小日向美穂の浸食~スライム憑依、そして…~
 作:ちた右衛門


都内某所のビル内スタジオ。
その控室に一人の少女が入ってきた。
少女の名前は小日向美穂。大手プロダクションで現在人気上昇中のアイドルである。
今日はグラビア撮影の為にこのスタジオでの撮影が主な仕事となっており、ちょうど今頃に休憩時間となっていた。
撮影用に着用している濃紺のオフショルダーセーターは普段よりも大人びた印象を持たせ、ブラウンのチェックスカートから伸びる黒いストッキングがそれをより際立たせた。
「……ふぅっ」
と少し息をつくと美穂は部屋のソファに腰掛ける。
「少しだけなら、いいよね」
彼女はそう独り言ちると、ソファに横になった。
今日の仕事の緊張感から昨日からよく眠れず、一時的な緊張感からの解放からか強い睡魔に襲われた彼女は、そのまま眠りへと入る……はずだった。
べちょり、と顔に何かが付いたような気がした。
少し冷たい、しかし水というにはどろりとした軽い不快感を覚えるような感触。
重くなってきた瞼を開け、美穂は顔に付いた何かを拭き取ろうとした。
が、すぐにその手も止まってしまった。
 彼女の目の前には、形容しがたい『何か』がいた。
半透明の、まるで水ような何かが塊になっており、時折波打つように表面が蠢いている様は「生きている」と思わせてくる。まるで巨大なスライム、とでもいえば良いのだろうか。
しかし、当然常識的にはあり得ないモノだ。そして『それ』はまるでこちらを見つめるように静かに佇んでいる。美穂は今自分が目にしている存在が夢に出てきているもので、これらは夢なのではないかとさえ感じていた。
刹那、その『何か』が動き出し身体から無数の触手を生やして美穂の身体へと巻き付けた。
「きゃ、いやぁっ……!んぐっ!?」
思わず悲鳴をあげる美穂だが、直後に触手の一つが美穂の口の中へと入り込んだ。
強い不快感と嘔吐感を覚えるが、さらに目の前の『スライム』はその身体を広げるように変形させて美穂へと覆いかぶさった。
(嫌……!なにこれ……!?夢じゃないの!?)
先ほどまでの眠気など既に消え去っていた。彼女はどうにかして抜け出そうと抵抗を試みるが、手足を絡めとっていた触手ごと包み込まれたスライムの中では多少指を動かせる程度で、身体の自由はすでに奪われていた。
口の中に入っていった触手は尚も口の中を突き進んでいき、強い嘔吐感も半ば無理やり押し込められたスライムの侵入によって出る先を失い、気持ち悪さだけが美穂の喉元を巡り続ける。
すでに美穂の顔は涙や鼻水や涎でぐしゃぐしゃになっており、アイドルらしからぬ酷い様相となっていたが、それもスライムに包まれ外から確認する事すらままならない。
自分の置かれた状況の一切がわからないまま拷問の様な時が続くと思われていたが、スライムの動きに新たな変化があった。
先ずは上半身を包み込んでいたスライムが衣服の中へと侵入していき、ブラジャーの隙間から入り込んだスライムが乳房を弄び始めた。
更に今度は下半身…ストッキングの中へもスライムは侵入していき、ショーツをぐい、と引っ張るような感覚が感じられた。
(……えっ!?ま、まさか…や、やだぁっ!!)
今も尚感じる不快感すらも振り切る程の悪寒を覚えた美穂は力を振り絞り抵抗しようとするが、それも虚しくスライムの体内に作られた新たな触手は美穂の秘部とアナルへと侵入しようとし始めていた。
(嫌ぁッ!入ってこないで…っ!んんっ…!!い、イヤ…!)
下腹部を圧迫される感覚。アナルから侵入した方はすでにどんどん上へと侵入しているようで、全身に何か詰め物を無理やり押し込まれるかのような感覚が続き、美穂の精神は更に追い詰められていく。
対する秘部から侵入した方はまるでその中身を吟味するかのようにゆっくりと舐めるようにじわじわと侵入しており、そこからくるわずかな快感が逆に彼女の不安を煽るかのようだった。
乳房に侵入したスライムはまるで吸い付くように乳首を責め、また周囲もブラジャー越しに、もしくは中から形を自在に変えながら弄び続けている。
(んっ…あっ、やっ…)
満足に呼吸もできない状態ではあるが、執拗な責めに苦しいながらも身体を走る快感を感じ始めていく。徐々に秘部にも愛液が溢れ始めており、その入口で今か今かと待ち構えていたスライムも遂に動き始める。愛液をその身に吸収しつつ、秘部の更に奥へ。そしてその前には美穂の処女膜が待ち構える。
(お願い、それ以上はもう入ってこないで……!)
