黒いローブとフードで全身を隠した男がゆらりと現れる。
女剣士アリシアは驚きのあまり、自分の体を弄っていた手が止まった。
「な、なんだ、お前か、おどろかすなよ」

アリシアはその綺麗な声には、不釣合いな男言葉で文句を言う。
その姿からは想像もできないほどに乱暴的な態度だった。
それに対して黒フードの男は低く、くぐもった声で謝罪を入れる。
「ふふふ、すいませんね。それより、まだその体が名残惜しいのでしたら……」

アリシアは黒フードの男の台詞をさえぎり、鎧から覗く、白い腕やふとももを撫でまわしながら言った。
「あぁ、いいって、いいって、もう。この体は飽きてしまってさ。あんたが来るまで暇つぶしに触っていただけさ」

「ふふ、そうでしたか……それで女剣士の体はどうでした?」

「ふふふ、最高だったさ、でも、そろそろ次の体がほしいんだよ」

黒フードの男の肩が上下に揺れた。どうやら笑っているようだが、表情は影になっていてよく見えない。
「そうですか……、それで新しい体の目星はつけていらっしゃる、んで……しょうねアナタ様なら…」

「あぁ、あの街の大聖堂にいる、シスターだ。おそらくかなりLVが高いだろうが、お前の技なら関係ないよな?」

ニヤニヤしながら言うアリシアは、まるで下品な男のような表情をしていた。
「はい、それでは早速、そのシスターに会いに行きましょうか」

黒フードの男が楽しそうに言うと、その場に黒い影が広がり、二人はその場に沈んでいった……。



大聖堂の中で祈りを捧げるリリア。その姿はまるで女神だった。
白のシスター服を身に着け、白のストッキングに白の靴。
白のベールを頭に被り、表情はよく見えないが、真剣な雰囲気は伝わってきた。
ステンドガラスから降り注ぐ、日の光がリリアを照らす。まるでスポットライトかのように。
小さな埃が宙を舞うだけの静かな大聖堂に、黒い影がゆらっと広がって、アリシアと黒フードの男が出てきた。
リリアは祈りのポーズを崩さないまま、すぐ後ろに立つであろう二人に声をかける。
「ここは、あなた達のくるようなところではございません」

綺麗でそれでいて凛とした声が響く。
「まぁまぁ、そう言わずにちょっと用事をすましたら帰るからよ」

口調は酷いが、同じく綺麗な声が響いた。
リリアはそこで立ち上がり振り向いた。
「気配から男性二人かと思いましたが、間違っていましたか……それで何の用ですか?ここには何もありませんよ?」

「男性二人か、大方間違ってはいないか……」

アリシアは唇を歪めた。その態度に少し怒りを覚えたリリアは口を開く。
「用がないなら早々に出て行きなさい……さもなくば強制的に出て行ってもらうことになりますけど?」

リリアはどこから杖を出し、構える。
「本気をだされると面倒だな、おい、やってくれ」

アリシアは一歩下がり、黒フードの男は頷いて前にでる。
「では、時間もありませんし、さっそくいきましょうか」

そのあまりにも不気味な男に、リリアは身構える。
その様子に満足したのか、フードの男は右手を広げ、軽く呪文を唱えた。
「な、なにをし…った……あ?…あふぅ……はぁはぁ……な、なにを……?」

胸を押さえ苦しそうな声をあげるリリア。
「安心してください、死にはしませんよ、死にはね」

右手をそのままリリアに向ける。
「うぅ…あぁ……な、なに……あぁぁぁ……」

苦しそうなリリアを見て、黒フードの男はすっと右手を上にかざした。
すると、それに呼応するかのようにリリアの体がピンと伸び、口から精気の塊みたいなものが抜けだしてきた。
「あ……あぅ……ぅぅっ……うぅ、はっ、はぁぁぁ……ぁぁぁぁ……っっ!!」

すべての精気が抜けると、リリアは床に倒れた。
リリアの口から出た精気は、黒フードの男の右手の平でふよふよと漂っている。
「いつ見ても酷い技だな…」

「フフフ、褒め言葉として受け取っておきますよ。…では、いきますよ?」

「あぁ、やってくれ」

今度は左手をアリシアに向けて呪文を唱える。
「うぅ……あぁん…いつ…されても…気持ち……悪いぜ…うう…ぅっ……っ!」

アリシアもその場に倒れた。
大聖堂に美女二人が倒れているとなると、なかなかぐっとくるものがあるかもしれないが、黒フードの男は淡々とアリシアからでてきた精気を、倒れてるリリアの口に流しこんでいった。

アリシアの精気が、リリアの中に入る度にピクピクと体が痙攣していたが、完全に精気が中に入ると、リリアの痙攣は止まった。
それを見た黒フードの男は次に、懐から小さなビンを取り出した。
「確か、これだったな……」

ビンの蓋を開けると、中からまた精気の塊のようなものが出てきて、気を失ってるアリシアの口の中に入っていった。
そして、からっぽになったビンにリリアの精気を入れたのだった。
「それでは、後はご自由にお楽しみください、私はアリシアの体を返してきますので……」

