綾香氏 作:K27 教室の隅で僕達はいつもの様にたむろしていた。 他愛も無い会話。意味も無い笑い声。たまに出る欠伸。 世間一般的な話をしている。その中で良く話題に上るのが怪談話だ。時期が夏という事もあった所為か、丁度クラスのブームだった。 ――何も知らない中学生の僕にとって、恐怖話は一種の娯楽に過ぎなかった。この時までは……。 「お前、こんな話知っているか?」 「どんなんだよ?」 「綾香氏の話だよ」 「あやかし? 妖怪とか魑魅魍魎の事か?」 「違う違う。綾・香・氏。綾香氏ってのはな……」 友達の話ではこの綾香氏っと言うのは、一昔前、ネットアイドルをしていた女の子だったそうだ。今はもうこの世には居ない。 彼女は何年か前に自殺したのだ。実際そんな話はどうでも良い話だ。僕ともう一人の友人にとっては。 「ふ〜ん、それがどうかしたんかよ? 自殺なんて今の世の中じゃザラだろ」 「おいおい、最後まで聞けよ。ここからが重要な話の始まりなんだぜ。 事件担当の刑事が死体に奇妙な点があることに気付いたんだ。自殺の定番と言えば、薬物やリストカット、首吊り辺りと相場は決まっている。 だが綾香氏の場合は違った。自殺現場は洗面所。彼女は洗面台に座り、鏡に見せ付けるように、背中を刃物で切り開いて死んでいたと当事の担当刑事が語ったんだ。明らかに不自然だろ? もしも自殺だとしたら。他にも不思議な事に死体には血が一滴も無かったらしい。普通に考えたら変だろ? それに鏡には六亡星(ペンタグラム)と訳の分からない文字が描き、書かれていたそうだ。ドロドロした赤ペンキでな」 「そりゃ不気味だな。ところで、その六亡星って意味とかあるのか?」 「ああ。何でも聞いた話じゃ、『始まりと終わり』を意味しているらしいぜ」 「はぁ! 訳分かんないなぁ、ソレ」 「俺にもサッパリだ」 「でもよ何でお前。その事件に詳しいんだ? 何か関係しているのか?」 「まぁ、待てよ。種明かしは話の後だ。 刑事が腑に落ちない点がまだある。彼女の背中だ。中を覗きこんで見ると、人間が生きていく為に必要な臓器がゴッソリと無い。 簡単に言えばカラッポ。普通なら重力で潰されてフニャフニャになると思うだろ。でも形がそのままだったんだよ。 まるで昆虫が脱皮したか、ヒーローショーなんかで見る、キグルミみたいでよ。誰かに自分を着てくれと訴えている様に見えたんだとさ。 もしかしたら初めから中身が無かったのかもな。分からないけどさ」 「本当に自殺だったのか? 他殺の可能性があるんじゃねーの? まるで猟奇殺人みたいじゃん」 「いや、それは無いらしい。うちの親父の話だとな」 「マジかよ! お前の親父が担当した事件か!?」 「まぁ……な 結局、綾香氏が何故、自殺をしたかについては、過度のストレスに寄るものだと片付けられた。 彼女は見られ続ける事に多大な不安やファンの凝り固まった美意識が生まれ、彼女を苦しめていたらしい」 「それで終いか?」 「バカ野郎。そんな訳ねぇだろ。これじゃタダの事件話じゃねぇーか」 「なら続きを話せよ」 「彼女の死体は袋に入れられ、検視官の元に運ばれる筈だったんだ。何しろ異常な死に方してたからな。 検視局について中身を見てみると、袋の中は何も無い。死体が忽然と消えたんだ。跡形も無くな。 いくら捜索しようと死体は見つからず、家族には火葬しましたと伝える他、無かったそうだ。 まさか、死体が歩きましたとか、消えたとか言える訳無いだろ。 それ以来、警察署で不可思議な出来事が起こり始めた。