スペシャル対談 toshi9・いるこ〜20年前に想いを馳せて〜

  作:いるこ&toshi9





い:こんにちは。toshi9さん今日はよろしくお願いします。まずは20周年おめでとうございます!

t :ありがとうございます! 20年経ってみると早いなと思いますが、でもスタート当初の頃を思い出すとほんとに懐かしいですね。

い:TS解体新書さんの20年がなければ生まれなかった作家さんもたくさんいらっしゃると思います。私もおそらくその一人なので。

t :そう言われると気恥ずかしいです。自分では意識することはなかったんですが、この20年の間に触発された方がいるんだなって最近になって気づかされました。最初は小さな個人サイトのひとつに過ぎなかったTS解体新書にそこまで影響力があったとは驚きでした。
そうそう、昨年末のコミケはお疲れ様でした。年末年始は帰省しなかったのでお台場に行って、いるこさんのブースにも立ち寄れないかなって思っていたんですが、結局何かと忙しく、31日に家を空けるのは無理でした。次にまた行ける機会があればなって思いますがどうなんでしょう。

い:コミケのこと気にかけていただけただけでうれしいです。年末は忙しいですからね。
実際、私も今回が最初で最後かなと思っているところです(^^;)

t :いるこさんもいろいろな事前準備、会場設営から販売、撤収と大変だったと思います。でもいろんな方と生で出会えたのは貴重な体験だったのではないでしょうか。私が主にコミケに行ってたのは2002年~2005年頃でしたけどその頃に生で出会った方たちとは今でも見えない絆を感じます。

い:toshi9さんがコミケに参加されていた頃は、愛に死すさんが最初の夢幻館を作られていた頃くらいでしょうか。当時、愛に死すさんがたくさんの人を集めて夢幻館を作ろうと奮闘されている様子を見ていて、そのときに私がコミケで同人誌を出すことに強く憧れたのを覚えています。先日の冬コミへの参加は約20年ごしに叶えた私の夢ですね(笑)

t :愛に死すさんの同人誌「夢幻館」懐かしいですね。私も愛に死すさんから依頼されて当時3作品を執筆しました。
Vol.2「叶えられた願い(挿絵:かきふらいさん)」
Vol.3「コ・コ・ロ・ガ・ケ(挿絵:サイファーさん)」
Vol.4「トラップ(挿絵なし)」

い:あー、どの作品も懐かしいです。叶えられた願い好きでした!

t :ありがとうございます! 「叶えられた願い」は私もお気に入りの作品のひとつなんですよ。

い:かきふらいさんやサイファーさんも懐かしいです。かきふらいさんがTSFサイト立ち上げられたのもちょうどそのくらいでしたね。

t :そうですね。2003年8月に「海の幸定食」をオープンされて、あのかわいいイラストが好きで「海の幸定食」にもしょっちゅう行ってました。コミケではお会いできなかったんですが、イラストをいただいたりメールのやりとりも結構させていただいたんですよね。

い:私も当時仲良くしていただきました。冗談に乗ってくれる優しいお兄さんのイメージでしたね。おえちゃで描いていただいた私の似顔絵(キャラ絵)は宝物です(自慢)

t :似顔絵ですか、羨ましいですね。私もいただいたというか、お絵描き掲示板で「白い闇の中で」の1シーンを描いてもらったのが初めてでしたけど、それから掲示板に載せられたレースクイーンさんの絵を同じ「白い闇の中で」の続きで挿絵に使いたいっておねだりして、その後TS解体新書の扉絵まで描いていただいて、ほんとに嬉しかったですよ。

い:ところで、あの当時の同人誌と言えばあと「入れかえ魂」でしょうか?

t :一番最初に同人誌に作品が掲載されたのはミグさんから「入れかえ魂Vol.2」の執筆に穴が開いたのでピンチヒッターをお願いできないかと依頼された時でした。HPの「入れかえ魂」に「ボディスナッチャー(ピンク)」投稿してからミグさんとも親しくなったんですが、依頼は締め切りまで確か一ヶ月強くらいしか時間がなかった気がします。その中である程度のボリュームを出すのに短い章立てで構成する工夫をして、ミグさんから挿絵依頼をしていただいた白樹さんにイラストを描いていただいてできたのが「虹の彼方に」でした。それからは、「入れかえ魂」と「夢幻館」交互に依頼されて執筆していたんですよ。

