姉の秘密と僕の秘密 ~噂のあの娘ができるまで~
作:GAT・すとらいく・黒


(1)

ここ最近、世間が騒がしい。

半年ほど前に世界中に現れはじめた、今まで架空の存在と思われてきた怪物や天使、悪魔といった存在。
彼らは組織を組んで、世界征服を開始したのだ。
身近にある様々な道具や動物を超能力で操り、破壊活動を繰り返す彼ら。
ただでさえ夢かと疑うような光景に、さらにありえない事態。世間が混乱しないはずがなかった。

そんな時、彼らに立ち向かう謎の少女たちが現れた。
華やかなコスチュームを纏った可憐な彼女たちの正体は不明。だけど、彼女たちのおかげで日夜平和が守られていること・・・それだけは確かだった。

僕の住む町にも、そんな謎の少女が一人居る。


(2)

ある日の夜。

僕・卯月ユウタは、ミナ姉さんの部屋に忍び込んでいた。

最近、姉さんの様子がおかしいからだ。
たびたび何かの拍子にいなくなっては、一仕事終えた様子で戻ってくるのだ。
詮索しても、はぐらかされてしまう。それがどうにも気になってしまい、ついにこんな強硬手段に出てしまった。

父さんは出張、母さんも用事で実家に帰っていて、今は家に僕一人。こっそり何かを探すにはもってこいだ。

とはいうものの、何か秘密につながるものは特になにも出てこない。

「そう簡単に見つかるはずもないかぁ・・・」

一息溜息をつく。

そんな時、下のほうで物音がした。
玄関を開ける音ではなく、裏口から入ってきた音。姉さんが帰ってきたのだろうか。でも、なんで裏口から?
そう考えてる間に音の主は階段を上がってきた。まずい、今日僕は友達の家に泊まると姉さんに嘘をついているのだ。
とっさに部屋のふすまの中に隠れる。(姉さんの部屋は和室である)

音の主は姉さんの部屋に入ってきた。少しだけ開けたふすまから様子をうかがう。

大層、ぶったまげてしまった。


学生服を華やかにしたような、可憐なジャケット。
スレンダーな胴体をぴっちりと覆う、純白・つやつやの素材でできたレオタード。
手甲に透き通るようなきれいなクリスタルが彩られ、二の腕から指先までぴっちりと覆う、レオタードと同じつやつやのロンググローブ。
太腿からつま先までしっかりと包み込んだ、やはり純白の素材でできたサイハイブーツ。
腰まで伸びてて、明るく透き通るようなブルーのロングヘアー。


部屋に入ってきたのは、このあたりで活躍している謎の少女・・・アクアハートだった。

「ふぅ~、今日も疲れたぁ~」

そう言いつつ伸びをするアクアハート。こんな間近で目の当たりにするなんて・・・そういう問題じゃない。なんで姉さんの部屋に?

「さて、じゃあ脱ぎますか」
(!?)

混乱していると、そんなことを言い出した。危うく物音を立ててしまうところだった・・・
そう思いながら僕は背徳感を抱きつつ、目の前の光景に集中していた。

つやつやの白い手袋に包まれた指が、彼女のコスチュームの胸に固定されたクリスタルに触れると、それが淡いブルーの光で輝きだす。

「んうっ・・・」

表情を火照らせる彼女の全身を包む純白のコスチュームが、淡い光を放ちながら変わってゆく。

ジャケットと白いレオタードが、薄い水色の、つやつやしたリボンの集合体へと変貌する。遅れて、ブーツとグローブもだ。
瞬く間に、華やかなコスチューム姿から、リボンが巻き付いたような姿になってしまった。
胴体に、二の腕から指先、太腿からつま先まで、コスチュームの形状を模るように全身に巻き付いたリボン・・・

その姿になんともいえぬ感情が沸き、僕の下にあるものが恥ずかしいことになっていくのがわかった。

全身を締め付けるように存在していたそれは、次の瞬間身体を離れるように全身からふわりと浮き上がり、床にひらひらと落ちてゆく。
そのあとには、綺麗な長髪と整った顔の女の子の裸の姿が残るのみだった。
相変わらず火照った顔に、ほんのりと気持ちよさそうな表情が浮かんでいる。

けど、それで終わりじゃなかった。

再びクリスタルが輝きだし、今度は、彼女の身体そのものが光り輝いていく。
次の瞬間、その全身は先ほどのようにリボンが巻き付いた姿に変わっていた。
けれど、今度のリボンはコスチュームを模ったわけではなく、全身を隙間なく覆っている。指先、つま先から頭の先まで。
青い髪の毛だったものも、同様にリボンの集合体ような形状になったあと、短くなるようにして消えてしまう。
それはまるで、リボンで出来た全身タイツというような姿だった。そのリボンが、彼女の身体をぎゅうぎゅうに締め上げているようだった。
・・・いや、リボンが締め上げているんじゃなくて、リボンに包まれた身体が大きくなっている?
少女的だった身長が大人くらいに伸びて、スレンダーだったウエストやバストも、程よいサイズに膨らんでいく・・・

そして、コスチュームの時と同様にリボンが緩み、床にゆっくりと積み重なっていく。

「ぷはっ・・・う~ん、涼しいぃ~」

完全に開いた口が、ふさがらない。

そこに立っていたのは、ボブカットの髪と程よく膨らみ、引き締まった身体を持った女性。
そして、先ほどまでの少女の声とは違う聞きなれた普通の声。

リボンの中から出てきたのは、裸のミナ姉さんだった。

全裸の姉さんは、そのまま胸にあったクリスタルを手に取ると、床のリボンの山に近づける。
すると瞬く間に輝くリボンがクリスタルに吸い込まれるようにして消えていった。

もう、何がなんだか。よくわからないけど、なんだかえっちな変身解除の光景。そのあとに現れたミナ姉さん。

・・・とりあえず、これがミナ姉さんの秘密の一端だということだけはわかった。

「・・・ヨコシマな視線っ!」
「げ!」

いきおいよくふすまが開けられ、むすっとした表情の姉さんに全裸姿でにらまれる・・・

「あ、あの、その~・・・」
「はぁ・・・いつかはバレちゃうかもとは思ってたけど・・・まさかこんなとこまでばっちり見ちゃうとはねぇ」
「ご・・・ごめんなさい。」

しばらくにらんでいた姉さんだったけれど、やがて一息つくとやれやれと言う感じでこう言ってきた。

「とりあえず、下降りましょ。全部話すから」


(3)

パジャマに着替えた姉さんと一緒に下の階の居間に降りてきた。

姉さんの首元には、先ほどのクリスタルがペンダントになって下げられている。

「これから言う話、混乱することばっかりだと思うけど・・・」
「うん・・・さっき見たのでじゅうぶんなくらい混乱してる。何かとんでもない話が来るんだろうなーとは・・・」
「オーケー・・・あたしも最初は混乱しちゃってたしね。とりあえず、一から説明するわ」

・・・話によると、僕らの住む世界には、もう一つ裏の世界と言うべき場所があるらしい。
そこでは、伝説やおとぎ話と思われていた怪物、幻獣、悪魔や天使など・・・さまざまな種族が共存していて、
魔法技術を発展させつつ、僕らの住む表の世界に極力干渉しないように暮らしていたそうだ。

「でも、そんな裏世界の住人の中にも、野望を抱いた人々が存在したわけ。彼らが種族の枠を超えて集まって、こっちの世界を支配するために動き出した」
「秘密結社、みたいなもの・・・?」

