二転三転憑依劇
 作:嵐山GO


第三章

 先日、購入したシフォン地の薄く短いスカートで街に出た。
 下着も同じ日に自分で買った布地の少ないもの。
(やっぱ夏は女の格好の方がいいよな。全然涼しい)
 そこへ急な風が吹き込んできた。
「あん、やだ。見えちゃう!」
 慌ててスカートを抑える。
(へへ、僕も少しづつ女になってるのかな…)
 そんなことを考えていると視界にタイプの女の子が
入った。
(いいねぇ、あんな子とレズエッチしてぇー)

 同い年位であろう女の子がミニのワンピースで
歩いている。
(あれ? なんか股間のあたりがムズムズするけど?)
 みるみるパンツの締め付けが窮屈になる。
(う、嘘だろっ! 勃起? チンポが生えてきた? 
ちょっとマズイよ。なんで?)
薄紙のように軽い生地が、どんどん持ち上がっていく。 
 慌ててスカートを抑えるが、かえって大きくなったペニスが
目立ってきた。
 女装した変態男だと思われても仕方ない状況だ。


「うわ〜〜〜ん! って、あれ? なんだ夢かよ…」
 頭を掻きながら起き上がる。
「どうも憑依してからというもの、寝起きが悪かったり
妙な夢見たりするなぁ」
 ベッドから降りて、時計を見た。
「副作用…? いや、まさかね」

 女になって、早3回目の日曜日だ。
(もう一ヶ月にもなるんだな…)
 先週も先々週も美矢に呼び出され3Pセックスに興じた。
 光も口にこそ出さないが桃香の身体にぞっこんみたい。
 二回目はまだ羞恥心が残っていたけど、3回目ともなると
自ら服を脱いでベッドに向かった。
 
 自分で選んで買ったミニスカートや布地の少ないショーツを
身に着け挑んだのだ。
(ごめんね、桃香ちゃん。僕どんどんエロくなっちゃう)
 「フェラまでしちゃったもんな、ちぇっ」
 不本意ながら光(ひかる)のペニスを自分から咥えた。
「くそぉ〜、なんであんなヤツのチンポ咥えたんだろ」
(やはり、どんどん女に近づいてるのか?)
 
 ガチガチに勃起したところで美矢も加わる。
 僕は光の顔の上に跨がり舐めてもらい、美矢は
騎乗位スタイルで僕と向かい合う。
 キスし互いの胸を激しく揉み合うのだ。
(美矢のオッパイ超デカイんだもんな。揉みがいあるよ) 

 お互い軽く一回イクと場所を入れ替わり、今度は僕が
騎乗位で突き上げられ、すぐさま二度目の絶頂。
(上に乗ると好きな所を刺激できるから早いんだ) 
 そして最後はいつも通り、バックで激しく突いて貰う。
 両腰を掴まれての高速ピストンで三度目の絶頂。 
「ああーん、先輩もう駄目ーっ! 桃香またイッちゃう!」
(なーんて、我ながら思い出すと恥ずかしい事、言ってる
よな。ははは)


(でもこんな事、いつまでも続けられない。光以外に
好きだった男はいないのかな?)
「いやいや駄目だ。他の男に取られないために、この身体を
僕が奪ったんじゃないか」
(この身体を男に抱かせるのは悔しい。でもエッチはしたい。
女の子が相手がいいけれど、無理だろうな…)
 頭を抱えて模索するが良いアイデアが出るはずもなく、
天井をじっと見つめる。

「でも、いつも言いなりってのも何か悔しい」
 美矢のマンネリに付き合わされる理由などないのだ。
(男を知ってしまったこの身体…レズじゃ、もうイケないだろうな) 
「こうなったら桃香ちゃんの記憶全部吸い出そうか? 
なんか美矢の言いなりになってばかりで悔しいぞ」
 記憶を辿って状況の打破を試みるか…?