そう願う彼女の祈りをあざ笑うかのように触手は彼女の処女膜をいとも簡単に破り突き進んでいく。
膜を破られた痛みも最早これまでの苦しみの一部でしかなく、彼女は処女をこの化物に奪われてしまったという悲しみに嘆くことさえ許されてはいないのだ。
ここまでにゅるりとした粘液上の触手であったが、秘部へと侵入していったスライムはその表面をいくつものヒダを出現させたものへと変化させる。そのヒダは彼女の膣内を撫でまわし、かき回し子宮の中をも弄りまわした。
(ひゃぁぁ…っ!?)
ここまで痛みや苦しみが体中を巡っていた美穂にとってその瞬間はまさに衝撃。脳天を貫くような快感がほど走り、一瞬先ほどまでの苦しみが嘘のような感覚に陥っていた。
それはたった一度膣を撫でられただけだというのに乳首は固くそそり立ち、秘部はヒクヒクと痙攣しながらも愛液を洪水の如く溢れさせるほどだ。
(あっ……あっ、そこぉ……!気持ち……いい……はぅん!)
触手はさらにもうひと撫でする。膣壁と触手のヒダ同士が互いを求めあうように絡み合う。ビクリと身体がスライムの中で跳ねると、更に身体は「それ」を求めようとよがり始める。
ここまでの苦しみからか美穂の精神はとうに限界を迎え、触手が与える快感へと逃げようとしていた。
更にもうひと撫で。身体はもはや触手を求めようとしており、膣の中もまるで「逃がさない」とばかりにぎゅうと触手を締め付ける。
(ぇへ…もっと…もっとぉ…!)
先ほどまでの苦悶に満ちていた顔立ちはゆるみ、快楽に支配された至福の表情へと変わっていた。常軌を逸した快楽により『小日向美穂』という人格は破壊され、『小日向美穂だったもの』がそこにいた。
スライムは最後の仕上げへと取り掛かる。
ずりゅ、とこれまで全身を包んでいたスライムが急激に口や秘部、尻へと集中して動き始め、中へと入り込もうとする。
同時に『美穂』を形成していた身体が徐々に包まれていたスライムと同化し、溶けていく。
スライムは内側と外側、両方から美穂を吸収し取り込もうとしていたのだ。
しかし、快楽に壊れてしまった彼女に抵抗する意思はなかった。
彼女の脳内を快楽だけが支配し、それもいずれはスライムの中へと溶けていくだろう。
じゅぷ……じゅぷ…とスライムの中へと沈んでいく美穂。
すでに人の形は無く残ったのは彼女の着ていた衣服のみ。
ぼんやりとした胴体だった部分さえも溶け切るとまるで何もなかったかのように透き通ったスライムの身体だけが部屋に残る。
これで終わったのか。いや、ここからが始まりなのだ。
ごぼっ、と音を立ててスライムの身体が再び波打つと、淡い水色の身体は弾けて周囲に水溜まりを作り出す。
そして水溜まりがまるで意志を持つように渦を作り出すと、中心部へと集まっていく。
渦の中心は重力に逆らうように徐々に盛り上がり山となり、そして少しずつ人の形へと変わっていく。
頭が、首が、胴体が、腕が、手が、脚が、徐々に形成されていく。
ほっそりとした、それでいてしなやかな肉体。二つの双丘。黒いショートヘアにぴょんと跳ねたくせっ毛。
スライムの姿は先ほどの『小日向 美穂』と瓜二つになっていた。
違いがあるとするならば、現在の彼女は一糸まとわぬ姿であることくらいか。
『美穂』は手を握ったり開いたりを繰り返したり、軽く腕を回したり、脚を上げ下げしたりと身体の具合を確かめるような動きを行った後、口元を歪ませる。
「ククッ…完全に同化できたみたいだな」
口から零れたのは紛れもなく美穂の声。しかしその口調は男性のそれである。
掬い上げるように両手で乳房を持ち上げ、そのままやや乱暴に揉みしだく。
先ほどの快感の残滓か、すぐに乳首がビクリと立ち秘部もうっすらと濡れ始める。
「んんっ……感度もいい感じだ。さてと……」
『美穂』は満足そうに嗤うと、こめかみに右手の人差し指と中指を当て目を閉じた。
「……ふむ。プロデューサーは休憩時間中にはこちらに来る予定か……。それじゃあ、まずは『それらしく』しておくか」
と、足元に散らばった衣服を見ながら独り言ちる。それはまるで”小日向美穂の記憶を読み取っていた”かのようだ。
