代行屋 桐原初美編 act3

    作:Howling




その後も、拓人は初美の代行を務め続けた。

アクションをこなし、何よりストライダーに携われる喜びは間違いなかった。

ただし、代行が終わってからは、確実に店に戻って皮を脱ぐようにした。

あの快楽に呑まれるのは罪悪感もあって恐ろしくも感じたからだ。



そうしている内に、初美の怪我が無事直ったとの連絡が入った。
名残惜しい気もしたが、それ以上に、初美へしっかりとバトンタッチできることが誇らしかった。
それだけの仕事はこなしたという自負があったからだ。

仕事を終えた後、千春からの指示で、初美のアパートに向かうことになった。
どうやら、仕事の引き継ぎと直接のお礼が言いたいとのことらしい。
仕事の引き継ぎと言うことで、可能な限り今までの動きを収めた映像データをもらった。

ただ、初美からのリクエストで"初美"の姿で行くようにとのことだった。
何故かは分からなかったが、考えないことにした。

皮の記憶に従って初美のアパートに赴く。インターホンを鳴らす。

扉が開くと、当然初美が出迎えてくれた。

「いらっしゃい。どうぞ」

「し、失礼します・・・」

促されるまま、"初美"は部屋に入った。

部屋の中で、初美と"初美"は向かい合う。

「このたびは本当に、ほんっとうにありがとうございました!」

開口一番、初美は一礼して謝辞を述べた。

「あ、いえいえこちらこそ本当に楽しかったです。憧れ、でしたから・・・」

"初美"は率直な思いを初美に伝えた。

「怪我はもう・・・・」

「ええ、助かったわ。おかげさまでいつでも動けるわ。」

初美は怪我していた脚を出して見せた。

綺麗に治っていた。

「良かったです。」

「それで、今までのアクションについて見せてくれる?」

「あ、はい。これです、ちゃんともらってきましたよ。」

"初美"は言われていた映像データの入ったSDカードを出した。

初美のパソコンに、これまでのアクション映像を映し出す。

「ここの動きが・・・」

"初美"は、映像に合わせて説明をしていく。
今まで拓人自身が知らなかったような専門用語も、すらすらと口に出てくる。
皮をまとって"初美"となっている恩恵だろうか。
拓人は"初美"として説明を続けた。