なんでも、こちらの世界の生命体や無機物に魔法の力を組み合わせると、すごい力を発揮するらしく、それを使って表と裏、両世界を支配しようとしているというのだ。
自分たちの身体にも、魔法で表世界のテクノロジーを融合させて特殊な力を手に入れているという。

「とうぜん、裏世界の他の人たちは何とかしないとって思ったんだけど・・・」

でも、裏世界の住人が過度の干渉を行うのは褒められたことじゃない。逆にこっちの世界の住人が邪な野望を抱いて侵略してきたり、裏世界の人々やテクノロジーを使って悪さをするかもしれない。
実際、世界征服を企てた連中は、こちらの世界の協力者を得ているのだそうだ。

「これで、さらに裏世界の人たちがいきなり本気で連中と戦おうとしたら、収拾がつかなくなる恐れがあるって」
「歯止めが利かなくなって、世界平和どころの話じゃなくなるかもしれないってこと?」
「悪い奴を倒せばそれでおしまいってわけじゃないんでしょうね。それはあっちの人たちの本意ではないらしくて」

悩んだ裏世界の人々が考えた末にできた対策法が、「こちらの世界の人々に協力してもらう」というやりかただった。
良識を持った人々から力と知恵を借りて、人知れずに敵組織に対抗するための手段を模索したのだった。
そして二つの世界の人々がいろんな案を出しあった中、こんな案が出てきた。

それは、『こちらの世界の勝手を知る住人達に協力してもらい、裏世界の魔法の力で戦ってもらう』という方法だった。

敵は、表世界の産物に裏世界の魔法を組み合わせて強大な力を得ている。だから対抗するためには、同じく表と裏の力を合わせなければならなかった。

「そうして作られたのが、このペンダントなの」

姉さんの胸元に下げられたそれは、裏世界の魔法技術で作られた特殊強化装備だという。
空気の中に含まれる魔力を集めて、クリスタルの中で生成された特殊リボンに蓄積、それを全身に装着することで変身しているとのことらしい。

「戦ってる時のあたしやテレビに写ったほかの子たち、あのカッコでよく大けがしないなって思わなかった?かなり防御性能高いのよ、これ。
 素肌に見える部分も全部リボンが変化した強化スーツなの。あの髪の毛とかも全部ね。」
「そうだったんだ・・・」
「それに、正体を隠す意味合いもある。リボンの魔法の力で身長や体型・容姿や声もまるっきり別の姿に変えて、見分けがつかないようにするの。
 その代わりに全身を覆わなくちゃならないから、変身してる間はず~っとリボンに締め付けられちゃうんだけどね」
「え・・・締め付け?」
「頭のてっぺんから指先、つま先までぎっちぎちよ?慣れない子もいるけど、あたしは結構好きかな」
「それで、さっきあんなことに・・・」

変身を解除している時の、リボンが全身を覆っている姿の姉さんを思い出す。あのリボンが、姉さんをアクアハートに変身させていたんだ・・・
さっき見たその光景は、脳裏にしっかり焼き付いている。思い返すと、身体の芯が熱くなって、あの場所が反応しそうになる・・・

・・・どうして、姉さんのその姿にこんなにドキドキしているのだろう。

「とりあえず、そういうことだから・・・今度から突然いなくなっても、勘弁してね?」
「うん、わかったよ。このことはもちろん・・・」
「関係者以外には秘密ね。明日、裏世界の子にユウのことも話すけど・・・どうせなら会いにいく?」
「あ・・・うん」

裏世界の住人・・・興味があった。悪魔?天使?竜?妖精?どんな人物なんだろう。


(4)

「ニャニャ~!?バ・・・バレちまったんですかニャ!」
「そうなのよ~、もうちょっと隠せるんじゃないかって思ってたんだけどね~」
「し、信頼できる人物だからよかったものの・・・これでマズイ人にバレたらどうするつもりですかニャ・・・」
「その時は~・・・鉄拳制裁?」
「そう簡単に済むならネコたちはこんな戦いしなくてすみますニャ・・・」

「・・・ネコ、かぁ。」

予想を外れて、ネコだった。黒ぶちな毛並みの、マーブルという名らしい。

ここは表世界と裏世界のちょうど狭間というべき場所にある姉さんたちの拠点で、対策会議を行ったり変身アイテムやサポート装備の開発・整備をしているという。

まさか、近所の空地の土管の中がこんな場所につながっているなんて。(他にも関係者にしか使えない入口が多数あるそうだ)

施設の中には、裏世界の人々以外にこちら側の人々が何人も見受けられた。きっと、他の地区で話題になっている人たちもいる。
犯罪組織への対策本部だけあって、相当規模が大きそうだ。

「ハァ~・・・もっと秘密を隠すのに気を遣ってほしいですニャ・・・」
「なんか、大変そうですね・・・」
「そりゃもう・・・キミのお姉さんはセンスはいいけど、どうにも好き勝手やりがちなのニャ。
 結果オーライニャのがまだ救いだけど、フォローする側としちゃあ気苦労が絶えニャい」

そうなんだよなぁ。姉さんはどっちかというと天才肌タイプで、何事も感覚的にこなしちゃうけど、性格がその分破天荒気味というか。
剣道部入って1年でインターハイまで上り詰めた直後に飽きたってすぐに辞めちゃったりしたし。誰も姉さんを止められない。動き出したら暴走超特急。
弟として、ちょっと申し訳ない気持ちだ。

「・・・僕でよければ、相談乗りますよ」
「お気遣い、すまニャいですニャ・・・」

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用事が済んで施設のワープゲートをくぐると、見慣れた場所に出た。

「ここは・・・商店街?」
「便利でしょ、これ?」

出口は、近隣の商店街の路地裏だった。たしかにこれは便利。
その足で、行きつけのゲーセンに寄ることになった。

現在、午後6時過ぎ。放課後に狭間の世界に連れられてから1時間半くらいで、他の学生達でにぎわっている。
この店だと高校生は7時過ぎまでいられないので、遊ぶならゆっくりしていられない。

というわけで、馴染みの対戦アクションへ液晶付きメモリーカード片手に直行。
ロボットの対戦ゲームとしてはもっと有名どころがあるけど、僕らとしてはやっぱり10年来の付き合いのこっちだ。家庭用もなじみ深い。
箱用のスティックが買えなかった姉さんは僕と二人三脚で電子パーツ屋に半田とパーツを買いに行き手持ちの渦巻き用と土星用をコンパチブル改造したくらいである。
前に音ゲー用9ボタンコントローラを分解改造した時の経験が活きたものだ。まぁ、それでもゲーセンやデパートでやるのは別格なのだけれど。

電池の入ってないメモリーカードを差し込むと、聞きなれたビープ音と共にカラーエディットデータが読みだされる。

対戦カードは、姉さんの指導教官と、僕の紙飛行機。独特のアナウンスと共に90秒2本先取の試合が開始され









1分も持たせられず僕の紙飛行機は無残にもくしゃくしゃに指導されてしまった。楽しかったけど。

「ふぃ~。4人対戦もいいけどやっぱコレよね~!」

こっちや小説の紙飛行機も変形プラモにならないかなと思いつつ筐体を離れ、残り15分くらいをクイズゲーか音ゲーで潰そうかなとICカードを取り出そうとした時。

外で爆音が響いた。余波で店内が揺れ、外から悲鳴が届いてくる。

「!!」
「姉さん、これって・・・!」

急いで外に出ると、街中を走る宣伝カーが怪物化して暴れているのが見えた。

「アッハッハッハッハ!徹底的に蹂躙して差し上げなさい、ワタクシの子供たち!」

それを指揮する、騎士甲冑に身を包んだ天使のような容貌の犯罪者。
たしか、バルキリングとか名乗ってたヘンな女騎士だ。
よく、黒い悪魔っぽいバルゼブラという渋いおじさんとつるんでるけど、今日は一人みたいだった。

