『正義の謀反―ジャスティスハンター―』(後編)

作:村崎色



 手枷になっていたビームリボンから解かれ、すかさず反撃に打って出る。

「ビームリボン」

 襲い掛かるリボンに腕を取られるメビウス。だが、その表情には余裕を見せていた。

「これだけは見せたくなかったんだけどね!」

 突如、メビウスの身体から黒水で出来た触手が伸びてくる。不意をつかれた私は再び動きを縛られる。

「なに、いやあ!?」

「見ての通り、私の身体は触手の様に自由に変形させることが出来るんだ。このまま自分の姿のままやられちゃえばよかったのに」

 メビウスの身体から生まれる触手。オリジナルで、偽物だ。

「やっぱりあなた、偽物―あく―じゃない!?」

「違うよ。それでも私はあなたなんだよ。その証拠にこのおま○こもあなたと全く同じ」

 私の目の前で、私の全く同じ形のアソコを広げて見せつける。濡れたアソコを私のアソコに擦りつける。

「ひぃ」

「乳房の柔らかさも、乳首の感じ方もあなたと同じ。アハハハハ。この顔もこの手も足もあなたとおんなじ。私はエンジェル・メビウス」

「うふぅ。あん、ぃゃぁ……」

「ただ一つ違うことは、私の方があなたを気持ちよくさせることが出来るってこと。だって私は、『物欲―エロス―』が生み出した正義なんだもの」

 悪だ、怪人だと罵っていたジャスティスハンターが正体を明かす。他者の変身も、『物欲』の能力の一つだった。

「私はえっちなエンジェルメビウス。あなたの知らないもう一人の私」

 メビウスが私の顔で、色っぽい表情、艶やかな声で私に語りかける。本当に私を見てるようで怖かった。

「やだぁ、やめて」

「怖がらないで。私を感じて。私の触る場所からの快感を存分に味わって」





 メビウスが私の乳房を揉み始める。痛いくらい乱暴で、自分でもそんなに強くいじったことのない暴力的な刺激が襲い掛かる。触手により好きな角度に動かされ感じるところを持続的に受け続ける。コスチュームの上から揉まれ、そしてコスチュームを解除され直接いじられる。震える吐息、高揚する表情、私は自然と――

「あっ……」

 甘い声を出してしまった。

「良い声。今の声初めて聞いたよ。そうよ、もっと私にその声を聞かせて」

 乳房から乳首へ。刺激が一点に集中し、一際大きい電流が身体に流れる。

「あっ、あっ、あんっ、いやん!」

「もっと大きく。恥ずかしがらないで。気持ちいい時は気持ち良いって素直に言って。ここにいるのは、私とワタシだけだから」

 ここにいるのは私だけ。公共の場で触手につかまり裸になっている姿を見られているのも私だけ。私の乳首を触ってるのも私の手。

「正義の使者よりも、本当はこういう姿を見られたいんだよね?普段より興奮するよね?」

「ちゅぶ……」

 そんなこと言わないで。本当にそうなのかもしれない。いじられた私の身体に、アソコが大洪水になってビショビショになっているのがわかるのだ。

 助けて、なんてことは言わない。言いたいのはきっとあの言葉。

感じていいの……?伝えていいの……?

「………………きもち、いい……」

 ピタッと私をいじる手の動きが止まる。

「なんていったの?よく聞こえなかった」

 ワタシが期待して待っている。私は恥ずかしくて泣きそうで、大声で叫んだ。

「きもちいい!!そこ、そこいじられると、……気持ちよくなっちゃう!」

「そこってどこ?隠さないで教えてよ。知ってるんでしょう?私が知ってるんだもん」

「く、クリトリス!クリトリスが、あっ、きもちいい!!」

「よく出来ました」

 満足気なメビウスが仕上げへと誘う。くちゅくちゅと、私を責める手が早まる。その快感に私は正気を失っていた。

 快感に流されても良いって、一瞬でも思ってしまった。

 隙を与えてしまった。

 つけこまれた。

 私が、ワタシに犯されたい。その『運命』を受け入れてしまった。

「乳首、おま○こ、舐められてる……クリトリスも、くりくりしてえ!」

 「乳首もクリも勃起してる。おまん○からお汁が止まらない……これが私のイクって表情なのね。すごく可愛い……ちゅううううう〜〜!!」

「ひああああ!!……もう、らめぇ!!いく!……イク…………」

「いっちゃえ……あなたの絶頂、この目に見せてぇ!」

「ひあ、あああ!!イクウウウウウウウウウ――――――――!!!!!!」

 プシューと、私のアソコから潮を噴いた。初めて絶頂を受けた私は、この上ない快感を知って表情を微笑ましていた。

 でも、そのあと私はすぐに気を失ってしまった。次に目を覚ました時、私にはもう正義を語る資格はなかった。

 残った正義が高らかに叫んだ。

「フフフ……ようやく手に入れた。正義の使者の最強の力、『運命』を司るメビウスの能力!変身による『物欲』と万物を従わせる『運命』。これで私は誰にも負けない!――私こそが正義よ!!!!アーハッハッハッハッハッハ――!!!!」



 翌日、噂はなくなった。正義はひとつになった。



(終わり)




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