少女体感(後編)
作:嵐山GO


「いやー、やっぱこの身体だと意外に食えないもんだなー。
もう腹いっぱいだよ」
「いくらお前の大好物なステーキでも、身体が小学生じゃね」
雅人と道郎は映画を見た後はCDショップへ寄り、
そして今はちょっと遅い昼食をとっている。

「勿体ないけど残すか。ステーキなんて滅多に食えない
のにな」
「デザートでも注文してやろうか?女の子は甘いものは別腹
なんだろ?」
「いや、遠慮しとく。身体は沙希ちゃんでも味覚は俺なんだぞ。甘いもの嫌いなの知ってるだろ」
「あはは、そうだったね。じゃ、そろそろ出る?」
「ああ、そうだな。ご馳走様」
少女の姿をした道郎が立ち上がると、雅人もレシートを
持って立ち上がった。
「会計しとくから、外で待っててよ」
「分かった」

支払いを終えて店を出ると、道脇の花壇脇に腰を下ろしている少女を見つけた。
「どうした?食いすぎて腹でも痛いのか?」
「それもあるし、なんだか、ちょっと疲れちまった。
いつもの調子で動き回ってたからかも」
「まさか、薬のせいとかじゃないよね?」
「それはないと思う。ちょっとまた公園でも見つけて休みたい」
「そうだな…たしか、この先にあったと思う。歩ける?」
「心配すんな。そんなに酷いわけじゃない」
「なら、いいけど」

 数分後、二人は大通りから離れた公園のベンチに仲良く
腰を下ろした。
「具合どう?」
「優しいんだな。沙希ちゃんだからか?」
「違うよ。お前だから言ってるんだ。ホントに心配してるんだぞ」
「悪い、悪い。聞いてみただけだ。実はもうだいぶ楽になった。やっぱ自分の胃袋だと思って、がっついたんで少し
ビックリしただけだと思う」
「ま、時間あるんなら慌てなくても行く所は行ったんだから、少し休んでから帰ろうか」

「嫌…」
「何?」
「いや、まだ行ってないところがあるなーと思ってさ」
「ドコ?無理しなくてもいいんじゃない。今日のお礼に後日、連れて行ってやってもいいよ」
「それじゃ、駄目なんだ…」
「駄目って、どうして?」
「女の子の姿じゃないと駄目なんだ」
「どういう意味?」

「なぁ、雅人…お前、沙希ちゃんとセックスしたくないか?」
「な、何を急に言い出すんだよ」
「正直に言えよ。ヤリたいだろ?ヤルなら今日しかないんだぞ」
「そりゃ、ま…ヤリたくないって言ったら嘘だけど。その身体じゃ無理だろ」
「体調の事か?それとも、この未成熟な身体の事か?」
「りょ…両方…だよ」
「言ったろ。体調なら直った。それから、この身体の事だが」

「沙希ちゃんの身体に何かしたの?」
「朝、早くから準備があるって言ったろ?」
「…うん」
「寝ている間にとり憑いて、その後、すぐにオナニーしてみたんだ」
「オ、オナっ…うぅっ!」
 雅人の声が大きくなったので、道郎は慌てて口を塞いだ。
「しっ、馬鹿っ!大きな声を出すな」
「ゴメン」

「…で、な。最初は結構、ピリピリして痛かったんだけど、
意外とすぐに慣れたよ」
「ゴ、ゴクッ…そ、それで?」
「クリトリスの皮を剥いて触った時は飛び上がるほどビックリしたけど、それもすぐに快感に変わっていったし、指を入れるとビショビショに濡れたんだ」
「ゆ、指を入れたのかよ?」
「ああ、しっかり処女を頂いた」
「痛かったろ?」
「自分で心構えして破ったから、そうでもなかった。それに
指だったしな」

「そう…か」
「ホントはお前に処女を取っといてやろうかとも考えた
んだが、乱暴にされたらさすがに、この小さな身体じゃ
激痛だろうからな。自分で破った。すまんな」
「い、いや…別に…いいよ。気にすんな」
「だからさ、せめてお前にこの身体を、心ゆくまで抱かせて
やろうかと思ってさ」
「し、しかしなー」
「大丈夫だって。たっぷりと時間を掛けて開発してあるから。
最後なんか指二本入れて掻き回したら、アッという間に
イキやがったぜ。結局、全部で3回はイッたかな?」

