の物にしたいと思い始めた。
 究極の独占欲だ。
 『憑依薬』のことを知ったのも、ほぼ同じ頃。


「ん〜〜、明日でテストも終わりかぁ」
 大きく伸びをしながら独りごちている。
(胸もそこそこに大きいな。Cカップくらいかな?)
 浮遊する彼の身体は彼女には、もちろん見えない。
 頭上から見下ろすように厭らしく観察を続ける。
「しかたない…テスト勉強やろっかな」
 机の上に教科書や参考書を並べ始めた。
(勉強するのかな…もういいや。入るか)

 説明書に書いていた文字を思い出し、男は少女の両肩に
向けて足先を差し向ける…
「あ、何? なんなの?」
 少女は両肩に僅かな重みを感じ振り返ったが誰もいない。
(ここでやめるわけにはいかないんだ。どんどん入るよ) 
 男は少女の身体を掴んでズブズブと沈み込む。

「いや、何かが私の中に…? い、嫌…やめて!」
 少女が声を出し始めるのと同時に入り終えると、すぐさま
優しい声を掛けた。
(大丈夫だよ。大きな声を出さないで。僕は君だよ)
「え、な…何なの? 僕は君って、どういう事? あなたは誰? 
僕っていう事はあなたは男なんでしょ?」
(そうとも、僕は君の中の男の因子なんだ)

「男の因子?」
(そう、誰だって体内に男女の因子が両方存在する。片方が
強ければ男っぽかったり、女っぽかったりする因子だよ)
「よく分からないよ。それが何故、今私の中で喋っているの?」
(それは君が今、すごく悩みを抱えているからだ。違うかい)
「悩み?」
(そうさ。家庭のこと、学校のこと、友人のこと。悩んでるん
だろ?)
 男は適当に並べてた。思春期の男女なら誰だって悩みくらい
抱えている。
 悩みを持たない人間なんていない。

「そ、それはまぁ、少しくらいあるけど」
(だから僕が一つずつ解決してあげるよ)
 奪い取るための懸命の説得を続ける。
「解決? どういう意味?」
(君は少し、休んでいればいい。目が覚めたら悩みなんて無く
なって楽になってるから)
「貴方が全部片付けてくれるって事?」
(そうさ)
「それって、どれくらい休むの?」
(数日でもいいし、数ヶ月でも。とにかく起きたくなったら
起きればいいさ。君の自由だ。好きなだけ寝てていい)
 
 この年頃は常に寝不足だ。寝たいだけ寝ていいと言われれば
嬉しいに決まってる。
「うーーん、どうしようかな?」
(うんと楽になれるよ。僕が必要でなくなればいつでも消える。
また抱えきれないくらい悩みを増やしたら呼んでよ。僕は
いつでも君の為に来る。だって僕は君なんだもの。ね、桃香)
  
「そう、わかったわ。じゃ、少し寝るね。でもお友達と喧嘩したり
トラブルは駄目だからね」
(分かってるって。僕は君になるんだよ。君の記憶も引き継ぐんだ。
大切なもの、苦手なこと、嫌なこと、全て承知の上さ)
 この女の子の身体を手に入れてしまえばば、記憶を読むなど
造作も無い事だ。
「起きたい時はどうすればいいの?」
(一日おきに僕がそっと声をかけるよ。まだ寝ていたければ
寝ていればいい。悩みが解決したことも随時、報告する)
 全部嘘だった。一度眠りにつけば二度と起きることはないと
書いてあった。

「了解。じゃ後はよろしくね。男の人が私の身体を自由にする
なんて、なんだか嫌だけど、でも貴方は私なんだものね」
(そうだよ。心配しないで。多分、他の子たちも皆やってると
思うよ)
「あ、そっか、そうだよね。それを聞いたら安心しちゃった。
えーーと、後は…そうだ! 明日、試験の最終日で私の苦手な
教科だけど平気?」

(任せてよ。なんなら100点取ってあげようか?)
「すごーい、そんな事も出来るんだ。不思議。でも、いきなり
いい点取ったら先生やお母さんがビックリしちゃうかもね」
(じゃ適当に追試にならない程度にやっておくよ)
「助かるー。お願いね」
(じゃ、もう休みなよ。目覚めたら又ゆっくり話せばいいじゃん)
 早くこのこの身体を我が物にしたくて堪らない。
「そうだね。じゃ寝るね。なんだか今日は疲れちゃったし。最近、
超寝不足なんだ」
 少女の気配は消える。男の精神が少女の体隅々までゆっくりと
浸透していった…。