彼女は衣服を拾い集めると女性らしからぬ厭らしい笑みを浮かべる。
まず手に取ったのはショーツ。薄い水色で小さなリボンが付いたシンプルなもので、彼女に良く似合ったデザインだ。
クロッチ部分がうっすらと濡れているのはスライムの侵入の際のものだろう。
それをするりと足を通していく。ショーツはぴたりと違和感なく彼女を包んだ。
続いてストッキング。慣れた手つきで片足ずつ通していく。撮影中履き続けていたことと先の侵入時で体が火照った為だろうか、ほんのりと湿り気を持ったストッキングが足を包んでいく度に『美穂』のショーツはまた少し染みを広げたような気がした。
「エロい脚だよな……、むっちりって程じゃないがこの脚で扱いたらすぐにでもイっちまいそうだな。」
ストッキング越しの太ももを撫でると、スカートに手を伸ばした。
ホックを止め位置を調整し終え、靴を履くと、下半身はスライムに襲われる前と変わらぬ姿となっていた。
「んふふっ、身体をじっくり堪能するのもいいけど、こうして服を着こんでいくと『小日向 美穂』としての自分が出来上がっていくみたいでイイ感じだよなぁ……」
舌なめずりとすると、今度はブラジャーを手に取り身に着けていく。ショーツと同じ色とデザインのシンプルなブラをこれまた手慣れた手つきでホックを止めてストラップを肩へと通し、カップを胸の位置へと持っていく。
未だツンと張った乳首をブラのカップが包み込む。衣服を着る動作の一つ一つを行うごとにゾクゾクとした快感が頭を駆け巡るのは他人の身体を支配しているという実感があるからだ。こうした『日常的に行う動作』すらも見知らぬ存在に支配されるという、倒錯的な感覚を味わうこともスライムである『彼』の楽しみの一つでもあった。
最後にセーターを着こんでいくと、スライムに襲われる前と全く同じ姿の美穂となる。
ちょうど控室の壁に設置された鏡の中の美穂と目が合う。表情を変えれば鏡の中の彼女も同じ表情へと変わっていく。
彼女の全てを思うがままにできるという征服感。それがより興奮をかきたてる。
「おっと…今はあまりショーツを濡らすわけにもいかないか。お楽しみは後で…ね?」
ニヤニヤと男性じみた表情からいつもの美穂らしい柔らかな笑みを浮かべると、この後の『楽しみ』の為の準備を始めるのであった。


プロデューサーは現在、美穂の控室へと向かう最中であった。
多くのアイドルをプロデュースする彼は多忙であり、今日の訪問も美穂との打ち合わせと収録するスタッフへの挨拶も兼ねていた。
しかし、先にスタジオへと顔を出したところ「一部の機材の不調でもう少し遅れる」という答えが返ってきたのは彼にとっても予定外のことであった。
美穂に伝えなければならない内容が増えたな、と考えながらも彼女の控室へとたどり着く。
ドアに掛けられた「小日向 美穂 様」と書かれたプレートを確かめると、彼はドアをノックした。
ドアの向こうからは「はーい」と返事が聞こえ、直ぐに扉が開かれた。
「…あっ!お疲れ様ですっ、プロデューサーさん」
顔を見ると笑顔で出迎える美穂。プロデューサーも彼女の笑顔を見て安堵する。
人一倍恥ずかしがりやだった彼女だが、今はこうして一人で現場へと赴き撮影にも積極性を見せてくれている姿は彼にとってはとても嬉しいことだった。
「スタッフから伝言だよ。機材の調子が悪くて次の撮影にまだ時間がかかるみたいだ。」
「そうなんですか?」
「あぁ、だからスケジュールの調整や次の仕事の連絡もしようと思ってな」
「連絡だけなら携帯からでも良かったのに……」
「元々近場は通る予定だったんだ。それに、様子を見に来るのも俺の仕事さ」
「プロデューサーは心配性ですよ、もう……」
そう言いつつも美穂はどこか嬉しそうな表情をする。
「入口で立ち話というのも」と、すぐに部屋の中へと招き入れるとプロデューサーはそのまま部屋の中へと入っていった。
―しかし、ドアが閉まると同時に「カチャリ」と小さな音を立てて鍵がかけられたことにプロデューサーは気づかなかった。―
「えっと、スケジュールの確認ですよね?」
