余瀝と蒸発
   作:徒野


#1.Camera obscura

――
トタッ......トタッ......トタッ......

 水音が鳴って、何処か暗い処で篠田は目を醒ました。
何か硬質な床を打っているらしい水滴は、何だか不規則な、揺らぐような調子で鈍い単音を吐いて同じ固さをもった壁と天井とに共鳴すると、寸分遅れて金属質な残響を立ているのだった。

「…………?

 ところで、醒めかけのまだ回らぬ頭を抱えて暫く押し黙っていた篠田はゆっくりと首を旋回させたが、暗黒の中ではなにも見えず、さながら視線だけが空回りするようだった。
また立ち上がってみようにも、首より下の軀の各部は何か椅子様のものに確りと戒められていて、さらには何か絹裂きのようなもので口枷までしてあるのだった。

 つまりは唯ひたすらに沈黙して闇と対峙している他無い状況で――また実際篠田はそうしていたのだが――するとそのうちに水音は何か紛れるように、溶けゆくようにゆっくりと意識の内に沈んで、代わりに何か奇妙な感覚がその揺らぎの影の如くにうち上がってくるようであった。
 それは只自らという者が思考その物になってしまったような、或はまた自分という意識だけがこの闇の中にぽっかりと浮かんでいるような感覚であった。

(この儘俺は狂ってしまわないかしら。この暗黒の中に浮かんでいるこの俺というもの……)

 ふとそんな危惧が頭蓋の内を廻って、篠田は何ともいえない心持ちになった。
そんな時であった。

――
ふむ、気がついたかな?

 冷気に当てられて軽く嗄れたような、低く歪んだ男の声が、不意に沸き上がったように後ろから囁いた。篠田の椅子がガタンと揺れた。


#2.Spook house

――
はっは、この程度で驚いてもらっては困るな。
何たって君は、これからもっと驚くことになるんだからな。

 何かうかされたような、上ずった口調でそう威し付けた男の声は、次に足早でコツコツと歩き始めた。
闇の中で音と気配だけが早足に旋廻するので、篠田はぐるぐる獲物の様子を窺う捕食者を連想した。

――
ところで、君もまた生や存在の謎というものを考えて居らずにはいられない時期というものがあったのではないかな?
ところが社会に出て生活の中に暮らすうちに何時しかそんな命題は風化してしまうか、或いは何か答えらしいものを捻り出してはそれで概ねやっていけるからと何時しかすっかり考えなくなってしまう、それで解決したわけでもないのに!
……
おお、そんな顔をしないでくれ。生物という生物がその発端から分化していく他にその姿には成り得なかったように、君の疑問と現状とにたどり着くには私の思考の道筋を手繰り辿る、一種迂遠にも思える退屈な解説が必要なのだからな。

 男の声には益々力が籠もるようで、それにつられて廻る足音もそのテンポを早めていた。
変わらない水音の反響だけが拍子計のようにそこに交わり、論理に刻みを付けていくように思われた。

――
闇の中で考えていると段々と不思議な感覚に成るものだ。不眠を患った俺はこういった闇の中でよく考え込んだ。
 自らさえも見えぬ深く、暗い闇の中で息を殺して考えていると段々と自らの軀というものが消失したように感ぜられて、その代わりに自らを意識する意識という奇妙なものが感ぜられるようになってくる。俺が思うにそれは、思惟その物だ。我々の純粋な精神そのものなのだ。
……
だが次の瞬間不意に何か、風や、着衣の裾といったものが自らの皮膚をなぜると、途端にその感覚の内に軀を意識する。
おお、その度に俺は苛立ったものだ!この僅か0.2+2.0mmの構造を乗り越える事すら叶わない。考えれば考えるほどに、身体という枠の中で意識だけが充満してゆく……

 そこまで言い切ると殆ど同時に、足音は椅子の後ろでカッと鳴って止まった。
踵と踵とを打ち付ける勢いで急激に静止したらしい男は次に指でゆっくりと、戒められている篠田のうなじから背骨のラインをなぞりながら低く耳元に囁き込んだ。

――
もしも自分という枠をこえて、他人のソレを体験することができたら?
或いは身体という『枠』を捨てて精神のみのものに成れたら?
 そうだ、この皮膚とは自らの『方枠』に他ならない。方枠の内に有る限りその固有な形、固有な幅、固有な傾向からは逃れ得ない。客観などあり得ない。ちょっ!常に同一の枠の内に有る限り。ましてや、純粋な思惟の形態には程遠い!

