勇者と呪われた巫女

    作:verdsmith7




ここに初めて来た時私はまだ勇者でした。

それまで世界中を旅したものです。

そして多くの国や街や村を助けて感謝されてきました。

一人で始めた旅でしたが気付けば私の周りには多くの仲間がいました。

いつか魔王を倒し世界が平和になるまで旅が続くと思っていました。


人里から離れ何もないこの場所を訪れたのは理由がありました。

旅の道中で聞いた話です。

ここにいる美しい巫女の儀式で強大な力を得られると聞きました。

しかし、それと同時に不吉な噂もありました。

その巫女は呪われているというものです。

私と仲間は強大な力を得られるという部分を信じてここにやって来ました。

今は少しでも力が欲しいのが本音です。

だから何日も掛けて歩き続けてその巫女がいるという場所へ向かっていました。

移動で疲れはしたものの魔物との戦いがなかったのは幸いでした。

どうやらこの土地にはまだ魔物の侵攻はないようです。

そもそもこん何もない辺境の土地を襲う価値すらないと思っているのかもしれません。

人の往来も少ない為に整備された道は少なくここに来るまででも大変でした。

山を越えて谷を下り今は川の側を歩いています、そして山道を登ることになりそうです。

これを何度繰り返したでしょう、私や仲間達の疲労も蓄積されていました。

重い鎧や剣がなければもう少し楽に進められるのでしょうがいつ奇襲があるか分かりません。

それに魔物でなくとも盗賊に出くわす危険もあります。

仲間達との会話も減ってきました。

あとどれぐらい歩けばいいのか分からず精神的にも疲労がたまっていました。


すると前方に大きな門が見えてきました。

明らかに人工物でありよくみるとそれは大きな鳥居でした。

噂通りでした、あれが見えたらもうすぐだと麓の村人が言っていました。

仲間達の顔が皆みるみる明るくなります。

更に近づくと赤い鳥居は来客を歓迎するかのように建てられていました。

そこを通りすぎると急に道は整備され神社のような建物も見えてきました。

周囲に広がる雄大な景色と合わさり神々しい雰囲気の場所です。



鳥居を通ってしばらくするとそこにいたのは一人の女性でした。

私達が来るのを分かっていたかのように入口で待っていました。

お辞儀をして顔を上げるとその綺麗な顔で微笑みかけられました。

自己紹介をすると彼女こそが噂で聞いた巫女様だと分かりました。

巫女様は私が勇者であると話すととても喜んでくれました。




巫女様はその特徴的な巫女衣装を身に着けていました。

伝統的で古風な格好なのにも関わらず巫女様の色気を損なっていません。

噂には聞いていましたが実際に会って見てもやはり美しい方だと思いました。

お互いの自己紹介を済ませると丁寧な物腰で私と仲間を奥へと案内してくれました。

広い敷地を歩きながらこの場所の歴史を話してくれましたが、巫女様の話の半分も聞いていませんでした。

歴史に興味はなく観光で来たわけでもありません、だから目的を果たしたらすぐに立ち去るつもりだったのです。



奥へと向かうとひと際大きな建物が見えてきました。

周囲の他の建物と比べても大きさや装飾、複雑な構造となっているのが建築物に詳しくない私にも分かりました。

ここがこの場所で特別な場所だということを示しているようです。

私と巫女様はここで儀式を始めることになりました。

中は広い空間でした。

何かを執り行う為に作られたのでしょう。

今ここにいるのは私と巫女様だけです。



巫女様は私の為に最初の儀式を行うようです。

それは巫女様の舞いでした。

大きく手を左右に振り腰をひねる美しく優雅な踊りでした。

巫女様の美貌も合わさってとても見事でした。

神秘的という言葉がぴったりだと思います。

巫女服の隙間から僅かに見える胸や脚元が目に入ってしまいました。

正直少しドキッとしてしまいましたが、儀式の最中なのにと自分を心中で叱責しました。

巫女様も真面目にやっているのだから自分も真剣にこの儀式をしないといけないと自分に言い聞かせました。

それにも関わらず巫女様は笑みを浮かべながら舞を舞い時折私の方を見ながらクスッと笑いました。

それを見て私は巫女様に見惚れてしまっていました。

仲間達も一緒に見て欲しかったぐらいです。

一緒にやって来た仲間達は私達の場所から少し離れた建物で待っています。

本来は村人が巫女様の食料などを運ぶ際に使う休憩所とのことで今は仲間達が私の儀式を終えるまで休んでいます。

儀式を行うには一人で数日掛かります。

ですが儀式はこれで終わりではありません。

巫女様は踊り終えると私に目の前に一緒に座るように言いました。

言われた通り私は巫女様と共に座りました。

巫女様は激しく舞っていたせいか少し疲れているように見えました。


次に何をするのか待っていると巫女様は口付けをするように言ってきたのです。

冗談かと思いましたが巫女様は真面目な顔でした。

しかも私に早くするようにとまで言いました。



初めて出会った女性とのキスなんてすぐにできるはずがありません。

心の準備も何もできていない状態です。

せめて時間が欲しいと頼みました。

私が迷っていると巫女様に力が欲しくないのですかと言われて私はハッとしました。

そう、今は少しでも強くならなくてはなりません。


これも儀式の一環なのであれば私も覚悟を決めなければいけません。

私は覚悟を決めてその儀式を受けることにしました。

ゆっくりと巫女様の美しい顔が近づいてきました。

当然ながら私は緊張していました。


そして巫女様の指示通りに唇を重ねました。

瑞々しい巫女様の口が徐々に触れていきました。

でもそれ以上はしないよう軽くキスをして終えるつもりでした。

これだけでも自分には精一杯頑張っています。

儀式をする為に仕方なくしているつもりでした。

巫女様の柔らかな唇の肌が当たるのが分かりました。

巫女様は激しく唇を重ねてきたのです。

更には腕を背中に回されて抱き着かれてしまいました。

美女にこんな事をされたら嬉しいと思うかもしれませんが、その時の私には喜びは一切なく困惑と驚きだけしか感じられませんでした。

これも儀式なのでしょうか。

私が驚いているとその豊満な胸を身体に当てながら巫女様はただ受け入れるようにと言われるだけでした。

これが自分の力を引き伸ばす為の儀式だというのならそれを受け入れるしかありません。

だから私はそうしました。

その時の私は巫女様に流されるままに動いていました。

キスに夢中で気が付きませんでしたが巫女様は私の身体に胸を当てていました。

服があるとはいえその大きな胸の感触ははっきりと伝わってきました。

私は少し離れた方がいいかと思ったのですが巫女様は構う様子もなく私に密着してキスを続けています。

結局私も儀式の為だと思いそれを受け入れました。

美しい女性にこんな事をされて何も思わないはずがありません。

その時は私も男性でした。

しかも私に迫ってくるのは他ならぬ巫女様です。

求められて何もせず受け入れるだけで終わるはずがありませんでした。

仕方なくと続けていたキスですが

儀式と関係なく巫女様が欲しくなっていきました。

私も巫女様の身体に腕を回して自分から密着するようになっていました。

すると当たっていた巫女様の胸が更に私に押し付けられました。

そして願ってしまったのです。

巫女様が欲しいと・・・

気が付けばそれは恋人同士のようなキスになっていました。

お互いの舌が重ねて吸い合いました。

私も巫女様に腕を回して強く抱きしめました。

次に巫女様は目を閉じるように言ってきました。

そして私はその巫女様に心を許してしまったのです。

目を閉じたまま私は巫女様と激しいキスを続けました。

このまま私は巫女様としてしまいたいと思いました。

そして押し倒してしまいそうになった時に突然意識を失ってしまいました。

それが勇者としての最後になりました。



その後何かが弾けた瞬間意識を失いました。

でもすぐに気が付いたので倒れずにすみました。

私は巫女様となおも抱き合ってキスを続けていました。

儀式は成功したのでしょうか?