「そうだな。まずは…」
プロデューサーは手帳を取り出して次の伝えるべきスケジュールの確認をする。
ふと、次の言葉を待つ美穂の姿が目に映る。
撮影用の衣装なのだろう、普段の年相応の可愛らしい衣装ではなく大人びた印象を受ける服装に、不意にドキリとしてしまう。
「……どうかしましたか?」
美穂はそんなプロデューサーの様子に小首を傾げる。
「あぁ、いや……。その服、改めて見るととても似合ってるなって思ってさ」
すこし上ずった声でプロデューサーは答えた。キョトンとしていた美穂もすぐに顔を真っ赤にすると、
「そ、そんなこと無いですよっ。私なんてまだ……」
プロデューサーから顔を逸らす。
「いや、すごく似合ってる。美穂の新しい一面を見れた気がするよ。……きっとファンの皆もその魅力に気付いてくれるさ」
「……プロデューサーさん……」
恐らく本人は何気なく発したのかもしれない。だが、それが本心から出た言葉だというのは美穂にも直ぐに分かった。
『美穂』は思う。
(この言葉が彼女『自身』に届いたのなら、どれだけ彼女は喜んだのだろうな)と。
不意に美穂はプロデューサーへ両手を回し身体を密着させる。
「なっ!?み、美穂っ!?」
急に抱き着いてきたことに困惑を隠せないプロデューサー。
「ねぇ、プロデューサーさん……私を、抱いてくれませんか?」
「美穂、何を言って…」
「もう、我慢できなくなっちゃって……。私のココがプロデューサーさんのを欲しがってるんです……」
美穂は切なそうな表情をプロデューサーに向ける。片手は密着した二人の下腹部へと下ろされ、アピールするように撫でられる。
「……きっと疲れているんだよ。今日の仕事は止めにして少し休んだほうがいい。スタッフには俺から言っておくよ。」
しかし、プロデューサーはそんな美穂を自分から剥がすと、至極冷静にそう告げた。
「チッ……つまらねぇ奴だな」
突然、吐き捨てるように呟く『美穂』。
まるで別人の様な豹変にプロデューサーは言葉を失ってしまうが、関係なしとばかりに『美穂』はプロデューサーへと再び近寄ると、彼のネクタイをぐいと引っ張り
「アイドルと一発ヤれるってまたとない機会なのに、くだらねぇ事言ってんじゃねぇよ」
顔を近づけ、睨みつける表情は先程までの彼女と同一人物とは思えないほどに邪悪さに満ちていた。
「ぐぅっ……美穂……止めるんだ……っ!」
一体彼女の身体のどこにこれ程の力があるのか、首を締められる様な息苦しさにプロデューサーは顔を青白くしながらも、『美穂』の手を掴み懇願する。
「おっと、こいつは悪かったな」
表情を察すると『美穂』はプロデューサーのネクタイから手を離すと、そのまま突き飛ばす。
プロデューサーは床に倒され、起き上がろうとするとそのまま『美穂』に踏みつけられる。
「一体どうしたんだ!?美穂ッ!」
一連の彼女の異常な行動に戸惑いを隠せないものの、語気を荒げるプロデューサー。
その様子を嘲笑うかのように見ていた彼女だったが、急に口元を歪ませ大きく笑いだした。
「……ククク、アハハハハッ!いやぁ、良い顔だ。自分が手塩にかけて育てたアイドルに足蹴にされる気分はどうだ?ん?」
「美穂……!どうしてこんな……!」
「そうだなぁ、そろそろ種明かしでもしてやるか。」
そう言うと、ジュルリと美穂の耳から『何か』が這い出してきた。
まるで粘液の様な、しかしウネウネと意思を持つように動く『何か』はその先端をプロデューサーの方へと向ける。
「『オレ』がコイツの身体に入り込んだのさ…。今の『小日向 美穂』は俺の思い通りに動く人形も同然、ってことさ」
粘液のそれは男の声で言う。口も見当たらないがその声ははっきりとした声だ。
プロデューサーは目を見開く。まるで信じがたい光景だが、踏みつけられる僅かな痛みがこれを現実なのだと突き付ける。
「美穂を…返せ…!」
「ハハハ、定番の文句だな。そう言われてハイそうですかと返すと思うか?」
「プロデューサーさん、私は『ご主人様』に乗っ取られてとても幸せなんですよ?」
強く睨みつけるプロデューサーをよそに、美穂はいつもの調子で返すと耳から伸びた触手上の粘液を愛おしそうに撫でる。
