第2話 |
「あ、あんまりじろじろ見るなよっ」 少女は、少年の視線を感じながら、顔を赤らめていう。 それに対して少年は、さらにニヤニヤするばかりだ。 「はぁっ、もう……」 少女は、諦めたように溜息を吐くと、自分のスポーツブラの下の隙間から手を入れた。 柔らかい乳房が凹む。 少女はその感触に耐えながらも、いつものように人差し指で掻くように乳房の先端を弄り出す。 敏感なソレに走る鋭い感覚に、少女は身を任せた。 「へぇ、結構様になってるじゃん」 「はぁ……。そりゃ、もうこの体になって三ヶ月なんだぞ。 オナ○ーのやり方くらい、覚えるさ」 「気持ちいいか?」 「んっ、ああ……。 胸で感じるなんて直美になってからだからな」 少女は、頬を染めながら喘ぐような口調で答えた。 「なんかすごい光景だぜ。 秀樹が俺の体で感じるなんてよぉ」 少年は興味津々の様子で、眺めている。 少女もそんな言葉に刺激されてか、普段以上に感じていた。 下半身にも熱さが広がったのだろう。 少女はとうとう下半身へも手を伸ばすと、右手でショーツの上から弄り出した。 「んっ、はっ、んっ」 じわっ ショーツの真ん中の宛布に染みが広がっていく。 少女はなぞるように何度も手を往復させていたが、だんだん我慢できなくなっていく。 (俺……直美の体で感じてるなんだよな……。ホントに……) 少女は、感情面でも大いに興奮していた。 「なっ、いい加減、ショーツ脱いでやったらどうだ?」 「はっ、はっ、んっ、んっ」 その言葉に甘えるように、少女は返事をせずにショーツを少し引き下げると、直接股間に手を入れた。 「はぁっ、んっ、んっ!」 直接触れる感じに少女の声が更に切なくなる。 少女は、跳び箱にもたれかかると、顎を上げて右手の四本の指を股間で往復させる。 「んっ、ふぅっ、んっ、ふぅっ」 呼吸がだんだん激しくなり、胸が上下するのが分かる。 少女は上を向いて目を瞑り、中指と薬指をクリクリと痙攣させるように動かし始めた。 その動きは割れ目の上部、少女の核の周りを念入りに撫で上げている。 「んっ、んっ、んっ」 指は毎秒三回ほどの速さで中をかき混ぜている。 少女は、指に纏わりつく粘っこさに自分が相川直美という女になっているのを再認識するのだった。 (俺、自分のチンチンの代わりに、直美のアソコでこんなことしてるんだ……) 股間にあったはずのチンチンの代わりに、女の子のアソコを弄っている今の自分。 しかも、今は本来の自分の体に見つめられながら、オナ○ーをしているのだ。 それを考えると少女は更に燃え上がった。 「んっ、んっ、んっ」 目を瞑っていても視線を感じる。 突起物のない熱い股間で指をベタベタにして少女は快感を味わっている。 本当ならありえないことをしている自分に興奮しているのかもしれない。 (ああっ、俺……直美の体でイ、イク……ィッチャウ) 直美になってから、初めて股間で小さく収まった陰核を鏡で見たとき大きな衝撃を受けた少女だったが、この三ヶ月の間に小さい分敏感なソレの弄り方まで覚えてしまっていた。 チンチンのことを思い返しながらも、次第にそれが当たり前になってしまっていたのだ。 もはやチンチンの感覚よりも陰核の鋭さの方が少女の精神には馴染んでいた。 「はぁっ、んぅっ、んぅっ」 少女は快感のあまり、胸から左手を離すと、股間に意識を集中する。 指のストロークは更に反復速度を増し、胸の上下も小刻みになる。 「すげぇ、秀樹、俺の体と相性ばっちしじゃん!」 少年は、さすがに顔を紅潮させながら、本来の自分の痴態を眺めていた。 「い、いくっ、んんっ!」 少女の頭がぶるぶるっと震える。 びくっと体が震える。 