期待していた変化は何もないように思いました。

力が溢れてくる処かむしろ力が入りません。

とても身体が軽く感じられました、一部の身体の部位だけ重くなっていました。

それは私の胸でしたが、そもそもこれが儀式の効果なのでしょうか。

流石にこれ以上キスを続けることはできません。

巫女様も同じだったのかお互いの唇がゆっくり離れていきます。

相手の口に入れていた舌を出すとそこには唾液の糸が繋がっていました。

そして目を開けてもよいと言われたのでゆっくりと開けました。

視界が開けた瞬間儀式は失敗したと思いました。

なぜなら勇者である私が目の前にいたからです。

最初鏡を見ているのだと思いましたがさっきまで鏡なんてそこにはありませんでした。

巫女様が置いてくれたのかとも思いましたが、あんな一瞬でこんな大きな鏡は持って来ることはできないでしょう。

それにそれは鏡に写った自分の姿ではありませんでした。

目の前の私が不思議そうに私を触ってきたからです。

なぜ私が自分に身体を触れられているのか理解できません。

一体どうなっているのでしょうか。



少なくともさっきまでの私はこんな服装ではありませんでした。

重装備は外していましたがこれほどまでの軽装備ではなかったです。

肌ざわりは良いが薄すぎる生地で力を入れればすぐに破れてしまいそうです。

それに服の至る所が露出していました。

そのせいで外気に晒されて足もとがとても冷たく感じます。

そして、それを着ていたのは私の目の前にいた巫女様でした。


私は確かめる為に今の自分の身体を触ってみました。

頬や腕をその綺麗な手で撫でてみました。

すると全体的にふわふわとした柔らかな肌になっている事が分かりました。

肌ざわりの良い綺麗なそれは元の私のものとは全く違いました。

でも異なるのはそれだけではありません。

筋肉質だった私の身体は大きく変わっていました。

でも一番は視線を足元に向けた時に見つかる事になりました。

私の視界を塞ぐ大きな丸いものがあったのです。

最初は何が邪魔をしているかと思って手でどかそうと思いました。

しかし、それが触れた途端に私は声をあげてしまいました。

なぜならそれは私の身体に付いているものだったからです。

勿論男の私にそんなものはありません。

しかし、現にこうしてあるのです。



なんと私の胸が膨らんでいるはありませんか。

しかも少しどころではなく下に視線を向けた時にかなり遮る程の大きさになっているのです。

私はそれが何か分からず触ろうとしました。

何かが服の中でくっ付いているのだと思いました。

しかし、それは取ろうとしても外れません。

無理に引っ張ると痛みが走りました。

外れない理由を理解するのには時間が掛かりました。

原因はそれが私の身体の一部だったからです。



どうなっているのか私は慌てるしかありません。

するとどこからか巫女様の声が聞こえました。

でも後ろを振り返ってもいません。

いるのはなぜかそこで私と同じくパニックになっている自分の身体だけでした。

巫女様の声ははっきりと聞こえてくるので隠れているわけではないようです。

でもすぐ近くで声がするのです。

何度も巫女様がどこにいるのか私も声を出して尋ねてみました。

そして私は気が付きました、その巫女様の声は自分の喉から出ているのだと。



私は喉を手で触りました。

ごつごつとした逞しい首はなく細く柔らかな喉になっていました。

喋ると意識したわけでもないのに自然に高い声が出てきます。

それは女性のような声でした。

そしてそれは巫女様の喋っていた声そっくりだったのです。


私は自分と周囲に何が起きたのか確認する為立ち上がろうと細い腕を地面に置きました。

体重を少し掛ければ折れてしまいそうな腕と脚に内心不安になりながら身体を起こそうとします。

しかし、上手く身体を起こせません。

上半身に以前にはない重みが加わっていたせいでバランスが上手く取れませんでした。



身体のバランスが以前と完全に違うのです。

細い腕と脚で四つん這いになり壁に手を突きながらやっと立ち上がることができました。

すると突然顔に何かが掛かりました。

誰かが布を被せてきたのかと思いました。

しかし、それは布や衣ではありませんでした。

手に取ってみるとそれはサラサラと流れる銀色の長い綺麗な髪でした。

よたよたと私は不安定な足取りで部屋に置かれていた鏡を見に行きました。

そこにはかつて世界を旅してきた勇者の身体はありませんでした。

代わりに鏡に写ったのはさっきまで目の前にいたはずの巫女様の姿でした。

私は向こうで今もなお慌てふためく自分の身体と鏡に写る今の自分の顔を交互に見ました。

かつての自分の身体と顔を見合わせてお互いに現状を理解することができました。

勇者である私は巫女様、巫女様は勇者の私の身体になっていました。

そして私と巫女様の身体は入れ替わってしまったのだと知ることになったのです。

なんとも頼りない姿になってしまいました。

これから世界を救う旅に出ないといけないのに当然こんな姿では戦うことすらできません。

あまりにも信じられない出来事に私は少し呆然とするしかありませんでした。

少ししてもう一度私は自分の身体を確認しようとしました。

そしてその大きな胸に手を掛けようとした時、隣から大きな手でそれを止められました。

そこにいたのは顔を真っ赤にした私の身体になった巫女様でした。

私はすぐ謝りましたがしばらく私の身体になった巫女様は怒りと恥ずかしさでいっぱいだったようです。



やっとお互い冷静になってきた頃ようやく話し合うことができました。

そもそもなぜ入れ替わったのか理解できません。

巫女様の儀式が原因かと思っていたのですが、巫女様自身そんなつもりはなかったと否定します。

そもそもあの時行っていた儀式は勇者である私の力を引き上げるための儀式であり入れ替わる効果はないはずだと言うのです。

原因が分からず憶測だけが飛び交い続けました。

そして、最終的に話し合った末私達は入れ替わっていた時と同じことをすればいいという結論に至りました。

そして自分の身体になってしまった巫女様ともう一度キスをすることになりました。

あの時と同じ状況をなるべく再現しました。

同じように私と巫女様は並び儀式の準備を進めます。

そして、遂に少しずつかつての自分の顔が迫ってきました。

あと少しで口が重なる時でした。

その時、誰かが近くにやって来る事に気付きました。

ぎしぎしと大きな足音を鳴らしながらやって来ています。

私の身体になった巫女様は参拝者がやって来たのだと分かったようです。

慌てて私達は顔を引き離しました。

色々な意味で慌てていましたが何とかお互いに距離をとることができました。

部屋に入って来たのは巫女様の言う通り参拝者のようでした。



この状況をどう説明すればいいのかと私は慌てていました。

すると参拝者は不思議そうに私を見てきました。

なぜ私の方をそんなに見つめるのか私も不思議な気持ちでした。

そこで私は気が付きました。

そうです、今は私が巫女様の身体なのです。

参拝者は私が案内をしてくれるのを待っていたのです。

そうとは知らない参拝者に案内を頼まれてしまいました。

聞けば遠くの国から遠路はるばる苦労してここまでやって来たのだそうです。

この土地の文化や歴史、そして美しい巫女様を知りたいと思って参拝したと語りました。

それを聞くと心苦しくなりました。

私も同じように今日ここへ来たばかりなので気持ちは分かります。

そして私は参拝者に案内するという事で返事をしてしまいました。



巫女様の身体になった私、勇者である私の身体になった巫女様、そして参拝者の方の3人で歩くことになりました。

参拝者の興味はとりあえず珍しい建物の造形やここの雄大な景色に向いているので今の私は巫女様として喋る必要はありませんでした。

そしてわざとゆっくりと歩いてなるべく時間を稼ぎたいとも思いました。

なぜなら私と巫女様は大変な事になっていたからです。

自分の身体になった巫女様がモジモジと内股で恥ずかしそうに歩いています。

その姿からはかつて勇者と旅先で尊敬されたかつての栄光は想像できませんでした。

同じように私の方もガニ股で歩いていたせいで本物の巫女様に何度も注意されてしまいました。

歩き方だけでなく口調も男っぽいと言われ慌てて言い直す事も頻繁でした。

意識しないといつも通りに過ごしてしまいそうになります。

巫女様のように振舞うのも恥ずかしく私は精神を振り絞ってなんとか巫女様に成りきろうとしました。



それに巫女様の身体だけでなくこの服装にも慣れません。

全身が足元だけでなく全身がひらひらとして落ち着かないのです。

この独特な履物も私にとってはとても歩きにくいものでした。

そして視線を邪魔する最大のものがありました。

下を少しでも向けば広がる巫女様の大きな胸でした。

これを気にしない方が無理というものです。

とにかく大きいそれは下を少しでも見ようとすれば視界に入ってしまいます。

おかげで足元がよく見えず転んでしまいそうになり私の身体になった巫女様に何度も支えてもらうことになりました。



胸は巫女服から今にもこぼれ落ちそうでした。

大きさと重みが両方元の私とは比較になりません。

0と100ぐらいの差はあると私は思います。

ゆっくりとした歩く振動でさえ胸に伝わるとゆさゆさと上下に揺れてしまいます。

方向を変えるとそれに合わせて今度は振り子のように左右に大きく揺れ動きました。

気にしないようにしていましたが無理です、これでは気になって仕方がありません。


そして、いよいよ参拝者は見るのに飽きて私の話を聞きたがるようになりました。

妙な冷や汗が巫女様の身体から出てきます。

でも巫女様の評判を落とすわけにはいきません。

私は必死で巫女様のフリをしました。

それでも完璧とは言えないでしょう、なぜなら私はこの巫女様と初めて会ったばかりなのですから。

そして私はそんな巫女様にこれからしばらくの間成りきらなければなりません。


喉からいつもとは違う音が口から出てきます。

いつもなら低い声が出るはずなのに今はその高めの音が耳によく入りました。

しかも喋っている声は巫女様のものです。

まるで自分の間近で巫女様が喋ってくるようでした。

今の私の見た目は巫女様でした。

そして参拝者は私達が入れ替わった事を知りません。

もし正直に話しても信じてもらえないでしょう。

最悪の場合わざわざ遠くまで参拝したのに巫女様に身体が入れ替わったから何もできませんと断られてしまったと周囲に言ってしまうかもしれないのです。

だから当然私は巫女様のフリをしなければいきませんでした。

女性の言葉遣いを意識しました。

それにしても女性の声で喋るというのは不思議でした。

低い声に慣れているせいで喋るのにも違和感があります。

そして、いつものように大きな声が出せないのです。

恐らく巫女様の肺活量が少ないせいで大きな声が出しにくいのだと思います。

なるべく大きな声を出そうとしているのですがお腹から声が出せず気が付けば小さな声になっていました。



そして一番厄介なのは私が参拝者に色々と話さなければならない事でした。

私は巫女様が最初に私を案内してくれた時の事を思い出して話そうとしました。

ここでは太古の神を祀っており、それをかつての巫女様が巫女の神力を得る代わりに何かをしたとか、そういった感じだったと思います。

こんな事なら真面目に話を聞いておけばよかったと思いました。

危ない所では私の身体になった巫女様になんとかフォローしてもらいました。

参拝者は勇者もいるのかと驚いてそっちの話も聞こうとしてきましたが忙しいからと適当な理由をつけて断りました。



一体私は何をしているのでしょうか。

ここまでわざわざ来たのは強くなる為でした。

それがどうでしょう、今の私は巫女様の身体で巫女服姿になりその代わりをしています。

早く戻って旅を続けなければいけないというのに・・・。

それでも途中で巫女様の代わりをやめるつもりはありませんでした。

今ここでやめればそれでは巫女様にも迷惑を掛けてしまいます。

恐らく休んで旅の疲れを癒している仲間達は今私がここで儀式をしていると思っているでしょう。

でも今の私はなぜか巫女として働いていました。

きっとそんな事を想像もしていないでしょう。

私でさえ受け入れられているわけではありません。

そんな事をふと頭に考えながら必死で参拝者によく知りもしない知識を語り続けました。

やっと参拝者が帰ってくれました。

参拝者の姿が見えなくなった瞬間疲れがどっと感じられました。

なんとか誤魔化すことができて安心しましたが、もうくたくたでした。

しかし、これで終わりではありません。

むしろここからが問題でした。

私達は未だに入れ替わってお互いの身体のままでした。

つまりこれから元に戻らなければなりません。

参拝者もいなくなり私達はやっと元に戻るための準備ができました。

本当は参拝者の案内で疲れていたので休みたかったのですが、今の巫女様にとてもそんな事は言えませんでした。


向こうから自分の顔が迫ってきました。

まるで鏡に向かって自分自身にキスをしようとしている気分です。

あの時に巫女様とキスをするのとはだいぶ違う雰囲気でした。

それでも元に戻る為に仕方なくやらなくてはなりません。

私はあの時とは違う意味で意を決して同じようにキスをしました。



私達は文字通り自分自身に唇を重ねました。

しばらくキスをして口を離してみました。

目の前には巫女様ではなく、見えたのは勇者である私の身体でした。

元に戻れていなかったのです。

諦めずに今度はさっきよりも激しくしてみました。

でも息が苦しくなるだけで全然元に戻りません。

もうこれで何度目でしょうか。

数えきれない程私達はお互いの唇にキスをしました。


すると私の身体になった巫女様が激しく抱きながら唇を当ててきました。

もう無理矢理キスをさせられてと言っていいぐらいです。

しかもそれがどんどん激しくなってくるのです。

流石にこれ以上は・・・


巫女様は鼻息荒くキスをしてきます。

ですが私の方はもう限界でした。

ただでさえ疲れていたのにこんなに激しく扱われるのはもう無理でした。

苦しい、そんな感情しかもうありませんでした。


なんとか無理矢理身体を引き離すと少し落ち着くように言いました。

早く元に戻りたいのは分かりますがこれでは先に巫女様の身体が参ってしまいそうでした。

私は息を切らしながらそう説明しました。

結局その日、私達の身体は元に戻れませんでした。


空はすっかり暗くなっていました。

長い一日が終わりを迎えようとしています。

私は用意してくれた客室に巫女様の身体のまま入りました。

巫女様は私の身体でこれから自室に戻ることになりました。

何かあれば呼んで欲しいとの事でしたがとても声を掛ける気にもなりません。


部屋に入ると私は床に座り込んでしまいました。

疲れが全然取れていないせいで何をする気にもなりません。



いつもなら危機的状況でも何か考えて打開策を練るのですが今日はこれ以上頭を働かせるのはできませんでした。

部屋も簡素なもので特に何かあるわけでもなく机や布団、あとは鏡ぐらいだけしかありません。

特にすることもない私は顔の周りで揺れている巫女様の美しい銀色の髪を触ってみました。

サラサラと手の中で川のように流れ落ちていきました。

そしてそこから良い匂いが漂っていました。

戦いと旅を続けていた本来の自分の汚い汗の臭いとは全然違います。

そう、巫女様は戦いに明け暮れた自分とは・・・。

今度は鏡を見て試しに私は巫女様の顔で様々な表情を作ってみました。

笑うと当然のように可愛らしい表情を向けてくれます。

怒った表情でさえでも可愛いと思えてしまいます。

悲しそうな顔をすればこっちまで悲観してしまいそうでした。

これが今の私の姿なのかとため息をつきながら思いました。



そんな時に聞き覚えのある声がしました。

それは私の身体になった巫女様でした。

自分の声で自分を呼ばれるのは妙な気分でしたが何事かと私は出てみました。

すると私の身体になった巫女様はなんと食事を用意してくれていたのです。

それに食べ終わった食器は片付けるから廊下に出しておいて欲しいと言われました。

こんな事になっても献身的に部屋の用意や食事まで作ってくれて本当に感謝しかありませんでした。

だから私はその事を自分の身体になった巫女様に言葉にして伝えて感謝しました。

すると私の身体になった巫女様の様子がおかしい事に気付きました。

顔が赤くなり何やら戸惑っているようでした。

