「サンプリング師4」
作:ほげちぃ






地階。
ここはビルの地下だ。

目の前には扉がある。
もちろんセキュリティは掛かっているだろう。

ここに来るまでは、とくに障害はなかった。
エレベータで降りて、守衛室の横を通り過ぎればスグだ。

扉には『研究室』と書いてある。
そう、目的地はここだ。
いま俺が持ってるIDで扉は開くだろうか。

カードを出そうとしてポケットに手を入れたところで、人の気配がした。

振り向くと、ひとりの女がこちらに向かって歩いて来る。
俺を見つけると声をかけてきた。
弾むような口調だ。

「あ、ここ関係者しか入れないんですよ。誰かに用事でしたら、そこの内線からどうぞ〜」

丸顔で可愛い顔立ちだが、童顔で見た目は幼いと言っていい。
背は低く、髪を後ろで縛っている。
白衣を着ているので、ここのスタッフのようだ。

いまの俺の顔では、扉は開けられても中で自由に動き回るのは難しいだろう。
こいつの顔を頂くか。

「ちょっと聞きたいことがあるんだけどいいかしら」
「はい、どのような?」

俺は手招きをして、彼女を誘う。
ここは地階なだけあって、倉庫やら使ってない部屋やらが多い。

そのうちのひとつに入った。

「ああ〜、この部屋はガラクタ置き場になってるみたいですよ。何か探しものですか?」
「ごめんなさいね、変なことにつき合わせてしまって」
「いいえ、おかまいなく〜」

俺は例の機械を操作して、スイッチを入れた。
アンテナは彼女に向けてある。

ヴ・・・ン・・・

「っは!?」

ぴくんと小さく身体が跳ねた。
いま彼女が浴びている周波数は、女に媚薬を大量に盛ったときにサンプリングしたものだ。

「ぁ・・・ぁ・・・」

小刻みに震えている。
身体が疼いているに違いない。

彼女の真正面に立ち、目を覗き込む。
涙目で、少しトロンとしていた。

「あなた若いのね、うちに入って何年目?」
「あ・・・に、ねんです・・・」
「彼氏とかいないの?」
「い・・・なぃ、です・・・」

上の空で答える。
こみ上げてくる劣情に耐えているのだろう。
顔に手を添えてやると、ビクっと震えた。

あなたの、顔をちょうだい。

俺は唇を奪った。

「んっ」
じゅる、じゅぱ、ぶぷ、ちゅば・・・

わざと音を立てて吸う。
唇の上でお互いのグロスが混ざり、にちゃにちゃとした感触がする。
荒い息使いを感じながら、長い舌を絡め合い、口の中をまさぐった。

艶かしくもいやらしいキスだ。
彼女は紅潮し、呼吸が乱れて身体が震えている。

かく

膝が崩れてへたり込んだ。

俺は唇を離し、今度は彼女の服に手をかけた。
一枚ずつ脱がしていくのももどかしいのか、彼女は自分から脱いでいく。

手近なダンボールを床に敷き、全裸になった彼女を寝かせ、寄り添う。

「ふふ・・・キレイね・・・」

真っ白い肌にほんのりと隆起したものがふたつ。
俺は頂点についているものに口を近づける。

ぱく
「あっ」

唇だけで摘むと、声が漏れた。
口の中で、舌を使って転がす。

「く・・・ぅ、ふぅ・・・んん・・・んぁ・・・」

首を左右に振って喘ぐ。
股間を触ってみると、もうすでにびちょびちょだった。

俺は彼女の股を広げ、じっくり観察する。

「ここもキレイ・・・」

多少使った形跡はあるものの、熟女の俺のものとは大違いだ。

ぺろっ

「んんうっ!」

味見をしてみる。
ひと舐めしただけで身を捩って腰を浮かす。
いい反応だ。

ちゅ、ちゅぱ、ちゅく、じゅる、ずず、ぴちゃ・・・

「はぁっあぐぅ、ふぅんん、んぁ、あぁあぁかはっ!」

彼女は俺の頭を掴み、太ももで顔を挟んでいる。
脚をピンと伸ばして俺の攻めに耐えていた。

「くううぅぅぅぃぃぃぃ・・・・・・あ!あああああ・・・!」

イク瞬間、腰を浮かして硬直する。
やがて力が抜けてくたっと落ちる。
そして・・・

びしゃぁぁぁ
「うぷ」

その途端、聖水が噴出された。
俺はそれをモロに被ってしまう。

「やぁ・・・」

びしょ濡れだ。
タパタパと、ダンボールに滴が垂れている。

まいったな。
服は着替えるからいいとして、被ってしまったものはどうしよう。
拭くものを探してみたが、見当たらない。

とりあえず脱ごう。
俺は服を脱いで全裸になる。

ついでに顔も変えてしまおうか。
機械を手に取り、サンプリングをするためアンテナを彼女に向ける。

