ママと一緒
 作:愛鋼熊


「さて、と……これで一応動くわね」
 とある一軒家、一人の女性が妙な機械のボルトを締めていました。
 愛川優子さん、物づくりが大好きな主婦です。
 大企業に勤めてる夫のおかげで今日も気ままに機械製作。
 何やら大きなケースが二つある大きなマシンから離れ、一息つき。
「ちょっとコーヒー飲んでこよっと」
 大きなケース二つに挟まれた機械をチラッと見てからドアを開け、作業着を脱ぎ。
 なかなかグラマーな体を動かし、長い髪をかきあげつつ出て行きました。
 しばらくすると、ドアが少し動き。
「ママ、こんどは何をつくったのかな?」
 ひょこりと顔をのぞかせたのは、愛川夫婦の一人息子の宏くん。
 今年小学校に入学したばかりのやんちゃっ子。
 いつも勝手にママの作ったものを触っては壊しちゃう、困ったお年ごろです。
「何だろこれ?」
 目に入ったのは優子さんが弄っていた大きなケース。
 その後に、真ん中の怪しげなボタン類。
「スイッチどれかなー?」
 適当にカチャカチャと弄ると、モニタに何やら表示されました。
 もうすでに、電気は供給されていたようです。
「んー? あの中に入れば良いのかな?」
 ケースの中が空だ、と言うエラーのようですが宏くんには読めません。
 宏くんはキョロキョロと左右のケースを見比べた後、適当に右のケースを開けて中に入りました。
 バタン、とケースが閉まるなり起動音。
 しかしその直後、真ん中の機械がけたたましい音を鳴らし始めました。