(まー待て、待て。記憶なんていつでも吸い出せる。今は
桃香に成りきることに専念しよう)
「とはいえセックスはしたいんだよー」       
 ベッドの上で半身を起こしたまま、両親がいないのを
いい事に吠えまくる。
「朝っぱらからオナるのも虚しい」
 薄ピンク色のパジャマのリボンが揺れている。 
 昨夜も遅くまで自慰に興じた。淫乱さは日々増すばかり。
「シャワーでも浴びて少し頭を冷やすか」
 激しいオナニーの後、深夜に浴びるわけにもいかず、
そのまま寝るので気持ちが悪い。


「家にいても仕方ない。外に出よう…」
 シャワーの後、髪を乾かしながら何となく思った。
 美矢にメールで『今日は出かける』と打って送った。
 そうしなければ、スグにでも誘いのメールが来るからだ。
「今では美矢ではなく、光の希望だろうけど。ふぅー、
危ない、危ない」
 頭をブンブンと振って妄想を振り払おうと努力する。
(光の奴が僕の、いや桃香ちゃんの身体を狙うように
なってくれば、いつかはトラブルになる。これからも
美矢とはうまくやっていきたいからな。問題だけは
ゴメンだ)

 抽斗を引いてブラウスとスカートを取り出す。
「女物の服を着るのも抵抗なくなっちゃった」
 左右逆のボタンもサイドのファスナーも難なく留める。
 薄いが長めのハイソックスを穿き終えると鞄を持って
玄関へ向かった。
「歩きたい気分だからスニーカーにするか」
 
 出かけるには、よく晴れた絶好の天気だ。
 30分ほどバスに揺られ一番の繁華街へと出た。
「桃香ちゃんの好みなんかも少しづつ分かってきたし、
洋服か小物でも買ってあげようかな」
 まるで大好きな恋人にプレゼントする気分だ。

 記憶から身だしなみや小さな癖は学習した。
 しかし桃香の個人的な思い出などには興味がない。
「僕が桃香として不自然でなければいいのさ。親にもバレて
ないんだし」 
 ウィンドウに可愛い服を着たマネキンを見つけて、
自然に立ち止まる。
(可愛いな…桃香ちゃんに似合いそう。でもセットアップで
買える程お金持ってないし…お小遣い出たら買うかな)
 自分へのお小遣いではないが、すでにこの身体は自分の
物だという確信があるから、お金も自由に使っている。
 気持ちはとっくに諦めがついているのに、ウインドウから
離れらない。
「この服着たら目立つだろうな…モテるかも…)

(僕も彼氏、作ったほうがいいのかな? いや、駄目だ。
桃香は僕のものなんだから。僕が独占するんだ)
 身体が男を求め、彼氏が欲しい気持ちと、作りたくない
気持ちが葛藤を続ける。 
「今更だけど…」
 つい声に出してしまったので、慌てて口を閉じる。
(僕は女になりたかったんじゃない。桃香ちゃんを他の
男に取られたくないから僕が身体を奪ったんだ)

 大きなため息を一つつくと今度こそ、その場所から
離れた。
 目的も無いままフラフラと歩き続ける。
「ん? ここは何処だ…あー、駅前の中央公園か」
 いつの間にか大通りから離れ、ひときわ大きな公園へと
入っていた。
「ふぅー、疲れた。休むか」
 若いとはいえ、スポーツとは縁遠そうな桃香には
長時間の徒歩はこたえたようだ。
 自販機でジュースを買うと、一番近いベンチに腰を
おろした。

「何してるの? 誰かと待ち合わせ?」
 ジュースを飲み終え、一息ついていると男が声を掛けてきた。
 顔を上げると、年の頃は二十歳前後か。ガッシリとした体格で
イケメンでお洒落。見るからにモテそうだと分かる。
自分もこういう外見に生まれていたら、【憑依】などと
面倒なことをしなくても桃香ちゃんを落とせたのにと、
睨むように見上げる。

「そんな怖い顔しないでよ。何もしないからさ。ただちょっと
話しがしたいんだけど、隣に座ってもいいかな?」
「え? あ、ごめん…なさい。どうぞ」
 僕は少し腰を移動して場所を空けた。
(ちょっと待て。こいつ誰だよ? このままじゃ見知らぬ男に
ナンパされちまうぞ)
 頭の中でもう一人の自分が我に返ったように言う。
(ま、それでいいか。暇なんだし…外に出たのも、そんな
期待があったからだ)

「彼氏と待ち合わせとかじゃなかった? 大丈夫?」
 座るなり聞いてきた。
「大丈夫です。それに彼氏とかいませんから」
(わ〜、何言ってんだ! わざわざバラす事ないのに)
「へぇー、君みたいに可愛い子がフリーなんてね。信じられ
ない。高校生でしょ?」
「え、あ、そうです」
(ヤバイ! どんどん個人情報漏らしてるな)

