クラスメイト

 

トイレだった。

用を済ませて、手を洗って、ふと鏡を見る。

そこには見慣れた顔がある。
はずなのに、何故だか強い違和感を感じた。

「?・・・・・・・・・高木くん!?」
鏡に映っていたのは、クラスメイトの男の子だ。

え!?なんで高木くん?
映ってるのはあたしじゃないの?
え?これ、あたし?
え?え?どういうこと?

あたしは混乱した。

あたしの名は、長嶺佐紀。
高校2年生。
女。

でも鏡に映っていたのは、クラスメイトの高木勇くんだったのだ。

 

あたしは何度も鏡に顔を近づけて、自分の姿と見比べてみた。
・・・確かに鏡は嘘をついていない、ようだ。

しかもここは男子トイレ。
そしてあたしは、男としてトイレに入っていた。

どういうことだろう。
急いで教室に戻る。

すると・・・あたしの席には、あたしがいた。

おかしい。
あたしはここにいる。
じゃあ、あそこにいるのは誰?

ニセモノだろうか。
友達となにやら談笑しているが、誰も疑ってる様子はない。

あたしはとにかく、一体何が起きてるのか知りたかった。
ここに本物がいる以上、彼女はニセモノに違いない。
絶対に何か知ってるはず。

何を考えてるのか知らないけど、あたしに化けて抜け抜けとあそこに座ってる人がいる。
そう考えると、腹が立ってきた。

あたしは彼女に近づき、平静を装って声をかけた。

「長嶺さん」

友達との話を中断して、彼女がこちらを向いた。
「なぁに、高木くん?」

ここじゃ人目もあるし、場所を選んだほうがいいよね。
「ちょっと話があるんだけど、いい?」
「ん、いいよぉ」

彼女はOKしてくれた。
が、外野がうるさかった。
「えー、なに高木くん、なんの話するのぉ?」
「やだ、佐紀モテモテじゃん」
「そんなんじゃないよぉ」

ちょっとあんたたち、この人はニセモノなのよ。
とか思ったけど、時間も惜しいし面倒なので、彼女だけ連れてその場を離れた。


人目を避けて、校舎の片隅に入る。
頃合を見計らっていたのか、彼女が切り出してきた。
「で、高木くん、お話ってなぁに?」

あたしはズバリ聞く。
「あなた、だれ?」

「ぇ・・・長嶺佐紀です」
おずおず、といった様子で彼女は答えた。
そんなわけないでしょ!

「長嶺佐紀はあたしよ!あなた一体誰なの?何を企んでるの?なんであたし高木くんの格好してるの!?」
一気に畳み掛ける。
彼女は困惑した様子だ。

「ちょ、ちょっとまって高木くん。言ってることがわかんない」
「しらばっくれないで、正体現しなさいよ!」
「待ってってば。ねぇ、熱でもあるんじゃないの?」
「なにを・・・」
「だって、現実にあたしは長嶺佐紀だし、あなたは高木勇くんじゃない。鏡見たことないの?」
「でも、あたしは長嶺佐紀としての自覚があるのよ!」
「そんな・・・じゃあ、高木勇としての自覚はないの?」
「え・・・」

その一言に、あたしは止まった。
そして考えてみる。
そうなのだ、あたしには高木勇としての自覚も記憶もあったのだ。

「・・・ある、な」
「夢でも見ちゃったんじゃないの?で、自分があたしだと思い込んじゃったとか」
「うーん・・・」

あたしは再び混乱した。
一体、あたしは誰なんだろう?