警察署のありとあらゆる鏡に彼女が映りこむんだと。恨めしそうにこっちを見て。 ある警察官が彼女の口元を良く見てみると、何か喋っている事に気付く。その声を耳を澄まして聞いた瞬間、鏡の中から無数の手が出現し警察官を引きずり込んでしまったとさ」 「ホントかよ? 嘘っぽいなぁ〜」 「ハハハ……だろうな。だけど、実際にその場に居たって人から聞いた話だから。あながち嘘とも言い切れないぜ」 「へぇ〜。それじゃあ、その警官は結局どうなったんだよ?」 「シラネ。だから今日、俺と徹(とおる)とお前で確かめに行って見ようぜ。嘘か真実かさ」 「おいおい、警察署だろ。大丈夫なのか? あまり警察署には良い思い出が無いぜ、俺」 「な〜に。俺の親父は警部だから顔は利くんだ。それに社会科見学だと言えば、あっさり通してくれるぜ」 「そうか。お前も行くだろ? 徹」 内心、嫌だったが僕は友人の言葉に黙って頷いた。友人のノリに合わせた感じだ。従わないと後々後悔しそうだったから。 ――学校帰り、友人の父親が勤務している警察署に寄って行く。都内でもまだ真新しく、見る限りオカルト的な噂をされる雰囲気はしない。 中に入ると友人が女性に向かって挨拶をしに行った。どうやらその女性は受付係のようだ。5人くらいが窓口越しに話を聞きながら帳簿の様な物に何かを書き込んでいる。 想像していたより意外に忙しそうに見えた。友人はその中で一番暇そうな受付嬢に声を掛けている。休憩中の看板を窓口に置き。一人だけ爪にマニキュアを付けたり、リップを唇につけている人物だ。 僕には間違いなく、サボってる様にしか見えない。僕も友人の後を追い、近づいて話を聞きに行ってみる。 「こんちわ! あの〜。こんちわ!!」 「ん? あら、中山さんの……」 「貴史です」 「今日はどうしたの? 友達を連れて来て」 「学校の課題で社会科見学に来ました」 「あら〜、事前にアポを取らなきゃダメよ。警察官だって暇じゃないんですからね」 「ハハ……説得力ありませんよ、明海(あけみ)さん。とにかくそこを何とかお願いします!」 貴史は頭を下げ手を合掌しながら何度も頼み込む。その姿に胸を打たれたのかは知らないが彼女は席を立つ。 「仕方ないわね。面倒だけどアタシが一緒に付いて署内を回るかな」 「ちょ、ちょっと、先輩!」 明海さんの隣に座る女性が声を掛けてきた。どうやら彼女の後輩のようだ。かなり慌てている様子。 「課長がまた怒りますよ。タダでさえいつもサボっているのに」 「良いのよ、どうせそのまんま課長だから。怒らせとけば」 「でも……」 「大丈夫、大丈夫。広い額してんだから、心も広いって」 明海さんは笑いながら誤魔化している。彼女のサボりは日常茶飯のようだ。それにしても課長には同情してしまう。 ――明海さんは窓口のから出てくると、僕達を案内した。 彼女を睨みつけている女性署員が何やらブツブツ喋っているようだが、と、とりあえず気にしないでおこう。関わりたくも無いし。 通路を歩るき始めると明海さんはポケットからタバコをを取り出し火を付けた。 彼女は勤務中だと言うのに景気良くタバコを吹かしている。鼻や口からモクモクと、まるで工場煙突だ。 一瞬この人は本当に警察官か疑ってしまう。彼女は頭を掻きながら欠伸をした。かなりヤル気が無さそうだ。 「あっ、そうだ! アタシ用事があったんだ。だから……ハイ、コレ」 「エッ?」 明海さんは貴史に鍵束を渡してきた。 「これあれば好きな部屋に入れるから便利だよ。それと、絶対に鏡には近づかないでね。