「うふふ・・・生寿司に当たってダウンしたバルゼさんの分も働いてみせますわよ~!」

・・・マヌケだ。仮にも悪の幹部なのに、それでいいのかと。

「と、それよりも姉さ・・・ん?」

とっさに人目のつかない場所に隠れた姉さんに声をかけると・・・素っ裸になってた。

「わかってる、すぐに・・・どしたの?」
「な、なして裸に?というか服は?」
「ペンダントに高速格納できるの。変身解いたら元通りに戻せる。昨日はそのままパジャマに着替えるつもりだったから戻さなかったけど・・・」
「いやそうじゃなくて・・・なんで僕が見ているところで・・・」
「うん?ユウはお姉さんの裸が見たくないのかな~?」
「否定できないけど・・・もっと恥らいましょうよ、ねえ。」
「むっつりちゃんねー全く。まぁいいや、変身いくわよっ!」

完全に湯だった僕をよそに気合いを入れた姉さんがペンタントを掲げると、青い光を放ちはじめる。

「やる気全開!ハートフルッ!チェエインジッ!」

胸の前に浮いたペンダントから首架け用のチェーンが消失し、代わりにあの時の水色のリボンが大量に飛び出す。
そして、皮ベルトが張ったような勢いで姉さんの身体に隙間なく巻き付くと、ギュギュウと音を立てて全身を締め上げ始めた。変身を解く時と逆で、外側から身体を圧縮していくような感じだ。
実際、間違っていない。淡い光を帯び始めた姉さんの全身が、少しづつ縮んでいる。B・W・Hもスレンダーなものに圧縮されていき、そのシルエットが少女的なものに変貌する。
同時に、姉さん本来の髪の毛ごと覆い隠された頭部から、大量のリボンの束が腰まで広がるように伸びていく。さながら、リボンで作られた髪の毛のように。

変化が一通り終わったと思うと、リボンに包まれた全身が指先や爪先から裸の少女の姿へ変わる。頭のリボンも、水色のさらさらなロングヘアーへとその姿形を変貌させる。

身体の変身が終わると、再びクリスタルからリボンが飛び出す。
胴体を覆ったリボンは、白いレオタードと青のジャケットへ。指先から二の腕まで覆ったリボンはクリスタルのついたロンググローブへ。爪先から太腿まで覆ったリボンは、サイハイブーツへとそれぞれ変わる。
手の甲のクリスタルからは光が飛び出し、背中に二つのロケットのようなアクセサリーとなって実体化。最後に胸のクリスタルがジャケットに固定され、変身が完了した。

「じゃ、行ってくるわ。応援ヨロシクッ!」

可憐に変化したボイスでそう言いつつ背中のロケットを吹かし、姉さん・・・いや、アクアハートが現場へ飛んでいく。


(5)

逃げ惑う人々の悲鳴をBGMに破壊活動を続ける鉄の怪物が、青い閃光弾を喰らって吹き飛ぶ。

「そこまでにしときなさい、おばさま!」
「ぐぬぅ・・・現れましたわね!」

「透き通る真水のように、きたない悪事は流しましょう! 一撃洗浄・アクアハートッ!」

立ち直ったモンスターがビームで反撃するも・・・

「ただいまっ!参上ぉ~~~~~っ!」

名乗り口上を挙げながらアクアハートは突撃する。

「アクア・ナッコォ~!!!」

その勢いのまま、握りこぶしに魔力を込めた一撃を叩き込む。吹き飛ぶ宣伝カーの怪物。

「おんのれぇ~!名乗り口上妨害まで回避するなんて、抜け目がなさすぎですわ!それとワタクシはお姉さまとお呼びなさいまし!」
「なによぅ、おばさまだってカッコイイ呼び方じゃないのよ!アクア・セイバァー!」

アクアハートの右手のクリスタルからリボンが飛び出し、剣へと変化。割り込んできたバルキリングの剣を迎撃する。ぶつかり合う剣と剣。

人ごみに紛れながら、いつも通りにアクアハートの戦いを見守っていた僕だけれど・・・今まで通りには、見ることができなかった。
その正体が実の姉だって知ってしまった上に、どうやって変身しているかまで知ってしまったから。

あの可憐な姿の内側では、姉さんの身体がぎゅうぎゅうに締め付けられている。それを知ってしまったら、もう素直に見れない。完全に。
ああやって激しく動いてる今も、着ているコスチュームから、見た目から想像もつかないほどの刺激を全身に与えられているのだ。
想像してしまったら、なんだかムラムラとなる。

・・・僕は姉さんがそんな状況になってることに、興奮してしまっているのか?それとも・・・

「スキありぃ!」
「ぎょえっ!?」

状況は、隙を突いて相手を吹っ飛ばしたアクアハートの優勢だった。鉄の怪物も巻き込んで一か所にまとめたところで、さらに畳み掛ける。

「アクア・ストリングス!」

アクアセイバーを投擲すると、無数のリボンに変化して怪物とバルキリングをがんじがらめにしてしまった。
動けない相手に追撃とばかりに、新たに発生したリボンから特大のビームキャノンを形成。

「アクア・ザッパー!シュウゥゥゥゥッ!!!」

特大のレーザービームが一直線に飛んでいき、怪物に直撃する。爆発四散し、元の姿に戻る宣伝カー・・・

そこから離脱し、発射中のアクアハートへ突撃する影!

「お陰でバインドが解けましたわっ!とんだ誤算だったでしょうが・・・これで、フィ」

「フィナーレかと思った?」
「えっ」

バルキリングの目の前には、ボード状のブレードに乗り、青いビームで波乗りしたアクアハート。嗚呼、南無三。

「アクアッ・スライダアァァァァァァァァ!!!!!」

首を刎ねるつもりが逆に延髄に直撃し思いきりひき逃げされた白い淑女が、ボロボロになりながら吹き飛ばされてゆく。

「おっ・・・覚えてなさいましィィィィィーーーー・・・・・」

・・・星になったバルキリング女史に、ちょっと同情したくなった。相手の中身が、あの暴走超特急な姉さんなら分が悪すぎる。
いつもマイペースで、敵も味方も全部巻き込まれてしまうような、あの姉さんでは。正直陥落させられたなら逆に賞賛したくなるくらいだ・・・敵であっても。

それにしても、前々からアクアハートの戦闘スタイルがあのロボットっぽいなと思ってはいたけど・・・姉さんならしょうがないな。

「みなさん、応援ありがとぉー!!!」

歓声に沸く中、姉さんが扮するアクアハートはいつも通りに飛び去っていった。


(6)

姉さんの秘密を知ってから、5日目。
両親が帰ってくるまでまだ日にちがあり、相変わらず家には僕と姉さんだけだ。
・・・正直、気まずい。姉さんと顔を合わせると、直視できないのだ。
姉さんの変身のことを思い出すと、どうも今まで通りにコミュニケーションができない。
変身解除だけでなく変身するところまで間近で見てしまったせいか、むらむらした気持ちがますます強くなっていく。