そして次の瞬間私は抱き着かれていました。

戸惑いはあったものの私はそれを受け入れ優しく抱き返してあげました。

巫女様はきっと自分の身体が名残惜しいのだと思ったからです。

だから今は巫女様がしたいようにさせてあげました。

それにこれは巫女様の身体なのですからこれぐらいなら良いと思ったのです。

そして私の前の身体はこんなに大きかったのだと気付きました。

自分の身体に抱かれながら私は必ず元に戻ろうと言いました。

すると巫女様は身体を離し何も言わず走り去ってしまいました。




翌朝目を覚ますと私はその綺麗な手を見て今の自分の姿が巫女様のままであることを理解しました。

この長い髪も柔らかい肌も昨日と同じで、そしてこの大きな胸も昨日と変わらないままでした。

私は溜息を吐きながら布団から起き上がろうとしました。

ですが、いつものように起き上がることができません。

すっかり変わってしまった身体のバランスに四苦八苦しながら壁に手を置きやっとの事で立ち上がりました。

この巫女様の身体には慣れないものです。

やっと身体を起こすと身体がとても寒く感じました。

昨日はこんなに外の空気は冷たくなかったはずでした。



そんな時に私の身体になった巫女様が部屋にやってきました。

相変わらず外からかつての私の声が聞こえてきて妙な感覚になります。

私が返事をすると申し訳なさそうに部屋に入ってきました。

その大きな身体の腕の中には巫女服が抱えられています。

そして私に対して早くこれに着替えるようにと言ってきたのです。



差し出されたのは間違いなく巫女服でした。

どうして自分が着飾らなければならないのかと思いましたが答えは明白です。

今の私が巫女様の身体だからです。

しかし、それを受け入れるのは並大抵の事ではありませんでした。

ですが私がそれを受け入れようが受け入れまいが服を着替える必要がありました。

そして私の身体になった巫女様にそれを断ることなどできません。



今私は着ている巫女服を脱いでいます、正確には脱がされていました。

これだけでも私にとって試練でした。

他人の女性の身体で着替えなんて世の男性なら歓喜するでしょう。

ですが、勇者である私にとっては巫女様の身体で妙な事をしたり考えたりするわけにもいかず耐えなければなりませんでした。

しかも更には下着まで替えるように言ってくる始末です。

私は着替えの最中になるべく巫女様の身体を見ないように心掛けました。

着ていた巫女服を脱ぎ下着を替える時は自分の身体になった巫女様にしてもらいました。

私はその間ずっと目を閉じていましたが、身に着けている物がなくなり自分が裸に近づいていくのが嫌でも分かってしまいます。

そして新しい巫女服に着せ替えられていきました。

やっと巫女服が全て着終わりました。

前の身体の時であれば一生身に着けることはなかった白と赤を基調とした巫女服を私は着ていました。

本来の勇者の身体であれば確実に小さすぎます。

でも今の私の身体にはピッタリのサイズでした。

大きすぎず小さすぎない完璧な着心地です。

生地の触り心地も良いものです。

恐らく相当高価な生地が使われているのでしょう。

今まで私が着ていた無骨な装備とはもはや別物です。

軽く薄いそれは戦いには不向きなのは間違いないです。

身軽ではありますが動きにくいからです。

戦いに身を投じる日々を過ごした私にとってその衣装は裸も同然でした。

こんな格好で敵の攻撃を受けたらひとたまりもありません。

魔物達がこの辺りで襲ってこないのが唯一の救いでした。



これでやっと終わり解放されると思ったら今度は化粧台へ連れて行かれました。

必要最低限の身なりしか気にした事のない私にとってそれはとても長い時間でした。

長いきらきらと輝く銀色の綺麗な髪をといていきます。

そして想像していた通り私に化粧を施していきました。

ただでさえ綺麗な巫女様の姿が更に美しくなっていきます。

そして今度こそ終わりを迎えました。

頑張ったと言われるもあまり嬉しくはりません。

私にとっては女装させられた気分でしたので素直に喜べませんでした。

巫女様の服を着て化粧をされてこれでは本当に巫女様になった気分です。

恐らくもう見た目は完全にそうでしょう。

それに昨日会った時よりも美人に思えました。

一方私の身体になった巫女様は今の私を見て凄く嬉しそうでした。




着替えも終わり食事も済ませました。

さて、これから何をするかと言えば元に戻ることではありません。

今私は巫女としの仕事を教えられていました。

そう、それらはこれから巫女様の身体になった私がしなければならないことでした。

また参拝者が来たら昨日と同じようにやり過ごしていたらいつか大きな失敗をするでしょう。

だから、そうならないように私はこうして巫女様がやるべきことを学んでいるのでした。

何で私がこんな事を・・・最初はそう思いました。

勇者として魔王を倒さないといけない時に巫女の勉強なんてと思いました。

とはいえまた参拝客が来たらどうするのかと考えて仕方なく覚えることになったのです。

私も巫女様の評判を落としたくはありません。

参拝者もいつ来るか分からないのです。

いつ元に戻るか分からない現状では私にできる事でもありました。

もっともこんな事をしている暇があるのなら早く元に戻る方法を探すべきたと思いわないでもないです。

それに勇者と巫女ではする事や覚える事は全く違います。

私はそれまでずっと戦いばかりでした。

戦闘の事は熟知していましたが巫女としてのこんな細かい事を全部覚えられるはずがありません。

作法やお供え物の並べ方等々聞いているだけでも頭が痛くなりそうです。

正直とてもできると思えず眠気まで強くなってくる始末でした。

ですが巫女様の方もそれは同じだと思います。

私と入れ替わらなければこれは私の身体になっている本物の巫女様の仕事だったはずです。

だからそれを素人の私にさせたいと思うでしょうか。

・・・などと巫女としての勉強をしながらそんな事を頭で考えていました。

そして、そんな事を本人に対して直接言えるはずもなく私は渋々教えられた事を覚えようとしました。

でも私も本当に覚えられるはずがありませんし、それに覚えたくもありませんでした。

私がするべき事はこんなことではありません。




巫女様の授業もひと段落して部屋で休んでいた時です。

突然私の身体に異変が起こりました。

下半身から妙な感覚が沸き起こったのです。

一瞬具合が悪くなったのかと思いました。

いきなり巫女様の身体で身震いがしたかと思うと何かが起こっている事に気付きました。

巫女様の勉強で休んで気が抜けた時に突然それは起こりました。

もしや巫女様の身体に何か異常があったのでは・・・。

このまま何事もなく治まって欲しいと思いましたが下半身から少しずつ何かが強まっていくのが分かりました。

そしてその強まる違和感に私はやっと気付くと急いでとある場所へ向かいました。


私は今ここで唯一用意されているトイレにやって来ました。

旅をしていれば外でする事も当然あります。

しかし、今はそれとはまた違う状況で別の意味で私に緊張感与えてきました。

私はトイレの中に置いてある鏡を見ました。

そこには巫女様が困った表情で立っていました。

そう、これから私はこの巫女様の身体で用を足さなければならないのです。

我慢できるものならずっとそうしました。

考えてみれば昨日巫女様と入れ替わってから一度もしていません。

しかし、今は無性にしたいと巫女様の身体が私に訴えてきます。

私はなんとか少しでも耐えようと両脚を擦り合わせながら待ちました。

ですが待った所で何も変わりません。

むしろ今の今までよく我慢できたと思うぐらいに巫女様の下半身は限界を迎えていました。

早くしないと巫女様の身体で大変な事をしてしまいます。

それだけは避けなければいけません。

私は巫女様の身体でする準備をしました。

慣れない巫女様の身体と巫女服のせいで思うようにできません。



トイレの前でまた迷ってしまいました。

ほ、本当にしていいのでしょうか。

巫女様も人間ですから出す物は出さないといけません。

それを私がやってもいいのでしょうか。

しかし、迷っている時間はもうありませんでした。

巫女様の下半身が限界だったからです。

いつ巫女様の身体から勝手に出てもおかしくない状況でした。

まず私はいつものように立ってしようとしました。

でも巫女様の股間には当然ながら何もありません。

女性がする時の方法は一つしかなく私はそれをする以外に方法はありませんでした。

そして私は巫女様の衣装を汚さないように一生懸命持ち抱えて屈みました。

自分でも恥ずかしい光景でした、本当に恥ずかしくてたまりません。

その時私の股間が遂に我慢できなくなりました。

本当に危ない所でした。

股間から温かい物がチョロチョロと流れていくのが分かります。

男性とは違うトイレの仕方に戸惑いながらも私はそれが全て出るのを待ちました。

もう力を入れずとも勝手に流れて出ていきます。

仕方ないとはいえ流れ落ちる音が聞こえてきました。

私はそれを聞いてはいけない気がしてわざと声を出しました。

なんとかその音をかき消そうとしたのです。

一日我慢していた分が流れきるには時間が掛かりました。

その間私は恥ずかしさと申し訳なさでいっぱいになっていました。

そしてやっとそれが終わった時私は色々なものから解放された気分になりました。

そういえば巫女様は私の身体で平気なのでしょうか

当然私と同じように相手の身体で用を足すわけです。

何も思わないはずがありません。

心配になってきました。



巫女様は部屋で休んでいるようでした。

巫女の勉強をしてもらってから少し顔を見ていません。

今後の事を話し合う為にも一度会っておくべきだと思いました。

部屋に到着すると中から妙な物音が聞こえてきました。

それはかつての自分の声でした。

苦しそうな、呻くような声です。

同時に激しい呼吸までしているのが分かりました。

ぜえ、ぜえ、と苦しそうな息をしています。

その声色から私は巫女様が自分の身体で何かあったのではないかと思いました。

命の危険があるかもしれないと思い急いで扉を開けようとした時です。

私はそこで気が付いてしまいました。




そこで部屋の中をそっと静かに覗き込んでみました。

それは信じられない光景でした。

巫女様は私の身体で大きくなった股間を掴んで動かしていたのです。

止めようかとも思いましたが身体が動きませんでした。

巫女様は私の身体で戸惑いつつも気持ち良さそうに股間を掴んで動かしていました。

大汗をかきながら身体を震わせています。

巫女様は男の快感に夢中になっているせいか私の事に全く気付く様子はありません。

私の身体になった巫女様はまるで本当の男の人のようにかなり興奮していました。

何度も気持ち良いという言葉を口にしています。

たとえ今私が入って止めても私の身体になった巫女様は止めてくれるでしょうか。

そして止めるにしても、その時にはもう手遅れでした。

身体を仰け反らせて大きな声をあげた瞬間私の身体になった巫女様の股間から白い液体が吹きあがりました。

とても満足した様子でした。

さっきまでの興奮した様子とは一転して静かになりました。

そして穏やかな寝息が聞こえてきました。

私は静かにその場を離れていきました。

部屋に戻り用意された布団に入りながらさっきの事を思い出しました。

最初はショックでしたが不思議と悪い気はしません。

なぜなら巫女様だって好きで私の身体になったのではないからです。

それは分かっています、なので私の身体を嫌がるよりマシだと思うことにしたのです。

そう思うしかありませんでした。

私もこんな巫女様のような美人になれて嬉しくないと言えば嘘になります。

巫女様の身体でやろうと思えばなんでもできます。

でも私は絶対に巫女様の身体で変な事をしないと心に誓いました。

自分には使命があります。

それに巫女様の綺麗な身体を守るためでもありました。

そして私はさっきの光景を見なかった事にしました。

気にした所でどうにもなりません。



翌朝は昨日ほとんど眠れなかったので眠気が酷い状態でした。

忘れようと心掛けましたがそれは簡単な事ではありませんでした。

自分の身体になった巫女様と会うと嫌でも昨日の事が頭をよぎります。

その日も同じように巫女の仕事の勉強をするのだと思っていました。

少なくとも私はそのつもりでした。

巫女様は話しがあると言い出してきました。

そして巫女服に着替え終わった私に言ったのです。

もう元に戻らずずっとこのままでいようと・・・。

それは信じられない言葉でした、冗談か聞き間違いなのかと思いました。

だってそれは私が巫女様で、巫女様が勇者である私に成り代わる事を意味していたからです。

それを素直に受け入れられるはずがありませんでした。

しかし、何度説得しようとしても巫女様は聞く耳を持ってくれません。

それどころか私にここの事をよろしくとまで言われてしまったのです。

もう戻らないとはっきりと言われ私は流石にそれを受け入れられず強硬手段に出ました。

私は壁に置いてあった剣を抜きました。

それは私が旅で装備していた剣です。

本当はこうしたくはありません。

でも元に戻る為に仕方なく自分の身体になった巫女様に矛先を向けようとしたのです。

しかし、携えた瞬間からいつもとは違いました。

いつもは軽くて簡単に扱えるはずでしたが、今の私にはとてつもなく重すぎるのです。

剣を持つ腕がぷるぷると震えていました。

持ち上げるだけで精一杯で構えることはほぼ不可能でした。

そしてすぐに私の手から落ちてしまいました。

再び持とうとするも疲れ切った巫女様の細腕ではもうびくともしませんでした。

すると私の身体になった巫女様は簡単にその剣を拾い上げてしまいました。

まるで本物の勇者のように剣を構えてそして私にその矛先を向けたのです。

そして私の身体になった巫女様は言いました。

もう力でも敵わないのだから諦めて巫女になるようにと言ってきたのです。

私はその細い足で走りだしました。

そう、私は逃げていたのです。

本来の自分の身体から一刻も早く離れようとしていました。

そして向かう先は休んでいる仲間達の元でした。

たとえ自分の身体に敵わなくとも彼らに入れ替わった事を伝えればまだなんとかなるはずです。

私の身体は確かに強いですが、仲間全員なら勝機はありました。

それにしても遠い、まだ着かないのかと走りながら思いました。

それだけではありません途中何度も長い髪の毛が目に入って視界の邪魔になりました。

目に入らないように手で振り払いましたがすぐにまた顔に掛かってしまいます。

身体のバランスが変わり凄く走り辛く感じました。

更に巫女様が履いている足袋や草履は慣れていません。

最近やっと歩けるようになってきましたが、それでも凄く走り辛いです。

こんな調子で何度も転びそうになりました。



はあ、はあ、と巫女様の荒い声が混じった激しい呼吸をしました。

おかしい、それほど走っていないはずなのにもう呼吸が荒くなっていました。

既に私の息は切れかかっていました。

巫女様の身体が空気を求めてなんとか肺に新鮮な酸素を送ろうと呼吸を無理矢理させてきます。

でも今の私にとっては呼吸をすること自体が苦しい状態でした。

巫女様の身体の方も筋肉がないせいかすぐに全身が疲労しています。

軽かった身体がどんどん重く感じるようになっていきました。

足に力が入らなくなってきましたが、それでも私は走り続けました。

本当ならもう止まって休まないといけないぐらいです。

幸い後ろから私の身体になった巫女様は追ってきませんでした。

でもこのままだと私が意識を失って倒れてしまいそうです。

仲間達が休んでいる場所はこんなに遠かったのでしょうか。




やっと出口が見えてきました。

ここに来る時に通ったあの大きな鳥居が目印でした。

もうすぐ出口でした、そして仲間達がその向こうにいる建物にいるはずです。

これでやっと外に出られると思って鳥居をくぐろうとした時です。

突然私の視界が反転しました。

何が起きたのかその時の私は理解ができませんでした。

走っていたはずの私はなぜか空中にいました。

そして視線は空を向いていました。

それはわずか一瞬の出来事でした。

まるで世界の時間がゆっくりと遅くなったようです。

なんとか現状を理解しようと目をあちこちに向けます。

するとさっきまで近づいていた出口の鳥居がどんどんと離れていくのが見えました。

私は何かの力で弾き飛ばされていたのです。

そしてすぐに私は地面に叩きつけられてしまいました。