「・・・・と、こんなところです。」

「ありがとう、本当に助かったわ。
 ねえ、自分自身に敬語を使われるのはなんだか不思議だわ。
 タメ口で話してくれる?」

初美に言われ、"初美"は一瞬戸惑った。

「え?・・・ええ・・・分かった、わ。」

「ありがと。」

そこからはお互いの身の上話などで盛り上がった。

アクションの話。特撮番組の話。
他愛ない話が続いた・・・・

「これ見てよ。」

そう言って、初美は"初美"にあるものを見せる。
アルバムのようだった。

開いてみると・・・・

「うわあ・・・・すごい。」

そこには、初美の写真が多数載っていた。
スタント時の写真やポージングをとった写真など
たくさんあった。

"初美"は写真に見とれる。

初美が"初美"に近づく。

「ねえ・・・・」

耳元で声を掛けられ、"初美"は驚いた。

振り向くと、至近距離に初美の顔があった。

間近で見つめられて"初美"は戸惑った。
その様子にお構いなしに初美は"初美"に触れる。

「それにしてもすごい・・・こんなに近くで見ても見分けがつかないわ。
 中身が別人だなんて思えない。」

初美は、"初美"の頬を摘まんで引っ張ってみた。

「痛っ・・・!」

"初美"は突然のことに痛がった。

「あらごめんなさい。すごい、本当に皮膚そのものになってるんだ・・・・」

初美は、どうやら自分を模した"皮"に興味津々なようだ。

「そうなの。企業秘密みたいなんだけど・・・」

この頃には、拓人自身"初美"として女言葉を使うのに抵抗はなくなっていた。

「ふ〜ん・・・・」

初美はにんまりと笑みを浮かべながら目を細めた。

「え、初美さん・・・・?」

"初美"が戸惑う。次の瞬間、

「!?」

初美が突然"初美"に飛びかかった。
押し倒す形になる。

「ちょ、ちょっと・・・・!?」

「はぁ・・・・恥じらってる私も新鮮・・・・」

普段の凜々しい雰囲気から一転、上気した表情を浮かべる初美。

「・・・我慢できない・・・・」

「え、何・・・うむぅ!?」

"初美"はそれ以上言葉を出すことができなかった。

初美が、口を塞ぐように無理矢理キスしてきたからだった。

突然のことに反応できず、そのキスを受け入れてしまう。

唇の内側で舌が絡まる。

初美同士の舌が艶めかしく・・・・

「んんっ・・・・んはぁ・・・」
「んっ、んんっ、んん・・・・」

初美は積極的に激しいキスをしていく。


一方の"初美"はただただ戸惑う。
今は女性の姿といえど、その内側は異性経験など皆無なただの学生なのだ。

「はぁ・・・・自分とキスするのって、こんな感じなんだ・・・・」

初美はうっとりした表情を浮かべている。
目に理性はなかった。

「ちょ、ちょっと・・・・え!?」

初美は、再び"初美"の至近距離に顔を寄せる。

「ねえ・・・・せっかくだし、ちょっとイイコト、してみない?」

「イイコト・・・・???」

「そう、女同士の・・・・ううん、自分同士のセックス・・・」

「ええ!?」

「私になってたなら分かるでしょ?
 私ね、実は性欲強くてオナニー大好きなの。夜とか興奮・・・しなかった?」

「うっ・・・!?」


図星だった。初仕事の日のことが脳裏をよぎる。


「ふふふ・・・そうでしょう?だったら遠慮はいらないわ。
 だって"私"同士だもの・・・・・
 それに、自分同士のエッチって、究極のオナニーじゃないかしら?
 あぁ・・・・ゾクゾクしちゃう・・・・」