明海からのお願いだよ」 明海さんは悪戯っぽく、舌をペロリと出してウィンクをしている。僕の背筋に寒気が奔った。この署内はやけにクーラーが効き過ぎてる。 むしろ要らないだろと思う。この人がいれば。 「いや、でも。いいんですか?」 「ああ〜。良いの、良いの。後で返して貰えさえすれば。それと内緒だからね、分かった?」 「は、はぁ」 「よろしい! それじゃ、アタシは用事があるからね。バーイビィ〜」 彼女は僕達に向けて投げキッスをする。するとそのまま何処かへ行ってしまった。 ――明海さん……さじを投げたな。あまりのメンドくささに。しかも別れ言葉、古いな。 「昭和の人って、皆、ああ何だろうか? ねぇ、貴史くん」 「さぁな。俺、昭和じゃないし」 「どうでも良いだろ。とっとと行こうぜ」 僕達は署内を歩き回った。鍵を使い、手当たり次第に開けまくるが、鏡がある部屋が何処にも無いのだ。 噂はもしかしたら本当なのかも。 「ったく、マジかよ。ここの警察署、便所にも鏡がねぇんだからな。参っちまうぜぇ」 「やっぱよう。噂はホントだったろ?」 「んなの、まだ分かんねぇべ」 「ねぇ! 二人共」 僕はまだ開けてない部屋が在る事に気付いた。 黄色のバリケードテープ(立ち入り禁止 KEEP OUT)がドアを覆う様にして張られてる。僕達に見てくれと言わんばかりに。 何かの事件現場だろうか。 「徹……そこは流石にダ……」 「良いじゃん。入ってみようぜ!」 「お、おい猛(たける)!」 「んだよ。びびったのかぁ! だからオメェはいつまで経ってもヘタレなんだよ!」 「あぁ! びびってなんかいねぇーよ」 「へへっ。だったら入ってみようぜ」 「お、おう!」 猛が上手い具合に貴史を焚き付ける。貴史は黄色いテープを無理矢理破り捨てるとドアに鍵を合わす。 ガチャガチャと手こずりながらやっていると猛が「貸してみろ!」と言った。猛が手馴れた手付きで鍵穴に合わして開けた。 中は床にガラスの破片やらが散らばっている。その中には鏡の破片もあった。 「何だぁ。この部屋はぁ?」 猛が戸惑うのも無理も無い。警察署にしては、豪く殺風景なのだ。壁一面が白いペンキ塗られている。床も同じ様にして。 僕はその白い壁に触ってみた。軽く擦るだけでペンキが剥げる。下から線の様なモノが浮かび上がってきた。 「ちょっと、これ見てよ」 「何だ。コレってまさか!?」 貴史がハッとして驚くと急に白い壁を手で擦り始めた。理由は分からないが僕達も彼を手伝う様にして擦る。 徐々に壁の下のモノが露になっていく。粗方擦り終えると壁の下にあるモノが分かった。噂に出た――綾香氏の鏡に描かれていたと言う、六亡星だった。 「き、気味が悪ぃな」 「ああ、早く出ようぜ!」 僕達が外に出ようとするとドアが独りでに閉まる。まるで何らかの力が働いたのかの様に。 「ふ、ふざけんなよ! ここから出せや!」 部屋は防音なのか外の人間は素通りしていく。まるで僕達が見えてないみたいだった。だが一人の人間が僕達に気付きこちらに近寄ってくる。 ――明海さんだ。助かった。 窮地に一生を得た気分の僕達を見る彼女。明海さんは微笑みながらドア越しで何かを喋っている。ドアに耳を当てて聞いてみると微かに聞こえた。 『新たに三つの命が始まり。三つの肉体が終わりを告げる』 僕達は彼女の言っている意味が分からなかった。急に床に散らばった鏡が光る。反射でもするかの様に僕達の身体目掛けて光が浴びせられる。 