「僕は大学生なんだけど、悲しいかな付き合ってる子が
いるんだ。あー、残念だなー」
「ふふふ」
 笑みが出たのは彼女がいるという安心感からだろうか。
「今日もデートの約束あったんだけど、向こうに急な用事
出来ちゃってさ。仕方ないから一人で公園を散歩だよ」
「そうだったんですね。うふふ」
(不毛な会話だ。別にどうでもいいってや。帰ろうかな?)
 そう思った時だった。

「よかったら、これから2人でデートしない? すぐこの裏に
お洒落なホテルがあるんだけど」
「デ、デート!? ホテルですか?」
 大きな声が出そうなところで、辛うじて抑える事ができた。
(彼女いるって言ったくせに、何なんだよ)
「若い子たちがよく使うホテルだよ。ミラージュ2って
言うんだけど知らない?」
「あ、いえ…知りません」
(なんで2が付いてんだ? 本店が別にあるのか。いや、
それよりもこの状況は…)

「ほら、行こうよ。その後でさ、食事でもしてさ。大丈夫、
今日一日だけのデートだ。付きまとったりしないよ」

 缶を握った手を捕まれ、半ば強引に引っ張り上げられる。
「どうしたの? 初めてじゃないんでしょ?」
 プレイボーイってのは、どうしてこうも人の心の中が
見通せるんだろう。
「で…でもぉ」

「さ、おいで。僕は酷いこととかしないよ」
 それは何となく分かる。女遊びも扱いも慣れてるだろう。 
(エッチのテクとかも凄いんだろうな)
 男はスタスタと歩き始めた。

 形の良い尻が目に入る。 
 同時に僕の中の女の性が鎌首を持ち上げた。
(ヤバい! 股間が熱を帯びてきた。濡れたら洒落にならん)
 僕はすぐに立ち上がって男の後に付いていった。

「どう? 結構いい部屋でしょ?」
「え…ええ」
(参ったな…結局、口車に乗せられてホテル来ちゃったよ)
 淫乱な女の悪魔が後押ししたのは分かってる。でも、
それよりも桃香ちゃんの身体を、またしても男の手に
委ねてしまうことは大問題だ。

「もう一度聞くけど、本当に彼氏とかいない?」
「いません…」
 それは本当だが。
「だったらいいんだけど、後でトラブルとかは嫌だしね」
「ええ…」
(お前の方は大丈夫なのかよ?)

「小さな肩だね。ガラス細工のようだ」
「あ…」
 背後から優しく抱きしめられる。こういったシチュエーションは美矢と光のときにはなかったものだ。

 ちゅっ! 首筋にキスされた。
「あふぅ」吐き出すように甘い吐息が漏れる。
 男の唇は耳へと移動し耳全体を甘噛する。
「んん〜〜ん」
 我慢してもしきれない声が次々に吐き出される。
(ヤバい、早くも流されそう)

 うなじから耳へと舌が移動し、左手が胸に当てたれた。
「あ…んん!」
 声が出たのと同時に、今度は右手がスカートを捲って
内部に侵入してきた。
「やん、ソコ…」
(そんな可愛い声出しちゃダメだって)
「ふふ、いい声だよ」
 男は多くを語らない。これもテクニックの内かと思う。

 薄い布の上から大切なものに触れるように、優しく
そっと撫でた。
「湿ってる」
 またしても心の中を読まれたような台詞。それだけで
自我が崩壊しそうだ。
「やぁ…あぁ…だめ」
 

「ずいぶん濡れてる。上からでもわかるよ」
「やん、そんな事言っちゃ…あっ」
 全部言い終わる前に長い指が横のゴムをくぐって
入ってきた。
「あ…ソコ…」
「薄いね、ここ。小っちゃな子供みたい」 
 まさぐりながら溝を探り当て、ぴたりとあてがった。
「あん…駄目だってば」
 両足がガクガクしてくる。
(くぅー、立ってられない)

「ベッド行こうか」
 手を引かれ、男に付いていった。
「ね…お名前、なんて言うの?」
 別にどうでもいいことだが、気になったので聞いてみた。
「名字? 名前? 名前の方がいいね。エッチの時に
呼んでくれるんでしょ?」
「え? あ…はい」