起き上がろうとするも痛みで立てません。

巫女様の声で呻くことしかできませんでした。

近くにいるはずの仲間達に助けを求めようにも大きな声が出せませんでした。

たとえ出せたとしても近くから落ちている滝の音でかき消されていました。

誰か助けて、私は心の中でそう叫びました。



結局私は後からやってきた私の身体になった巫女様に助けられてしまいました。

危ない所を私の身体になった巫女様に助け出されこうして部屋に寝かされている始末です。

ここに来る時には何も問題ないなく入って来られたのに・・・。

太い腕に抱えられ痛みに耐えながらそんな事を考えていました。

部屋で横にさせられると私の身体になった巫女様に回復魔法を掛けてもらいました。

それは元々私が使っていた魔法です。

呪文の詠唱が終わると痛みがみるみる引いていきます。

私は渋々助けてくれた事を感謝しました。

傷は治りましたが何も解決していませんでした。

まず私はさっき起こった出来事について話しました。

あれは一体何だったのかそれを知りたかったでのす。

すると私の身体になった巫女様は全てを語ってくれました。

巫女様の身体にはここから出られない呪いが掛けられていると言うのです。

かつてここで初めて巫女になった頃から代々受け継がれる呪いで巫女としての力を授かる代わりにここから出られなくなるというものでした。

そして無理に外へ行こうとした巫女を結界のようなものであのようにはじき返されてしまうのだと聞かされました。

それはこの身をもって証明させられました。

それに確か巫女様に最初に会った時もそんな事を言っていた気がします。

噂で聞いていた呪われた巫女の意味がやっと分かりました。

聞いた当初は全く信じていませんでした、そんな呪いは簡単に解けるだろうと思っていました。

あれは本当の事でした。

しかし、今出られないのは私の身体になった巫女様ではなく巫女様の身体になった私の方でした。

そして、これから巫女として一生ここで頑張るように言われました。

私は少し滞在して巫女様に力を上げてもらう為に来たはずでした。

それなのに私が巫女様の身体にされてしまいもう二度と外に出られなくなってしまいました。



それでも私は諦めませんでした。

往生際が悪いかもしれませんでが私にも使命があります。

それに私の身体になった巫女様を危ない目に遭わせるのも嫌でした。

身体は勇者かもしれませんが中身は正真正銘巫女様なのです。

戦いすら今まで経験したことのない巫女様にとってそれはあまりにも危険なものでした。

それに私もこのまま巫女として一生を終えようとは思っていませんでした。

何度も私は早く元に戻すように言いましたがその度に笑顔で断られてしまいました。

こうなったら力尽くで元に戻させるしかありませんでした。

傷を治してもらって申し訳ないと思いましたがこれも仕方ないと心を鬼にしました。

それに今は相手も油断していました。

剣は使えなくてもまだ使えるものがあります。

気絶させて縛ってなんとか説得しようとしたのです。

そして私は自分の身体に殴りかかりました。

その拳はかつての自分の顔面に真正面から当たりました。

一瞬まずいと思いましたがすぐに私は絶望する事になりました。

手をゆっくりと離すと私の身体になった巫女様は笑みを向けていたのです。

そしてその顔にはかすり傷ありませんでした。

更には微笑みを浮かべられる程の余裕までありました。

次に動いたのは私の身体になった巫女様でした。

一瞬で詰め寄られると避けるまもなく私は押し倒されてしまいました。

その動きは目で追うことすらできず一瞬私はどうなったのか理解さえできませんでした。

かつての私の大きな身体が私の上に乗ってきました。

馬乗りにされてこれでは逃げることもできません。

腕や身体を揺すって強引に起き上がろうとしますがそれも無駄でした。

そもそも今の私は巫女様の身体で起き上がるのでさえ苦労しているのです。

そんな今の私がこんな風にされれば当然完全に逃げられなくなってしまいます。

巫女様は私の顔で上から笑っていました。

表情は笑みを浮かべているはずなのに恐怖が伝わってきました。

私はこれから一体何をするのか恐る恐る尋ねてみました。

すると意外な事に巫女様は元に戻る為に協力すると言ってきたのです。

そして、元に戻る為と言われてキスをされました。

でもそのキスで元に戻れないのはすぐ分かりました。

それはとても卑猥なキスでした。

私の口に舌を入れて舐め回すような動きをしました。

そして私の舌を口で包むと思い切り吸い込もうとしてきたのです。

私はなすすべがなく一方的にキスをさせられていました。

その時私の身体になった巫女様は明らかに興奮していました。

しかもどんどん悪化していく一方です。

引き離そうとしても巫女様の細い腕ではびくともしません。

巫女様はその屈強な身体を使い鼻息荒く私にキスを続けました。

唇が離れたのはしばらく後になってからでした。

私の口の中は自分の唾でいっぱいでした。

確かに気持ちの良い物ではありませんが、でも元々は自分のものだから変な気分です。

でも一番変なのは私の身体になった巫女様でした。

自分の身体に明らかに興奮しているようでした。

その証拠に何度も匂いを嗅がれ頬を舐められました。

まるで飢えた野犬のようでした。

そして巫女様は早く私にも気持ち良くなるように言ってきたのです。



その瞬間自分でも驚いてしまうような声が巫女様の喉から出てしまいました。

私は私に触られていました。

いえ、襲われていると言った方が正しいかもしれません。

一瞬巫女様は何をしているのか分かりませんでした。

そして私はこれが何の感覚なのかも理解できませんでした。

それは私が女性の身体で胸を触られるという初めての経験でした。

こんなの嬉しくなんてありません、でも巫女様の身体の方は確実に嬉しがっていました。

身体から沸き起こる気持ち良さ、経験したことのない未知の快感、それらにどう我慢すればよいのか全く分かりませんでした。


勇者の身体になった巫女様は私を軽々と抱えると膝の上に乗せました。

そして後ろから私の胸についている丸いモノを触っていました。

その大きな手で撫でたり揉んだり摘まんだりしてきます。

私はそれに耐えるしかありません。

耐えると言っても痛みや苦痛はありません。

むしろそれらであれば今までの戦いの経験からある程度は我慢できたでしょう。

しかし、今の私に与えられるのは巫女様の胸の快感でした。

そしてそれは今日初めて私が味わうものでした。

だからこれをどう耐えればいいのか、どう我慢すればいいのか全く分かりませんでした。

何もできない私は流されるままに気持ち良くなり続けました。

しかもそれが更に増していくのです。

こんな事は止めるように何度も言いました。

でもその大きな手が止まることはありませんでした。

巫女様の胸が潰されて伸ばされまた元に戻っていきます。

大切な巫女様の身体、それも自分の身体に何をしているのか分かっているのでしょうか。

その顔からはどちらとも言えないように思えました。

分かってやっているのか、理性を失って興奮してやっているのか私には判断できません。

ただ、これがしばらく続くことだけは確かです。



しばらく私は胸を揉まれ続けていました。

私は巫女様の胸で感じていました。

感じたくてそうしているわけではありません。

勝手に身体が感じてしまうのです。

もはや上手く言葉すら出せません。

私の身体になった巫女様に投げる言葉はなくなり激しい呼吸と呻くような喘ぎ声が私の口が出てきました。

部屋に響く若い女性の美しい声、それは私の喉から出ている声だと気付くのは時間が掛かりました。

出てくるのは声だけではなく汗を大量にかいてしまいました。

巫女服は既に汗でびしょびしょです。

一体いつまでこんな事が続くのでしょうか。

すると私の胸から大きな手が離れていきました。

やっと解放されると思ったのも束の間です。

その大きな手は今度は私の股間を触っていたからです。

指先で股間の周りを撫でられ、それだけでも変な気持ちになりました。

徐々に動く方向が股間の中心へと向かいます。

やがて指は巫女様の大事な部分へと到達しました。

私は訳も分からず身体に力を入れて耐えようとしました。

大きな指が少しずつ中に入り込んでいきます。

しかもわざとゆっくりと入れられていました。

おかげで少し入る度に私に不思議な刺激が溢れてきました。

胸を触られるのとはまた違います。

なんなのでしょうか、この感覚は!?

今までに感じたことのない刺激でした。

触られているのは股間だけのはずです。

それなのにも関わらず全身で感じているようでした。

私は巫女様の身体でしないと決めていました。

でも巫女様は私に気持ち良くなるように言って更には敏感な所を触ってきます。

逆に私は女性の身体のことなんて全然知りません。

女性の身体で触られて初めてここが気持ち良いのだと知ったぐらいでした。

未知の快楽を次々と身体で教えられていきます。

もうどれだけこの身体で声を出したでしょう。

既にだいぶ喘いだり、呻いたりを繰り返していました。

身体がぶるぶると震え唇の端から出てきたヨダレが地面に向かってこぼれ落ちていました。

指はまだ奥に進みます。

口の端から出たヨダレは今度は首を流れ落ち胸元へとやってきました。

そしてそれが気にならなくなるほど私は感じていたのです。

気が付けば口が開いて奥から声と唾が漏れ出ていました。

これでも我慢しているつもりです。

私の身体になった巫女様は私の股間から指を抜きました。

出た指はすっかり濡れていました。

何をするのかと思っていると大きな鏡を動かし私にそれを見るようにいってきました。

これが今の私の姿だなんて信じられません。

そこに勇者としての威厳などありません。

それは破廉恥な姿を見せる巫女様でしかありませんでした。

自分でも恥ずかしいとは分かっています。

こんな呻くような声を出して、更にはそれを聞かれているのですから。

そしてこんな情けない顔で気持ち良くなっていました。


巫女様はまた私の股間に指を入れると今度は上下に動かしました。

力を込めて我慢しようとしましたが、それは逆効果にしかなりません。

余計な部分にまで力が入ってしまい逆に出てきそうになってしまったのです。

だから私は仕方なく力を抜くしかありませんでした。

少しでも力んでしまうとあっという間にいってしまいそうです。

こうなっては抵抗すらできません、いえ、これが今の私にできるささやかな抵抗でした。

そしてそれ以上は今の私にできる事はありませんでした。

全てが終わるまで身を任せて終わるのを待つしかありませんでした。

申し訳ない気持ちと快感でいっぱいになりました。

勇者としてのプライドも巫女様の身体で感じてしまっている背徳感その両方が一度に私に覆い被さります。

でもそんな思いも私の股間の感覚に比べたら些細な事でした。

もう私は限界でした。

身体全体が震え股間がひくひくと唸りました。

あとはもう自然に出るのを待つだけでした。

身体の震えが更に強くなりました。

それと同時に私の口から出てくる恥ずかしい声も大きくなります。

いつの間にか指に合わせて腰を振っていました。

全身が強張りきりもう駄目だと思った時です。

巫女様の股間から何かが噴き出してしまいました。

とうとう我慢の限界を迎えてしまいました。

耐えていた物が勢いよく流れて落ちていきます。

こ、これは一体いつまで出てくるのでしょうか。

私は身体を震わせながらそれらが全て出るのを待つしかありませんでした。

まるで私の中の物が全て出ていくようでした。

やっと全てが流れでると私は身体をビクビクと唸らせながら横になりました。

股間からはまだ水滴が落ち続けています。

ですがそれを拭くのも無理でした。

私の身体になった巫女様はそれを見てとても満足そうでした。

そして疲れ果てた私はそのまま眠ってしまいました。



次の日に目覚めると不思議と落ち着いた朝になりました。

ゆっくりと身体を起こして布団から出ます。

部屋から出て外の空気を吸い込むととても落ち着きました。

苔の匂いがとても良い香りです。

故郷へ帰ってきた時のような安心感がありました。

雄大な周りの景色もなぜか懐かしい気分になりました。

でも不思議です、ここは私の生まれ育った故郷とは全然違うはずでした。

ですが故郷に帰って来た時と同じように落ち着くのです。

この足袋も草履も履き慣れてなかったはずですが難なく歩いて散歩することができました。

しばらくして戻ってくると部屋の中には食事と新しい巫女服が用意されていました。

朝食を食べ終わると私は新しい巫女服に着替えました。

この着替も慣れたものです。

もう自分ひとりで着られるようになりました。

そして勿論下着を替える時は見ないように心掛けました。

気のせいかもしれませんが日に日に服装が派手になっていくような気がしました

もはや巫女様というより踊り子のような格好です。

当然のように胸元が見えています。

太ももが見えているのも当たり前で中の下着まで見えそうでした。

着替え終わる頃になると勇者様、ではなく私の身体になった巫女様がやってきました。

私はどんどん過激になっていく衣装に流石に苦言を呈しました。

用意してくれているのはありがたいのですができればもう少し落ち着いたものがいいと言ったのです。

辛うじて巫女服と呼べなくもないのですが本当にこれでいいのでしょうか。

でも今はこれしかないと言うのです。

そう言われては仕方がありません。

その日はその格好で一日を過ごすことになりました。

そして隣では私の身体になった巫女様が横目でチラチラ見られているのが分かりました。


昨夜あんな事があったはずなのに私達はいつも通りの朝を過ごしていました。

私の身体になった巫女様も私も昨日の事なんてまるで何もなかったかのように巫女の勉強をしています。

肝心の巫女様は既に私の身体であることに不満はなさそうでした。

そして私の方もいつの間にかこの身体でいる事に少しずつ違和感がなくなっていました。

それで良かったのか悪かったのは正直分かりませんが、お互いの中で何かが変わり始めていたのかもしれません。

それとももう変わっていたのかもしれませんでした。


巫女の勉強を進めていると参拝者がやって来ました。

私達はお互いに自己紹介をすると参拝者は巫女様と一緒に現れたのが噂の勇者だと知り驚いていました。

当然その勇者が私で巫女様がその勇者だと知る由もありません。

しばらく私達三人は以前と同じように散策をしました。

私の身体になった巫女様は最初から勇者だったかのように振舞っています。

今まで旅をしてきたことを土産話のように参拝者に語っていました。

あまりにも当然のように話していますが私の方はそれを話し半分で聞いていました。

なにせ私は巫女様に旅の話などほとんどしていません。

だからそれは巫女様の勝手な作り話か妄想だと思っていたのです。

でまかせかと呆れながら聞いていましたが耳を傾けているうちにある事に気付きました。

内容を聞くと確かにそれは私が今まで経験してきたことだったからです。

魔物から村を救った話、強力なドラゴンとの死闘、数々の死線を潜り抜けてきた話を次々に話していました。

でも、どうして巫女様がそれを知っているのでしょうか。

私はそれを話したことなどないはずです。

そしてそれを聞いていた参拝者は凄く面白がってくれていました。



参拝者と私の身体になった巫女様の話が終わるといよいよ私の番になりました。

緊張することはありません、事前に勉強した通りに話せばいいだけでした。

私は深呼吸をして話そうとした時です。

突然背後で触られる感覚が起こりました。

私は声を出してしまう寸前で口をなんとか閉じました。

後ろを振り返ると私の身体になった巫女様がなんと後ろからお尻を触っていたのです。

しかもそれはうっかり触れてしまったのではなく明らかに故意に触れていました。

私の背後に立ち参拝者に見えないように腕を伸ばし私のお尻を撫でたり握ってきました。

それは今もなお続いています。

参拝者に気付かれないように小さな声で何をしているのかと問うも笑みを浮かべているだけでした。

更には私の前で参拝者が待っているから早く説明するよう言われてしまいました。

そうです、私は待っている参拝者の為に案内をしなければなりません。

私は巫女様のように振舞いながらこの土地の伝説を語りました。

かつてここにいた神様やそれを支えた巫女様の伝説です。

しかし、その間にも私はお尻を触られ続けていました。

一体何をしているのでしょうか!?