彼女はすでに気絶していた。
お漏らしするほど気持ちよかったのだろう。

彼女の容姿と記憶を奪い、姿を変える。

「あれ?」

顔を変えてみて驚いた。
先程被った彼女の聖水は、綺麗さっぱり消えてしまったからだ。

どうやらこの機械は、サンプリングしたものを忠実に再現しようとするらしい。
そのため、使用者のコンディションを強制的にキャンセルしてしまうようだ。

これは便利。

彼女の服を奪って着る。
そして、寝転がっている彼女を縛って、その辺のロッカーに突っ込んでしまう。
ここはあまり人の出入りが多い部屋ではないので、時間は稼げるだろう。

「さてと・・・」

俺はこの顔で堂々と研究室に入った。
中は広く、清潔感のある空間だ。

彼女の記憶を頼りに室内をうろつく。
そしてある扉の前に来た。

この部屋は小会議室なのだが、手書きの張り紙で『チーフのへや』とある。
どうやら、チーフとやらが個室として使っているようだ。

コンコン
「チーフいますぅ〜?入りますよぉ」

カチャ

返事を待たずに入る。
中は淀んだ空気が充満していた。
それと少し変な匂いもする。

「ううう」
俺は少したじろいだ。

部屋の奥には、机に向かっている人がいた。
その人物も俺に気づいたらしく顔をあげる。
「ああ、君か」

女だ。
長い髪を無造作に垂らし、シンプルな眼鏡を掛けている。
着ている白衣もヨレヨレで、全体的にもっさりした印象だ。

「チーフ、また泊り込みですか?」
「うん、ちょっとイイとこだったんだ。今はひと段落ついたけどね」
「じゃあ、お風呂に入って休んでくださいよ」

ちょっと汗臭い。

「そーするかな・・・と、どうせ風呂に入るならその前に・・・」
「あっ」

彼女がぶつくさ言いながら俺の手を引っ張って奥へと向かう。
そこには診察台のようなものがあった。

「んっ」
唇を奪われた。

「んんん・・・」
「んん、ぷぁ」
「ななななにを突然・・・?」
「んー、ちょっと癒されたい」
「ちょ、こんなところでぇ」
「誰も来ないって」
「あくっ」

胸をつかまれた。
ヤバい。
受け入れ体勢に入りそう。

「あ・・・ぁあ・・・」
「んふ、相変わらずいい感度だね」

彼女に愛撫されながら、一枚、また一枚とお互いに服を脱いでいく。
全部脱ぐ頃には、俺の股間はびしょびしょになってしまっていた。
彼女のほうも、股間から太ももにかけて、なにかが流れている。

診察台に寝かされ、脚を広げられた。
まじまじと覗き込まれる。
さっきとは違い、今度は俺が見られる番だ。

「君のここ、キレイだよ・・・」

かぁっと頭に血が上った。
はず、恥ずかしい・・・。

「舐めてもらうの、好きでしょ」

ぴちゃ

「はぅ!」

俺は仰け反った。
下半身に生暖かくて生々しい感触がする。
そのヌメヌメとした感触に我慢できず、脚を彼女の頭に絡めた。

「ぅ・・・う・・・うう・・・」
びちゃびちゃじゅぶちゅばぶちょちゅく・・・

だ・・・め、もぅ・・・

「は!ああああああああ・・・・・・・・・!」

びしゃぁぁぁ

先程と同様、俺はイクと同時に放水してしまった。
彼女はそれをモロに被る。

びしゃびしゃ

しかし彼女は嫌な顔をせず、それどころか笑っていた。

「うんうん、これこれぇ。これが欲しかったんだ。癒されるねぇ」
「ふぇぇ・・・」
「やっぱり君の聖水を浴びないと、始まらないよ」

・・・このスカトロ野郎!

俺はイったときの気持ちよさと、お漏らしをしてしまった気恥ずかしさで、複雑な心境だった。

「あ、そういえば何か用事あったんじゃない?」

彼女はタオルで顔を拭きながら聞く。
そうそう、忘れるところだった。

「あ、これを・・・お届けものです」
「?」
「お弁当ですよ、ご家族から届けてくださいって」
「ああ、そういえばもうすぐお昼か」

そう、俺の目的はこいつに弁当を届けることだった。
依頼主から、昼までに届けるよう依頼を受けていたのだ。
時間内に渡せてよかった。

俺はトランスポーター。
依頼があれば、どんなところでも潜入し、確実に届けるプロの運び屋さ。

今回の任務も大成功だ。

どうだい?
あんたの荷物も運んでやろうか。




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