「さ、3回も?凄い…だな。女って」
「そうなんだよ。こんな華奢な身体だけど、オマ○コだけは
すっかり出来上がってるんだ」
「でもなー…でも、やっぱり…」
「すっげぇ可愛い声出して喘ぐんだぜ。お前に聞かせてやりたいのに」
「うーーーん…」
「なんだよ。はっきりしない奴だなぁ」
「すまない。何だか、沙希ちゃんに申し訳ないような…
でも抱きたいし。今、俺の頭の中は二人の俺が、がっぷりと
睨み合って大変なんだよ」
「しょうがねーなー、もう。じゃあ…」

「う、ううっ…」
「ど、どうした?また腹が痛くなったのか?」
 両手で顔を覆うようにして、泣く仕草を見せる少女に
雅人は優しい声を掛けた。
「違うの…お兄ちゃん、私、辛い…」
「沙希…ちゃん?」
「お兄ちゃんは、どうして私を抱いてくれないの?」
 少女は目に涙をいっぱいに溜めて、下から見上げるように
聞いた。
「え?だって、それは…」
「私も、お兄ちゃんの事、ずっと見てたんだよ」
「嘘…?」

「大学の近くのハンバーガーショップの窓際にいつも一人で
座って、私のこと見てくれてたよね?」
「う、うん…でもちょっと待って。今は道郎じゃないの?
それとも本人の意識が戻っ…」
「聞いてっ。お兄ちゃんは私が通りかかると、いつもタバコ
を消してたでしょ?」
「知ってたの?」
「うん、知ってるよ。可愛いなって思ってた」
「あ、ありがと」

「私もお兄ちゃんの事が好き!だから、ね?お願い。抱いて」
「いいの?でも痛いかもしれないよ」
「きっと大丈夫。お兄ちゃんの友達が弄って痛くないように
してくれたから」
「そうだったね」
「実はね、今もアソコが濡れちゃってて凄い事になってるの。舐めて欲しいな」
 ゴクン
 生唾を飲み込む。
「い、いいけど」
「ホント?嬉しい!私もお兄ちゃんの、オチ○チン一生懸命
舐めてあげる」

 二人は誰もいない公園の片隅で見つめ合っていた。
「絶対、後悔しない?」
「そんなのしないってば。それよりホテル行ったら、まず
一緒にシャワー浴びようよ。洗いっこしたいの」
「うん!いいね」
「そしたら次はベッドに行って…どうしよっか?私が上に
なるからシックスナインする?」
「うん、うん。あ、ヤバっ!」
「なーに?オチ○チン勃ってきちゃった?」
 少女が、その細い腕を伸ばして雅人の股間に手を当てた。

「恥ずかしいよ」
「うわー、大っきくなってるね。はやくコレ入れて欲しーい」
「僕も早く沙希ちゃんの中に入りたいよ」
「奥まで入れて貰ったら、気絶するくらい激しく突いて
欲しいの」
「いいとも」
「いっぱいイカせてね」
「ああ、時間延長するくらい突きまくってあげるよ」
「やぁーん、駄目ぇ。遅く帰ったらママに怒られちゃうもん」
「あはは、そっか」

「私ね、今日、下着もすっごく可愛いのを着けてきたんだよ。胸なんかまだ小さいけど、ブラジャーしてきちゃった」
「あー、だから大きく見えるんだ」
「うふん。上下お揃いなの。脱がしてくれる?」
「もちろん!」
「うふ、優しいお兄ちゃんが大好き!早く行こっ」
「うん。行こう」

 二人は腕を組んで、公園を出ていった。

 道郎が雅人を騙して誘惑したのか、それとも雅人が騙されたフリをして沙希の演技を続けさせたのか、
 それは分からない。
 だが二人にとって、それはどうでもいい事なのだ。

     <終わり>



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