これは巫女様のだというのに、しかも私は巫女様の代わりをしている最中です。

それに巫女様は自分で自分の身体を触っているのです。

訳が分かりませんでした、どれ一つとっても巫女様の為になりません。

しかも触り方がどんどんイヤらしくなっていきます。

大きな手がお尻を撫でてくるだけでなく股間の方にまで指を伸ばしてきました。

思わず私は身体をビクッと震わせて変な声を出してしまいました。

参拝者の方は私が何をしているのか不思議そうに見ていました。

私は何でもないと必死で言って説明を続けました。

それに構わず巫女様は私の後ろでお尻や背中を触り続けていました。

信じられません、見つかれば私の身体である勇者が巫女様に変な事をしていたと噂されてしまいます。



恥ずかしくて顔が赤くなってしまいそうです。

でも私はなんとか精神を落ち着かせながら参拝者を案内しました。

必死になっている私のお尻からやっと大きな手が離れていきました。

そして私の身体になった巫女様は休んでいると言って向こうに行ってしまいました。

やっと解放されたものの私は本物の巫女様がいないことに不安になりました。

私に後の事ができるのでしょうか。

しばらくして私は参拝者への案内を続けていました。

この土地に伝わる伝説の他に書物に残る歴史を語りました。

初めは巫女様に最初聞いていた事をうろ覚えで話していました。

所々適当に喋ってしまった部分もあると思います。

ですが大体の内容は同じはずなので構わず話続けました。

一番は参拝者の方が退屈せずに私の話を聞いてくれたことでしょう。

最後まで面白そうに耳を傾けてくれました。

それが嬉しくて私はまた面白い昔話を語ってしまいました。

まるで自分の口が勝手に話しているようでした。

そして参拝者は私の話を興味深そうに聞いてくれました。

昨日よりも上手くてきていると自分でも実感があります。

参拝者の方が私の歴史の知識が凄いと言ってくれました。

そう褒められると私も素直に嬉しく感じました。

私自身上手にできたという自負もあります。



巫女様の代わりをなんとかやり遂げることができました。

参拝者は満足した様子でした。

私も疲れたものの達成感がありました。

これで終わりだと思い別れを告げようとしました。

すると参拝者は舞いを見せてくれと言ってきたのです。

それは私にとって初耳でした。

巫女様が舞いをするとか初めて聞きました。

いえ、確かに私が儀式をする時に舞を見せてくれました。

でも、その後巫女様から参拝者に舞を見せるなんて一言も言っていませんでした。

背中に嫌な汗が流れ落ちどうすればいいのか迷っていると私の身体になった巫女様が戻ってきました。

事情を知った巫女様は納得し様子で参拝者には具合が悪いという事で説明しました。

そしてなんとか納得させ帰ってもらうことにしました。



参拝者がいなくなった後に舞いの事を聞きました。

確かに巫女様が参拝者に見せる舞いがあるらしいのです。

しかし、それは一日や二日で習得できるものではないとの事でした。

だから参拝者にはあの場で帰ってもらわねばどうしようもなかったのです。

それには私も納得しました。

できもしない事をして逆に参拝者をがっかりさせてしまえば元も子もありません。

でえが、巫女様の代わりをしている私にとってそれは心残りになりました。



食事を終わらせた頃私の身体になった巫女様がやって来ました。

嬉しそうな表情でお風呂の用意ができたと語りました。

それを聞いて私は驚きました。

こんな時にお風呂に入ろうなんて思えるわけがありません。

そもそもここにお風呂があること自体知りませんでした。

もっともあったとしても入る余裕などなかったでしょうが。

でも今の私には他にすることもありませんでした。

巫女様の代わりにしていた仕事は終わり周囲の部屋の片づけも済ませていたのです。

巫女の勉強をするという事にも少し疲れていた所です。

そうなれば心機一転してお風呂に入るのも悪くないと思えます。

気が付けば巫女様の身体も衣装も汚れていました。

こんな薄汚れてしまっては入らないわけにはいかないでしょう。

用意してもらったお風呂の道具と着替えをもち浴室へと向かいました。

そして巫女服を脱ごうとしましたが、すぐに手を止めてしまいました。

今の私は巫女様の身体でした。

当然この服を脱げば巫女様の裸になってしまいます。

それは必然的に巫女様の全てが見えてしまう事を意味していました。

巫女様の身体になって時間は経ちましたが裸は今まで見ていません。

着替えの時もトイレの時もなるべく見ないようにしていたからです。

一瞬やめようとかとも思いました。

でも私達の身体はいつ元に戻れるのかさえ分からない状態です。

その間ずっとお風呂にも入らずいるべきでしょうか。

それに元に戻るにしても巫女様の身体を汚くして返したのでは申し訳ないと思ったのです。

私は意を決して入ることにしました。

これで何度目でしょうか、巫女様の身体になって何かを決めたのは・・・

浴室の前に来ると私は巫女服をゆっくり外していきました。

衣服の下はなるべく見ないように心掛けながら服に手掛けます。

肌の露出が増える度に自分が裸に近づいていくのが実感でいました。

肌に触れる衣がどんどんなくなります。

薄い生地でしたが脱ぐとやはり寒さを実感できました。

脱いだ瞬間から突き刺さるような外の空気が肌に触れていきました。

夜の冷たい空気のせいでとても寒く感じました。

多少の冷たさは平気なはずでしたが心なしか今の私は寒さに敏感になっていました。

このままでは凍えてしまいそうで手足や身体がガタガタと震えています。

寒さにはそれほど苦手ではなかったのですが今は一刻も早く暖かいお湯に浸かりたいと思いました。

巫女様の身体で風邪を引くなんてことはしたくありません。



でもまだ全部脱げていませんでした。

巫女服を脱いだ私は下着姿になっていたのです。

あとはこの下着を外さなくてはいけません。

私はその大きな胸を包んでいた物をゆっくりと外しました。

すると中で包まれていたものが外に飛び出しぐっと重たさが増しました。

みるみる私の顔が赤くなるのが分かりました。

恐らく今の私の顔は真っ赤になっているはずです。

あとは巫女様の下半身の下着を脱ぐだけでした。

私は目を閉じてまたゆっくりと引き下げでいきました。

そして私は遂に巫女様の身体で初めて裸になりました。

もう身に着けている物は何一つありません。



巫女様の身体で裸になったわけですから何も思わないはずがありません。

なるべく下を見ないようにお風呂へ向かうことにしました。

寒さで体が震えていましたが、今は外に出た胸も一緒になってぷるぷると揺れ動いていました。

固定する物が何もなくなったので余計に振動がダイレクトに伝わります。

見ないようにと思っていましたが気が付けばずっと視界に入ってしまっていました。

脱衣所から私はお風呂まで歩きました。

肝心のお風呂は少し離れた場所にあるらしいのです。

折角なら脱衣場所から側に作ってほしいものです。

どうして裸でこんなに歩かなくてはならないのでしょうか。

そう思いながら私ぶるぶると胸が歩く度に心臓を高鳴らせました。

大きく上下左右に揺れ動く巫女様のあれのせいで本当に落ち着きません。

このまま永遠に着かずずっと歩き続けるのではないかと思いました。

するとやっと向こうから念願だった湯気が見えてきました。

寒さに耐えかねていた私は小走りでそこへ向かいました。

そのせいで私の胸は余計に揺れ動いてしまったのは言うまでもありません。

お風呂とは言っていましたが、それは正確には露天風呂でした。

恐らく巫女様と参拝者の為に作られたのでしょう。

小さいながらも立派なつくりでした。

早速入ろうと足をお湯につけて視界を下に向けた時です。

私は慌てて視界に入ってきた胸を隠しました。

油断していました、下を少しでも向くとこの胸が見えてしまう事を忘れていました。

とはいえ隠しきれない程大きいので先端だけ巫女様の手で隠すことにしました。

当然ながら手の中にはあそこが当たっています。

するとまた緊張してしまい顔が赤くなりました。

でも仕方ありません。

今の私にできることを精一杯やっていたのですから。

このままではお湯に入る前にノボセテしまいそうでした。

それからも必死で見ないように心掛けました。

無理矢理入れ替えられた身体とはいえこれは巫女様の身体です。

その身体を汚したくはありません。



そして私はやっとの思いで温かい湯に浸かることができました。

溜息のような大きな息が自然に口から出ていきました。

すると静寂の時間が流れ始めました。

こんな事になっているというのに心が凄く落ち着きました。

露天風呂からは雄大な景色が見えています。

大きな山々が見え空には暗い夜の中を星空が綺麗に輝かせていました。

思えば遠くに来たものです。

そんな感動と温かいお湯に包まれながら私は楽しむことができました。

少し気分が楽になりました。

温かいお湯の気持ち良さ、温泉の中から見える雄大な景色が私のことを癒してくれたのかもしれません。

それともお湯の中でこの重い胸が少し浮いたおかげで身体が楽になったからなのでしょうか。

実際胸の重みが幾分か減りだいぶ身体的には楽になっていました。

おかげでゆったりした時間を過ごすことができ自分が巫女様の身体になっている事をほんの少しだけ忘れることができました。

下を見るとお湯の中で巫女様の大きな胸がたぷたぷと揺れているように見えました。

私はその胸を撫でて変わってしまった自分の身体を実感しました。

それは戦いとは無縁の綺麗な身体でした。

もちろん勇者である私でも戦いが嫌になることもありました。

でもこんな形を望んでいたわけではありません。

世界が平和になることによって戦いが終わることを望んでいたのです。

そしてそれは今も終わっていませんでした。

それなのに私は一体何をしているのでしょうか。

そう思いながら顔の半分ぐらいまでをお湯につけました。

そして勢いよく頭まで浸かるまで潜りました。

身体は変わってもお湯の心地良さは変わりませんでした。



さて、身体も温まってきた所でこれから巫女様の身体を綺麗にしないといけません。

生真面目にも私はお湯から出るとそう思いました。

手足は辛うじて洗い終えることがでましたが問題はここからです。

残す部分は巫女様のデリケートな所だけとなってしまいました。

触らないように洗わないという事も考えてはみましたがやめました。

洗わずに汚いまま出てしまうのも申し訳ないと思ってしまったからです。

唾を飲み込んで私はいよいよ胸を洗い始めました。

ただ巫女様の身体を洗っているだけ、そう思いながら用意された布で擦りました

でも、柔らかすぎて思うように洗えません。

片手で強く擦ろうとすると胸が向こうに動いてしまいます。

それほどに巫女様の胸は大きいのです。

まるでスライムのように勝手に動き回りました。

決して私は遊んでいるわけでもふざけているわけでもありません。

むしろ私の方が巫女様の胸に遊ばれている状態でした。

更には布が妙な位置で胸を擦り私は思わず声を出してしまいました。

こんなに大きな胸など洗ったことがないのです。

必要以上に触らないようにと思って片手で洗おうとしましたが無理でした。

そこで私は、えい、と思い切ってもう片方の胸を掴みました。

すると手の中に今までに触ったことのない柔らかな感触が広がりました。

そして一気に私の心臓の音が跳ね上がりました。

遂にそれを直接触ってしまいました。

声にならない声が口から出てしまいました。

胸が大きくて心臓の音までは分かりませんが表面の血流がどんどん早くなっているのは分かります。

ですが、いつまでもこうしているわけにはいきません。

そうです、私は巫女様の身体を洗う為にしているだけなのです。

仕方なく洗っているだけ、巫女様の豊満な胸を手に持ちながら自分にそう言い聞かせました。

巫女様の身体を綺麗にする為、巫女様の身体を美しく保つ為にと洗い続けました。

断じて触りたいからじゃないと自分に言い聞かせました。

そうしないとこの気持ちの良い胸をもっと触りたくなってしまいそうだったからです。

少しでも余計なことを考えないように私は邪心をなんとか振り払いながら洗いました。

少し戸惑う部分はありましたがやっとお風呂から上がることができました。

久しぶりの温泉という事で色々ありましたが入って良かったと心から思いました。

ぽかぽかと温まった身体がとても気持ちが良かったです。

用意してもらった服に着替え終わると私の身体になっている巫女様に声を掛けました。

そして今お互いが使っている部屋を交換しました。

私は巫女様が使っている部屋で眠ることになったのです。

本当なら私が客室に行くべきです。

でもなぜかこちらの方がいいと思いました。

自然に足が巫女様も部屋へと向かい逆に私の身体になった勇者様も客室へと行ってしまいました。

入るとそれほど大きな部屋ではありせんが綺麗に片付けられています。

巫女様らしく簡素な空間ですが女性らしい部屋だとも思いました。

そこには服や化粧具が置いてあり大きな鏡までありました。

そして部屋に入った時から良い香りがしていました。

その部屋の中心には布団が用意されていました。



昨夜はすぐ眠れましたが今日は全く寝付けません。

夜の静かな時間だけが過ぎていきました。

いえ、完全な静寂ではありません。

私の息と声だけは部屋に轟いていたからです。

はあ、はあ、という私の呼吸が静かな夜の中でよく聞こえました。

なぜ私がこんな事をしているのか私自身分かりません。



私は巫女様の布団に入ってただ眠ろうとしただけでした。

そこは私の身体になった巫女様が昨日まで横になっていました。

そこで横になっていたらこうなってしまったのです。