困り果てていた僕だったが、そんな中姉さんが・・・

「久々に、一緒におフロ入らない?」

と言ってきたものだから、もう頭が爆発四散してしまうところだった。

「ぬ、ぬななな何言ってるんですか!僕たちもうそんな年じゃ・・・」
「まぁまぁそんなこと言わずに。たまにはこういうこともいいでしょ、お姉ちゃんと弟の間柄なんだから。」
「う、うぅ~・・・」

どうにも、断れなかった。でも、どうしていきなりお風呂なんて?
その理由は、すぐに判明する。

「ふふ・・・来たわね~♪」
「姉さん、それって・・・」

バスルーム前の更衣室で待っていた姉さんは、アクアハートに変身していた。
けど、いつもと違って、その顔や髪の毛は姉さんのまま。首から下だけがアクアハートの格好と体型になっているのだ。

「ど、どうなってんの、これ・・・」
「非番の時も練習とかで自由に変身していいって言われてるの。もちろん関係者以外には内緒でこっそりね?
 それより、どう?リボンを操作するとこんな風にもできるのよ」

良く見ると、首元に垂れ下がったリボンの束。それをロンググローブに包まれた手でつまんで見せてくる。

「触ってみる?」
「えっ・・・そ、その・・・」
「興味あったんじゃないの、このリボンとスーツ。怒ったりしないから、思う存分堪能しなさい♥」

誘われるままに、青いつやつやのリボンに触れる。サテンみたいにさらさらしてると思えば、ビニール・ラバーみたいな質感と伸縮性もある・・・
こんなものに今も姉さんの全身が締め付けられているのか・・・肌だけじゃない、この白いコスチュームも全部このリボンが変化してできてるんだ・・・

「か、身体も・・・触っていい?」
「うん、うん」

スレンダーになった胴体を覆うレオタードのくびれに恐る恐る触れる。これもリボンと同じ感触の、つやつやの生地で出来ている。
手袋やブーツなんかもすべて同じだった。ただでさえ締め付けられている身体の上から、更にこのコスチュームで締め上げられてる。

間近で動く姉さんのコスチュームからは、素材がこすれる音も絶えず生み出されており、華やかで清楚なカラーリングの見た目と裏腹な印象を抱かせる。
パッと見、可憐な正義のヒロインのカッコなのに、実際は全身を締め付けるボンデージ衣装に近いんじゃあ・・・

「折角だから、髪の毛も触ってみてよ?」

悶々としてたら、姉さんはその言葉と共に目を閉じ、間もなく首に垂れ下がってたリボンが生きてるかのように頭部に巻き付いてゆく。
顔が覆われ、頭からは先日のようにリボンの束が髪の毛のように生えて腰まで伸びる。
そして、淡い光と共にリボンで覆われた顔が可憐な少女のものに変化し、リボンの束が水色のロングヘアーへと変異する。
見た目全然そうは見えないのに、これで姉さんの身体すべてがリボンで締め付けられた状態になってしまった。

アクアハートへ完全に変身した姉さんが、その手で毛束を掴んで差出し、僕はおそるおそる触れた。
あのリボンが変化したとは思えないくらい、髪の毛をしている。本物同前のさらさら感とボリューム。
でも、それよりも・・・僕は一つのことで頭がいっぱいだった。

「こんなリボンに隙間なく密閉されて、よくあんなに動けるね・・・」
「まぁね。締め付けがすごくて普通動きにくそうって思うだろうけど、魔法のリボンだからね。
 一本一本が身体の動きや気持ちに合わせて動いてくれるの。人工筋肉みたいな感じ?」
「な、なるほど・・・」
「だから逆に身体が軽いくらい。まぁ、慣れない子も結構いるみたいだけど・・・ね!」

「・・・!?」

突然、身体に何かが巻き付いてきた。驚いて見てみると、両腕が胴体ごと青いリボンでぐるぐる巻きになっている。
動けないくらいがっちり巻き付いていて、ほどけない!

「名付けて、不意打ちアクア・ストリングス!」
「姉さん、何を!?」

目の前の少女が意地悪そうな笑顔を浮かべて、僕のズボンとパンツを下ろしていく・・・
中からあらわになる、ガチガチになった棒。

「気づかないとでも思った?ユウが、変身した私にイケナイ感情を抱いてること。」
「う・・・」
「気まずいって思ってたんだろうけど、この際開き直っちゃおうよ?もっと素直になっちゃっていいんだよ?」
「あ、あわ・・・」

アクアハートが人前では見せたことのなかった妖艶な笑みを浮かべながら、僕の後ろに回り込む。
そして、そのつやつやの長手袋に包まれた細い指で、僕のソレをやさしくにぎる。
もう片方の手は僕の顔にそっと触れて、中指を口の中に入れてきた。舌に無機質なツルツルの感触と味が伝わってくる。
二点から伝わるコスチュームの感触に、さらにいきり立つスティック・・・

「どうかな、あたしの手袋の御味は・・・?」
「あっ、ああっ・・・」
「ふふっ、ますます元気になっちゃった・・・よっぽどお熱くなっちゃってたのね~」

そのまま少女の可憐な手が、ソレを連続で刺激し始める。急速に、力強く、上り詰めていく。

「・・・っ!」
「わぁお!」

放出された熱いものが、白くてつやつやの可憐な手を汚していく。自分の下半身にも、少しかかった。
そして、白濁にまみれた手を見て、ニヤニヤしているアクアハート・・・

「けっこう出たね~・・・お姉ちゃんちょっと嬉しいかも。自分をオカズにして、こーんなにも・・・」
「頼むから、恥らってください・・・」

すごくノリノリな感じで、手についた白いものをペロリとするしぐさを見せる正義のヒロイン・・・
絶対、他の人にこんな姿は見せられないな。


(7)

間もなくバスルームに入って、僕の身体を洗い始めた姉さん。
けど、変身を解かずにアクアハートのままで洗ってるのだった。

白いコスチュームを着たまま、泡立つ垢すりで僕の身体をこすっている。

「だ、大丈夫なの、着たまんまで・・・」
「防水・耐水も完璧だから。リボンの内側まで水一滴も通さないのよ?極薄ラバーの全身タイツを着てる感じかな?
 まぁ、どっちにしても自分の身体洗う時は変身解かなきゃいけないんだけど。」
「・・・」
「あ、また硬くなってる!好きねぇ~そういうの。」
「よ、よしてよ・・・」

僕の反応を楽しみだした姉さんは、こすりながら泡立つ石鹸でぬるぬるになった身体を密着させてきた。
石鹸を潤滑剤にして、つるつるのレオタードやグローブ、ブーツの太腿をこすりつけられる感触に、また下半身が膨らんでしまう。
前からくっつかれて裏筋を姉さんの腹部で撫でられるたび、熱いものが溜まっていく。

「ごまかしても駄目。ネタはあがってるのよ~?ユウが持ってる薄い本、女の子のコスチュームがつるつるてかてかなものが何割もあるって。
 ああいうつやつやなものが大好きなんだなって、読んでて思っちゃった。ちょうど今あたしが着てるみたいなのも、きっと好きだなって。
 それにボンデージっぽいのも大好物で、けど痛々しいのは嫌だっていうワガママさんなんだもんねえ?」
「うう。毎度毎度人の隠してる本見つけて机の上に置くの、やめてくれないかな・・・」