「とおるだよ。透明の透って書いて一文字で」
「え? ええ!」
(僕の名前と同じ? しかも漢字まで一緒…)
「随分ビックリしてるけど、もしかして昔付き合ってた彼と
同じ名前とか?」
「そ、そんなとこです」
「そうだよね。今はいないって言ったもんね。じゃ君の名前も
教えてよ」
「桃香」
(教えちゃったけど、べつに大丈夫だろ)
「桃香ちゃんね、外見と同じく可愛い名だね」
「そんなこと…」

「経験はあるって言ってたけど、感度はどうかな」
 再び指がパンティのゴムをくぐって、秘部をまさぐる。
「あ、んん〜」
(もういいか…身体は欲しがってるし、ここは素直に受け入れるか)
「さっきより濡れてる」
「ね、透さん…優しくしてね」
(僕らが付き合っていたら、桃香はこう呼んでくれたかな)
「もちろん、僕に任せて」
 ベッドに横たわる。
 
「桃香ちゃん、触ってごらん」
 男の股間に手を導かれた。
「ああ…」
(まだ勃起してないけど、結構デカいな)
「経験少ないみたいだから、フェラしなくていいよ」
「…はい」
(助かった。見知らぬ男のなんて咥えたくないよ)
「ここはお互い前戯無しで始めようか? こんなに
濡れてるんだから、もう大丈夫でしょ?」
(今からセックスかと身体がビクビク反応するのが分かる) 

 指が膣内に入り込み、巧みに刺激を加えてきた。
「もういいみたいだね。脱がせるよ」
 返事を待たずに透はスルスルと小さな布を下げおろす。
 続いてシャツもブラも巧みに脱がされた。
「女子校生とエッチなんて初めてだよ。僕も脱ぐけど、
見るかい?」
 カチャカチャとベルトを外す音が聞こえたので、両手で
顔を覆った。

「やだ、見せないで」
(ここはもう少し純情ぶるか)

「わかった。じゃもう挿れてあげる」
「あぁ…」
 少しだけ指を開いて隙間から透の股間を見つめた。
(嘘だろっ、何だアレ? デカすぎじゃね)
 クチュッ
 ペニスが膣口に充てられた。
「あ、ちょ…待って」
 あまりに巨大に見えた雁首に一旦躊躇する。

「待てないよ。もう挿れる。君だって、こんなに濡れてるじゃ
ないか」
「だから 恥ずかしいこと言わないでって」
 ズブズブブ
「あはぁー、入ってくるぅ。くっ、すご…大っき」
 狭い膣道をねじ込むように侵入を始める。
「こんな大きいの駄目ぇ。私の壊れちゃう」
(経験少ない桃香ちゃんに、こんなデカいの無理だって)

「ううっ! ホントに狭い。キツイ。ちょっと力抜いてよ」
「痛いの。優しくして」
(お前のがデカ過ぎなんだよ。光とは違いすぎる)
 ゆっくりだが確実に最深部を狙って、侵入を試みる。
「ふう、やっと半分入ったよ」
「ええっ!?」
(これで半分? 嘘だ…すでに子宮腔にキスする所まで
迫ってるよ) 


ずりゅ、りゅー、くにゅう
「どうかな? やっと一番奥に当たったよ。分かる?」
「あ〜〜〜ん、そんな奥まで駄目ぇ。あぐっう!」
(子宮腔押し上げてる? ヤバっ! もうイキそう!)
「ホント、狭くて小っちゃなオマンコだね」
「ダメ〜、これ。何、こんなの初めて」
(子宮が押し上げられてる? ヤバっ! イク)
 ガクガク
「え? 痙攣してるけど大丈夫? もしかして、もうイッた
とか?」
「そ…そんな…こと…ない」
(嘘だろ。もうイッちまったよ…光の時じゃ考えられない早さだ)

「感じやすい身体なんだね。だったら君が上になるかい?
そうすれば自分のペースで動けるだろ」
 優しい言葉を掛けながらリードしてゆく。
(僕が上か…)
「自分で入れるなんて恥ずかしい…」
 言いながら男に跨がり、その太いイチモツを自分の秘部へと
導いた。
(デカい…親指と中指がつかない)
 自ら握ったものの、その凶悪な太さに圧倒される。