 囁き込んでいた男の声は、次第に調伏でもするかのような口調に立ち上がり強く言い切った。
そうして、背骨をなぜていた指をふっと放すと其の儘暫く化石したように押し黙っていた。
するといつの間にか意識から遠ざかっていた水音は再び立ち上がって、話を聞いていた篠田のどこか暗いところを軽くノックする様に、揺さぶる様に思われた。
 どれくらい経ったか、男は疲れとも自嘲するとも取れない曖昧な溜息を吐いて、ゆっくりと、抑え気味に話し始めた。

――
幾たびの夜と共に反復したものさ。不眠と共に、興奮と苛立ちを引き連れて。
何時も、何夜も、同じところで立ち止まる。当たり前だ!答えは出ているのだから。
方程式は解かれてしまった。運動は停止した。絶望と諦観!……昼と夜の二文字は之に等しかった。
苛立ちに沸き立った俺の精神はまた炎が揺らめいては舐める様に繰り返し繰り返し身体の端という端を確認しては焦燥し、炙られた毛穴から噴出した脂汗の重さをシャツに感じてはまた、その言い知れぬ不快と重さとに絶望した。
 俺は精神とは電燈の光のようなものだと思っている。
電燈とその光とは全くイクオールでは繋ぎえない――おお、正にその字形の由来の様に!――だが電灯失くしてまた光もあり得ない。『ひかりはたもち その電燈は失はれ』そのような手段を見つけなければならない。

 またそこで間を取る様に少し男が黙って初めて、篠田はいつの間にか聞き入っていた自分を自覚し、頗る驚嘆した。
縛られていると知った時の苛立ちはいつの間にか消え、続きを期待するような気になっていることにも気が付いた。

 思えば自分にも自己というものが大きな課題だった時期があって、それは消え去ったわけで無く何か実現性や将来性といった問題にすり替わっただけかも知れなかった。
然しそれはよく考えてみればこの男の様に、瞬時に消失する仮想点を追い続けているだけに他ならないのかもしれないとも思い始めていた。
 男の声は大きく息を吸い込むと、滑らかに立ち上がって次第に大きな速度を発揮する連結された歯車でもあるかのように、少しずつ、しかし力強く話し始めた。


#3.Dona nobis pacem.

――
ある日。そう、あれはある酷暑の日の昼だった。
あまりの暑さに耐えかねた俺は炎天、家の外に飛び出しては路地から路地を早足に飛びまわった。
 ところでその途中妙な男に行き会ったのだ。そいつは殆ど店の者も使わないようなビルと飲食店との間の狭く薄暗い路地に一人蹲っていたっけ……。
使い込んだ白衣から伸びた強張った手に幾つかの樹脂の薬品容器を持っていて、中には緑や白や黒や……ともかく色とりどりのゲルとも液体ともつかない一種奇妙な物が格納されていた。
 俺はそいつに声をかけた。人嫌いな俺は、だからこそ余計に円滑に人付き合いをする術を身に着けていて――つまりはそいつはものの5分も経たない内に一寸困ったような、安心したような笑みを浮かべながら俯いて俺の横に座って、一緒のベンチで話し始めていたという訳だ。

 男の声は背からふいと離れると、今度はゆっくりと、もったいぶったような調子で先ほどとは逆方向に旋廻し始めた。

――
そいつの話は奇妙な物だった。会社員かつ研究職という立場で、それに加えて人間関係でも摩耗しているらしいそいつは、その事を強固な循環として俺に繰り返し繰り返し説いて聞かせたが、俺は忍耐強くそれを受け止めておいて同情すると、それとなくを装って未だ固く握りしめている乳白色の薬品容器の事を問いただした。
 するとそいつは長いこと躊躇ってから『人間を入れ替えたり乗っ取ったりする事の出来る飲料だ』と答え、自分もその研究に関わっている事、容器の中の物は失敗作で、危険であるから廃棄予定・持ち出し禁止の物である事、上司にむしゃくしゃして腹いせに持ち出したが何となく急に恐ろしくなって、如何した物か持て余している事を、僅かに震えながら小声に告白したのだ。
 