そうなのだ。姉さんはどこに隠しても薄い本を探し出してしまう。もうレーダーついてるのかと疑うくらいに。

「やです。あれ、バッチリ読みましたよって意思表示だもん。それに、いいオカズだし・・・」
「え」

「あんなかわいいカッコのヒロインちゃんたちがえっちなことするお話ができる薄い本って、すごい刺激的だって思うもん。
 気が付いたら、自分がそうなってるような気分で読んじゃってた。ああいうカッコで、えっちなことされたり、してみたいって思っちゃったもん。
 ・・・ちょうど、今こうしてるみたいに。」

まさか姉さん・・・夜な夜な変身して、いけないことを?ますます下半身に力がこもっていく。
身体を密着させたまま、小悪魔のようににやりとした笑顔で囁くアクアハート。こすり付けてくるテンポも、どんどん速くなる。

「か、完全に・・・深みに、はまってる・・・」
「だから・・・観念して、あたしにもっかい、イかされちゃって・・・ねっ♥」
「は、はうっ・・・!」

身体すべて使った愛撫に耐えられなくて、また果ててしまう。正面から抱き着かれてたので、姉さんのレオタードの腹部にどっぷりかかってしまった。
つるつる素材に石鹸が塗られた上からなので、シャワーで簡単に流れていったけれど・・・あんなことを聞かされてしまい、姉さんの今後が限りなく心配だ。

そして、そのまんまの姿で湯船に浸かる姉さんと全裸の僕。

「んぅ~、直接お湯の感触が来ないのも不思議な気分♪一度試してみたかったのよね~」
「・・・・・・・・」
「どしたの?じっと見つめて。」
「い、いや、なんでもない・・・」
「なんでもなくない。またお熱くなってるじゃない、ココも。」

お湯の中で立ったそれを、姉さんの白で覆われた指が触る。

「いや、その・・・」
「うん?」
「姉さんに、あんなに弄られたのに・・・何か足りなくて。こんなリボンで出来たスーツで変身してる姉さんに、その、いけない感情を抱いてたっていうのはそうなんだけど・・・」
「ふむふむ」
「それだけじゃない気がしてきた。うらやましいのかもしれない。こんなえっちなものに締め付けられて変身できる、姉さん、が・・・」
「なるほどねぇ~・・・・・・うん!」

少し考えたアクアハートが、急に湯船から上がる。そして変身を解き、リボンの内側から姉さんの本来の身体が解放される。
一瞬、舞い散るリボンの中に、姉さんの前と後ろの大事な箇所から抜け落ちていく濡れたものが混じっているのが見えた。あんな所まで入り込んでいたのか。

そして、リボンをペンダントに収納した姉さんは、なにか企んだ顔で急にそれを僕に差し出してきた。

「ユウ、これで変身してみなさい!」


(8)

「え、えぇぇえー!?」

いきなりそんなことを言ってくる姉さん。僕は女じゃないのに。

「言ったでしょ、正体を隠すために見た目を変えるって。身体の大きさや体型まで変わるのも見たわよね?だいじょうぶ、ユウにも使えるわ!」
「で、でも・・・」
「うらやましかったんでしょ?内心、出来るものなら自分も変身してみたいって薄々思ってたんでしょ?ならお姉ちゃんが許す!むしろ見せてちょうだい。ちゃんとできるか、すっごい興味あるから・・・」

な、なんか姉さんがすごい夢心地な形相になってる・・・でも、本当にできるのか?

あのリボンに包まれて、姉さんと同じ姿、同じ感覚を自分で。

男の身でアレだけど・・・興味がないと言ったら、間違いなく嘘になる。

「や・・・やって・・・みます。」
「よく言ったァ!」

僕の承諾を聞くと、姉さんはペンダントを握って何か集中しはじめた。それに呼応して、ペンダントが青白く輝く。

「片手をペンダントに重ねて。あたしの手とはさむように。そしてペンダントにユウの意識を集中するの。アシストはやるから、念じてみて?」

言われるままに手を乗せ、どうすればいいかわからないものの、とりあえずペンダントに集中する。

変な感じがする。身体の芯にある何かがペンダントと繋がったような・・・

「使用者登録はおっけーね。これであたしとユウでペンダントを使いまわせるようになった。ユウ、ペンダントのもっと奥深くに意識を向けてみて?」

このつながった感じのことだろうか?奥深くに、もぐりこむ感じ・・・何か、エネルギーみたいのが渦巻いてる感じがする。

「それを外に引っ張り出して、自分の身体に巻き付けるイメージ!」

渦巻いた何かを、外に出して・・・

すると、姉さんと僕の手の中から大量の青いリボンが溢れ出す。

「うわあっ!」
「フルオートにしたから、あとはじっとしてれば大丈夫!」

無数のリボンが生きているかのように僕に向かって伸びていき、身体の周囲を取り囲んでゆく。
それと共に、自分の身体が浮遊していくのがわかった。
そして、リボンが一気に収縮して、身体の隅々まで、隙間なく覆い尽くす。
皮ベルトの張るような乾いた音がバスルームに鳴り響き、全身がものすごい力で締め上げられる!

「む、むぐぅぅ~~~~っ!!!」
「そのまま我慢して!」

視界がリボンで塞がれて一面青になっている。全身は痛くなりそうなほどに締め付けられている。
大事なモノも臍の下から縦に直立するような状態で押さえつけられている。あと、お尻の穴の奥深くまでもリボンに入り込まれた感じもあった。
けれど、急に青い視界が明るくなり、それと共に締め付けが程よいものに変わる。同時になんだか、胸板や股間のあたりがむずむずしている。
やがて頭のあたりに何か質量のあるものが生えた感覚の直後、視界と口が開ける。

「ぷはっ!?」

視界に映った僕の両手は青いリボンに包まれた見た目ではなく、白く細い、少女の手になっている。胸元には、少しだけ膨らんだ胸と、浮遊するクリスタル。
そのクリスタルから、リボンの第二波が放たれる。レオタード状に集合したリボンが、勢いよく締まる!

「あああっ!!・・・!?」

ついあげてしまった声が・・・変わってる。姉さんが変身してる時と同じ、可憐な声に・・・
ゆっくり考える暇もなく、リボンは光と共に完全にレオタードとジャケットの形状へと変化。
間髪入れずに両腕もリボンにきつく締め付けられ、それは手の甲にクリスタルが添えられた純白のロンググローブへと変化。
足にも同様にサイハイブーツが巻き付くように形成され、両手のクリスタルから飛び出した光が背中にくっつく感覚が。
そして浮遊が解けて、ブーツの甲高い音と共に着地する。

「すっごい・・・完璧だわ!ほら、鏡見て!」
「・・・・・・」

鏡の中には、顔を火照らせながらこちらを見ているアクアハートの姿。片手を動かすと、同じように動く鏡の中の少女。
身長も、体型も、顔も、声も・・・見た目には何も違和感がない。全身を襲う違和感とは対照的に。

僕の全身は、きついゴムのタイツを着こんでるかのように締め付けられている感覚に苛まれていた。
見た目には肌が露出してるように見える太腿に触れると、薄皮一枚越しに触ったような感触がする。
臍の下は外から見ると平坦そのものなのに、その部分にはものすごい力で押さえつけられた大切なモノの感覚がある。
そしてそれは、圧力に負けないほどに滾っているのがわかった・・・