気を失ってるリリアにそう告げると、黒フードの男と気を失ってるアリシアは、また影の中に沈んでいったのだった。



しばらくして、シスターリリアは目を覚ました。
「ん……っとと……あーあー、うん、成功したみたいだな」

リリアはニヤリと、今まで見せたこともないような笑みを浮かべ、その場にあぐらをかいて座る。
「あはは、これは愉快だ、まさか俺がシスターになる日がこようとはな……」

乱暴にベールと取ると、ブロンドの髪がふわっと広がり、垂れる。
「ふぅ、うっとうしいんだな、これって」

そして、そのまま右手を自分の胸に当ててみる。
「う…ぉ!こ、これは以外にも、こいつ巨乳なんじゃないか…胸をきつくしばって、なるべく目立たないようにしているみたいだけど……今日からそれはやめよう」

笑って立ち上がり、シスター服の後ろに手を伸ばしジッパーを下げると腕を抜いて、上半身だけ脱いだ。
腰の所はキュっと絞られていて、ウエストを細く見せるためだろうか、シスター服の上半身部分は腰のところで折れるような形で垂れ下がった。
「やっぱりな、こいつ、布でガチガチに縛ってるじゃないか。苦しいぜ、こんなの!やめやめ!」

リリアは自分の胸に巻かれた布を乱暴に解き始めた。
「うおお!!すっげぇ!こいつでかすぎるだろぉ!」

布が全部ほどけると、たぷんたぷんと自分の胸を揺らしながら、
「あぁ、苦しかったわ、今日からは私は巨乳シスター、リリアとして生まれ変わります」

リリアは楽しそうに、そんなことを口走ったのだった。


ガチャっと教会の扉が開く音がした。
リリアは何事もなかったかのようにシスター服をもう一度着なおし、ヴェールをつけた。
「リリア様、何をしていたのですか?」

若いシスターが尋ねてくる。
「神にお祈りをささげていました」

「そ、そうですか……?」

リリアが上半身裸になっていたのは見間違えだと思ったらしい。
それは、そうだろう、あの真面目なリリアがそんなことするはずないんだから。
「それでは、私は失礼しますね」

リリアは立ち上がり、教会から出て行った。
「ぷ、ぷぷ、あははっははは!こっりゃ楽しいぞ、俺がリリアだなんて誰も信じれないよなぁ……あはははは」



リリアはシスター達が寝泊りしてる修道院へ向かう事にした。
「えっと、リリアの……私の部屋は、何処かな……」

その辺にいるシスターに向かって声をかける。
「あ、あなた、私の部屋の部屋ってどこっだったかしら?」

一瞬、声をかけられたシスターは意味のわからない顔をしたが、リリアに声をかけられたのが嬉しかったのか、素直に案内してくれた。
「ここですけど……?」

「ありがとよっと」

「ひゃぁっ!」

リリアは案内してくれたシスターのお尻をなでながら自分の部屋へと入っていった。
ドアを閉めると大笑いで服を脱ぎだした。
「あははあはあは、おもしろすぎる。リリア、服をぬぎまぁぁぁすう〜〜、するするする〜」

笑いながらシスターを脱ぎ、白いストッキングだけの姿になる。
白いストッキングからうっすら見える白い下着が真面目なリリアに似合っていた。
「はぁ、でも、もうこれから私下着もつけないことにしたのです」

ストッキングを脱いで、下着を脱ぎ、ストッキングをもう一度履きなおす。
そんな変体的な行動をとったリリアは嬉しそうに顔をゆがめた。
「これで、よしっと、早速オナニーしましょう」

大きな胸に手を伸ばし、円をかくようにこね回す。
「あぁん、気持ち…いぃ……シスターも……いや、シスターだからこそ……溜まってるのか……ふふふ」

乳首も触ってほしそうに主張していた。
「ふふ、ああぁん……そろそろ乳首も触ってほしそうだな……ほんとにエロイシスターだ」

そっと、乳首に触れるだけでリリアは電気が体中に走ったかのように震える。
「あぁあぅん……っ!はぁはぁ……こ、これはすごい感度だな……」

白いストッキングの股間にはもう大きな染みが出来ていた。
「あぁぅ、あぁっ…はぁはぁ……そろそろ下も……」

リリアは白い手を、白いパンストの中へと入れる。
くちゅっと、いやらしい音が部屋に響く。
「うふふ、中はどうなっているのかな……ぅっ!…あぁぁっ!!あぅぅ、こ、これは……あの女剣士なんて話にならないな……気持ちよすぎる……あぁ…ぅぅん」

パンストの中で、綺麗な手がまるで虫の用に動き回る。
「あぁぅ、あぅん…あっ、あっ、ああぁっ……だ、だめ……も、もう?もうイクのか……?」

荒い息をつきながらリリアは、必死に自分の股間を弄くる。
「あ、あ、あぁぁっ、も、もぅ!ダメ!!い、い、イク…ッッ!!」

ビクンと全身が突っ張り、パンストに包まれたつま先はピンッと伸びる。
「あぁぁぁあんん……あぁぁ……はぁ、はぁ…ぁん……はぁはぁ、き、気持ちよかったぁ……」

リリアは寝っころがって全身から放たれる快感の余韻に浸っていた。
自分が涎や、鼻水を垂らしていることに気が付いたのは、しばらくしてからだった。
「はぁ、はぁ……これは最高だな……」


町にシスターリリアの様子が変わったと噂が広がり始めた頃。
胸に布を巻かずに、ストッキングの下に下着を履かずに、いつものようにシスター服を着込んだリリアは、静かな大聖堂の中で、黒フードの男と話をしていた。
「そろそろ、この体も飽きたんだよ、次はさ―――」



−黒フードの黒魔術 終わり−



inserted by FC2 system