 パンッと俄かに銃声のような音が差し込まれて篠田は身を竦ませたが、どうやらそれは男が興奮の余り手を打ち合わせた音のようであった。
壁と床と打ち合っては反響し合いながら、暗い虚空を伝わっていく音を尻目に、男は楽しそうに続けた。

――
ここ迄聞き続けて来た君ならば、その時の俺の狂乱も解ってくれるだろう!
実際ベンチから飛びあがって喜びたいぐらいな俺は、しかしそれをそれと知られない程度に僅かに口角の隅の隅に押しとどめておいて、そいつの旧友のような何気ない、気の置けない調子で言ってやったのさ
『ならば、俺が預かってやろうか』と。
おお、そいつの百面相と言ったら分かりやすいばかりで、目まぐるしく変わる様子は街頭の回転広告を思わせた。
 まず雷に打たれた様にびくりとし、軽くほほを緩ませ、次にハッとすると少し疑うような目で此方を見つめて言い淀んだ。
『しかし、これは危険なものだし……。』
 俺は軽い調子で笑いかけながらこう言った。
『大丈夫だって。冷蔵庫にでも入れとけばいいんだろう?ウチの冷蔵庫の扉には寂しいもので牛乳とブルドックソースしか入っちゃいない』
『それに俺には君が付いてるじゃないか、その辺に捨てるよりはよっぽどか安全だ。その代わり、時々ちょっとだけ遊んでもいいか?君の研究成果を試してみたいんだ』
 奴は相変わらず俯いていたが、少し嬉しそうに、恥ずかしそうにはにかみながら、俺に容器を渡してきた。
 ふむ、嘘はついていない。多少大げさだったがそいつには少し俺に似た境遇があって、俺はそいつをすっかり気に入ってしまったんだからな。

 男の話の後半は殆ど篠田の耳には入らなかった。
膨らみ続ける悪い予感が、口枷から漏れる乱れた、何時もより浅く高い息遣いに裏付けされているように思われた。而して、その予感は的中した。

――
おお、おお、長いおしゃべりに辟易したかな?
画して演者は整った。幕開けと行こうじゃないか!

 いつの間にかまた後ろにいたらしい男がサッと口枷を引っ張ると僅かに衣擦れの音を立てながら結び目が後ろで解かれ、するとそれが何がしかの合図でもあったのか、バムッという軋みを伴った遮光板の重い響きと共に眩いばかりの、白く輝く一条の光線が目の前に差し込まれた。
 一瞬眩しさに背を捻った篠田が次に見たものは、目の前に置かれた猫脚風の小机とその上に置かれた黒色の小壜、さらにその奥に自立する銀縁の姿見とそこに写る1人の女の姿であった。
鏡の中に男の姿は既に無く、光線の範囲を避ける様に闇の中に飛び退いたようで、役目を終えた口枷だけが椅子の後ろ脚近くの床にへにゃりとなって落下しているのだった。


#4.Terra merita.

 少なくない混乱が篠田を襲った。混乱した精神と姿との同調を図る様に、或いはその混乱を表出したように、軀を拘束の中で頻りに揺すったり、首を捻ったり、あるいは頗る飛び跳ねてみたりもしてみたが、むしろ灰色のニットに包まれた胸部の揺動や、肌に触れあう切り揃えられた長髪、スカートの中で無遠慮に触れ合う内腿といった物が、余計に混乱と当惑を増幅するようだった。

「これはどういうことだ!」

 そう叫んだ声でさえ最早聴きなれない、ひどく高く細いものだったが、何とか平生を保つように篠田は勤めた。

――
どういう事だと?君の前に置かれている『黒のゼリージュース』の効果さ。
おお、Jelly juice――素晴らしき膠朧体!不完全な、廃棄予定の未完成品ですらこの効果だ。
此奴が世に広まれば、実際素敵な分配だと思わないか?そうだろう?