「ほんとに・・・変身、できちゃってる・・・」
「だから言ったでしょ、大丈夫だって?それにしても・・・いいわぁ~」
「わ、わあぁ」

裸で後ろから抱き着いてくる姉さん・・・凄く嬉しそうにしてる。

「こうやって外から自分の変身した姿を見ると、可愛さも格別かも!」
「そういう、ものなの・・・?」
「そういうものなの!それより、アクアちゃん?」
「え、え?」
「今はあなたがアクアハートなんだから、ユウじゃなくってアクアちゃんよ!・・・身体、洗って?さっきあたしがしたみたいに。」
「ど、どうしてボクに・・・」
「ボクっ娘なヒロインもイイわね・・・じゃなくって。自分でやってたら、逆にやってもらいたくなっちゃった。だから、ね?」
「そ、そこまで言うなら・・・」

言われるままに、コスチュームを着たままで垢すりを泡立てはじめる・・・

「あたしが好きなようにやったんだから、今のアクアちゃんも好きにしてちょうだいね?」
「うっ・・・」

それって・・・姉さんに、えっちなことしちゃっていいってこと・・・!?

「にゃ、にゃにゃ、にゃあ・・・」
「もう~、顔赤くしすぎだって。恥ずかしがってるのも可愛いんだけどね?ささ、煮るなり焼くなり・・・ってね。」

煮えたぎってしまった頭を落ち着けながら、泡立った垢すりで姉さんの身体をこすっていく。清潔にしておきたい部分を、少しづつくまなく。
そして、女性にとって大事な、胸と股間も・・・すべて一通りこすった後、姉さんの後ろに回り・・・意を決して純白の両手の片方を膨らみの一つに、もう片方を大事な1本の筋に持っていく。
レオタードに包まれた胴体を、石鹸に濡れた姉さんの背中にしっかりと密着させる・・・薄皮一枚越しで伝わる、石鹸と身体の感触。
自分の胸にある、かすかに膨らんだものに圧力がかかると、連動して胸板や乳首に不思議な刺激が伝わってきた。
背中の感触が二重のリボン越しに伝わっている、押さえつけられたモノが、せつない。
締め付けられてる全身が熱くなって、心臓のどきどきが止まらない。
やがてボクは息を荒げながら、ゆっくりと姉さんの胸をもみ、割れ目を這うように撫で上げはじめていた。

「はあ・・・はあ・・・はあ・・・」
「んうっ・・・つたない感じだけど、イイわね・・・でも、もっと踏み込んで・・・」

徐々に筋を撫でる手に力がはいっていき、白い素材に覆われた華奢なボクの指が姉さんの中に入る。

「うんっ・・・!そう、その調子っ・・・」
膣の中をかき回しながら、膨らみの先端にある突起をつまみ、こねくり回していく。
そのたびに、姉さんから気持ちよさそうな吐息が漏れ・・・それを聞くと心臓みたいにボクの下半身も脈打つ。
気が付くと、抱き着く力は強まっていて、下腹部を姉さんの背中に押し付け上下にこすり付けていた。
耐え難い衝動がボクの全身を浸食していて、それがまるで全身のリボンに抑え込まれて逃げ場を失っているような気分だ・・・


(9)

「ア、アクアちゃん、待って・・・」
「はあっ・・・はあっ・・・?」

その声に気が付き、朦朧としたまま愛撫を止める。
火照った体の姉さんはこちらを向き、ボクの下半身をとろんとした目で見つめてくる。

「今、アクアちゃんの中のユウを感じた・・・見た目にはぜんぜんわからないけど・・・」

そう言いつつ、ボクの臍の下に指を乗せ、力を込める・・・

「はうあっ・・・!」
「やっぱりっ・・・押してみるとちゃんとアクアちゃんの中にユウが入ってるのがわかる。」

リボンのスーツ越しに押されて脈打つソレが何なのか、姉さんにもわかっているようだった。

「ふふっ・・・女の子の身体なのに、中にしっかり入ってる。ヘンな感じ♪」
「ふあぁっ、ね、ねえさん、や、やめっ・・・」

面白がられて、レオタードに覆われた下腹部を撫で上げられている。
しんどい。こんなことされてるのが気持ち良くて、しんどい。というか、また姉さんにいじり返されてる。
数十秒間なすがままにされた後、ふと何かを思いついた姉さんは指を離した。

「軽く、リボンの操り方を教えてあげる。」
「な、なんで今・・・?」
「今だからこそよ。さあ、さっきみたいにクリスタルに意識を集中して?」

ボクの胸に固定されたクリスタルに触れた姉さんは、そう催促する。

さっきみたいに、身体の芯とクリスタルに線を繋げるような感じで・・・繋がった。
さっきクリスタルの中にあった渦巻いたものと同じものが、全身に走っている感じがする。

「リボンに流れている魔力を感じているのよ。それをほどくようなイメージで・・・右の手袋でやってみて」

右の二の腕から指先までを駆け巡るものを、緩めてほどく・・・

「あっ・・・!」

すると、右腕を覆うロンググローブが巻き付いたリボンに戻って、しゅるりと緩んだ。隙間から、少女の肌が覗く。

「そう、そんな感じ。逆のことをやればまた元に戻る、と。」

ほどけたそれを、また巻き付ける・・・緩んだリボンがまた勢いよく腕に密着し、ロンググローブが再形成されていく。

「ちゃんとできるみたいね・・・OK、じゃあ本題!」
「はい・・・?」
「とりあえず、下半身をさらしてちょうだい。」
「ええっ・・・」

言われるままに、レオタードの下半分をほどくようなイメージを浮かべる。腰のあたりまでがリボンの集合体に戻って、ほどけると下から一本の筋のある股間が露わになった。
中ではしっかりソレが存在しているのに、外から見るとすっきりした女の子の股間にしか見えない・・・再実感して、臍の下がまたせつない感じになる。

「・・・はうあっ!?」

姉さんが、割れ目に指を這わせてきた。するとその感触がボクのモノの付け根の下や全体へ撫でるような甘い刺激として伝わってきた。

「本物の女の子じゃないから、割れ目だけで穴は無いのね。お豆はぁ・・・」
「ひゃん!?」

ちょこんとした豆状の部分をつままれると、モノの全体、先端部を中心にして更に甘い快感が突き抜ける。
あまりの刺激に、目から涙が浮いていた。

「あたしたちの時はいわゆるピンチ対策ってやつで膣の中まで覆って中を護ってくれるようになってたけど、こんな風になったかぁ・・・」

「え?ピ、ピンチ対策?」

「そういうのが好きな人達もきっと居るってことで、ナカを汚されたり、ハラまされそうになったり壊されそうになっても大丈夫なようにって。
 女の子の一番大事なところはしっかり守られてるの。作った人達もそのへんをしっかり考えてるってこと。
 あと、実際やられちゃった時も苦しみが紛れるようにって、刺激が甘い感じになる魔法が流れてるけど・・・男の子でも大丈夫みたいね~。」

