トイレのエッチな花子さん 作: BAL 「ねぇねぇ、知ってる? ウチの学校にもでるらしいよ、トイレの花子さん。」 梅雨の時期が続き、ようやく夏が近づいてきたある日。 それは、何気ない昼休みの食後に幼馴染の由佳が切り出した話題だった。 「はぁ、なんだそれ?」 「トイレの花子さんだよ、トイレの花子さん!」 「いや、お前この歳になって本気か?」 「本気だよ! だって見たって人いるんだもん!!」 由佳は怒ったように頬を膨らませる。 高校にもなってさすがに幼稚な話題に頭を抱える。 しかし、その話を聞いたクラスメイトの雄太が楽しそうに話題に加わってきた。 「俺も聞いたぜ、なんかとってもエッロいやつなんだろ!」 「エロ?」 「えぇー! 私、花子さんが出るとしか、知らなかった!」 由佳が驚いたように声を上げる。 「あぁ、3階の使われてない女子トイレに女の幽霊がいるらしいぞ。」 「ありふれた怪談話だな・・・。」 俺は呆れたように溜息をつく。 「いや、違うんだって、なんでもその幽霊は男にしか見えなくて、しかも見つけるや否や襲ってくるらしいぞ、性的な意味で!」 「はぁ!?」 雄太の言葉に由佳が顔を赤くする。 「しかも、その幽霊から逃げたやつはこう言ったんだよ・・・。」 由佳がごくりと喉を鳴らす。 「クラスメイトに襲われたって・・・。」 俺はこぶしを振り上げると雄太に軽くゲンコツをした。 「いってぇ! なにするんだよ!!」 「幽霊でもなんでもねぇよ、それ痴女だよ!!」 「だって、その娘に聞いても知らないっていってるぞ!!」 「そりゃ、ばれたら退学だからだろ!!」 まったく、とんだ怪談話だな・・・。 「おかしいなぁ‥。その娘すごくおとなしい子って話なのに・・・。」 うんうんと唸る雄太に俺はあきれてしまった。 「そもそも、なんで女子トイレに男子が入るんだよ。 そもそもがおかしいだろ。」 「あ・・・そりゃ、そうか。」 雄太は納得したように話すと、興味をなくしたのか他のクラスメイトと教室を出て行ってしまった。 まったく、とんだ時間の無駄だったな・・・。 俺は由佳に同意を求めようと振り向くと彼女は興味津々でこちらを見ていた。 「ねぇねぇ、 確認してみようよ!!」 「はぁ・・・?」 「だって、気になるし、夏だもん、ちょっとした肝試しだと思ってさ!」 「はぁ・・・お前、あんな馬鹿話信じるのかよ・・・。」 「あ~・・・そんなこと言って実は怖いんでしょー?」 「・・・なに?」 「ほんと昔から怖がりだよねぇ~・・・たしか、小学校低学年まで夜一人で・・・」 「わかった、わかった、付き合うからそれ以上はやめてくれ」 まったく、これだから幼馴染は厄介だな。 「にひ~ そういうところが好きー!」 由佳の笑顔に俺は肩をすくめた。 まぁ、一度ちょっと付き合えば満足するだろう・・・。 俺は、由佳の笑顔にドキリとしながら、午後の授業の準備に取り掛かるのだった。 ーそして放課後になり、夏のじめっとした空気が教室を包み込む時間。 黄昏時の3階廊下、トイレの前に俺と由佳は立っていた。 「本当にいくのか?」 「もちろん!」 「だって、ここ女子トイレだぞ?」 「大丈夫、放課後でだれもいないし私がいるもん!」 それは一体どこから来る自信なのだろうか。 俺は肩をすくめると俺は先行して女子トイレに入ることにした。 「あー! 女子トイレはいったー!!」 由佳のおちゃらけた声を無視して俺は先行する。 面倒事はさっさと終わらせるに限る。 俺が女子トイレに入るとそこには・・・ 「なにも・・・ないねぇ?」 後ろから続く由佳の声に頷く 「そうだな・・・。」 そこはなんら他と変わりないごく普通の女子トイレ。 まぁ、そんな痴女がいたとしても反応には困ってしまったと思うが。 「ひと通り確認したら帰るぞ」 「はぁーい・・・。」 由佳がつまらなそうに同意する。 ひとつ、またひとつと確認するもなにもなく。 ついには一番奥、最後の扉に手をやった。 「ん・・・?」 