 また上擦ってきた男の声を意識の端に押しのけて置きながら、勤めて冷静になろうと、篠田はぼんやりと小机の上を眺めた。
よく見ると小壜には色が付いてる訳では無く、実際その中身が余りにも黒色であるのと、壜の硝子の薄さ故に見間違えたようだった。
 ふと、降り注ぐ強い光の中から小壜と鏡と2つの顔が見返していることに気付いて、篠田は何だか妙な心持になった。
それは実際奇妙な交錯であった。自己で無くなった所の自分……或いはそういった物が見返してきたのかもしれなかった。
 篠田はゆっくりと、もう一方を戒めるような鹿爪らしい調子で投げかけた。

「それで、何のために……?」

――
何のために?そうだな。実際俺も困った事に君をどうするべきか扱いあぐねて居るのだ。
 ふむ、何たってあんまり苛烈な方向付けは、その実手段が目標となってしまうようなところが多分にしてあって、つまりはそこに置いて達成されている君は最早たいして重要ではないのだよ。
 つまりは興味の対象として解体しつくされてしまうか、或いは標本箱の中に陳列されるぐらいにしか役割が残って居ないという訳だ。そして俺は、人間を標本にしておく術はちょっと持ち合わせていない。

「俺を……バラバラ死体にでもするつもりか!」

 不意に激情がほとばしって、篠田は我に返った。何だか感情の制御が効かないようで、押し留めた興奮は余計沸々と沸き立つようだった。

――
「俺」は戴けないな……兎も角そんな野蛮な事はしないさ。
 ところで『黒のゼリージュース』の効能は、人間を皮とゼリー化したその中身、つまりは肉体的ものと精神的ものとに変質せしめる事なのだが、俺がその「女」の皮に正に「死に体」となっていた君を注ぎ込んだ時――おお、それはまさに奇妙な作業だったぜ、大きな容器に漏斗をあてて君を流し込み終わったその時、皮の切込みを完全に閉じてしまうその前に、俺は君の中に秘かにある物を、全く悪戯に入れておいたのさ。
 実際君が違和感や不調を訴えていないところを見るに、俺のその全く素朴単純な、その場限りの思いつきの悪戯は半分成功しているようだ。

 「悪戯」が何であったかを聞く間もなく小さなカキッというスイッチの音が聞こえると、微細な振動が篠田の下腹の中と両胸から発せられた。
全く経験のない場所からの刺激に、何度目かも解らぬ困惑が襲った。

「っ!……これは?!」

 背筋の一瞬の反動と共に、一方の腕は何か回転伸縮する機構であるかのように自らの胸をその体ごと巻きつけてしまう様に抱え、またもう一方は下の震源を、突っ張った棒でもあるかの如くに上から押さえつけた。
隠蔽の内に抑えきれぬ延長を発散する、無自覚な恰好がそこにあったかも知れない。
瞬間の後に自らの客体に思い至った篠田は羞恥の内に睨め付けたまま、声のするような方向を見まわした。

――
はっは、予想はしていたがやはり滑稽なものだな。そうとも、それは所謂性具の一種、バイブレータだ。
膣の奥深くと、それから乳首にも裏側から入れさせてもらった。どんな感覚だ?器官の内側から直接、神経ごと揺らされるのは。
 それに女はある程度「そういった事」に慣れているものを選んだからな。生娘の様にただ痛いだけという事は無いだろうさ。

 実際、痛いだけだった振動はそのうちに、治りかけの頃の表皮のようなもどかしい痒さへと変わって乳頭を襲い、全身は衣擦れにすらも敏感になるようだった。
 何だかドキドキとして、先ほど押しとどめた興奮と、それとはまた違う興奮とが綯交ぜになるようで何が何だか分からなくなって、意識は次第にぼんやりとしてきた。

「あ……ああ……あっ……」

 先ほどから妙な声が漏れて、少し開いていた口から粘体が垂れたが、もはやどうでもよかった。
 次第に強くなる振動と骨盤とが共鳴し合って、尾骶の辺りから背骨にかけて妙な電気が走った。
 陰茎の根元と感ずるよりももっと奥深い処から滾々と、快感と粘液が漏れて出た。