「だ、大丈夫って・・・そういう問題じゃないよぅ・・・」

恥ずかしくて、思わず両手で股間を隠してしまう。

「さて、横道はこれくらいにして・・・この部分、緩めて。」
「!」

姉さんの指が、臍の下に触れる。意図がわかってきた。それってつまり・・・
少し躊躇するけど、意を決して、その部分のリボンを緩めていく。

臍の下の肌に、縦に走るしわと区切りが浮き上がる。そしてそれは皮膚の色から青いリボンの色へと復元していく。
それと共に、平坦だったその部分が縦に向いた棒状に盛り上がった。

「ふっふ~ん・・・それっ♪」
「ううっ・・・」

姉さんの手が縦に並んだリボンの束をかき分けて、その内側からいきり立った棒を引っ張り出した。
ボクの本当の姿を象徴するソレは、度重なる快感で限界まで太く、硬くなりつつある。

「あははは!これじゃあまるで、ふたなりヒロインね~♥」
「や、やめてよそんなこと言うのはぁ!」

もう、顔の火照りが収まりそうにない。恥ずかしいし、怒ってるし、・・・何より、与えられてしまった感覚が気持ち良すぎて。

「あは、ごめんごめん。・・・もう、相当つらいでしょ。なんならお姉ちゃんの中でイッてみる?」
「ふぇ!?」

相変わらず、なんて事を言い出すんだろう。

「ま、まずいよ流石に・・・それに今、ゴムもなにもつけてないんだよ!?」
「ゴムなら・・・ここにあるじゃない♪」

姉さんは、ボクの分身の根本で変化が解けたままのそれを指さした。青くてつやつやのリボンを。





・・・1本のリボンが、ボクのソレにぐるぐるときつく巻き付いて、淡い光を放つ。
光が収まると、それは白くて薄い・・・それでいてまったく透けてない、先端に突起を持ったゴムの膜になっていた。

「これぞアクア・スキン、ってね?」
「そんなしたり顔で言われても・・・」

姉さんの発想にあきれつつも、ほどけたレオタードを再構成していく。突き出た棒を器用に露出させた状態で・・・
いろんな意味で他の人に見せられそうもない下半身の状態が、とても恥ずかしい。

「さ・・・遠慮は、いらないわよ?」

その言葉に、心臓の高鳴りが再び激しくなった。身体を震わせながら、ゆっくりと先端部を姉さんの潤った割れ目へと近づけ・・・うずめていった。

温かくて柔らかいものが、ボクの大事な一部をやさしく包み込む。

「あついね・・・アクアちゃんの中のユウが、すごくあっついよ・・・♥」

果ててしまいそうなのを必死でこらえながら、スライドさせていく。そのテンポを徐々に上げながら・・・
自然と、言葉にならない声が溢れ出してきて、それが止まらなくなる。

「うっ、うっ、ううっ、ううぅ・・・・んううっ・・・んううぅぅぅうっ・・・ううっ、うううううぅぅぅぅ~~~~っ!!!」
「っ!んうっ!あんっ!っ、いいっ、いいよ、ユウっ!遠慮、しないでっ・・・思う存分っ、イッちゃいなさいよっ!」

「ぅあ、ああっ・・・あっ、あっ、ああぁああああああああっ!!!!!」

溜まりに溜まりきった熱いものが、確かな圧力で放出されていってる・・・

「ああっ・・・あああぁぁぁ、あぁぁぁあああっ・・・」

あまりにすごくて、中々放出が止まらなかった気がする。

「あぁっ、ああぁぁぁぁぁっ・・・・」
「もう・・・よだれ垂れちゃってるよ、ユウ・・・」

姉さんに身体を抱きかかえられてる。息が絶え絶えで、力が入らない・・・残ったのは、相変わらず全身を締め付けるリボンの感覚と、ものすごい放出感。
どんな顔してるんだろう、今のボク・・・すごいとろけてて、だらしないことになってるのかなぁ・・・


(10)


「ニャニャア~~~!!アクアハートはまだ来ないのかニャ!?」

翌日。
身の丈くらいある魔法剣を片手に、復帰してきたバルゼブラの猛攻に必死に耐える黒ぶち猫。
怪物化したバスが暴走しているというのにいつもと違って"とある理由で"なかなかアクアハートが来なかった為、マーブルは一匹でこれとバルゼブラに対応しなくちゃいけなかった。
魔法トラップを駆使してなんとか怪物バスを金縛りにし中の一般市民を避難させた後、ずっとこの黒い武人の相手をしていたのだ。

「中々耐えるではないか、猫よ!評価を改めなければならぬな!」
「ひっ必死でなんとかしてるだけですニャァ~!!し、死ぬ、死ぬゥ~~~!!!レスキュープリィズニャア~~~!!!」

「はっ、はいっ!ただいま~!!」
「む!?」

遅れて到着した白い少女が、勢いよく割って入る。

「や、やっと着いたぁ~。って、あなたは・・・食中毒、もう大丈夫なんですか!?」
「き、貴様に心配される筋合いは無い!覚悟!」
「くうっ・・・!」

セイバーで応戦するアクアハートだったけれど、彼もマーブルも、すぐ違和感に気づいたみたいで。

(この女、ここまで慎重な太刀筋だったか・・・?しかし、重い・・・!)
(なんかいつもと様子が違いますニャ・・・魔力増幅も相当すごいんニャけども・・・?)

「まあいい、倒してしまえばどうでもよい事・・・!その剣ごと叩き斬ってくれる!!」
「・・・!」

宣言通りに刀身を真っ二つにされるアクアセイバー・・・だけど、その奥に誰もいない。そして、バルゼブラの背後で再生成したセイバーを構える少女の影。

「お返し・・・しますっ!」

逆に武人の剣を叩き折って返礼するアクアハート。

「なんとッ!?」
「でもって、これでッ!」

破壊されたほうのアクアセイバーがリボンに戻り、隙を見せたバルゼブラを拘束。
そして、トラップから抜け出しつつあった怪物バスに向き直る。
天にセイバーを掲げて、魔力を集中。そして放たれる無数の光。そのまま、指し示すように怪物に向けられるセイバー。

「いっけえぇぇぇぇぇぇ!!!」

光が無数のレーザーとなって降り注ぎ、怪物が爆発四散していく・・・そのあとに残った、元の姿のバス。

「ぐっ!腑に落ちんが、下がるしかないか・・・さらば!」

リボンを振りほどき、撤退していく黒い武人。





騒動がひと段落して、人気のない場所にやってきたマーブルとアクアハート。

「おつかれさまですニャ。しかし、今日はいったいどうなってますのニャ?柄にもなく大遅刻するし、なんかさっきから様子がヘンだし・・・
 とりあえず納得のいく回答をですニャ・・・」

「実は、そのことなんですけど・・・」

そう言いつつ、"ボク"は顔の変身を解いた。

「ニ、ニャんとぉ!?」

「こういう、ことなんです・・・」

髪の毛はそのままに、顔の部分だけリボンに戻して素顔をさらしたボク。のどが覆われたままなのか、声はそのままで。
さっきまで戦ってたのは、姉さんじゃなくてボクだったのだ。


(11)

昨晩、変身したままでえっちな行為をしてしまった後。

「うわぁ~、いっぱい射(で)てるわねぇ~♥」
「う、嬉しそうに言わないでよ・・・」

リボンのスキンの液溜まりには、ものすごい量の濁液が溜まってた。裏返して石鹸を使いつつ綺麗に念入りに洗い流したあと、リボンに戻してクリスタルに収納しておく。
とりあえず、温まりなおすためにもう一度湯船に浸かった。水を通さないリボン越しのお風呂は、確かに姉さんの言うような感覚だった。一方、その姉さんはというと。

「は・・・は・・・はっくしゅ!」

くしゃみと鼻水が止まらなくなっていた。そういえば変身を解いてから今まであまり温まってなかったような。
今リボンに包まれてる自分の身体は、冷えそうになると外側からほんのり温かくなって寒くならないようになっていたのだけれど。
これは・・・もしかして姉さん、変身した状態に慣れすぎてて油断した?