「え、なになに!?」
 慌てて飛んできた優子さん、すぐにモニタを覗き込みます。
「やだ、宏がいじっちゃったのね! いつもはまだお昼寝してる時間なのに……」
 操作して音を止めながら左のケースに近づき、ガチャリと開けました。
 ですが、当然その中に宏くんはいません。
「あっ、反対側……」
 そう言いかけた時、ビクン! と大きく優子さんの体が震えました。
「えっ、今何が……あれえ、勝手に口が動いたよ?」
 驚いた顔、きょとんとした顔。コロコロと表情が変化。
「ちょっと、私どうなって、なんか背が高くなってる!」
 驚嘆と興奮が入り混じった顔をして、手でケースを撫でています。
「私以外の人が中に、もしかしてママになってる?」
 右手と左手の動きが合わず、操り人形のようにぎくしゃくと動き出す優子さん。
「え、宏なの? あ、ママ? あなたどうして、機械触ってみたの!」
 文脈がぐちゃぐちゃの発言をしながら、変な動きでモニタに近づき覗きこみ。
「もしかしたら……えー、何書いてるか読めない! ちょっと、静かにしなさい!」
 真剣な顔をしつつも、たまに目が急によそを見てしまっています。
「わかった、宏の魂だけ転送……転送ってなあに?」
 なんと、宏くんのいたずらのせいで彼の魂は肉体と離れてしまったのです!
 それに気づかなかった優子さんがケースを開いたせいで、宏くんの魂は優子さんの肉体に同化。
 そう、優子さんの中には母親である優子さんと息子の宏くんが仲良く同居中!
 体はそれを理解できないのか、二つの魂の命令を同時に聞いているからてんやわんや。
「ええっとね宏、なーに? ママ考え事するから静かにしててね? あ、はーい」
 優子さんはパニックになりながらも、宏くんに言い聞かせました。
 いい子の宏くん、素直に言うことを聞きます。
 宏くんが落ち着いたからか、動きも安定する優子さん。
 腕組みをし、何やら考え始めました。
「まずは私の中から宏の魂を、やんっ!?」
 甘い声を上げながらビクリ。
 目を白黒させて下を見ると、なんと腕組みしている手が胸を揉んでいるではありませんか。
「宏、何してるの! ママのおっぱい、気持ちいい……」
 怒ったりうっとりしたり、優子さんは大忙し。
「やめなさい、なんでー? 私の体よ、でも僕も動かせるもーん!」
 突然優子さんは腕組みをやめ、ヨダレを少しこぼしながら両手で胸を鷲掴み。
 興奮しているのは宏くんなのに、優子さんの体に反映されてしまうのです。
「あっ、僕の体、こんなにっ、こらっ……!」
 優子さんの心は胸から手を引き剥がそうとしますが、むしろ胸を引っ張る結果に。
「すごい、ママと僕の考えが違うから、私の手なのに、自分じゃないみたい……」
 息を荒くして、優子さんは胸揉みに夢中。
「ねえママ、僕もっと気持ちよくなりたい! ダメよ、元に戻るんだから!」
 一人で喧嘩しつつ、優子さんの体は機械に近づきます。
「ああわかった、お股か!」
 優子さんの心が反応するより早く、パッと片手がパンティの中に飛び込みました。
「なんで分かったの、ひゃんっ!?」
 びくん、と震える肉体。
「ママ、クイズ、でーす……」
 刺激で途切れ途切れになりながら、宏くんの心が喋ります。
「今日の、宿題、は? んっ、何言ってるの、算数ドリルの13ページ……あら、なんで?」
 自慰をしながら、驚いた顔。その直後、花が咲いたような笑顔。
「やっぱりー! 僕がママの記憶読めるから、私も宏の記憶を!? ピンポーン!」
 さあ大変! 精神同居中に肉体に強い刺激が来たせいか、二人の心の境界が歪んできたようです。
「待って宏、これは転送機なのか! 私の記憶、うるさいなあ、僕の記憶読んでてよ! えっ、3+2=5!?」
 宏くんの方が馴染むのが早いのか、徐々にママの心を翻弄し始めました。
 無理やり自分の記憶を読ませている間に、ママの記憶を読み放題!
「へえ、ママは担任の先生がイケメンだから好きで……ちょっと、あのボスは炎が弱点! あ、高いお菓子隠してるんだ。ずるーい! 今関係無……ひろこ先生のおっぱい大きいのよ!」
 これでは全く立場が逆です。
 同じ体ということは同じ脳なので、二人の差は記憶だけ。
 ところが、宏くんのせいで二人はお互いの記憶を読んでばかり。
 特に、優子さんはデタラメに読まされているためまともに思考すらできません。
 それが面白くて仕方ない宏くんは、ママの体を弄りながらどんどん記憶を読み漁りました。
「すごいわ、私一気に賢くなったみたい! あれ、なんか変? 僕の記憶どこかしら?」
 ふと宏くんが意識した時、急に違和感が押し寄せました。
「え、私愛川宏? 僕が優子、あれ宏? 優……宏、え?」
 どっちがどっちかわからなくなり、気持ち悪さに自慰もやめて頭を抱えます。
「大変、このままだと私と僕が混ざっちゃう。もうちょっと混ざってる? そんな事ないわ、僕はちゃんと私よ」
 自分が変だということすら危うくなり、優子さんの中は大混乱。
「そ、そうよ、優子の記憶を私が読んで、僕も読みたい! 分離を、面白いことない?」
 脳をフル回転させて、分離のための操作を考え始めました。
「まずは宏の精神を、エッチって気持ちいいのかー! 再転送して、オナニーで我慢しよっと」
 ところが、思考は全く一致しません。
「私の体から指で優しくなでて、魂を吸い出すために乳首もいじっちゃおっと」
 それどころか、お互いがお互いに干渉しているのに気がついていないようです。
 思考が混ざってしまい、変になっています。
 両手であちこちいじっているのに、全く意識している様子はありません。
 もうすでに、二人の魂は根っこで繋がりだしているのでしょう。
「よし、じゃあ操作しましょ、僕も触ってみたい!」
 両手を機械に乗せ、ボタンを操作し始めました。
「まずはこれをこうして、このボタンなんだろう? 次にこの命令を実行。僕も真似してみよう! それから次は……」
 ところが、もちろん精神状態は変なまま。
 たまにぜんぜん違う行動をしてるのですが、優子さんは気が付きません。
 ぜんぜん違うコマンドを挿入したり、頑張って入力したコードを消してしまったり。
 ひどい時には、片手で胸を揉んでいたりしましたが違和感ゼロのようです。
「これで完成ね! 宏、自分の体に帰ってよ! そうね、おっぱい名残惜しいわ!」
 ホッとしつつ、名残惜しそうな顔で胸を揉みながらケースに飛び乗る優子さん。
 ケースが閉まり、機械が作動し……
 直後、山のようなエラー。機械から煙が出て、両方のケースから閃光が漏れ……
 しばらくして、ケースの扉が壊れて外れました。
 もうもうと煙が逃げ、その中から一人のシルエット。