初美は再度覆い被さってキスをし始めた。

ぎゅっと抱きしめられる。

初美の身体から発する匂い、そして柔らかでいて引き締まった身体の感触。


それらに揉まれて、意識して避けていた"初美"の理性も、限界を迎えていた。

抵抗するために強ばらせていた身体の力を抜き、"初美"は逆に抱きしめ返した。
初美の舌の動きに合わせて、一層激しく自らの舌を絡み合わせた。

初美同士の情熱的なキス。互いに汗ばみ、息も荒くなる。

「んむっ、んっ、んっ、んっ・・・・」
「んぅ・・・むはぅ・・・うぅ・・・ああっっ・・・・・」

き、気持ちいい・・・・女性同士のキスがこんなに気持ちいいものだなんて・・・・・

"初美"は思った。

一方の初美も、心底気持ちよさそうな表情をしながら唇を離した。

唾液の糸が2人を繋ぐ。

「もっと・・・・親密になりましょう・・・」

初美はそう言って服を乱雑に脱ぎ捨てた。
ショーツ、ブラと脱ぎ捨て、生まれたままの姿をさらす。

「さ・・・」

初美は"初美"の服も脱がせていく。

「んっ・・・・」

とっさに身構えてしまう。

「躊躇わなくていいじゃない・・・・」

初美は"初美"の首筋を舐めながら再び脱がせにかかる。

「ひっ!!!」
"初美"は舌の感触に思わずびっくりする。

「ほら・・・」

促されるままに、"初美"も服を脱いだ。
一糸まとわぬ姿になる。

「ふ〜ん・・・こうして客観的に自分の身体を観るのもいいわね。」

初美は"初美"の身体を、自らとうり二つな身体をじっくりと観察する。
触れてその感触を愉しむといった様子だ。

「筋肉の付き方が我ながらいいわねぇ〜。」

上半身から下半身に至るまで"初美"の身体を隅々まで触っていく初美。

「んっ・・・・ああ・・・・・」

されるがままになる"初美"。

下腹部がじゅん・・・と濡れているのが触らずとも分かってきた。

そのまま初美は、"初美"の胸に手を伸ばす。

「はぁん・・・・」

"初美"は吐息を漏らす。
手触りが的確に急所を捉えていて、快楽が響き渡っていく。

「ふふふふ・・・・ぷくっと膨らんで可愛い・・・」

そのまま初美は"初美"の膨らんだ乳首に吸い付く。
吸い上げ、舌でなぞっていく。

「あああっっ!!!あんっ・・・・あん・・・・・んんんっっ!」

舌遣いに悶絶する"初美"。
前に一度自分で弄ってしまったとき以上にとにかく気持ちよかった。

「だ・・・だめ・・・・おかしく・・・なっちゃう・・・!!!」

「ふふふっ、その身体は私の身体よ。どうすれば気持ちいいかなんて分かるわ。
 もっとヨガって・・・・もっといやらしくなっていいのよ・・・・」

初美は"初美"の耳に舌を入れて舐め回す。

「ひゃううっ!!」

"初美"は悲鳴を上げた。くちゅくちゅと響く音。
脳内をかき回されるような衝撃を体感する。

さらに指を秘部に差し込む。

すでに中は相当濡れていた。

「ひゃうっ!!!ひゃんっっっっ!!!ああああっっっっ!!!!」

"初美"は全身を震わせる。
内側から全身を貫くような刺激が襲いかかる。
その快楽は、以前よりさらに的確に急所をついてきていた。

「だ・・・だめ・・・・」

"初美"は内側からこみ上げる何かを感じていた。
その勢いは激しさを増していく。止めようがなかった。

そして・・・・


「いっっ・・・・・・イクっ!!!!!!」

"初美"は全身をぴくぴく震わせて天を仰ぎ、絶頂した。

愛液を床にぶちまけ、へたり込む。

「はぁ・・・・・はぁ・・・・はぁ・・・・」

"初美"は、肩で息をしている状態だった。

「す・・・・すごい・・・・こんなの・・・・」

そう呟く"初美"を、初美が満足そうに見つめる。

愛液で濡れそぼった自分の指を美味しそうに啜った。

「う〜ん・・・美味しいわぁ・・・・それにしても、本当に気持ちよさそう・・・・」

そう言うと、初美は"初美"に背中を向け、お尻を突き出した。

「ねえ、私にもして・・・・」

お尻をくねらせ、"初美"を誘う。

「な・め・て」

「・・・!?」

イッたばかりで頭がうまく回らない。

理性が麻痺しきっていた。

「はやくぅ〜・・・・・」

なおもお尻をくねらせ誘ってくる初美。

"初美"は、ゆらゆらと近づいて、初美の、同じ身体つきの女性の秘部を広げ、そこに顔を突っ込んだ。

「あああああっっっっ!!!す、すごい・・・・・・・キモチイイ・・・・!!!!」

初美は天を仰ぎ喘ぐ。
舌をだらしなく伸ばし、身体をビクビク震わせながら快感を堪能する。

一方の"初美"も、舌を突き出してとめどなく溢れる初美の愛液を貪る。
くちゅくちゅと艶めかしい音が響く。無意識に初美のお尻に添えた手に力が入る。
柔らかなお尻の感触もまた格別だった。
刺激するたびに、"初美"の顔じゅうに初美の愛液がかかっていく。

「ふぁぅっ!!い、いいよぉ・・・!!!私の舌が私のアソコを・・・もっと舐めて・・・・ああああっっっっ!!!!」

初美が激しく喘ぐ。お返しとばかりに初美も振り返って"初美"の秘部に舌を這わせる。

「ふむぅぅっ!?んむっ!?んっ、んっ・・・・・!!!」
「んっ、んっ・・・・・!!!」

互いの秘部を舐め合う。同じ姿の女同士で秘部を舐め合うという現実離れした展開が、互いをより一層興奮させた。

(んっっ!?私の愛液美味しぃ・・・・・!!!!!)
(す、すごい・・・・女同士で舐め合うのって・・・・こんなに・・・あああああああっっっ!!!)

2人はそれぞれ興奮の度合いを高めていき、そして・・・・

((〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!))

ほぼ同じタイミングで絶頂した。

2人とも、ぎゅっと太腿に力が入り、互いの頭を圧迫する。

2人の顔中を、濃厚な愛液の匂いや適度に筋肉のついた太腿の感触が満たしていく。

しばらくして力が抜けたのか、太腿を緩めその場でへたり込む。


「ふぅ・・・・すごい・・・こんなの気持ちよすぎるわ・・・・」


心底気持ちよさそうに言ってから、初美は腰を上げて一度"初美"から離れた。

振り向くと、その場にへたり込んでいるもう1人の自分がいる。

目の焦点が合っていない爛れた表情。その様子が、初美をより一層興奮させた。


「ここまできたら・・・・行き着くところまでいきましょうよ・・・・」

初美は、ぐったりしていた"初美"に覆い被さり、互いの脚を絡ませ合った。

脚を擦り合せ、しなやかな筋肉の感触を味わう。
そして、互いに濡れた秘部同士を擦り合った!!!!!