 グチュ、ズリリー、ヌチュ
「あ〜、透さんのが入る…いや…だめ」
 騎乗位でリードしようと試みるが… 
(くっ、どっちみちこの大きさは変わらないな)
「下から見ても可愛いよ」
「もう、そんなにジロジロ見ないで」
「胸、触っちゃおうかな」
 透の両手が伸び、掬いあげるように胸を揉む。

「あ、あん! や…また深く入って」
(イッたばかりだから感度が半端ない)
「ピンクの乳首がビンビンに勃ってる」
「言わないでって…あん!」

ぐちゅっ!
 乳首を弄られ、下半身への力が緩むとガチガチのペニスが
一気に入り込む。
「あー、またそんな奥まで…駄目なのに」
「僕は何もしてないよ。桃香ちゃんが勝手に腰を落としたんだよ」
「私は何も…」
(桃香ちゃんの身体が、どんどん淫乱になっていく。ゴメンね、
本当にゴメン)

 ズリューリ
 ゆっくりと前後にスライドを始めた。激しく動きたい反面、
まだまだ純な乙女を捨てたくない気持ち。加えて本物の桃香ちゃん
だったら、男の上で上下に激しくピストンするなんて想像
出来ない。

 リュッ、ズリュッ
 動きが小刻みに、リズミカルに変わっていく。
「すごく上手いよ。エッチなんだね」
「だって、身体が勝手に…はうん!」
 昔見たAVの記憶が甦る。デビュー作品なのに少女が巧みに
腰を振って男優を絶頂へと導くのだ。
「あぁ〜、どうしよう。また」
 イキそうと言いそうになるのをなんとか堪えた。
(女が大きさに拘るわけが分かった気がする。膣内を
押し広げられる感覚、子宮を持ち上げる感覚、これらは
細かったり短ければ得られないものだ)

 男が桃香の細い腰を掴む。両方の親指の力加減が見事に
性感帯のツボを押す。
「駄目ぇ、もう!」
 左手を男の太ももに、右手は嗚咽を抑えるように口を
塞いだ。
「ちょっと動くよ」

 ズン!
 不意の突き上げが怒涛の快楽をもたらした。
「透さん、それ駄目っ! 私、イク−っ!!!」
 頭が真っ白になったかと思うと続いて花火のような爆発が
起こり絶頂した。


「イッたの? じゃ今度はそのまま後ろ向いて」
「え? 後ろって入れたまま?」
「そう」
 言われた通り、ペニスを軸に身体を反転させた。
 膣内が抉り取られるような感覚に襲われる
「うう…苦しい」
 光の時には得られなかった快感が次々に襲い来る。

「動いていいよ。僕も手伝うから」
「あ、待って。まだイッたばかりだから…んっ!」
 透の手が今度は背後から腰を掴んだかと思うと、激しく
スライドさせる。
「いや、いや、いやー。イクーーーっ!」
「もうイッたんだ。凄いじゃん。今ので3回目?」
「わかんない…数えてない…」
(小さいのも入れてたら数え切れない。マジ、ヤバイ。こいつの
チンポ…ハマりそう)
(いや駄目だ。桃香ちゃんの身体を僕は借りてるんだ)
 返すつもりは更々ないのだから、謝罪の必要もないの
だろうが、それでも申し訳ないという気持ちだけは湧き上がる。

「今度は僕がリードしていいかな?」
「…はい」
(もういいや。桃香ちゃんには悪いけど今だけは、エッチな
女の子になっちゃおう。今だけだ)
 
 四つん這いにされ挿入。バックスタイルだ。
「うわー、これまたキツイ。気を許すと、あっという間に
イッちゃいそうだ」
「んっ、くぅーん」
(また腰を掴まれた。そこ性感帯なのに)

 グチュ、グチュ、グチュ
 まずは単調ながらリズミカルに抽出を始める。
「あん、あん、あんっ」
(イキそうとか言いながら、こいつ遅漏じゃないのか。なかなか
イカないな…しかもテクニシャンだし…) 