そして、二本の指が中に入った。 「んーっ!」 擦れるような高く切ない声を張り上げると、少女は体を持ち上げ硬直させる。 そして一瞬硬く凍りついた体は、数秒経ってゆっくりと下りていった。 「はぁはぁはぁ…」 少女は焦点のあっていない瞳で瞼を開ける。 (俺……自分に見られながら直美の体でイっちまった……) 長く持続する快感は、少女の気持ちを未だに甘酸っぱくさせている。 今刺激を与えられれば、また高みに上がれそうな……そんな感じだった。 「秀樹、やるじゃん。 俺の体がよっぽど合うみたいだな」 「はぁはぁはぁ……そんな……」 いつもならすぐに反論しているところなのだろうが、状態が状態だけに少女は言葉を継げなかった。 「ホントにすごかったぜ。 俺の体、そんなによかったのかよ?」 「そりゃ……気持ちはいいけど………」 「んじゃ、もっと感じさせてやろうか?」 「ふぇ……?」 少年の顔付きが、悪戯好きの子供のそれに変わる。 しかし、少女はただ快感の余韻に浸っているだけだ。 「ほら、秀樹、自分の愛○の匂い嗅いでみろよ?」 ぶらんと垂れ下がる少女の右腕を捕まえると少年はそのまま指先を少女の鼻先に近づける。 少女の鼻腔に、○液の甘酸っぱい匂いが広がった。 「ほら、お前はもう間違いなく『相川直美』って女だろ? この女臭さのに、好きだよなぁ、お前も」 「はあっ、んっ」 (な、何いってるんだよ、直美っ!) 少女は内心でそう思いつつも、自分の愛○の匂いに再び○欲の火を付けられていた。 「というかさぁ、秀樹。 もうどれくらい、この匂い嗅いでるんだ? そんなに慣れちまったら、元に戻る気なんてならないんだろ?」 「な……何を……」 恥かしさが顔を覆い、ホットプレートのように発熱させる。 「よく女臭いのに、耐えられるよなあ。 やっぱ、秀樹は『直美』なんだな」 「ち、違う……オレは、小林秀樹で……」 「へーっ、じゃあさ、秀樹。 今のお前の体の名前は何ていうんだ?」 「それは……相川直美だけど……」 「ちゃんと認識はしてるんじゃん。 というか、もう『相川直美』になりきっちまった方がいいんじゃない?」 「そ、それは困るよ……オレだって…元に戻りたいし」 「何いってんだよ? こんなになるまで俺の体で感じてるんだ。 元に戻りたいはずないよな?」 「そ、そんな……」 少女は真っ赤になりながら困惑した表情を浮かべる。 「だいたいさ、こんなに女臭くなんのに、平気でオナ○ーしてるっていう時点で秀樹は俺より『直美』の体にあってるんだぞ。 秀樹は、この匂いが好きなんだろ?」 「い……や……その」 「今の自分の体、ホントに好きなんじゃねぇの? そうじゃなきゃ、こんなに激しくオナ○ーなんてできないぜ?」 「え……そんなこといわれても」 少女はしどろもどろになりながら、必死に反論しようとする。 「俺はいいんだぜ、気にしなくっても。 俺は『小林秀樹』の体が気に入ってる、そして、秀樹は『相川直美』を気に入ってるだったら、そのままでいればいいんだからさ」 「そんなっ!」 「というかさ、秀樹、俺の体と相性いいじゃん、どう見ても。 嫌がる理由なんてないだろ? それに俺はこの体嫌でたまらなかったんだぜ。 触るのも匂いを嗅ぐのも、女、女、いっつも鬱陶しかったんだ。 なのに、秀樹は喜んで俺の体使ってるじゃん?」 「それは……」 「生理だって、そこそこ耐えてるし。 俺より立派に『相川直美』してると思うぜ?」 「それはこれとは話が………」 「なっ、秀樹も好きなんだろ?」 「お、おい……?」 少年は、少女の背後に回ると、体操着を少女の顔面に突きつける。 「んふっ!?」 「ほら、秀樹。 今の自分の匂いだぞ。