「この身体の自由は全て『オレ』の下にあるんだ。……何が言いたいかわかるよな?」
「プロデューサーさんの返事ひとつで私、どんな事だってしちゃいますよ?。今から裸になってスタッフさんに挨拶に行ってきましょうか?……私、恥ずかしがり屋だったのにホントは露出狂の痴女だったんです!って言いながら…アハハッ!」
片手で触手を弄ぶように、時折その先端を艶めかしく舐め、片手は自身の胸を乱暴に揉みしだきながら美穂は他人事のように話す。
最初こそ彼女らしいはにかんだ笑顔を含んだ表情だが、徐々に醜悪さを秘めた顔へと変わっていく。
「……分かった。俺はアンタに従うよ……美穂を無事に返してくれるなら何だってやるよ」
相手の狂気を感じ取ったのであろう。今は従うしかないとプロデューサーは相手の要求に応えようとする。
状況こそ異常ではあるが、むしろプロデューサーに冷静さを取り戻させたとも言えよう。
「ふふっ、素直なプロデューサーさんは大好きですよ…それに」
一度踏みつけていた足を離した『美穂』はそのまま屈みこむとスーツのズボンへと手を伸ばす。
「コッチのほうはもっと素直みたいですねっ」
ズボン越しに『美穂』が優しくプロデューサーの股間を撫でるとビクリとその中にあるイチモツが反応する。
すでにそのふくらみははっきりと確認出来るほどだ。
「何だ、踏まれながらも興奮してたのか?」
耳から出したままの触手からも笑うような声が掛けられる。
抵抗させる間もなく、彼女はズボンのチャックを開けてパンツからモノを引っ張り出す。
男のシンボルともいえるソレは既に立派にそそり立っており、ビクビクと物欲しそうに震える。
「それじゃ、『私』を満足させてくださいねっ」
そう言うと『美穂』は靴を脱ぐとその足でプロデューサーのモノを踏みつける。
「うぁぁっ!?」
柔らかな足裏の感触、更に脱ぎたてのほんのりと汗で湿ったストッキングの感触が合わさり、モノはより硬さを増し足に絡みつこうとその頭を擦り付ける。
「あんっ、プロデューサーさんのおちん〇ん、凄く積極的…!まだ足でしてるだけなのに…。真面目そうに見えても、踏まれるの大好きな変態さんなんですねっ…」
更にぐりぐりと踏みつける。時折指先で亀頭を刺激したり、優しく足裏で撫で回す。
その度にモノは『美穂』の足の動きに合わせて脈動していた。
「自分の手塩にかけて育てたアイドルのストッキング足コキ、どうですか?イっちゃってもいいんですよ?」
「はぁっ…はあっ…!」
恐らく耐えようと堪えているのだろう、プロデューサーは与えられた快楽とは裏腹に苦悶の表情を浮かべる。
「もう、我慢は良くないですよ?……思いっきり出しちゃってください!……でないと……んんっ!」
少し不満そうにしていた『美穂』だが、突如耳から出ていた触手が伸び、彼女の服の中へと潜り込む。
「!?お、おい!何をしてるんだっ!?」
「あっ、『ご主人様』が私の胸に吸い付いてきて…!んっ、気持ちいい…!……イマイチそっちのノリが悪いからな、『俺』もこの身体でたのしませてもらうことにしたんだよ」
服の胸元は何か蠢くように形を変え、その度に『美穂』は艶めいた声を上げるが、唐突にニヤリといやらしい表情へと変わると足の動きをより激しくし、モノを責めたてる。
「くぁっ!?」
「大人しく自分に与えられた快感に素直になりな。こっちの身体なんてもうアソコはずぶ濡れだぜ?」
そう言いながらスカートをたくし上げると、ストッキング越しに濡れたショーツが姿を見せる。
「……プロデューサーさんが気持ちよくなってくれないと……あんっ、私もちゃんとイけないんです……こんなにおま〇こ切ないのに……」
恥じることなく隠語を平然と言いながらも、はにかんだ表情はまるでいつも通りの彼女のようだ。
しかし、この前戯も遂に終息の時を迎える。すでに彼のモノはあと一押しですぐにでも暴発しそうなほどであり、『美穂』も触手の執拗な胸への責めで秘部から溢れた愛液がストッキングをぐっしょりと濡らしていた。
