憑いてない 作:ディスタ 「はぁ…」 最近私、鳴山真智花(なるやま まちか)は、ため息をつくような事ばかりであった。 私は、そこそこ男性からよく見られるのだが、別に気にしてはいなかった…あの男に会うまでは…。 ■ 私は、もう社会人として真面目に働いているが、職場ではかなり気を使っているのかもしれない…仕事終わりには、飲み会などには行かず、結構インドアな私は、帰りの電車から降りて家まで歩いて帰るのだが突然、 「あの!すいません、ハンカチ落としましたよ」 後ろを振り向くと、ちょっと小柄なぽっちゃりした成人してるかしてないかの男性が、わざわざ走ってきてくれたのだ 「ありがとうございま…!」そのハンカチを手にとって見てみると、今日持ってたハンカチではなく、この間なくしてた花柄のハンカチが新品のようになっていたのだった。 え、もしかして新品を買って落としたハンカチをこの男は何かに使うのかと思うとなんだか気分が悪くなり軽くお辞儀をしてその場を立ち去った。 ■ しかし最近その男に、会って以来身体が重く記憶も曖昧になっていたのだ。 朝起きたら裸で寝ていたり、私の知らないいろんな男性からメールがきていたり、それが怖くて仕方ないのだ。 そして、ふと考えたのがあの男の生き霊の仕業ではないかと思い、お祓いにも行った。 「これで安心して寝れるな~」といって寝ようとしたら 「安心していいよ」 「!?」 私は、1人暮らしで生活していて、お隣さんの声はあまり聞こえないはずなのに、耳元で声がした。 「もうわかってるでしょ身体の異変に…」 「誰!?」 「でも大丈夫、僕が代わりになってあげるから…」 「誰なのよ!?」 私は恐怖し問いかけるが…返答がない。 そして、この部屋から逃げようとした瞬間… 「うっ!?」 何が、自分の身体に入ってくるような感覚でき持ちが悪くなり、意思もなくなりそうになって、私の口が勝手にこう言った 「さよなら真智花ちゃん…」 ■ 次の日の朝、僕の身体が遺体として見つかった。 そして僕は、新たな人生をこの身体でスタートすることにしよう… |