すると僕達は身体が縮みながら、急な睡魔と共に鏡の中へと入り込んでしまった。 「ここは……一体?」 目が覚めると僕は裸だった。いや、それ以上に肌色をした皮膚が無い。僕は繊維が剥き出しの赤茶けた身体になっていた。 脳が今頃になって認識したのか。突然、体中を耐え難い痛みが襲ってきた。肉が裂ける様な音。肉離れをした時の痛みに近い。 「うぎぐぃぁぁっぁぁあ!」 あまりの激痛に僕は獣の様な咆哮を上げる。下を見ると肝心な部分が無い事に気付いた。僕のペニスが消えている。 小さいながらも大切な相棒が消えた。そしてあるべき場所には穴が開いている。まるで根っこでも引き抜いた様な穴。そこから血が止め処なく流れていた。 僕は悲鳴を上げ続けた。恐怖とどうにも成らない痛みの所為で。 「ああもう、ウルサイわね。男の癖にピーピー泣いちゃって。見っとも無いったらありゃしない」 僕は聞き覚えのある声の方を振り返って見る。そこには『僕』がいた。裸の僕がいる。これは本当に現実なのだろうか。 ありえない。アレが僕だとしたら僕は何者なんだ。僕の頭の中はクエスチョンマークで埋め尽くされる。 「ウフフ。大分混乱しているようだね。でも今から僕が須藤徹だよ。君は今日からそうだな……」 もう一人の僕は顎に手を当てて考えている。 「うん、それじゃ君にも選ばしてあげるよ。どっちが良い?」 目の前の僕は口に手を突っ込むと中から肌色のゴムの様なモノを二つ取り出す。それを僕に手渡してくる。 「もうソレ着飽きちゃったから、君に貸してあげるよ。痛いんでしょ? 早く着た方が良いよ」 僕は彼の言っている意味が分からなかった。だが着れば痛みが消えると聞き、慌てて僕はそのうちの一つを着込む。背中に裂け目があったので、そこから足を通していく。中はヌルヌルして僕の剥き出しの足を滑り込ませる。 奥まで入れると先が五本に分かれていた。しかも爪が付いており、人の指のようだ。そこに自分の指を入れていく。しっかりと僕の足を締め上げる。もう片方の足もその調子で。両足を入れ終わると腰まで引き上げる。 「ひぅん……うぎぃぃぃぃ!」 「アハハハハ! もしかして感じちゃったの?」 僕は顔を赤くする。もう一人の自分に図星を突かれた所為だ。それに妙な刺激が僕の股間に貼り付いたから。 穴の開いた性器の部分に新しい何かが身体の中で蠢く感じがする。僕は自分のムスコの部分を見てみた。 まるでそこは、女性の緩やかな洗練された丘。穴の部分は授業で見た膣口ソックリだ。 「へぇ。流石に……」 もう一人の僕が僕に近づくと無理矢理、僕の股間に人差し指を這わし入れてくる。 僕の身体が痺れる。 体中に快感が……理解し難いが蕩けそうだ。僕は一体何を……。 「もう出来ちゃったんだぁ。新しい君の陰部」 もう一人の僕は口元に笑みを零すと鼻歌を唄いながら僕の股間を掻き混ぜる。中指も入れて。リズムとテンポ良く撫でて攪拌する。 「ひっ。んうぁぁぁん!」 「あらら。もう逝っちゃったの? 気を失うにはまだ早いわよ。折角だからアタシが着せてあげるわね」 僕は『僕』に身を委ねたまま着せてもらう。肌色のゴムを引き伸ばし、僕の身体を覆わせる。右手、左手と。 手袋を履かせる様にして。手足を伸ばしながら密着させていく。胸に二つの豊かな丸いモノが付く。それは柔らかく時折揺れている。 もう一人の僕は丸い物体の先端を指で何度か弾く。また僕の脳にピリっとした痺れが奔る。予期せぬ事態に僕の股間がお漏らしした。 「ふ〜ん。結構馴染むの早いんだ。案外、君って淫乱なんだね」 もう一人の僕は訳の分からない事を口走る。