女性の性欲というのは皆こんな感じなのでしょうか。

それともこの巫女様の身体が特別だからなのでしょうか。

どちらにしても今の私は普通ではありませんでした。

この身体が求めているのは明白です。

それは男性だった自分でさえもはっきりと分かりました。

身体中が熱く、汗が滲み出てきます。

それなのに汗臭くないのが不思議でした。

むしろ私は自然と匂いを嗅ぎ続けました。

私は巫女様の身体の匂いと布団に残ったかつての自分の匂いの両方で興奮していたのです。

男性が突発的なのに比べて女性の性欲は徐々に高まっていきました。

心臓の動きと共に血流が早くなり体温が上昇していきます。

そしてその上がった体温に合わせて息も激しくなっていきました。

疼きはもはや私の意志では抑えることは不可能でした。

身体もかなり敏感になっています。

そして巫女様の身体が求めていました。

荒い息遣いをしながらも私は必死で無心になろうとしました。

しかし、結果は落ち着くどころか更に激しくなるだけでした。

脈が速くなり体温も上がり続けています。

私は唸りながら我慢することしかできません

でもそれもすぐに耐えられなくなりました。

遂に私はそれに抗えなくなってしまいました。

だからほんの少しだけと思いながら身体の疼きを少しでも落ち着かせようとしました。


そこでまずは腕を触ってみましたが当然何も起こりません。

それにしても細くて綺麗な腕でした。

撫でると汗も流れたせいかそのすべすべの肌の感触がよく伝わります。

巫女様の手でその綺麗な腕をさする音が静かな部屋で聞こえてきます。

それに香りも良い匂いでした。

元の自分の体臭を気にすることはほとんどありませんでした。

あるとしてもせいぜい汚れたり汗で臭くなった時ぐらいです。

最初は腕を触ってみただけでした。

でも私はそれだけで満足できずその時にはもう少し他の場所も触ってみたくなりました。

それは巫女様の脚でした。

細長くて適度にふっくらとしています。

私は足首から太ももに沿って優しく撫でてみました。

特に太ももの部分は暖かくて柔らかいです。

そこは触ってとても気持ちの良い場所でした。

ここがこんなに触って心地の良い部分だなんて知りませんでした。

気が付けば至る所を手で触れていました。

もう触らないという選択はありません

この胸の膨らみを今すぐにでも触りたいと思いました。

それに直接触るわけではありませんから少し背徳感が薄らぎました。

そう、私は服の上から巫女様の胸を触っているのです

それでも胸の丸いラインがはっきりと分かりました。

そこに沿って私は撫で続けました。

うう・・・少し声が漏れてしまいました。

やはりここは他の場所とは違うようです。

まるで巫女様の大きな胸が私を呼んでいるようでした。

少し強く触ると指がその巫女服と一緒に胸の中へと沈み込んでいきました。

そしてまた可愛らしい声を出してしまいました。

巫女服の上から触っているだけなのにその柔らかさが良く伝わってきます。

ほんの少しのつもりでした。

それなのにどうしてまだそこから手を離せないのでしょうか。

もっと触りたい、もっとその感触を確かめたいという思いだけが強くなります。

すでにだいぶ触っていました。

ですが、これをしたからと言って別に誰かに文句を言われるわけでもありません。

ここには今私しかいません。

つまり私が満足するまで触ることができるのです。

そして私も巫女様の身体もそれを望んでしまいました。



私は鏡の目の前に座りました。

ここなら自分の姿がよく見えます。

もう一度鏡を見るとまるでそこに本当に巫女様がそこにいるように思えました。

でも後ろを振り返っても誰もいません。

当然です、なぜなら写っているのは私だからです。

巫女様は戸惑っているようにも興奮しているようにも見えました。

そんな姿が可愛いと思ってしまいまいた。

もっとよく近くで見たいと私は更に近寄ります。

私が近くによると鏡の中の巫女様も近づいてきました。

顔を近づけるとぶつかってしまいそうになるほどの距離になりました。

すぐそこに巫女様がいます。

これが今の自分の姿・・・

私はその姿をしっかりと目に焼き付けました。



初めて会った時の巫女様のように笑ってみました。

可愛い笑みを浮かべてみます。

儀式の時にキスをした事を思い出します。

この鮮やかなピンク色の唇が初めて当たった時の感触が忘れられません。

私は鏡に更に迫るとそこへ写った巫女様にキスをしていました。

冷たい感触が唇に伝わりました。

でも鏡を見ると私は本当に巫女様とキスをしている気になれました。

鏡の中の巫女様は虚ろな表情で唇をくっ付けてきます。

もう私の興奮が収まりませんし、抑えることもできません、これ以上の我慢ができませんでした。

私はいけない事をしようとしていました。

とてつもない背徳感から緊張し、そのせいで心臓が激しく鳴り続けます。

極度の緊張から手が小刻みに震えていました。

ですがもう私にやめるという選択はありませんでした。

鏡を見ながらゆっくりと着ている服を脱いでいきました。

着替えるわけでもなくお風呂に入るわけでもないのに私は巫女様の身体で服を脱いでいます。

鏡の中で巫女様も服を脱ぎ捨てていきました。

恥ずかしそうにしながらも可愛らしい表情で少しずつその肌を出していきます。

今度は目を背けずそれをじっと見つめていました。

いえ、正確には視線を逸らすことができませんでした。

私はそこに釘付けになっていたからです。

遂には下着姿になりました。

今私は顔を赤くしながらそれを鏡で眺めています。

隠れているのは胸と股間の部分だけです。

それでも巫女様のスタイルの良さはよく分かりました。

大きな胸、くびれのあるお腹、細長い手足、そしてこの綺麗な顔が月夜に照らされてそれがまた鏡で反射しています。

巫女服に隠れていた部分はとても綺麗な白い肌でした。

これが今の私の身体です。

元の身体より美しいというより比較になりませんでした。

好奇心が抑えられず私はその残った下着にも手を掛けました。

巫女様の全てが知りたくて仕方がないのです。

この下に隠れているものを私は求めていました。

早く脱ぎたいという思いと見たら駄目だという理性のハザマに私はいます。

ですがその理性はとっくになくなっていました。

ゆっくりと下着を外します。

体温が上がっていたのに脱ぐと外の空気が冷たく感じました。

ですが今の私にとってはどうでも良い事です。

どうせすぐにまた温かくなるのですから。



ポフッという感触と共に手の平に柔らかな感触が広がっていきます。

ああ、これが女性の、巫女様の胸・・・

服の上から触って分かっていましたが凄く柔らかく胸全体が温かくて柔らかなクッションのようでした。

私はそれを思い切って手で包み込んでいました。

それはとてつもない柔らかさと大きさでした。

まず私は包み込んでいるそれを優しくほぐしました。

まるで赤ん坊の頭を撫でるように優しく触りました。

言うまでもなく巫女様の大切な胸です。

だから優しくそっと触っていったのです。

最初は触っている手が気持ち良い程度でした。

ですが、これぐらいのただ触れただけ程度では当然何も起こりません。

ですが私の身体は更なる刺激を求めていました。

柔らかな胸でしたが例外として先端だけが少し硬くなっていました。

綺麗なピンク色をしたその部分に私の興味が移ります。

私はその部分を手で触ってみました。

周囲の柔らかさとは一転して少し硬いのが妙に癖になります。

指で押してみると胸の先端が私の指と一緒に沈んでいきます。

そこをグリグリと人差し指で押しながら動かしたのです。

すぐにピンク色をした先端から胸全体に何かが広がっていきました。



それはやがて背中から全身へ駆け抜けていったのです。

私は思わず、うう、と呻いてしまいました。

そして私は思わず笑みを浮かべてしまいました。

部屋の中で漏れる私の声の量と大きさがどんどん増えていきました。

私は今いけない事をしています、それは十分に分かっています。

でも止められません、だってこんなに気持ちが良い事を初めて自分でしてしまっているのですから。

私の出す声は部屋中に響いていました。

背徳感を抱くもそれが余計に私をドキドキさせました。

胸で感じた事のない私にとってそれは不思議な感覚でした。

触れば触る程よりはっきりと強く感じ取ります。

胸の方にも徐々に変化が表れていきました。

少しずつですが冷たかった胸は温かくなっていました。

胸だけではりません、既に身体全体の体温が上がっていました。

そしてそれに合わせるかのように漏れる声も大きくなっていきました。

ゆっくりですが少しずつ昨日の感覚に近づいていきました。

胸の表面から肌を伝わり奥底へと伝わっていきます。

すると次第に胸の内側から引き伸ばされていきました。

元から大きかった胸が更に膨らんでしまったのです。

まるで既に膨らんだ風船に更に空気を入れたようでした。

心臓の音も激しさを増しており胸が高鳴るとはこの事だと思いました。

さっきから心臓は壊れそうな勢いで動いています

そんな状態で膨らんだ胸を触ると身体がピクッと反応しました。

鏡を見て私は更なるものを望みました。

月夜に照らされて巫女様の身体は身に着けている物は何もありません

下半身も脱いではいたのですが大きな胸が邪魔で見下ろしても足元が見えなかったのです。

それは巫女様の股間の部分も例外ではありませんでした。

私はゆっくりと屈み両脚を広げていました。

心臓がもうだいぶ鳴っています。

そして私は初めて巫女様の太ももの間にあるものを見ました。

綺麗な脚の中にある巫女様の大事な所です。

その瞬間私も鏡の中に写っている巫女様も眼を大きく開けて食い入るように股間を見つめていました。

初めて会った時の神秘的な雰囲気はありません。

早くやりたくて仕方がない淫乱な女性のようでした。

欲求不満なのがよく伝わってきます。



股間に何もないというのは前から不思議でした。

そしてここはもっとも女性の身体で見てはいけない所でした。

確かに何もありません、でもそこには確かに男性にはない部分があるのも事実です。

私は鏡を見ながらゆっくりとそこ開けていきました。

鮮やかなピンク色をした世界がそこには広がっていました。

私の指は吸い込まれるようにそこへ入っていきました。

巫女様の細長い指が奥へと入ると自然に声が出てしまいました。

中は暖かくて湿っています。

そして指はまだ奥へと入っていきました。

全身が今にも溶けてしまいそうでした。

鏡に写った巫女様はこんな表情もできるのかという表情を浮かべています。

巫女様の身体という牢獄に閉じ込められた私ですがこの時はまるで天国にいるような気分でした。

股間を触る指先に力が入ります。

すると快感が私を包み込み始めました。

早く元の身体に戻って旅を続けないといけないのに・・・

そう冷静に考えられた時間もわずかでした。

気が付けば私は夢中になって股間に入れた指を上下左右に動かしていました。

中が濡れているせいかとても動かしやすくなりました。

この時には巫女様の身体で気持ち良くなることだけに集中していました。

他のことなんてどうでもよくなっていました。

鏡の中で巫女様が気持ち良さそうにオナニーをしています。

その切なくて甘い表情に私はドキッとしました。

もっとその顔が見たい。

鏡に近づきながら私は指先に力を入れました。

快感が股間から手や脚、頭まで広がっていきます。

私は股間に手を入れて動かしながら鏡に写った自分にキスをしました。

ああ、これが私なんだ、とても可愛くて綺麗、それにとてもエッチな巫女・・・

はあ、はあ、ずっとこうしていたい、そう思った時でした。



ふと、勇者だった時の自分の顔が頭に浮かびました。

どうしてこんな時にそんな事を想像したのか自分でも分かりません。

ですが、かつて勇者だった頃の自分の顔が頭から離れませんでした。

最初は元の自分の身体を思い出して冷静になろうとしているのだと思いました。

無意識の内に元の自分の身体を思い出して自分が巫女様の身体でいることを再認識すればきっと落ち着くはずです。

そう思って私はかつての自分の身体を思い出そうとしました。

体格は大きく筋肉質、そして戦いで負った傷があちこちにありました。

そう、この巫女様の身体とは全然違います。

冷静になる為にと思い出そうとしていたのですがいつの間にか私は逆に興奮していました。

あの逞しい身体を思い浮かべると体温が上がってしまいます。

でも私は自分が興奮していると思わず更に思い出そうとしていました。

あの凛々しい顔に股間にはたくましいものが・・・

それを想像すると途端に恥ずかしくなってしまいました。

そして思ったのです。

あの逞しい勇者様のモノを入れたいと・・・。

え、今、私、な、何を考えているの!?

私は自分の身体を思い浮かべただけでした。

そう、ただ自分の身体を懐かしく思っていただけのはずです。

あの太くて大きな腕に抱かれたい、そして勇者様に愛して頂きたい・・・

え、ち、違う、わ、私が、勇者なのに、わ、私が勇者様なのに・・・

自分の事なのに頭が混乱していました。

なんとか自分を取り戻そうとしまいたが頭が勝手に認識してしまうのです。

私が巫女で、あの方が勇者様だと・・・

そして更に頭で勝手によからぬ妄想が浮かんでしまいます。

それは私の、いえ、勇者様の裸でした。

そのイメージが頭に浮かぶと私の顔は真っ赤になりました。

そして頭から離れてくれませんでした。

だ、だめ!これ以上考えちゃだめ!

自分に必死でそう言い聞かせました。

でも意識してしまうと余計に頭に浮かんできてしまいます。

うう、だめ、私、考えちゃだめ!

気が付けば手が胸をまた触っていました。

ゆ、勇者様、だめ、そ、そんな所を、触っちゃ、あん!