一晩明けると、姉さんは完全に風邪をひいていた。熱が下がらず、頭が重たそうだ。
そして、こんな時にも敵は出てくる。で・・・

「ユウお願い、代わりに戦ってぇ~・・・」

また、変身しなくちゃならなくなった。しかも実戦つきで。
自分にできるのかと不安になったけれど、今一番早く現場に向かえるのは、姉さんとペンダントを共有した僕しかいなかった。

変身して裏口から庭に出たボク・・・姉さんの言うとおり、ほんとに身体が軽い。
全身を締め付けてるものが、動きに合わせてくれる。けれど、重要なことに気づく。

「空飛ぶのって、どうやればいいんだっけ・・・?」

すると、家の中から声が。

「ノリと勢い!それだけよ~っ、ゲホッゲホォ!!」

勢い、か。

リボンを操るときの延長線で、勢いよく飛んでいく感じで・・・飛ぶっ!

すると背中のロケットが勢いよく吹き出し、ものすごい勢いで空中に飛び上がる。けど・・・

「わあぁぁぁぁぁ!?こっちじゃないよぉ~っ!!」

あらぬ方向に飛び出して、そのまんま地面に落下。道路に穴が開く。

「い、いたた・・・って、そんなんでもないや。」

全身のリボンが護ってくれてて、怪我はしてない。とにかくあわてず急ぐ。

「うわわ、ロケット吹かさなくてもこんなに飛ぶの!?と、止まんないぃ!!!」

飛ぶ練習をしながら進もうとするけど、途中何度も道路に穴を作ったり、よそ様の家に突っ込んじゃって、謝ってたり・・・

「いきなり畑に落っこちてきてびっくりしたわ!家が壊れなくてよかったけど・・・今度から気を付けてね?応援してるから。」
「ご、ごめんなさい。」

こんな感じで、慣れるまで中々思った方向に飛べなかったのだった。このせいでマーブルに大変なご迷惑を・・・

--------------------

「そういうことだったんですかニャ・・・」
「はい・・・ただ、自分でも驚いてるんです。よく戦えたなーって。姉さんみたいに何でも簡単にできる人間じゃないし、ぶっつけ本番だったのに。」

一通り事情は説明したけれど、言った通り不可解だった。すると、マーブルが答えてくれる。

「うーん・・・理由として考えられるのは、魔力増幅ですニャ。さっきのキミ、お姉さん以上に大きな魔力を使っていたニャ。」
「魔力増幅?」

「ニャ。魔力の強化手段の一つとして、今使える魔力を数倍に増幅する方法がありますニャ。
 他の手段での強化をやった上でもこれは容易に可能だけど、その増幅量は本人のテンションに大きく左右されるんですニャ。
 精神的高揚が大きければ大きいほど、それだけ魔力は増幅しますニャ。たとえどんな形の高揚であれ、ニャ。」

どんな形の"精神的高揚"であれ・・・思い当たることがあった。
昨日あんなことをしたおかげで大分慣れたとは思うけど、やっぱり変身してると、ドキドキしてしまうのだ。
深みに落ちるとあんなに高ぶってしまうくらいの精神的高揚が、ボクに力を与えてくれたのか・・・なんだか複雑な気分。

「・・・とりあえず姉さんの風邪が治るまで、ボク、頑張ってみます。」
「了解ですニャ。まったく、やっぱりキミのお姉さんは生粋のトラブルメーカーニャね。こんな風に巻き込んじゃって・・・」

「・・・まあ、一概に悪いばっかりでも、ない気がしますけど。」
「ニャ・・・?」


(12)

・・・それから、1か月が経って。
相変わらず白い女騎士と黒い武人は街で悪さを続けてて、アクアハートに成敗される日常があった。

「ウフフフ・・・まだ首の痛みが引きませんわ。アナタのおかげでぇ!」
「キリングもテンションが高い。今日こそ貴様を倒させてもらうぞ!」

やられてばかりではないいられないと、少女を押しつつある二人の悪人。だけどなぜかアクアハートは余裕の表情で・・・

「中々やるじゃない。けど、今日テンション高いのは、私"達"もなのよね?」

「は?どういうことでございます?」
「キリング、上だ!」
「ハイ!?」

二人が避けた場所に、突撃する影。舞い散る土煙。

「やっと飛ぶのも慣れてきたけど、まだまだだなぁ・・・姉さ、じゃなくって"お姉ちゃん"、お待たせ!」

中から現れたのは、アクアハートにそっくりな・・・けど、対称的な赤い髪の毛と、黒いコスチュームに身を包んだ女の子。
デザインもちょっとだけ違う感じの、今"自分がなっている"その少女は、アクアハートの妹分。

「・・・しゃらくさい!」
「ナイト・セイバァー!」

何かを感じたのか、バルゼブラが斬りかかってきた。"ボク"もとっさに手に持つ剣で応戦する。

「ナイト・ブラスターッ!」
「クッ!」

一撃がぶつかり合う中、スキを見つけてボクは距離を取り剣から放つ一筋のレーザービームで牽制した。

「そうか・・・貴様、この間のヤツだな!剣の重さとその技、間違いない!」
「やっぱりバレちゃいますか。これもしょうがないのかな・・・」

「ボヤかないの、ナイトちゃん!それよりアレやるわよ!」

バルキリングを吹っ飛ばした姉さんが、練習させられたアレを催促してきた。

「や、やっぱり!?・・・しょうがないなぁ、もう!」

姉さんに合わせて、ビルの上に飛ぶ。

・・・結局姉さんの風邪は数日で治ったけど、対策本部にとってボクの戦績は無視できなかったらしく、
何よりノリノリな姉さんの口添えもあってその後ボク用の変身ペンダントが新たに作られることになってしまった。
そして、姉さんがノリノリで変身後の姿とかをデザインして、今に至るのだ。いま取っているポーズも含めて。

「一撃洗浄・アクアハート!」
「一撃切断・ナイトハート!」

「「ハート・シスターズ!ただいま、参上っ!」」

といわけで姉さんの秘密を調べた結果、自分自身が大きな秘密を抱えることになっちゃった。

でも、色々複雑な気分だけど・・・嫌な気は、してない。


(13)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ナイトちゃん、今日はこのまんまで一緒に寝ちゃおうか?」
「姉さん、それはさすがにキツイよ・・・身体が気になって眠れない・・・」
「お姉ちゃん、でしょ。それに気になって、じゃなくって・・・気持ち良すぎて、の間違いじゃないのん?」
「う、そ、それはその・・・」
「気持ち良すぎて眠れそうにないのはあたしも一緒だから。たまには姉妹なかよく、ね?」
「もう・・・ほんとはボク、妹じゃなくて弟なのに・・・」
「そんなこと言いつつ、へその下のコレはもう相当きてるんじゃな~い?ほれほれぇ♪」
「は、はう・・・」
「もう、ほんとに可愛いなぁ、うちの妹の中の弟は・・・♥」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




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