乗り換え





「やあ、目がさめたようだね」

「あっ、あ・・・」

「ムリして喋ることはないよ。背中に大怪我をおっているんだ。喋るのさえつらいだろう?」

「・・・」

「ははは、そうそれでいい」

「・・・」

「今の状況を説明してあげよう。さっきワシと君が乗っていた電車で事故があったんだ」

「・・・」

「そのとき、ワシと君の魂が体から抜け出してしまったんだよ」

「・・・」

「ワシはすぐに自分の体へ戻ろうと思ったが、意識を失って浮遊をしている君の魂を見て思いついたんだ」

「・・・」

「そうだ、この魂を元のワシの体にいれたらどうだろう?とな」

「・・・!?」

「さっそく ワシは君の魂をワシの肉体にいれてみた」

「・・・あああ!!」

「すると君はワシの体で息を吹き返した。ワシは安心して君の体に乗り換えさせてもらったんだよ」

「ああいを、あああ、あえいえ・・・!!」

「おっと、そろそろ駅員がくる頃だ、ワシは行くよ、じゃあ・・・元気でな」

 

オワリ




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