頭の中で勇者様が私の胸を触ってきました。

しかも敏感な先端の部分を強く握ってきます。

たまらず私は声を漏らしてしまいました。

本当はそこには私以外は誰もいません。

さっきから私一人でそれをしていたのです。

まるで私の中にもう一人誰かがいるようでした。

私は頭の中で勇者様に気持ち良くさせられながら自分でオナニーをしていました。

この身体ですることの罪悪感は既にありませんでした。

勇者様の姿を思い浮かべていると私は別のことも思い出していきました。

そういえば勇者様が来る前もこうして一人でしていたことでした。

いつもこうして一人で楽しんでいました。



記憶は更に昔まで遡りました。

そう、私はここで生まれて育ちました。

物心ついた頃から巫女の勉強をしていました。

ち、違う、私は何を思い出しているのでしょうか。

こんな記憶なんて今までなかったはずです。

でも頭の中で昔の光景がはっきりと浮かび上がりました。

勇者様が来る前のことまで思い出せてしまいました。

本当に巫女様になってしまったかのようでした。

そしてその記憶は夜の一人のエッチな時間も含まれていました。

私はいつも夜になると誰もいない部屋で一人でエッチな事をしていました。



ち、違う、私は巫女じゃない、自分にそう言い聞かせます。

頭がおかしくなりそうでした。

今の私には二つの記憶がありました。

一つは勇者様の記憶、もう一つは巫女様の記憶です。

そして、どちらの記憶もはっきりと思い出せてしまいます。

思い出そうとすれば勇者様として旅をした記憶が鮮明に蘇ります。

旅立ちの日から仲間達の出会い、そして激闘の数々、それらが昨日の事のようによみがえりました。

そしてそれとは全く異なる巫女様の記憶も私にはあります。

ずっとここで巫女様として暮らした記憶です。

その相反する二つの記憶が私を混乱させました。

私が誰なのか自問自答しようとします。

すると目の前に置いてある鏡が見えました。

そこには巫女様が写し出されます。

記憶と視覚の情報が一致し私の混乱した頭を冷静にさせます。

そして私はそこで自分が巫女であると認識しました。

記憶だけでなく今の環境全てが私を巫女として示していました。

この顔も髪も胸も手足も全てが巫女様のものです。

この手触りも、気持ち良くなる感覚も、いつもと同じです。

巫女様がいつもそうしていたように私もそれと同じ動きを真似しました。

気が付くと手つきがいつものような動きになっていきました。

そう、毎晩私はこうするのが好きでした。

さっきよりも気持ち良さが増し、声も大きくなっていきました。

その間にも頭の中に巫女様の記憶が溢れていきます。

身体だけでなく中身まで私になっていきます。

ずっとここで生まれ育った巫女様へと・・・

新しい自分になっていく、ああ、自分が自分でなくなる、怖いのに嫌なのに、でももう止められません。



巫女様の身体にはまってしまう、私にとってはそれほどの刺激でした。

快楽の底なし沼の中へと沈んでいくようでした。

いえ、もうその時の私は既に沈んでしまっていたのでしょう。

そして私は思ってしまったのです。

もう自分の使命なんてどうでもいいと・・・。

このまま巫女様の身体でいける所までいきたいと思ってしまいました。

今の自分が勇者だろうと巫女様のものであろうともう関係ありません。

私は巫女様の身体から沸き起こる快感の虜でした。

溢れてくる、それは股間の奥底から、それと同時に頭の中でも起きていました。

しかもそれが大きくなると私に甘美な快感を与えてきました。

押し寄せる波のような刺激が私の全身を包み込みます。

いってしまう、すぐにそう思いました。

すぐにでもやめないといけないと思いました。

手を止めると無理矢理にでも落ち着こうとしました。

深呼吸をして息を大きく吸っては吐きました。

やっと少しだけ落ち着き股間から指を抜こうとした時です。

そこまで来て私はまたもや思い直してしまいました。

いつものように最後までやらないといけないと思ったのです。

そう、いつもの私のように最後まで。

途中でやめたらこの快感も中途半端に終わってしまいます。

それでは最後まであの感覚を味わえません。



そして頭に思い浮かべたのは勇者様でした。

勇者様とキスをした時の事、気持ち良くさせてもらった時の事を思い出しました。

あの逞しい身体で私にしてもらいました。

するとまた私の身体が熱くなっていきました。

胸と股間が再び私の手を欲します。

止まっていた指を再び奥へ入れ激しく上下させました。

我慢したせいでしょうかさっきより気持ち良く感じました。

指を動かす度に身体が激しく震えます。

最後までやりたいという思いだけで動いていました。

それは知っているはずなのに今の私にとっては未知の領域でした。

早くそこへ行きたいが故に私は指を激しく動かしました。

私の股間からイヤらしい音が響きました。

それは手を濡らした時に肌を強く擦るような音でした。

肌では汗も滞りなく流れ続けています。

それは揉んでいる胸の表面も同じです。

私の内側も外側もだいぶ濡れていました。

もうすぐいけます。

私は勇者様の事を口に出しながら最後が来るまで手を動かしていました。



突然何かが吹っ切れたように身体がビクッと反応しました。

大きく身体を反らし下半身を突き出した瞬間股間から何かが漏れ出ていきました。

いえ、それは飛び散ったとい言うべきです。

液体のようなものが勢いよく私の股間から外に出ていきます。

でも恥ずかしいとか羞恥心を感じる余裕さえありません。

初めていった快感だけしか感じていませんでした。

私は身体を震わせながら出しました。

股間からぼたぼたと流れ落ちています。

まだ身体がピクピクと震えてしまいます。

遂に私はしてしまいました。

でも後悔の念はありません、むしろ達成感さえありました。

この感覚を味わえて本当に良かったと思えました。

とてもすがすがしい気分です。

鏡を見るとそこには最後までして余韻にふける私の姿が見えました。

なんとか服だけでも着ようとしますが身体に全く力が入りませんでした。

やっとのことで袖を通すものの私は深い眠りに落ちていきました。






心身共に疲れ果てた私はいつの間にか眠り夢を見ていました。

夢の中では巫女様が妖艶な笑みを浮かべながら踊っていました。

激しくも優雅な舞を披露してくれました。

私はその舞う姿に見惚れてしまいした。

すると次の瞬間視界が歪み私がいる場所がさっきと違う事に気が付きました。

それほど動いてはいないようですがさっきまでの場所とは違います。

しかも私の身体が勝手に動いていました。

見ると身に着けていたものも全て変わっています。

私は目の前で踊っていた巫女様の服を着ていました。

服だけでなく身体まで巫女様になっているとすぐに分かりました。

そしてそこで踊っていたのは私自身でした。

さっきの巫女様と同じように手を振り腰を動かしていました。

そんな舞いは全然知らないはずなのに身体が勝手に動き続けました。

止めようと思っても止まりません。

やっと踊り終えると私はゆっくりと傍で見ていた人物へと振り向きました。

それは私自身、正確には勇者である私の身体でした。

儀式をする為に私に会いに来てくれた勇者様でした。

舞いを終えると勇者様は凄く褒めてくれました。

あまりにも褒めてくれるので恥ずかしくて顔が赤くなってしまいました。

それから勇者様は私を抱きしめると唇を重ねてきました。



ゆっくりと私は目を覚ましました。

どうやら私は裸のまま眠っていたようです。

辺りはすっかり汚れていました。

でも驚きもしません、これもいつもの光景でした。

あとで掃除をすればいいだけです。

外はすっかり明るくなっていました。

それは最後の日、私にとっては特別な日でした。

しかし、不思議な程にいつもの朝のように感じられました。

まだ眠気はありましたが不思議と自然に身体が軽やかに動きました。

これからするべき事を考え直す間もなく巫女服へと着替えしました。

下着を替え巫女服の袖を通し化粧をしました。

念のため鏡で身なりを確認します。

髪が若干乱れていたので整え直しました。

そして軽く朝食をすませると汚れた部屋の掃除をしました。

次に食事を作りましたが、これは私が食べる分ではありません。

寝室で眠っている勇者様の為でした。

食事を持って客室へと運びます。

外から声を掛けましたが返事はありません。

まだ勇者様はまだ寝ているようでした。

起こさないように部屋に入ると寝顔を眺めてみました。

それは素敵な寝顔でした。

なんて凛々しいお姿なのでしょうか。

寝ている姿だけで絵になるようです。

このまま見続けたいという気持ちもありました。

でもゆっくりと勇者様に近づくと朝が来たことを告げながら起こしました。

できればずっとそこで寝ていて欲しかったと心の中で思いました。

私が作った朝食を食べ終えると勇者様はとても喜んでくれました。

なるべく勇者様の口に合うように頑張りました。

使える食材が限られているので苦労しました。

でもその甲斐があったと思えました。

それはいつもと同じ一日でした。

お昼ごろやって来た参拝者を案内し終えると勇者様の為に夕食の支度をしました。

夕食を終えると今度は掃除やお風呂場の準備をしました。

勇者様がお風呂に入り終え今度は私の番になります。

いつものように外にある温泉に浸かりました。

もうすぐ勇者様がここから立ち去ります。

それが寂しく思えました。

私はこのまま勇者様がいなくなるまで何もしないでいいのでしょうか。

ふと、そんな考えが頭をよぎりました。



身体を綺麗にして向かった先は勇者様の部屋でした。

部屋に入り休んでいた勇者様と顔を見合わせました。

特に何を言うでもなく私は着ていた巫女服を脱ぎ始めました。

自分でも何をしているのか分かりません。

ただ私は勇者様にこのまま立ち去ってほしくないと思っていました。

勇者様は驚いたような表情を浮かべますが私はそれに構わず服を脱ぎ下着をおろしました。

既に着ている物は何もありません。

そして勇者様の元へ近寄ろうとしました。

でも、そこまでした所で私は思い直しました。

私は一体何をしているのでしょうか。

突然冷静になった私は急いで部屋から出ようとしたのです。

取り返しのつかない事をしなくて良かったと思いながら外に出ようとしました。

その時、私の足は止まってしまいました。

でもそれは私の意志ではありません。

私は腕を掴まれていたのです。

それをしているのは勇者様でした。

引き寄せられるとその大きなか身体に抱かれていました。

私はその場から動けなくなりました。

正確には動きたくありませんでした。

この時間を過ごしたい




私だけでなく勇者様も興奮しているようでした。

お互いが求めているのが分かります。

このままするのは簡単でした。

ですが私にはまだ心残りがありました。

だから私は勇者様に言いました。

私には大切な使命があると・・・

それは私の最後の理性でもありました。

そして今度こと立ち去ろうとしたのです。

すると勇者様は私に唇を重ねたのです。

力強い感触が私の口に伝わりました。

そして唇をゆっくり離しながら、それで構わない、その使命は代わりに自分がすると言われました。

しばしの沈黙が訪れました。

私も勇者様もお互いの目を見ていました。

私は言いました、私の全てをお願いすると・・・

すると勇者は微笑みを浮かべながら力強く頷いてくれました。

今度は私が勇者様に首に手を回してキスをしました。

私と勇者様の舌が口の中で混ざり合います。

絡みつく手をぎゅっと握りしめました。

お互いに身を寄せ合い身体を密着させていきます。

それはかつての自分の身体でした。

でもそれはもう目の前にいる勇者様のものでした。

それで何の問題もありません。

私はもう勇者様ではなくてここで育った巫女なのですから。

そしてその勇者様は私を愛してくれています。

今の私にはそれで十分でした。



今私は勇者様に押し倒されていました。

私と勇者様の唇が重なる音が部屋に響きます。

力強い抱擁と口付けでした。

逃げられない、でもその必要はありません。

なぜなら私は自分から身を寄せているからです。

何も身に着けていない私の身体を勇者様に密着させました。

そして私も勇者様にキスを返しました。

幸せな気持ちでいっぱいでしたが勇者様は唇を離していきました。

勇者様の顔が下がっていきます。



何をされているのか分かりませんでした。

胸が温かくなったと思ったのが最初の感想です。

また抱き着かれたのかと思いました。

それだけなら良かったのかもしれません。

でも温かいのは片方の胸だけでした。

勇者様は私の胸を口に入れていたのです。

あまりにも大胆な行動に慌てることしかできませんでした。

勇者様にこんな事をされて恥ずかしいという気持ちでいっぱいでした。

それでも勇者様は私が騒いでいることなど気にせずに吸い続けました。

私の胸の上半分ぐらいまでは既に勇者様の口に覆われていました。

そして勢いよく吸われてしまいました。

とてつもない圧が胸に掛かってきます。

私はたまらず切ない声を出してしまいました。



吸われるというのはこんな感じなのでしょうか。

手で触るのとは違う感触です。

口全体でほぐされていく気分でした。

私は慌てることしかできませんでした。

見られるだけでも恥ずかしくてたまりませんでしたが今はそれ以上の事をされています。

勇者様が私の胸を吸っているという事実だけで私は戸惑ってしまいました。

だめ、と言って離れてもらおうとしましたが勇者様は動いてくれません。

代わりに私の胸の上で何かが動きました。

そこで動いているのは勇者様の舌でした。

暖かくてジメジメした勇者様のそれが私の胸の表面を動いていきます。

その後舌が私の胸の先端に来ました。

勇者様の舌がそこに興味を示したのが動きで分かります。

胸がそれに反応して、うう、と唸ってしまいました。

舌がそこを撫でたり突いたり、更には歯で軽く噛んできました。

私の唸り声が喘ぎ声に変わっていきます。

もっと吸ってほしい、その願いが通じたのか強くなっていきます。

吸う音が大きく鳴りました。

私は身体をよじらせながら吸われました。

胸が吸われ舌で触られ続けるとジンジンとしてきました。

もっと吸ってください、私は勇者様にそうお願いしていました。

本来なら私が吸う側でした。

でも嫌な気持ちは全くありません。

むしろ嬉しいとさえ思えました。

私は勇者様に更にいっぱい吸うように言って頭を撫でました。

すると勇者様の口が強く私の胸に吸い付いてきました。



もっと勇者様に気持ち良くしてもらいたい、いえ、私も勇者様に気持ち良くなって頂きたい

今度は私が勇者様を気持ち良くする番でした。

勇者様は服を脱ぎ捨て横になりました。

私はかつて勇者様だった頃の記憶を頼りに動きました。

そして勇者様の股間で大きくなっているそれを掴んだのです。

勇者様の表情が一気に変わりました。

それはとても大きく熱くなっています。

私はそれを上下に一生懸命動かしました。

しばらくして勇者様の股間から白い液体が飛び散りました。

暖かくてヌメヌメしたそれは私の顔にまで掛かってしまいました。

勇者様は謝りながら私に掛かった白い物を拭き取ってくれます。

でも私は怒っていません、むしろ嬉しいぐらいでした。