「息子母親転送合体! 愛川宏子!!!」
 一糸まとわぬ姿で、心から嬉しそうに大声で名乗り。
 優子さんのような体格、でも股間には可愛らしいおちん○ん。
 なんということでしょう、宏くんの心だけ転送のはずが全身丸々転送されたではありませんか!
 その結果優子さんの全てが宏くんの体に送り込まれ、綺麗に混ざってしまったのです。
「うーん、僕の中に私が溶け込んで、いい感じ……どうしてこうなったのかしら」
 新たな存在である宏子さんは手足の感覚を確かめるように歩きながら、モニタに近寄ります。
「あーあ、ママったら滅茶苦茶な命令してる。あら、でも精神同居していた僕のせいかしら?」
 てへぺろ、とモニタに映る自分に舌を出して見せました。
「でも良いわ、今すごくいい感じだし……やっと体と心が一致したみたい!」
 宏くんの肉体に優子さんの肉体が入った際に、心もしっかりブレンド済み。
 うーん、と伸びをして無邪気にいい笑顔。
「あら、煙のせいで全身汚れちゃった。シャワー浴びよっと」
 もう用は無い、と言わんばかりに機械の電源を切り、上機嫌で部屋を出て風呂場へ。
「あは、顔が可愛くなってるしぷにぷに……ママ、僕と合体したおかげだね」
 洗面所の姿見に軽くウインク。
 浴室に飛び込み、今度はそこの鏡をチラリ。
「大人のお股なのに、おちん○んは小さいね……」
 愛しそうに撫で回しながら、お湯を出し始めました。
 頭の上からそれをかぶり、汚れを洗い流します。
「んっ……やっぱり、体が変わってるから新鮮……」
 優子さんの記憶とも、宏くんの記憶とも違います。
 今は二人が一つになった肉体、それは当然なのです。
「おっぱいもちん○んもあるから、お得だね」
 シャワーを壁にかけ、湯を浴びながら体弄り。
 片手で胸を揉み、片手で小さな玉袋を弄り。
 お互いの記憶になかった刺激が同時に襲い、体も心もキュンキュンしてしまいます。
「私、宏に吸収されてよかったぁ、男の子のこれ、こんなに……!?」
 宏子さんが目を丸くしたのも無理はありません。
 陰嚢を弄っていた手に、ギンギンになったおちん○んが当たってきたのです。
「わ、こんなに硬くなったの、初めて……!」
 本来はそこまでならないはずなのですが、大人である優子さんと融合したおかげなのでしょうか。
 立派に機能したそれは、ビクビクと脈をうっているのです。
「……」
 ゴクリ、とつばを飲み込み勃起したそれを掴みます。
 幸い、優子さんは旦那さんのをしごいた経験があるのでやり方はわかっていました。
 握ると完全に手で覆い隠されてしまう大きさのナニを優しく刺激。
「んっ、あっ、僕、変になっちゃうわ」
 頬を赤らめ、前かがみになり。
 完全に二人共未知の領域のため、快感は想像できません。
 どんどん何かがこみ上げてきて、とうとう……
「なんか、精液、出るうううううう!?」
 大きく体を反らせ、鈴口から手の平に沢山の白い液体。
 優子さんは、女性なのでもちろん初めてです。
 宏くんは、まだまだ子供なので未経験でした。
 なんと、二人は同時に精通を体験したのです。
 失敗による同化のおかげで、新しい幸せに出会えた宏子さん。
 賢者タイムになり、ただただシャワーの滝に身を任せています。
 胸や股間にお湯が当たり、興奮冷めやらぬ肉体を刺激します。
「うふふ……僕と私の遺伝子が合わさってるんだよね……」
 流れ切ってない子種をベロリ、と舐めると口に苦味が広がります。
 少し顔をしかめつつも、宏子さんは満足そう。
 その後隅々まで体を堪能した後、彼女はふるちんでまた機械のある部屋に行くのでした。



「ほ、本当にそんなことがあったのか!?」
「そうよ! 私が遺伝子レベルで僕に溶け込んで新しい姿になったのよ」
 帰ってきた夫に説明する宏子さん、驚く旦那さん。
「元に戻れないのか?」
「うーん、どうだろ? 僕、この体気に入っちゃったのよ。それに、記憶とかもくっついちゃったし」
 あっけらかんとした顔で言いますが、大変なことのはず。
 仕事が終わったと思ったら今度は妻と息子が融合していたとあって、旦那さんもパニックです。
「いやいやいや、学校はどうするんだ宏!? それに優子だって本当は……」
 そんな夫の口に、宏子さんがそっとくちづけ。
 目を白黒してる彼に向かって、彼女は優しく微笑みました。
「あのね、僕も私もあなたのことが、パパのことが大好きなの……今日ぐらい、何も言わずに好きにさせて?」
 二人分の好意が合わさったその瞳に、パパの心はときめかざるを得ませんでした。
 軽く宏子さんを抱き寄せ、抱擁し……

