大事なもの

 

 

3ヶ月振りに、単身赴任先から一時帰宅すると、今年、4歳になる娘は、また大きくなっていた。このぐらいの子供は、日に日に変わっていくと言うけど、本当にすくすくと元気に育っていた。

久しぶりに娘と一緒に風呂に入り、娘をお腹の上に乗せて、湯船に浸かっていると、ニョキッと僕の股間から伸びたムスコを娘は、物珍しそうに見つめ、その紅葉のように小さな手で触った。

ボクがピクピクと動かしてやると、娘は、ビクッとして手を引っ込めた。そしてまた、娘がおそるおそる手を伸ばす。すると、ボクは、またピクピクと動かす。

初めは、おそるおそるボクのムスコを触っていた娘も、面白そうに触り出した。そして、娘は、ボクのほうに振り向くと、ボクに愛らしい笑顔で微笑んだ。

「ねぇ、パパ。これなに?」

「これはね。パパの大事なものだよ。」

「ふ~ん。」

そう言って、娘は、またボクのムスコをいじり始めた。

と、また娘は不思議そうな顔をしてボクのほうに振り向いた。

「ねえ、パパ。アッちゃんには、ないよ。」

そう言うと、頭を戻して、少し残念そうに、自分の股間を見つめた。

「そうだよ。だから、パパにだけある大事なものなんだよ。ママやアッちゃんにはないだろう。」

「うん。」

娘は、小さくコクンと頷くと、さっきまで、はしゃいでいた娘は、頭をたれ、大人しくなった。そんな娘を見ていると、なんだかかわいそうになってきた。

「アッちゃんほしいの?」

ボクの問いに、娘はその小さく可愛い頭で頷いた。

「でも、あげられないんだよ。」

そのボクの言葉に、娘は、ショボンとなった。その沈んだ姿が可愛くて、たまらなかった。

「これはパパとママの大事なもので。取れないんだよ。」

「とれないの?」

「そう、取れないの。取れたら、アッちゃんに貸してあげてもいいんだけどなぁ。」

「アッちゃんにくれるの?」

「あげられないよ。パパとママの大事なものだからね。でも、後で返してくれるのなら、アッちゃんが遊んでいる間、貸してあげる。」

「ほんと?」

「本当だよ。取れたらね。」

さっきまで暗くしょんぼりとしていた娘の顔が、ぱぁっと明るくなって、ボクの、ムスコを掴むと、むちゃくちょに、こねくり回した。

捻ったり、引っ張ったり、摩ったり、アーケードゲームのコントロールスティックのように動かしてみたり。

「あ、アッちゃん、痛い!!だ、ダメだこすったら・・・。ひ、引っ張っちゃ、痛いよ。はひゃ、ひぅ、ふぇ、ふぉ、ふひょ~~。」

ボクは、思わず声を上げてしまった。

と、股間で何かが抜けて、身体の中に水が入ってくるような感じがした。娘は、嬉しそうに、ボクの股間をその小さな手に掴んで、高々と上げながら振り返った。

「とれたよパパ。」

嬉しそうな顔をする娘。ボクの顔から音を立てて血の気が引いていった。

「いつまでお風呂に入っているの?ふやけちゃうわよ。」

ボクと娘がなかなか上がってこないので、妻が浴室を覗き込んだ。

娘は嬉しそうな笑顔で、戦利品を高々と上げながら、妻に見せた。ボクは、青ざめた顔で、妻に助けを求めた。

「あらあら、それって、まだ取れるのね。アッちゃん、良かったわね。でも、それパパに返しましょうね。取れちゃうと、すぐに腐っちゃうから。」

「え~、返すの?取れたらアッちゃんに貸してくれるって、パパが言ったのに。」

「でも、腐っちゃったら、パパが困るでしょう?アッちゃん、パパが困ってもいいのかな?」

妻のその言葉に、娘は、黙って下を向いてしまった。

「そうね。パパとお風呂の入っている間は、借りててもいいわよ。でも、お風呂から出るときには、パパに返してね。」

「は~い。」

娘は、嬉しそうに妻に返事をすると、湯船から出ると、ボクのムスコをおもちゃにして遊び出した。

「アッちゃん、体をキレイキレイにしましょうね。そして、パパのそれも一緒にキレイキレイにね。」

「は~い。」

娘は、元気よく返事をすると、自分で体を洗い出した。そして、ボクのムスコも、ボディソープを含んだスポンジで洗い出した。妻は、青ざめて湯船に横たわるボクには目もくれず、娘の洗い方のチェックをして、やさしく洗い残しや、洗い方の不足しているところを娘に指導していた。

そして、シャボンに包まれた娘にお湯をかけ、まだ、呆然としているボクの身体の上に娘を乗せて、湯船につからせると、数を数えさせて、お風呂から上げた。

その時妻は、まだ未練を残している娘から、ボクのムスコを受け取った。

身体をふき、パジャマに着替えさせ、先に娘をバスルームから出すと、妻が、ボクのムスコを持って、湯船に戻ってきた。

「もう、あなたダメじゃないの。大事なものを、簡単に貸したりしたら。」

ボクは、今までの出来事に、ただ呆然となって、なにも返答することができなかった。

「あなた知らなかったの?」

「な、なにを?」

ボクは、妻の問いがわからなかった。

4才までは、男の子は、性器を取り外すことができるのよ。」

「えっ?そんな馬鹿な。ボ、ボクはそんなことした覚えがないぞ。それにボクは4才の男の子じゃない!なんでボクの性器が取り外せるんだ。」

「それは、アッちゃんと一緒に長くお風呂に入っていたからじゃないの。アッちゃんのエキスが、あなたの身体に染み込んで、あなたの身体が、四才の男の子と同じになったのよ。」

「そ、そんな馬鹿な!それに、アッちゃんは女の子だぞ。」

「本当よ。だって、私も昔、弟と一緒にお風呂に入っていて、性器を取られたんだもの。それに、4才ごろまでは、それほど男女の区別はないでしょう?」

「そんなぁ~!それに、弟って、お前には4才違いの妹しかいないじゃないか。」

「ええ、そうよ。あの子が4才の時に、一緒にお風呂に入って、浴槽の中で、弟と一緒になって、長い時間遊んでいたの。その時、あの子ったら、自分の性器を外して遊んでいたの。それを見て、私も面白がって、あの子に外してもらったの。その時は、腐るって知らなかったわ。そうしたら・・・ふふふ」

「え?ええっ!」

妻の突然のカミングアウトに、ボクは言葉を失った。

「大丈夫よ。腐ると言っても、24時間後だから。今夜は久しぶりだから、わたしも男になってみようかな。ちょっとの間なら、他人にもくっつけることができるらしいわよ。」

妻は、手に持ったボクのムスコに口元を近づけると、まるでアイスでも舐めるように、ムスコの先っぽをぺろっと舐めて、微笑んんだ。

ボクは、その妻の視線に、蛇に魅入られたカエルのように、ただただ身動きもできず、身を縮めるだけだった。

『男に戻れるかなぁ?』

ふと、ボクはそんなことを考えた。暖かいはずの湯船の中で、身体がゾクッとした。

 

 

 

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