すると今度は肌色のフードの様なモノを僕に被せてきた。 なにやら両手を使って僕の顔を撫で回している。不思議と気持ちが良い。僕の頬に長い髪が掛かる。良い香りがした。 でも確か、僕の髪って短かった筈だけど……。 「出来上がり。後は鏡から出てから自分で着てね」 「ちょ、ちょっと。あれ、こ、声が変だ!?」 僕は咄嗟的に喉を抑える。僕の口から声変わり前の少年の声が出た。それよりも女性の声に近い。 僕は僕自身を睨み付ける。 「フフ、な〜に。まだ何か用でもあるのかな?」 「君は本当に僕なのか?」 「違うよ。でも今は本当に須藤徹だよ。ほら見てよ、僕の可愛いムスコをさぁ」 もう一人の僕の股間を見るとアレが天を衝く様にそそり立っている。先から汁を出して。 「そうだ。良いこと教えてアゲルよ。君の友達も今は別の姿になっているよ」 「えっ!? どう言うこと?」 「それは鏡を出てからのお楽しみぃ。さてと……」 もう一人の僕は肩と腰を掴み、僕を抱き寄せてきた。僕は抵抗を試みたが無意味だった。何故か今の僕は力が出ない。逃れようとしても彼の細腕に抑え付けられる。床に倒れこみ彼が僕の上に乗ってきた。 そのまま彼は僕の股間に彼の小さな一物を宛がう。僕の穴からやらしい音が聞こえてくる。彼のムスコが僕の股間の内部を擦っていく音だ。出したり入れたり、腰を振り続けて。 そのたびに僕の股間が彼のムスコとピッタリと合わさる。興奮が増す事に瑞々しい液と白っぽい液が臀部を濁流する。彼の舌が僕の唇を犯す。僕は歯を食いしばっても無意味だった。全ては快感の所為だ……。 「あは、あは、アァァン……ハァーン!」 「気持良いィィィィん」 アタシと彼は同時に絶頂の渦に飲み込まれて逝った。その瞬間にアタシの中に誰かの記憶が流れ込んでくる。彼女――明海の記憶だ。 彼女もまた、前のアタシと同様の犠牲者だった。何者かに皮を剥がされ、アタシ同様に選択を迫られた一人。 目の前の人物によって……。 ――目が覚めるとアタシは徹くんに抱きかかえられていた。 「大丈夫ですか? 明海さん」 「ううん……あら? 君は確か徹くんよね」 「こんな所で寝ていたら風邪引きますよ?」 「そ、そうよね。アタシどうかしちゃったのかしら」 アタシは立ち上がるとスカートとストッキングに付いた埃を掃い落とす。 「僕が途中まで送りますよ、明海さん」 徹くんは優しくアタシの手を握るとアタシを休憩室まで連れてった。 「じゃあ、僕はこれで失礼しますね」 そう言うと、徹くんは満面の笑顔で通路を歩いて行った。アタシは首を傾げた。何か大事な事を忘れている気がしたからかな。 アタシは何気なく、ポケットにあるタバコを取り出し火を点す。口に咥えると思わず咳き込んでしまった。 「な、何? アタシったら初めてでもないのに……今日はオカシな日ね」 アタシはこの後、課長にコッテリと絞られた。でも周りが何故だか新鮮に感じられる。いつもの事なのに。 ――後日。ネットアイドルの多野綾香が保護された。それは多分、元僕の親友だった人だ。 その代わりに僕の親友が二人共、行方不明になった。今の僕にとっては些細な出来事だけどね。 ほらあそこを見てよ。また噂しているよ。ホント人間の好奇心って凄いよね。 「ねぇねぇこんな噂知っている? エッ? どんな噂だって。鏡の中に連れ込まれて皮を引ん剥かれる噂だよ」 「キモーイ。嘘だぁ〜」 「じゃあ、確かめに行って見ようよ。場所はね……」 ――さてと、今度は誰にしようかな……うふふ。 <了> |