い:そうだったんですね。
私の中でtoshi9さんは特にいろんな方と仲のいいイメージがありますが。

t :最初は勇気が要りましたが、小説やイラストの感想の書き込みやメールをしているうちに多くの方と知り合いになりました。お祭り企画を始めてからさらに増えたような気がします。自分で書くのは変身モノが得意かなと思っていますが、読むのは変身・憑依・入れ替わり・皮モノ・脳移植、変装とどれも好きですので語り合えます。Tiraさんは今でも良き友人ですが、デビューはTiraさんのほうが先。私が感想を思い切って書いたのが交流の始まりだったかな。その後Tiraさんとは●●駅の喫茶店でお会いしたり、愛に死すさんの自宅に遊びに行ったり、コミケ後のオフ会にも参加したり、ある年はよしおかさんやsatoさん、あさぎりさん、HIROさんたちとオフ会やって皆にリアルゼリージュースを配ったりと、あの頃の方とは会う機会が何度もあって、私の活動も充実していました。楽しい思い出ですね。

い:すごく懐かしい方たちが次々に。皆さんのサイトを更新がないかわくわくしながら巡回していた記憶がいっきに蘇りました(笑)私は当時オフでの交流ができなかったので、交流の思い出と言えばまさやんさんやあさぎりさんたちのお絵描き掲示板でした。みかん飴さんやZipperさん、ピロチさんがよく投稿されてましたね。あと交流と言えば、お絵描きチャットやメッセンジャーでしょうか。今でもそのとき保存させていただいたイラスト眺めて懐かしむことがあります。

t :私も当時のイラストや小説をたくさんパソコンに保存していますよ。まさやんさんや紅珠さん、あさぎりさん、この市場さん、SKNさんたちが作ったお絵描き掲示板に日々入り浸ってましたけど、自分でイラストを描くことができないので、羨ましく見てました。でも感想を書き込みしているうちに徐々に知り合いが増えて、かきふらいさんみたいにイラストや挿絵をいただく機会も増えていったような。始めて挿絵をいただいたのはサイファーさんでしたけど、その作品は今回の企画で期間限定公開する予定です。

い:それは楽しみです!
なんかいろいろ話していたら当時の方々を集めた合同誌とか出せたら面白いのかも?って思いました。同窓会みたいな感じで(笑)
  今回の20周年企画、いつものお祭りみたいに作品募集されるんですね。

t :ツィッターとか見ていて皆さん3月は忙しい時期だと思うので、やらないほうが良いかなとかも昨年は考えていたのですが、年が変わってから考えが変わりました。せっかくの20周年目の節目だし、最低自分の書き溜めた作品だけでも公開できればいいかなと思い、10周年企画の時のようなお祭りよりも小規模な企画として実施してみることにしました。でも告知してみると、今回も締め切りぎりぎりまでたくさんの方からエントリーしていただき、素敵な作品をいただきました。ありがたいことです。

い:改めて、20年もの長い間、サイトを継続・更新するって大変なことだと思うと同時にとてもすごいことだと思っていますよ。「継続」ってそれだけの情熱がないと難しいことだと思うので。そしてその情熱の上にあるTS解体新書さんだからこそ影響を受けた人は多いと思いますよ。(みんなTS解体新書チルドレンですね(笑))。今回参加された方もそのいった方が多いのではないでしょうか?

t :そう言ってもらえると、とっても嬉しいです。お祭り企画はもうできないと思いますが、TS界を盛り上げるお祭りの力をたくさんの方が感じておられて、私がやめた後でも引き継いでやりたいとい実施された企画が、先日終了した「入替モノ祭りinTSFes」でした。作品を書き始めた皆さんにはこれからいろんな作品を作っていろんな場に参加してもらいたいものです。投稿を迷うくらいならまずメールを送って1歩を踏み出す。お祭りって皆さんが気軽に投稿しやすい場所であればと思っていましたが、自分で思った以上に評価されていたようで嬉しいですね。

い:今日お話し聞いていて、企画に参加したり人に感想を書いたりと、一歩踏み出すことが自分の世界を広げることになるってことを強く感じた気がします。
最後になりましたが、TS解体新書20周年企画への思いをお願いします。

t :20周年という区切りに、感謝の気持ちと、これまでの振り返りを込めて開催します。新規の方にはTS作品のたくさんの楽しさを、昔から来ていただいた方には少しばかりの懐かしさも感じられると良いなと思います。いただいた作品には私も唸る力作がたくさんありました。まだまだ多くの作品を掲載しますので是非感想をツィートしていただけると嬉しいです。

い:20周年企画、これからの作品も楽しみです!!toshi9さん本日はありがとうございました。


(本対談は、toshi9さんといるこのメールのやりとりを再編纂したものになります)










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