「く、くっ、く…上手くいったぞ」
 それは女の子の声だが、その不敵な響きは魔女のようでもある。
 すぐさま立ち上がって、ベッドへと向かった。
「可愛い部屋、デザイン、うーん…この匂いも堪らんよな〜」
 回りをグルリと見回しながら悦に浸っている。
「これだよ。この身体が欲しかったんだ」
 あらためて己の身体を見下ろし、感動に震える。
 両手を開いて見つめる。全ての感覚を手に入れたようだ。
「見えるし、喋れるし、服を着ている感覚もある。ブラはもう
外したのか。でも小さなパンツの締め付けは分かる」
 唇の端が淫靡に曲がり、舌先で唇全体を舐め回す。
 
 長い間、片想いだった女性の身体を奪い取った途端、
それは愛情から、煩悩へと変わる。
「もう何したっていいんだ。僕は桃香になった。そして
本物の桃香は消えた。完全に」
 少しだけ歩いてみる。あちこちに手で触れてみながら、
すぐさま記憶を読み取ろうか考えた。
「ま、いっか。変身していく楽しみを残しておこう」
 壁に掛けてある真っ白なセーラー服を見ながら、
ほくそ笑む。
「明日から、僕は女子校生か…今度こそ青春とやらを
エンジョイするぞ」
 早くも鼓動がドクドクと脈を打ち始めたのが分かる。

「さてと、すぐにでも女の快感を貪るのもいいが…」
 ベッドの前で踵を返し、姿見に見入った。
「これが今の僕か。憧れだったんだ。ずっと好きだった。
でも僕なんか無理だ…年も離れてるし、何の魅力もない。
いつも遠くから見てるだけだった」
 鏡の中の少女は寂しそうな表情で呟く。だが、すぐさま
表情を変えて「僕のモノになったんだ」と漏らす。
 鏡に寄り、映る自分の唇にキスをした。
 チュッ
「うふふ…いいよね?」


 再び一歩下がり、上半身を映し出す。
 興奮しているせいか、やたら胸の辺りが上下する。
「僕が君の代わりに生きてゆく…大丈夫、後悔はさせ
ないよ」
 実に思い上がった勝手な言い草だ。
 そっと胸の当たりに手を置いてみる。
「今から僕が開発してあげる。それとももう経験済みかい? 
そうだね、これだけの美少女なんだもの。さぞかしモテるん
じゃないか」
 鏡に向かって首を傾げたり、はにかんだり、照れる仕草
すらしてみる。
「可愛い顔して、エッチな事ばかり考えてるんでしょう?」
 今の自分の心境を言葉にして問う。 
 そして躊躇しながらも少しづつ女らしい言葉を選ぶ。

「ねえ、桃香は…ううん、私はドコまで知ってるの?」
 楽しむようにパジャマのボタンを一つづつ外してゆく。
「胸、見るよ。いいよね? だって今は私の胸だもの」
 ボタンを下まで外し終えると、焦らすようにゆっくりと
前をはだける。
 やはりノーブラだ。
「わぁ、キレイな胸、形もいい。乳首もサクランボみたい」
 両胸を交互にしげしと見入る。
(こんなに綺麗なんだ。きっと誰も触ったり吸ったり
していないに違いない)
 形の良い胸、穢れのない乳首を見て勝手にそう決めつけた。
「柔らかーい! やっぱりCカップかな。明日、ブラで確認
してみようっと」
 記憶さえ読めば何でも分かるのに、敢えて自分に幾つかの
楽しみな宿題を残している。

「肌、スベスベでプリップリだぁ。若いもんなぁ」
 初めて触れる女の肌に興奮は更に高まっていく。
 焦らすように、ついに手は胸に達した。
「うーん、イイ…胸だけでこんなに感じるなんて」
 両手で左右の胸をそっと持ち上げるように愛撫を始めた。
「うふふ、いい感じ。可愛い声もっと聞かせて」
 ほんのり頬を染め、胸への自慰を続ける。
「いいわ。じゃ、次は乳首ね。きゃうん!」
 言いながら、いきなり乳首を摘むと脳天に衝撃が走った。
「な、なんなの? この刺激…強すぎ。まだ勃ってもいない
のに?」
 今度は両乳首をそっと優しく摘み上げる。
「あん! でも少しづつ勃ってきちゃった…」
 