その最後の扉に手をやるも開く気配はなかった 鍵は閉まっていないようだが 「きっと壊れてるんだよ、ここ普段あんまり使わないから、はぁー・・・残念!」 由佳がつまらなそうに踵を返した。 「よーし、それじゃあ昇降口まで競争ね! 」 「はぁ!? ちょっ! まてよ!?」 言うや否や彼女はダッシュでトイレから抜ける。 こういうのは言った人には勝てない。 俺は頭を掻きながらゆっくりとトイレを抜けようとする その時ー。 ーーーギィ・・・。 後ろから耳障りな音が聞こえた ゆっくりと振り返ると、そこには 先程まで開かなかった扉がゆっくりと開く。 なんだ? 俺はその扉が気になり近づいていく。 その扉に手をやり、中を覗き込む。 ーがしっ! その時、俺の体を冷たい何かが掴み、物凄いチカラで中に引きずり込む。 ちらりと見えたのは細い腕だった。 気がついた時には、俺はトイレに座らされていた。 そして、正面には・・・。 「はぁ・・・はぁ・・・」 頬を真っ赤に染めて、肩で息をする女子生徒が立っていた。 その女子生徒の目は据わって、獲物を狙うかのような瞳だった。 そして、服ははだけていて、ほぼ服の意味を成さなかった。 (こ、こいつが、例の痴女か!? まさか本当にいたなんて!? ) 「はぁ・・・はぁ・・・や、やっと男きたぁ♡おとこぉ・・・!」 (こ、この!) 俺は必死に逃げようとするも、体が言うことを聞かない (な、なんで動けないんだ!?) 「はぁ・・・はぁ・・・♡」 ーカチャカチャ・・・ 俺が動けないことをいいことにそいつは俺のベルトに触れガチャガチャと外そうとしていた (や、やばい・・・それだけは駄目だ!) しかし、俺の抵抗もむなしく、女子生徒は手慣れたようにベルトを外し、ついにはズボン、パンツまで下ろしてしまった。 男性器が外気にふれピクリと跳ねる。 「はぁ~ん♡・・・このむわっとする・・・男臭いのが欲しかったぉ・・・♡」 その女子生徒はクンクンと俺の男性器の匂いを嗅ぎ始める。 自分の体が思うように動かないのに、なぜか俺の男性器は興奮するかのようにそそり立っていた。 「ふふっ・・・こんなに上を向いて・・・かわいい♡」 彼女の小さな口がくぱぁと開かれるとついに、俺の男性器は彼女の口に収まってしまう。 (くっ・・・うぁ・・・!) 男性器に彼女の唇が振れた瞬間、俺の意識が軽く飛びそうになる。 「んっ・・・れろ・・・ちゅっ、ちゅぼ・・・あぶ・・・・ちゅ・・・っ!」 彼女の口はまるで小さな掃除機のように俺の男性器を締め付ける。 カリ部分に触れるたび、腰が浮きそうな刺激が俺を襲う。 「んん・・ずずッ、じゅるる・・・んっぐ・・ぐぐ・・・ズズーーーーッ!!」 彼女の攻めに俺の男性器はパンパンに腫れあがる。 (や、やばい・・・もう、限界かもしれない・・・っ!) 爆発するほどの快感に頭が狂う。 しかし、普段だとあるはずの発射感がない・・・。 俺の股間はすっかり限界なのに射精をすることはなかった。 「ふふっ・・・まだぁ・・・だぁめ~♡」 彼女はそう言うと俺の男性器から口を離し、俺の腰へと跨った。 (くっ・・・も、もしかして・・・!) この状況は、本当にマズイ・・・危険だ! 「ふふっ・・・・はぁー♡・・それじゃあ、いただきまーっす・・・♡」 グチュッ、と股間の 方から音がする、そしてその音を聞いてしまった瞬間。 俺の股間から全身にかけてビクビクと痙攣をする。 (ぐっ・・・ぐあぁあああ!!!) かつてない快感に脳がしびれる。 ゆっくり、ゆっくりとズンズン沈む腰、そのたびにくらくらと頭がおかしくなる。 彼女の股間はすっかり大洪水だった。 腰の動きも滑らかで、リズミカルな刺激がさらに股間を熱くさせる。 「ふふっ あん・・・かわいい・・・キスしちゃおーかな♡」 (くそ・・・どうしたら、いいんだ・・・!?) 無理やり犯される感覚に抗おうと歯を食いしばる。 しかし、俺は腰をゆっくりと動かす彼女の顔が近づいてくると気が付いてしまった。 (美百合・・・先輩!?) そこにいたのは、この学校の生徒会長である 干場 美百合だった。 曲がったことが嫌いで、不純異性交遊なんてもってのほか。 そんな真っすぐな彼女に憧れ、俺は落選はしたが生徒会に立候補したほどだ。 彼女の淫らな顔など見たことがなかった俺は、ここにいる雌と先輩が一致しなかった。 そんな彼女の顔が触れたら、俺はもう駄目だった。 (くっ!うぁ、ああああああああああ、で、でるぅーーーー!!!!!) ーびゅ、びゅるうううううううううーーーー!!! 「はぁ、ああっ♡ でてるーーー!! 熱い精液が私のなかにーーーー!!!」 今まで感じたことのない達成感に脳がくらくらする。 それと同時に意識が保てないほどの脱力感を感じた。 「ふふふっ・・・あなたの体・・・頂くわね・・・♡」 遠くなる意識の中、先輩の煽情的な声を聞くとついには視界が真っ暗になった。 ーーーん・・・ここは、どこだ。 俺はくらくらする頭を振り目を覚ます。その時頭の上から声が聞こえてきた。 「くく・・・お前の体、実に動きやすいな・・・!」 その声は聞きなれない男の声だった。 ふと、視線を上げると、そこにいたのは 「なっ・・・お、俺!?」 いつも鏡で見る姿が勝手に動き、にやにやと笑っていた。 「お前のおかげで俺は自由になれたぜ・・・ありがとよ。」 「いったい、なんのこと・・・ん!?」 俺は自分の声に驚く、聞きなれない甲高い声。 ふと、視線を下げるとそこにはさらけ出した大きな乳房が2つ並んでいた。 ーな、なんだこれは!? 俺は慌ててトイレに置かれている鏡を確認する、そこには・・・。 「美百合・・・先輩?」 鏡に映っていたのは驚いた顔をした、全裸の美百合先輩だった。 「くく・・・お似合いだぜ、”生徒会長さん”よ・・・ははっ!」 俺の顔で笑うそいつに俺はにらみつける。 「お前・・・美百合先輩じゃないな・・・だれだ!」 「くく・・・その体の持ち主なら今頃普通に生活してるんじゃないか?」 「はぁ・・・なんだそれ?」 「お前は・・・偽物なんだよ、その女の・・・。」 一体どういうことだ・・・? 俺の顔で悪そうに笑うそいつはいう。 「お前は・・・噂の幽霊、”トイレの花子さん”になったんだよ・・・そいつには実体がなくてな、本能的に男の体を求めるんだよ、このトイレに入った女の姿になってな・・・その生徒会長の姿だって、噂の幽霊とやらは誰かの悪戯だと思ってきたんだろうよ・・・まさか自分の体がコピーされてるともしらないで・・・くくっ」 「くっ・・・俺の体を返せ!!」 「へへっ・・・嫌なこった、一度体を奪ったやつとはセックスしても入れ替わらねぇぞ、せいぜい興味を持った男子生徒が来るのを待つんだな・・・」 「あ~!いたー!!」 その時、なかなか俺が来ないことに不審に思った由佳がもどってきた。 「由佳!!」 「あん?・・・だれだこいつ?」 「由佳、そいつは俺じゃない!逃げろ!!」 俺は懸命に美百合先輩の声で叫ぶ、しかし・・・。 「もう、外暗くなってきたよ、帰ろうよ~」 由佳はにっこりと笑う。俺にではなく、そいつに・・・。 その時俺は雄太との話を思い出した。 『いや、違うんだって、なんでもその幽霊は男にしか見えなくて、しかも見つけるや否や襲ってくるらしいぞ、性的な意味で!』 ー由佳には、俺が見えてない・・・。 そのことに俺は絶望する。 そいつは俺を一蹴し、にやりと笑うと 「よし、帰るか・・・由佳」 俺の姿をしたそいつは由佳の肩を抱き寄せる。 「あぁ・・ぁあ・・・・あぁああーーーーーゆ、由佳ああああああああ!!!」 「・・・・せいぜい頑張るんだな・・・(にや)」 「ん・・・なにか、言った?」 「いや、な~んにも・・・」 手を伸ばすも、俺の足はトイレから出た二人の元へ行くことはできなかった。 地縛霊のようにこのトイレから出られないようだ。 俺は由佳の楽しそうな顔が遠ざかるのを見ているしかできず。 俺以外だれもいなくなったトイレで叫び続けるのであった。 |