 視線を横に流すと2人の結合された姿が、壁に嵌め込まれた
大きな鏡に写っている。
「ええっ!?」
(桃香ちゃんが見知らぬ男に後ろから突かれてるよ。嘘だ…
桃香ちゃん、こいつの為にそんなエロい顔することないよ)
 光の時もそうだったが、自分のいや、桃香の淫靡な姿を
見せられると、嫉妬やら羞恥心やら後悔やらが入り混じって
複雑な気持ちになる。

「そろそろ本気で突くよ」
 ズン、ズン、パン、パン!
「えっ? 嘘、駄目…透さん、激しい」
(ぶっといのが身体を割って突き抜けてくる。ヤバイ、また…)

 グチュ、グチュ、ズバン、ズバン!
 愛液が一気に溢れ、室内に卑猥な音を反響させる。
「いい感じだよ。ヒダの絡みつきがハンパない…桃香ちゃんの相当な
名器だよ」
「そんな事…言っちゃ…駄目なのに。はうっ!」
(コイツ言葉での苛めも上手くて、マジヤバすぎ)


 パン、パン、パン!
 激しい打ち込みに加えて、腟ヒダをえぐり回す快感に悲鳴が
出そうになる。
「そんな風に…かき回されたら…おかしくなっちゃう」
「僕は何もしてないよ。桃香ちゃんが感じるポイントに
当たるように腰を振ってるんでしょ?」
「そんな…こと…あぁ」
 
 
「また中がキツくなってきた。ちぎれそう」
「も…もう駄目ぇーーっ。大っきいアクメきちゃう」
「もう少し我慢してよ。僕も射精の準備するから」
「だって、もう…限界…」
(準備って、ロケットの発射じゃないんだから)
 今までに迎えたことのない巨大な快感の塊が脳を直撃してくる。
「もういい? イッてもいいですか?」
 巨大な波を何度押し戻してもスグに戻ってくる。
「うん、いいよ。僕もその後でスグにイクから」
 何度も女を抱きイカせた経験から言わせるセリフだろう。
「いい? もうホントにイキそう」 

 グチュ、グチュ、バン、ズババン
「ああ、またイクっ!」
「僕もだ。出すよ」 
「あぁ、中で出さないで、お願い!」
「大丈夫、桃香ちゃんのお尻にかけるから」

「桃香、もうイクっ! イッちゃうーーーっ!!!」
 いつも通り、最終絶頂時には彼女の名前を言いながら果てる。 
「出るっ!」
 桃香がイクのを確認すると男はペニスを絶妙なタイミングで
引き抜き、彼女の小さな尻に大量の精を放った。

 その後の記憶が薄い…というか、あまりに強烈なセックスに
余韻が暫くの間、身体に付きまとって離れなかったのだ。
 食事は断りコーヒーを飲んだが、何の話しをしたのか。 
 気がつけば透という自分と同じ名前の男と別れ、帰路に
向かって歩いていた。
「あんなセック…」
 口に出しそうになって慌てて飲み込む。
(あんなセックスあるんだ…女の身体ってつくづく凄いな)

 2枚の陰唇がヒリヒリする。だが痛いという訳でもなく
心地よい痺れだった。
「アイツ、相当遊んでんな」
 今度は口に出てしまった。だが陽も沈みかけている事も
あって辺りに人影はない。

 やがて今の我家が視界に入ってきた。
 透とは連絡先などは交換していないから、今後も会う
事はない。
(はうーー、念願叶って僕だけの桃香ちゃんになったと
いうのに、早くも2人の男とヤってしまった…)

(これからどうしよう…男と付き合う、ましてやセックスなんて
冗談じゃない…でもまた身体が欲しがったら?)
 ポーチから家の鍵を取り出す。
(あ! そういえば桃香ちゃんに何か買ってあげようと思って
たのに、忘れちゃった。ゴメンね)

 カチャリ
「ただいま〜」
「おかえりー」
 奥から母親の声が返ってきた。
 靴を脱ぎ、揃えてから部屋に向かおうとしたら母親が顔を
出した。
「もうすぐご飯よ。お腹空いてる?」
 
 偽者の娘に母親は優しい言葉をかける。
「うん! いっぱい歩いて運動したからお腹空いちゃった。
今日のオカズは何?」
 こちらも何食わぬ顔で言葉を返す。何も変わらぬいつもの
可愛い娘を演じる。
(とりあえずこれでいいか。今はな…) 






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