 小指の先ほどに隆起した乳首が生まれて始めて自己主張して
いる。
「あは…こんなに固くなるんだね」
 誰も触れたことのない胸、そして乳首が震え始めた。
 次に両胸を包むようにして掌で乳首をコロコロと転がす。
「あ〜ん、これもイイ感じ」
 両掌の一番感度のいい場所から脳へと官能が走る。
「だいぶ慣れてきたぞ、本格的に揉むか」
 時々、男言葉に戻るのはその都度エロのスイッチが入る時か…

 むにゅ、むぎゅー
「くふー、堪らん…胸を揉むだけでこんなに頭がクラクラ
するなんてな」
 鏡の中少女は卑猥な男言葉を発しながらも、開けた胸部を
執拗に揉み続ける。
「な、なんだか股間が濡れてきたような?」
 パジャマのズボンのゴムを持ち上げて覗き込むが、よく
分からない。
「たぶん愛液が出たって事だよな? 脱いで見てみようかな」
 今度こそベッドへ移動し、ズボンを脱いだ。

「白か…ふんっ、こんな可愛いパンツ穿きやがって」
 純白のショーツが小さなリボンやレースで飾られている。
「おお、やはり濡れてるな。透けてうっすらオマ○コが
見えるぞ」
 ショーツの中、クロッチ部分を凝視した。
「汚したらまずいか? 母親にバレるかな…いっか。明日朝、
洗濯機に入れておこう」
 結論と同時に右手が陰部へと伸びる。
「触っちゃうよ。桃香ちゃん、いいよね…て今は僕だけどさ。
もちろん誰も見たり触ったりした事のない場所だよね?」
言いながら、掌の開いてじっと見つめる。
「美しい手だ。しなやかで、それでいてプリっとしてて。
この手がオッパイを揉んだり、オマ○コ触ったりするのか…
堪らんよな」

 
 その手の指先を、そっと湿った部分に伸ばし触れる。
「あん! ピリってきた」
 クリトリスか陰唇か、それは分からないが、とにかく
またしても激震が走った。
(パンツの上からでもこれかよ。直接だったらどうなるんだ)

 それでもまだショーツは下ろさず、しばらく様子を見る事に
した。
(少しは慣らさないとなー。ちょっと触れただけであれだ。
きっとオナニーすらしてないんだろうな。敏感過ぎるよ)
 時間をかけて、ゆっくり何度も陰部を上下に擦る。
(ムズムズがせり上がってきた、こいつはマジでやばいな。
どうしよう?)
 絶頂らしきものが股間から背中へとせり上がっていくのが
分かる。
(このままイこうか…いや、やはりパンツは脱ぐべきか。何が
起きるか分からないしな。ションベンなんか漏らしたら洒落に
ならん)
 我ながらAVビデオを見過ぎかなとも思ったが、後悔するより
ましだとも思った。

 脱いだショーツは掌の中に収まるほど小さかった。
「女ってなんで、こんな小さなパンツ穿けるんだ?」
 ベッド下に投げ捨て、すぐさま手は股間へ向かう。
 うっすらと陰毛を生やした陰部はかえって卑猥だった。
「おいおい、こんなに薄いんじゃオマンコ丸見えだぞ」
 そう言いながらもM字開脚へと移行。
「うふん、エッチな格好ね。何をする気?」
 両手で濡れそぼった陰唇を開く。
「びしょ濡れじゃない。どんな味がするか舐めてあげる」
 指先で蜜壺の表面を掬う。透明な液の糸をひいた。
「ひゃんっ!」
 またしても強烈な電流。

 ぺろ、ちゅっ
 掬い取った蜜を舐めた。
「ちょっとしょっぱい? うふん、でも美味しいよ。
桃香の愛液」
 満足そうに指を咥え、厭らしい笑みをこぼす。
「じゃ、いいよね? 本格的に擦るよ。初オナニーしちゃう」
 左手の指二本で陰唇を開き、右手指を待つ。
 舐めて濡れた指先がクリトリスから縦溝へとピッタリ
あてがった。
「やぁ〜ん、ドキドキしちゃうね」
 中指の第二関節が僅かに折り曲げられる。
「あ、駄目。クチュって…音が…はんっ! 気持ちイイ」

 膣口の両襞(ひだ)が、すぐさま指に張り付いた。
 指は襞に守られながら静かにスライドを始める。
「くふっ! こんな凄い快感…初めて…」
 男の時には考えられなかった快感が次々に芽吹いてゆく。
「クリも…同時にいいかな」
 指の付け根の部分で、そっと優しく撫でた。
「はうん! 凄い…敏感」
 まだ皮を被っているのに、その刺激といったら何て表現
したらいいのか。
「い、いくよ…クリも溝も同時に擦るからね。覚悟してよ。
あ、ぐうっ!」
 言い終わる前に動かしたものだから、もう堪らない。