どうだ、これでも自分が『小林秀樹』っていえるか?」 少女は、三ヶ月の間に慣れ親しんだ自分の匂いを改めて感じて、興奮する。 (これが……直美の匂い……なのに、今の俺の匂い) 自分の体が違う人間の体になってしまったことを感じている。 男の子としての気持ちが熱くなって、自分自身に恋したような気持ちになる。 「はぁはぁ」 男の子とは違う性○が再び燃え盛り出して、少女は股間が疼くのを感じた。 「ほーれ、身も心も相川直美になってちまえって」 「はぁはぁ」 心の中の熱さが全身に広がって、少女は当に普通の女の子だった。 脱力してしまい、頭の中がいっぱいになっている。 そんな少女に少年はニヤニヤすると、片方のソックスを脱がすと、体操着の代わりに今度はそれを顔面に突きつける。 「くせ〜、秀樹の靴下くせ〜ぞ」 「なっ」 そんな言葉に反応しつつも少女は自分の靴下の匂いで嗅いでしまう。 少なくともその匂いは自分が秀樹だったときのものとは違っていた。 なのに、その異質な匂いを自分の匂いだと覚えている自分もいる。 自分の肉体は『相川直美』……そのことを徐々に少女は受け入れ始めていたのだろうか? (……お、俺……何、直美の靴下で興奮してんだよっ!?) 「直美、いい加減にしてくれよっ」 少女はその声音には合わない言葉遣いで言い返した。 しかし、その様子は恥じらう少女が膨れているようにしか見えない。 「いいじゃんいいじゃん。 秀樹にはその体がお似合いだよ」 少年は、そんな少女の態度に更に活気付いたようで、悪戯心たっぷりの笑みを見せる。 少年は、指をいきなり少女の口に突っ込むと、少女の鼻面に塗りつける。 「き、汚ねっ、何すんだっ!?」 「どうだよ、ドキドキしねぇか、秀樹? 自分の唾の匂いだぜ。 今の自分が相川直美っていうのがよく分かるだろ? いわば秀樹はいつも直美とディープキスしてみたいなものじゃないか? いっつも俺の唾飲んでんだしよ」 「なっ、何いって……お前」 少女はそれを打ち消そうとするが、内心はどんどん熱く滾っていく。 「ほーれ、また火照ってきちまったんだろ? せっかく火をつけてやったんだ。オナ○ーしたけりゃ続けろよ」 「そんな……」 そういうものの、少女は自分の中の衝動を押さえきれなくなってきていた。 他人の体を実感する快感。 自分でない体で生きていることを体感している自分。 いつしか、少女はそれに興奮を覚えるようになってしまっていたのだ。 「分かってるんだぜ。 秀樹だって、俺と同じ、嫌いじゃない相手の体を感じるのが好きになっちまったんだろ? もちろん、俺はなりたくて秀樹の体になったけどさ、秀樹だって俺の体嫌ってわけじゃないんだろ?」 「は、はぁ……そ、それはそうだけど」 「俺も好きなんだぜ、秀樹の体を感じるの。 俺の体は『小林秀樹』なんだって思いながらオナ○ーすると最高なんだよな」 「そ、それは……」 少女は、少年の言葉に乗せられていた。 なぜなら少年の言葉は、見事図星だったからだ。 少女とて、今の自分を感じているのは間違いのない事実だった。 「汗の匂い、エッ○な匂いも、好きな相手のものなんだぜ。 まるで自分とエッ○してるみたいなもんだけどさ、たまんないよな。 今まで知らなかった他人の体の感覚は全て自分ものなんだ。 秀樹だって、俺の体の感覚いいんだろ?」 「はぁはぁ……うん」 少女は、少年だったときとは違う、再び上昇曲線を描く快感の波に流されていっていた。 <後書き> んにゃ……まあ、ちょっとずつ…(^^; って最近同じこと書いてるにゃ…… 2003/12/14(Sun)
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