「もう、しっかりしてよ。話があるっていうから、てっきり期待しちゃったじゃない」
「え?」
「あたしの期待はハズレなの?」

え、それって・・・。
「あ、えーと、じゃあ、僕と付き合ってくれるの?」
「考えさせて」
キッパリ

「えぇぇ!?」
「あ、ごめん。別にお断りってわけじゃないのよ。ただ、いま高木くん混乱してるみたいじゃない?」
「う・・・ん」
「落ち着いたら、またお話ちょうだい。待ってるから」
「うん・・・、ありがと」
「・・・じゃ、あたし行くね」

無意識だった。
立ち去ろうとする彼女の腕を、僕は掴んでいた。

え?
という顔をした彼女を引き寄せる。

僕は左手で彼女の腰を抱き、右手で彼女の頭を支え、一点を目指す。

そして・・・、彼女の唇を奪った。


「ん!んんんん、んっ!」
びっくりしたのか、最初彼女は抵抗してきた。
しかし、離さないでいると、段々とその気になってきたようだ。
僕の背中に腕を回して、爪を立てている。

服の上からなので、ダメージは無いけど。

「はっ」
「ぷぁ!」
唇を離す。
二人とも息が荒い。

彼女は頬を赤らめ、うつむき加減でこう言った。
「高木くん・・・あの、・・・なにか当たってるんだけど・・・」

その一言で、スイッチが入った。

彼女の胸をまさぐる。
手に伝わる感触の奥に、なにか柔らかいものがあるのがわかった。

「は・・・は・・・ぁぅ、んぁ、・・・くふ、ん」
喘ぎを聞いていると、理性が飛びそうになる。

僕は彼女を優しく壁際へ寄り掛からせた。
スカートの中に手を入れる。

「あ、ゃぁ・・・」
彼女は僕の手を押しのけ、逃れようとするが、どこにも逃げ場はない。

パンツの湿りはわかった。
股に沿って、指を前後させる。

「はあぁぁ・・・」
ため息が漏れた。
そのまま続けていると、彼女も僕の股間に手を伸ばす。

ぐい、と掴まれる。
「固いね」

上下にしごいてくれた。
気持ちいい。

僕もパンツの横から指を入れる。
そのまま指が入っていくので、押し込んだ。

「はう!」
彼女が、ぴくんと跳ねた。

頭が真っ白になり、もう何を触ってるのかもわからない。

「・・・高木くん、いいよ」
彼女の言葉で、我に返る。

指を抜き、自分の手を見ると濡れていた。
それと、なにか白いものが付いている。

これって、彼女の・・・?

僕はズボンのチャックを開け、息子を取り出す。
彼女も、パンツを脱いで待っていた。

再びスカートをたくし上げ、彼女の中に入ろうとする。

ぐい
突き上げるが、なかなか入っていけない。

「あ、違う・・・もっと・・・後ろ」
彼女の言葉に従い、位置を探す。
指で確認して、そこへ持っていく。
すると、先っぽに何かが被さった。

「んっ、そ、こ」
ぐっと突き上げると、彼女に刺さっていくのがわかる。

ずぶずぶ・・・

「あ!はゃ、ゃ」
異物が入ってくる感触に驚いた彼女は、それから逃れようとして、後ろに身を反らす。
僕がそれを支えると、こちらに身を預けてきた。

「動くよ」
「ん」
ゆっくりと腰を上下に動かす。
その動きに揺らされて、彼女も上下に動く。
もちろん、つながってる部分も。

最初はゆっくり、徐々に早く小刻みに。
激しい感触が、お互いを襲う。

ぐちゃ、ちゃ、ぐちゅ、ちゅば、ちゃぐ・・・

イヤらしい音と、ずしっとくる手応え。
もう止まることはできない。

「あ、あ、あ!んい、すぅ、好き、好き!高木、くん、好きよ!は、んぁ」
「あ、ああ、ん、僕、も佐紀、ちゃん、好きだ!」
「あ、あああ、・・・・・は、ん・・・・・・・・・」




「あー、気持ちよかったな・・・」
ひとりごちているのは、長嶺佐紀だ。

「でも危ないところだったな。
まさか長嶺佐紀の記憶が甦るとは・・・。

皮の作り方を間違っちゃったのかな。
やっぱ説明書はちゃんと読まなきゃだめだね。

でもまあ、男の本能が彼女の理性を抑え込んでくれたみたいだし、結果オーライってとこか。

これで晴れてあたしは・・・うふふ」





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