「ああ!!!!!あああああ・・・・!!!!!」

目を見開いて喘ぐ"初美"。

それも無理はない、未体験の"女同士のセックス"を自らの身体でもって体験しているのだから。

「あっ、あっ、あっっ・・・・・すごぃ・・・・自分のアソコ同士擦り合わせるのって・・・キモチイイ!!!!」

初美は幸せを噛みしめながら声を張り上げる。

「ねえ凄いでしょ!!自分同士のセックスなんてそうそうできないことだわ。
 言葉にならないのね!?それくらいキモチイイのね!!!いいわ、イッて!
 私同士のセックス、きんもちいぃぃいぃいぃぃいぃぃぃ!!!!!!」

初美は声を上げながら、腰をグラインドさせ続けた。

(ふあっ!!こ、こんなの・・・・もう・・・・なにも・・・かんがえられひゃい・・・・ 
きもひよすひて・・・・あらま・・・まっひろ・・・・・いいいい・・・!!!!)

一方の"初美"は、言葉にならないほど、快楽に打ち震えている。
そして・・・・・

「イイっっっっ!!!!イクっっっっっっ!!!!!
 イク、イク・・・自分同士のセックスで、イッちゃうううううううううううううんんんん!!!!!!」


初美は、今までになく声を張り上げ、何度目とも分からない絶頂を迎えた。

「あ・・・ああああ・・・・ああ・・・・・あああああああ・・・・・」

一方の"初美"も、口をぱくぱくさせて、絶頂の余韻に浸っている。
完全に痙攣している様子だった。

そんな"初美"を慈しむように、初美が抱きしめた。

「ねえ、これからもときどき代理をお願いしてもいいかしら・・・・・ 
 こんなの素敵すぎて・・・・・もっと・・・・もっとしたい・・・・
 こんなに気持ちよさそうにしてる"私"を間近で見れるなんて・・・・
 素敵・・・・素敵よ・・・・」

初美は、痙攣して目の焦点が合っていない"初美"にささやきかける。
それは、"初美"にとっては抗いがたい、快楽の渦に招く甘美な響きだ。
それを"初美"は、薄れる意識の中耳にしていた・・・・・・・・・



それから数ヶ月後、
「覆面ストライダーエクリプスツヴァイ」は無事に放送開始を迎えた。

前作までの人気も幸いし、新ストライダーであるフレイアもファンに快く受け入れられた。
特にアクトレスの動きも評判を集め、この後初美にスタントの仕事が増えるのだった。

しかし、多くの人は知らない。
初美には人知れず彼女の代行を務める者がいること、
そして初美とその代行者が淫靡な世界に耽溺していることを・・・・


「おおんっっ!!!い、いいっっ!!!」

初美が、自室で"初美"を犯していた。
初美の下腹部には、肌色のディルドがつけられており、
それで"初美"を貫いていた。
初美の内側にも常に入っている状態で、初美は
自分を犯す疑似セックスを堪能していたのだ。

「ああんっっ!!!自分を犯すのって・・・・いい!いいわ!!!」
一方の"初美"は、それに応えるように腰を振り、快楽に喘ぐ。

「あああんんっっ!!もっと、もっと突いてぇ!!!」

あれからというもの、拓人はしばしば初美の代行として彼女の皮を着ていた。
その度に二人きりでのレズプレイに興じていた。

いつしかそれが楽しみにすらなってしまっていた。
もちろん、ストライダーへの熱意は微塵も落ちていない。
時折本放送の映像を二人で鑑賞するほどに親密だ。

"初美"として彼女のスーツアクトレスを務め、ときには性欲発散のはけ口にもなる。

実際の役者とスーツアクトレスの関係みたいだな・・・と、"初美"は一瞬思いながら、

"初美"は快楽に喘ぐのだった・・・・・・・















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