「パパ、本当にエッチしてくれるの?」
「したいって言ったのは優子だろ?」
「んもう、今の私は宏子だってば」
 名前を間違われ、ちょっと拗ねる宏子さん。
 ベッドの上で、二人は全裸で向き合っています。
「しかし、本当にそれもあるんだな」
 夫は驚いた顔で宏子さんの股間を眺めます。
 小さなおち○ちんは、旦那さんに負けじとビンビンに。
 それでも、まだ完全に元気になってない旦那さんの旦那様にはかなわないサイズ……
「そうだよ! ちゃんと出るものも出るから、あなたに負けないわよ!」
 腰を動かし、いきなり兜合わせ。
「うわっ、いきなり……」
「私、もう我慢できないんだ……あなたぁ、早くしようよ……」
「わ、分かったって。でも大丈夫なのか?」
「あ、大丈夫よ。融合のせいで遺伝子がぐちゃぐちゃになったから、子供はできないみたい」
「そういうことじゃないんだが、それはそれで問題ないのか……?」
「問題無いわよ! 生殖機能以外は無事だし、ね!」
 焦らされて限界が来たのか、宏子さんはパパを押し倒してしまいます。
「大胆だな、おい……」
「早くエッチして、気持ちよくなりたいんだもんっ!!!」

「あっ、ああん、パパ、気持ちいいわあ、もっと強くしてぇ!」
 頭を振り、乱れる宏子さん。
「なんか、いつもより元気だな」
「うん、だってぇ、宏のせいでぇ、体、あぁん!? 気持ち良すぎるのぉおおお!」
 肉体の凝縮により、神経も変化しているのでしょう。
 記憶以上の性的刺激の強さに、宏子さんは混乱しているのです。
 自ら腰を動かし、刺激を貪ります。
「おい、あまり動くなって」
 無理に動かされ、顔をしかめるもこんなに積極的なのは久々なのでしょうか。
 夫も負けないように、一生懸命腰を振ります。
「はぁ、こっちも、気持ちよく……!」
 ズコズコと突かれながら、宏子さんは自分のムスコをシゴキます。
 体の興奮に合わせてすっかり準備出来ていたおちんちんは大喜び。
 たちまち、宏子さんの頭はオーバーヒート寸前に!
「私、僕、一緒に、いっちゃ、うっっっ!?」
「おい、急に……んっ!?」
 宏子さんが絶頂し、射精しながら肉壁を一気に収縮させました。
 それに連動するように、パパも限界に。
 妻であり、息子でもある存在の中に思い切り注ぎ込んでしまいました。
「あーっ、はーっ、パパの、すっごく、あったかい……」
 トロンとした顔で宏子さんは幸せそう。
「なんか、そう呼ばれると宏としたみたいであれだな……」
「何言ってるのあなた、優子と宏が完全に混ざったのが私なんだから……パパはね、二人と同時に性交したんだよ」
 少し意地悪そうに言うと、旦那さんはバツが悪そうな顔に。
「あ、ごめんごめん……パパ、大好きだよ」
 父親はそれを聞いて少し顔を緩めましたが次の言葉に思わず顔を引きつらせてしまい。
「だから、もう一回一つになろうよ、ね?」



 翌日、エッチのし過ぎでクタクタの旦那さんを見送った宏子さん。
 再び機械のある部屋に入り、分析をし始めました。
「うふふ、凄いわね。私生まれた時からこうだったみたいに綺麗に合成されたのね……」
 その事実に、体がキュンキュンし始めました。
「私、自分が産んだ子どもに合体できて幸せよ!」
 そう言いながら、股間の息子を手で撫で撫で。
「僕、生んでくれたママ全部もらえてラッキー!」
 そう続け、玉袋の裏にある生まれた場所をくちゅり。
「ああもう、なんでこんなに幸せなのかしら! 僕の肉体に、私が完全に組み込まれて幸せ、私も僕にしっかり溶け込めて幸せ!」
 幸せ、幸せと連呼しながらオナニーしているさまは、まさに幸福その物。
「仮に分離できるとしても、絶対戻らないんだから……」
 はぁ、はぁと激しく息をしながら、融合体は自分の幸せを噛み締めていました。
「私はもう一生、親子融合、愛川宏子のままで……っ、あっ、ああああっ!!!」
 そう叫びながら、思い切り機械に精液をぶちまけました。
 分析に使っていた機械はたちまち壊れ、もう動きません。
 これではもう、分離方法の計算も不可能です。
 宏子さんは背徳感を覚えながらもそれを喜びつつ、いそいそと浴室に行きオナニーの続きを満喫。
 元の二人にとってどうかはわかりませんが、宏子さんは自分にとって最高の毎日を送っていくのでした。
「今の僕の体って、本当に完璧よね!」


 おしまい







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