「くっ……ぁ……はっ……あ……ああ……」

 初動のどことも知れないカクン、カクン、とした痙攣が、密かに始まっていた。
 世界はぼんやりと白く曖昧で、視線とも取れない視線が白い光線と暗い虚空の間を彷徨った。
 快感を感じている頭蓋の頭頂は最早消失したような、強固にそこから吊られているような矛盾した感覚を伝えていた。

「いっ……あっ……やぁ……はっ……あ……ああ……ああああああ!」

 何か大きく撫でられるのにも似た快感の波が背面全体を駆け上がると、一瞬浮き上がるような感覚と共に篠田は絶頂した。
 軀躯は大きく仰け反って、縛めた布と拮抗した。世界が一瞬薄暗くなって、事物の輪郭だけが視界に白く焼き付いた。
 何か腹の方から熱いものが飛び出して光の中で飛び散ると、床とうち合ってトタタと音を立てた。

――
それが世界だ。

 肩で息を切っている篠田に、不意にそんな声が投げかけられた。

――
ああしかし、君は随分と飛び散らせてしまったな

 それきり男の声はしなくなったが、未だ茫洋としている篠田の頭は言葉の意味を解さなかった。
心地よい疲労感と幸福感の中に感覚は次第に消えていくようで、やがて水音だけが薄れゆく意識の中に打ち上って来るようだった。

――
トタッ......トタッ......トタッ......



余瀝と蒸発 了





#.
後書・あるいは過剰書き

ごあいさつ
・初めましての人は初めまして。初めてじゃない人はいないはず。徒野です
・まずはTS解体新書20周年おめでとうございます!
・またこのような拙作を掲載頂いたtoshi9さんに厚く御礼申し上げます

作品小話
・元々この作品は私が中学生か高校生の初め辺りに構想し、
途中まで書いて中断していたものを「第2回入替モノ祭り」に投稿しようとしたが書き終わらず放棄し、
今回の20周年企画の開催を見て何とか限り限り書き終えた中々難産な小説です(所々に作風の微妙な変化が見られます……)
・さらにはお恥ずかしながら長らく病気をしておりまして、文を書かない期間が長くあったために改行や字下げの位置が怪しいです
・こんな私の作ですから、笑って読んでいただけると幸いです(枯れ木も山のなんとやら?)

・この作品は元々は、私の好きな文学作家たちのテーゼのようなモノを茫洋とかき集めて、これまた私の好きなTSFと何とか融合できないかと試みたものです
・故にあちこちにオマージュやら何やらがごたごたに頭をのぞかせて素晴らしい事になってます(書いてると頭も素晴らしいことになってきます)
・また伏線が片付けられない部屋の中のようにあっちにこっちにとっ散らかってますが、回収する日が来るのかは不明です
・どうかお許しください

・ゼリージュースを登場させるにあたって、その観念性を打ち出したいと思った私は、既存の人物、既存のストーリーとは絶縁されたところで物語を象出させたかったのですが、さしあたっての問題はそんな僻地にどうしてゼリージュースが出現したのかでした
・どうした物かと考えるうちにリイエさんの「TSショップ・山本の日常シリーズ」の『俺以外にもゼリージュースを持ち出す奴がいる』という記述を思い出したので最終的にそれを盛り込み解決しました
・リイエさん、勝手に設定お借りしまして申し訳ありません。感謝、感謝です
・また、K27さんの「海賊版ゼリージュース」やその他にもあれやこれや……ともかく今まで読ませていただいた作品の要素も、私の中で消化されて少しずつ盛り込まれています
・そういった意味では若干古典回帰な短編かも知れませんね

おわりに
今なお新世代の作家さん達を受け入れ、共に前進し続けるtoshi9さんの努力の上、TS解体新書は存在し続けています。
「いつもそこにある」事こそはどれだけ大変な事だか知れません。私たちがまた生きていく事のように。
これまで出会えた作家さんと凡ての作品に感謝を。そしてこれからのtoshi9さんとTS解体新書の更なる飛躍を願って、この文を結びます。












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