それは勇者様が気持ち良くなった証拠だからです。



お互いの身体を綺麗にして私達はいよいよ本番を迎えようとしていました。

私は横になると脚を広げました。

当然勇者様には私の股間が向いています。

自分で見るだけでも恥ずかしいのに勇者様に見られると余計に緊張しました。

そして勇者様は再び元気になった股間の大きなものを私に向けてきました。

私は勇者様の股間を勇者様は私の股間を懐かしむように眺めました。

そしてかつてお互いの股間にあったものを密着させていきました。

勇者様が少しずつ股間を押し込んで私の中に大きくなったモノを入れてきます。

外側に触れた瞬間から身体が反応しました。

奥へと入り込むと更に私は声を出していきます。

中に入った勇者様のモノを私が包み込んでいる状態でした。

奥へ入ると更にその面積が増えていきます。

遂には根本まで入ってしまいました。

勇者様の鼓動と熱が私の中で感じられます。

やがて勇者様が腰を振り始めると私の中にあるモノが激しく揺れ動きました。

勇者様が私を突いてきます。

私は声と汗と快感が同時に出しながらそれを感じていました。

そのどれもが止まることなく溢れ続けました。

やがて私の頭の中でまた何かが蘇り始めました。

しかし、それは今にも消えそうな幻のようなイメージでした。

もしくは走馬灯のようにも見えました。



勇者様はある大きなお城にいました。

そしてそこにいるお姫様と何かを約束しているようでした。

勇者様は言ったのです、世界が平和になったら結婚をしようと・・・

あの夜に交わした約束が頭に浮かびました。

そのお姫様の事を思い出すと途端に悲しさがこみ上げました。

それが破られてしまう、悲しい、でも勇者様と交われて嬉しい、自分の中で相反する感情が生まれていました。

しかし、目の前の現実が私を巫女として受け入れさせていきました。

そう、今の私にとってそのお姫様はもう他人と一緒でした。

だって私は巫女としてあの高名な勇者様と愛し合っているのですから。

勇者の記憶、思い出や精神が消えていくのが分かりました

代わりに頭の中に出てきたのは巫女様のものでした。

ずっとここで暮らし巫女として育てられてきました。

外に出ることはできませんでしたがそれ以外は不自由なく過ごしてきました。

参拝してきた人達や冒険者の方から聞く外の世界はとても魅力的でした。

ここしか知らない私にとって外の世界はまさに異世界だったのです。

でも私はここから出られません。

呪いが掛けられているからです。

代々の巫女様がその力と共に引き継いできた強力な呪いでした。

これがある限り私はここから出られません

それでも私は諦めずに方法を探しました。

そして出られる方法を見つけたのです。

それは巫女の身体でなくなればいいというものでした。

そしてある噂が流れてきたのです。

勇者様がここに来る・・・

私の中の記憶が全て繋がった瞬間でした。

見ると勇者様は嬉しそうに私に腰を振っていました。

かつて私の股間についていたものが今は私の中に入って動いています。

昔とは違う形で私に快感を与えてきました。



記憶が置き換わっていきます。

身体を奪われ、記憶も奪われ、精神まで変えられていきます。

でも不思議と素直にそれらを受けいれていきました。

身も心も巫女になれる事を嬉しく思いました。

だいぶ消えてしまいましたが、まだ勇者様の記憶はあります。

勇者様と巫女の私の記憶、どちらが本当の私なのでしょうか。

でも目の前で勇者様が気持ち良さそうにしているのを見てすぐに理解できました。

そう、私が巫女であると・・・

だから私は勇者様の前で巫女らしくしないといけないと思いました。

そして勇者様の為に腰を振りました。

念願だった勇者様とやっとこうして交わることができたのです。

私はとても嬉しく感動していました。

ずっとこの日を夢に見てきたのです。

遂に私の夢が叶いました。

私が腰を振ると勇者様は気持ちが良いと言ってくれました。

それが凄く嬉しかったです。

それに勇者様は私の事を好きだと言ってくれます。

何度も言ってくれました。

その度に嬉しさがこみあげてきます。

私と勇者様はお互いを呼び合いながら腰を大きく振りました。

ずっとこの時が続けばいいと思いました。

でも終わりはいつかやって来ます。

そして私達の終わりはもうすぐでした。

それから私の中に暖かいものが流れ込んでくるのが分かりました。

私の奥に何か温かい物が流れ込んできたと思いました。

分かりませんが、何かが身体の奥底へと入ってきます。

一瞬身体がかたまりました。

周囲の時が止まったようでしがそれも束の間でした。

すぐに私の身体は全身で反応しました。

身体を大きく反らしながらも股間から入る物を全身で受け止めたのです。

私は溢れんばかりの声が漏らしました。

全身でそれを受け止めようとして身体全体が反応し激しくビクビクと動きながらも腰を勇者様に突き出しました。

やがて私の中に入る物がなくなった時私は勇者様とようやく離れることになりました。

私の股間からはぼとぼとと入らなかった液が落ちていきます。



私は激しく息を吐きながら上を見ました。

勇者様と交わることができた、今の私にはそれが全てでした。

心も身体も満たされて幸福な気分でいっぱいでした。

隣を見て勇者様に優しくほほ笑むと勇者様がまたキスをしてくれました。



私はとても幸せでした、巫女として勇者様とこうやって交わることができたのです。

ずっと前からの夢でした。

おとぎ話に出てくるようなあの勇者様とこんな事ができたのです。

私は身も心も満たされていました。

少なくとも前の巫女様はそう思っていたのでしょう。

その記憶が私に受け継がれ今は新しい巫女となった私が果たすことができました。

きっと今より良い巫女になるだろうと言ってくれました。

でもまだ終わってはいません。



翌朝は勇者様と二人で目を覚ましました。

布団の外は冷たい空気が漂っていました。

それは同時に私と勇者様の最後の日を意味していました。

私と勇者様は身なりを整えました。

昨夜あんな事があったのにもかかわらずお互い顔も合わせず服を着ました。

自分でも不思議なぐらいに落ち着いていました。

私が巫女としての仕事をしていると勇者様が準備を手伝ってくれました。

掃除や食事の支度を一緒にしました。

それだけでも私は嬉しかったです。

思い起こせば束の間の一緒の生活でした。




最後に私は勇者様を呼び舞を披露することにしました。

それは私が勇者様に見せられる最後の舞いでした。

私は汗をかきながらも尚も身体を動かしました。

体力のない私にとっては過酷な動きでしたが勇者様の前だとそれを感じることはありません。

勇者様の為に私は舞い続けました。

私の銀色の長い髪が動くとなびき、胸も振動で揺れ動きました。

勇者様はそんな私をジッと眺め続けています。

とても真剣な表情でした。

だから私も一生懸命にこの最後の舞いを見せることに努めました。

すると勇者様に異変が起こり始めました。

見ているだけだったはずの勇者様も激しい汗が出ていました。

そして辛そうな表情を浮かべたと思った瞬間辺りを照らすように光が発せられました。

光は私の舞が終わるのに合わせておさまっていきます。

やがて私の動きが止まると眩しかった光は完全になくなってしまいました。

そして光があった場所では勇者様が自信に満ちた表情を浮かべながら拳を握っていました。



これで儀式は終わりました、私は勇者様にそう告げました。

それを聞いて勇者様はとても満足そうな顔になりました。

そして全身に汗をかいているにも関わらず抱いてくれました。

本当にありがとう、巫女様、と勇者様はそう私に言ってくれました。

私は巫女としての使命の一つである、勇者様の隠された力を引き出すことができました。

私は疲れで倒れてしまいそうになりながらもその力で世界を救ってと勇者様にお願いしました。

そう、まだ勇者様には使命があります。

むしろここからが本番と言ってもいいかもしれません。



儀式は成功しました。

ここへやって来た時よりも勇者様は力に満ち溢れています。

それは私と勇者様の別れも意味していました。

私の使命は勇者様の力を上げること、そしてこの土地の巫女として一生を捧げることでした。

旅の無事を祈りながら出口まで見送りました。

やがて大きなあの鳥居が見えてきました。

そうこれは参拝者を歓迎する門と同時に私をここに閉じ込める為に作られたのです。

私が勇者様と行けるのはここまでです。




いよいよ別れの時が訪れました。

私は勇者様と最後の抱擁をしていました。

これで二度と会えないかもしれないのです。

それに勇者様が世界を救ってもここへは戻らないでしょう。

なぜなら勇者様は将来を決めている方がいるからです。

だから最後にもう一度勇者様の温もりを感じたかったのです。


私は勇者様の旅の安全を祈りました。

そしてこれからは私が巫女としてここを守ると言いました。

勇者様は私の言葉を聞くと真剣な表情になりました。

やがて何かを決めたかのように私に何かを唱えました。

それは不思議な呪文でした。

聞いていると私に不思議な感覚が沸き起こりました。

私の周囲に風が巻き起こります。

何かをしているようですがそれが何なのかは分かりません。

とても強大な力を感じました。

恐らく勇者様はさきほど私が儀式で引き出した力を使っているのでしょう。

こんなにも力を得ていたのは私にとっても驚きでした。

やがて何かが引き裂かれるような音がした瞬間勇者様は最後の詠唱を唱え終わりました。

その瞬間私の中で何かが弾け飛んだ気がしました。

少し時間が経ちました。

勇者様が呪文を唱え終えて辺りは静かになっていました。

一体何が起きたのでしょうか。

周囲はもちろん私の身体自身にも何も変化はないようでした。

すると勇者様は私に言ったのです。

あの鳥居を通るようにと・・・。

勇者様に言われるがまま恐る恐る鳥居に向かいました。

かつてここで起きた事を思い出し足が震えました。

大丈夫という勇者様の声に励まされながらゆっくりと前にでます。

鳥居を通り過ぎましたが何も起きません。

更に前へ出ますが何も起きる気配はなく私は何事もなくあの大きな鳥居を通ることができました。

後ろを振り返ると勇者様が嬉しそうにほほ笑んでいました。

しかし、私にとっては喜びよりも驚きの方が大きくどうすればいいのか分かりませんでした。

もうずっと出られないと思っていました。

そして諦めていました。

勇者様は私に近づくと呪いは消えた、君はこれで自由だと言ってくれました。

そこでやっと私に喜びがこみあげてきました。

私は色々な感情を込めた最後のお礼のキスをしました。

私と勇者様は鳥居を超えて仲間の方が集まる休憩所へとやって来ました。

それは久しぶりの仲間達の顔でした。

でも、迎えるのは私ではなく私の身体になった新しい勇者様の方でした。

かつては背中を預け合いましたが今は他人として扱われています。

勿論誰も私と巫女様が入れ替わった事に気付いていません。

皆勇者様の力が上がった事を喜んでいました。

私はそれを少し寂しく思いながらも勇者様と仲間の方達に別れを告げました。

境内に戻る際にもう一度だけ勇者様の方を見ました。

そして笑顔でお辞儀をしながら見送ったのです。

それ以降私は彼らと二度と会うことはありませんでした。



勇者様が立ち去りあれから大きく変わりました。

私が真面目に巫女として振舞うというのが周囲からすると一番変わったようです。

私からすると以前と同じように振舞っているだけでした。

でも記憶を辿ると以前の私は今よりも巫女の活動に消極的だったようです。

以前の彼女は半ば諦めるように巫女をしていたようでした。

ですが、あの日から私は見違える程精力的に頑張りました。

参拝者の数が少しずつ増え皆満足して帰っていきました。

私を目当てに参拝してくる方も多くなりました。

彼らの表向きの目的は冒険者の力を儀式で高める為でした。

そして麓の村や少し離れた大きな街の人達は大喜びでした。

立ち寄る人が増えたことにより周辺は賑わうようになっていたのです。

宿や店は参拝者の数が増えたことで繁盛しました。

境内は以前に比べて豪華に装飾され建物も新しくなりました。

そこまでに続く道も新しくされて今では以前程苦労することなく辿りつけるようになりました。

すると周辺が賑わうのに合わせて私の着ているこの巫女服もどんどん派手になっていきました。

もはや巫女服というより踊り子の衣装と言った方が正しいでしょう。

それについては色々な意見はありますが少なくとも参拝者の方々、特に男性の冒険者は喜んでくれました。

表向き私は嫌々それを身に着けていました。

案内を終えて文化や歴史を語り終えると私の最後の舞いを披露することになります。

男性の参拝者が私の踊りや身体に釘付けになっているのが手に取るように分かりました。

儀式の舞が終わると疲れで座り込んでしまいました。

見てくれた参拝者の方々に振り向きながら笑顔を向けるのが精いっぱいでしたがいつも皆それで満足してくれたように私に賞賛の声を送ってくれました。

参拝者を案内する時はこの時間が一番好きでした。




この舞いを見た方々はその後元気になったり力が伸びたと言われ今でも多くの方が見に来られます。

正直な所以前の勇者様にしたような儀式は呪いが解かれたことによりできなくなってしまいました。

ですが、勇者様の活躍が大きくなるにつれて私の儀式が注目を浴びるようになったのです。

そして参拝者がいなくなり私一人になりました。

片付けを終わらせて食事を食べ終えました。

自分で言うのも恥ずかしいですが美味しい料理ができて満足です。

欲を言えばお肉がもう少し欲しいですがそれは贅沢だと自分に言い聞かせました。

そして、疲れを取る為にここの自慢の露天風呂へと入ります。

温かいお湯が全身を包み込んでくれました。

疲れがどんどん消えていきます。

幸せな時間をかみしめました。

そしてお風呂から上がり自室へと戻りました。

月の明かりがぼんやりと部屋を照らしています。

私は鏡の前に立ち巫女服を脱ぎ捨てます。

そして自分の大きな胸を揉み股間に指を入れました。

私の喘ぎ声が夜の静かな部屋に響きます。

自分で言うのも恥ずかしいですがとても可愛い声でした。

もっと気持ちよく、もっとその声を聞くために手を動かしました。

その間いつも頭に浮かぶのは勇者様との一夜でした。

そして勇者様を呼びながら私は今日も一日を終えるのでした。




もうこの身体も生活も手放したくありません。

自由に世界を旅する事に憧れはしたもののそれはあの新しい勇者様に託しました。

だから呪いから解放された今もここにいます。

そして巫女としての私に課された新しい使命を全うしています。

それに私は日増しにこの生活が気に入っていました。

最初は旅をした事や仲間達のこと、自分の昔の身体が懐かしくなりました。

ですが今の私は別の幸せな生活を手に入れました。

今日も参拝者の方々がやって来て忙しくなりそうです。

これが今の私なのです、そして呪われた巫女という名はかつてのものになりました。

今はこう呼ばれています。

幸福の巫女と。




























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