「どうしよう…こんなの知らない。スグにイッちゃうよ」
 左手を口に当てて乙女のように恥じらい躊躇した。
「でも…大人にならなくっちゃ。だって、もう17歳なんだ
もの」
 右手の二本の指でクリトリスを挟むと、ゆっくり上下に
スライドを始めた。
「桃香、もうイッちゃいそう」 
 男の自慰とは違い具合が分からない。ここでも記憶を
読んでみようかと思ったが、初めてを体験するためにも
敢えて未開の扉を開く。

「刺激が…凄い…男なんかとは全然違う…」
 それでも愛液は止めどなく溢れ出る。
「もうグチョグチョじゃん。私ってば厭らしい子…」
 シーツに広がってゆく染み。
「えへ、お母さんにシーツも洗って貰わなくっちゃね」
 時々、女言葉を発し自分が憑依している事を存分に堪能する。

「…どうしよう。何か入れたくなってきちゃった。マズイかな〜」
 膣が小刻みに痙攣している。男が言うように内部が侵入物を
望んでいるのかもしれない。
「どうせ、桃香ちゃんに身体を返すつもりはないんだから、
僕の好きなように使っていいんだもんな」
 言いながら右手、人差し指をペロリと舐めた。
「私の処女…あげる。ううん、貰う…かな」
 そう言うと、指先は陰唇をよけ膣口をめざす。

 クチュ!
 指先と膣口が小さくキッスした。
「あ、やん…入っちゃう…やだ…ソコだめ」
 今度は左手をギュッと握り込み、口に当てて赤面する少女を
演じる。
(あ、いや待てよ。出血するかも? するよな?)
「ふぅー」
 大きく息を吐いて机の脇のティッシュボックスを手に取ると、
再びベッドに戻り仰向けに寝た。

「入っていくところは見えないけど、この方がいいや」
 左手で胸を弄り始めると、すぐに右手は先ほどの場所へと
急ぐ。
(いいぞ〜。ますます女の子の一人エッチみたいだ)
「これ以上は…やん…欲しくなっちゃう…」 
 乳房を揉み、乳首を転がすと気分は頂点へと駆け上がる。
「あはーん、もう駄目…やっぱ欲しいっ!」
 指が容赦なく侵入した。
 ブツっ!
「うわっ、いってぇー」
 下半身から激痛が走った。
「な、何だよ! 処女喪失ってこんなに痛(い)てーのかよ」
 荒々しい男の言葉が飛び出る。。
 上半身を起こし、見れば指先に血が付いている。
「や、ヤバい! シーツに付いたら言い訳が大変だぞ」
 急ぎ起きて、テッシュを数枚抜き陰部にあてがった。

「ちくしょー、もう。完全に気分が冷めちまったよ」
 血で滲んだテッシュを丸めて袋に入れ、分からないように
ゴミ箱に捨てる。
「ま、慌てなくてもいーか。また明日もあるしな。今日は
ここまでにしておこう。ちぇっ」
 軽く舌打ちして先ほど脱いだパンツとパジャマのズボンを
穿き、胸のボタンもとめた。

「それじゃ寝ながら、少しだけ記憶を読んでみるか」
 電気を消して暗闇の中で目を閉じた。
(ん? 大塚美也…仲のいい女友だち…スタイルいいな…
彼氏がいるのか…へぇー、桃香ちゃんも最初、こいつに片思い
だったんだ…美矢に取られた感じかな? 面白い…だったら、
この子ともっと親密になってやる。 レズプレイとかして
みたいぞ)
 親友に関する情報を次々と読み取ってゆく。
(いい事を知った…明日、試験が終わったらさっそく実行だ。
こんな僕にも初めて友だちが出来そうだ。それに家族も
出来たしな)

 闇の中で一層不敵な笑みを浮かべると、少女は静かに寝息を
立て始めた。

            続く




  次章:冒頭部分

「桃ーーっ、起きなさいよー」
 遠くで女の人の声が聞こえる。
「桃香っ、いつまで寝てんの。遅刻するわよー」
 なんだか怒ってるみたいだ…桃香って何?
「今日で試験終わりでしょ? 早く起きなさい!」
 バタンとドアが開けられ、僕は驚いて跳ね起きた。
「あ…あわわ…だ、誰でしょう?」
 桃香が誰なのか分からない。入ってきた女性の顔も知らない。




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