「乳首吸われてっ、すっごく感じてる……!私、もうイっちゃいそうです…!プロデューサーさんも一緒にイきましょっ?拒否権はないですからね……っ?」
グイ、と強めに踏みつけた後に足指で亀頭を挟む。カリ首をギュッと絞めつけるような感覚と紅潮し普段は決して見せることなどないであろう妖艶な笑みを浮かべた『美穂』の表情に、プロデューサーのモノはひときわ大きく猛ると、その欲望を吐き出した。
二度、三度と我慢していた分を全て解き放とうとしたのか、その白濁とした精液は辺りを染め上げた。
「……ふふっ、私の足コキでこんなに出してくれたの、嬉しいです……!」
その笑顔はまるで一つの大きなステージを終えた時の様な穏やかなものであり、プロデューサーも一瞬『彼女』が戻ってきたのかとさえ錯覚させるほどのものだった。
『美穂』はストッキングを脱ぐと、その足先にべっとりとこびりついた精液を躊躇なく舐めとる。
「んっ…、プロデューサーさんの精液とってもおいしい……!」
更に床に散乱した精液も指で掬い舐めとる。先程の可愛らしい笑顔から一転し、男性を虜にしてしまうほどの妖しさを秘めた笑み。
これが舞台の演技の一環ならば彼女は女優としても大成できるだろう。そう思わせるほどに息をのむほどの艶めかしさ。
そのまま四つん這いの体勢でショーツや上着、ブラジャーを脱ぎつつ、猫のようにプロデューサーの元へと近づいていく。
「さ、プロデューサーさん。次は本番ですからね?たぁっぷり熱いのをココに下さいねっ!」
彼女は笑顔で下腹部を指さす。
「お、おい冗談だろ…!?そんなことしたら……!」
「もう、まだ言ってるんですか?プロデューサーさんには拒否権はないんですよ?」
美穂の手がプロデューサーのモノを掴む。そのまま軽く扱くと一挙にぶちまけて萎えていたモノは少しずつ活気を取り戻していく。
「うっ……!」
「『ご主人様』を満足させないと、私は一生このままなんですよ?……でも、この身体すっごく感じやすくて。もっともっと『俺』好みにしてやりたくなるんだよなぁ……!」
『美穂』だった表情や口調が徐々に男のものへと変わっていく。にやけた表情が恍惚に染まっていき、肉棒を扱きながら片手で美穂の身体を撫でまわす。
「……わかった……!けど、せめて一度きりにしてくれ……!」
悲痛な表情を浮かべるプロデューサー。自分の無力さを嘆きながらも今はできることをするしかない現状が彼の心を蝕んでいく。
「折角の私の『はじめて』なのに、そんな言い方するなんてプロデューサさんひどーい」
そんな彼の心中を嘲笑うかのように、拗ねた表情でからかう『美穂』。
勿論、本当の『はじめて』はこの男があまりにも惨く奪い去っていったが、それを知るのは今や彼だけだ。
「……でも、一度きりって言ったことを後悔させるくらい、快楽に溺れさせてあげますから」
手の中で再びその活力を取り戻したモノを確認すると、ゆっくりと『美穂』はそこへと腰を下ろしていく。
ずぶ、っと少しずつ秘部はモノを咥えていき、その度に先ほどのようにモノは脈動する。
やがて、ブツリと何かを突き破っていくような感覚がモノを通じて感じられた。
秘部からは鮮血が零れる。
「……あはっ、プロデューサーさんに『はじめて』あげちゃったぁっ……!」
心の底から嬉しそうな表情の『美穂』、対するプロデューサーは暗く思い表情だ。
……そう、その表情だ。と『彼』は歓喜する。
何者かも知れぬ男に身体を好きにされ、挙句『好きでもない』相手のモノで処女を散らされる…
その絶望感を与えるために。
わざわざ処女膜を『再現』して破らせた甲斐がある。同じく再現した痛みさえも寧ろ絶好のスパイスになっている。
「あぁっ、プロデューサーさんのおちん〇ん……すっごくイイ……!私のおま〇こと相性がとってもいいみたいですよっ……」
絡みつく膣壁がモノを刺激し、更に律動させていく。
『美穂』は少しずつ腰を動かしていく、その度に秘部からは愛液が零れ太ももやモノを伝っていく。
「はぁっ、はぁっ……!……プロデューサーさん、実は…私、プロデューサーさんのこと……ずっと好きだったの、気付いてましたか?」
「っ!?な、何を……?」
突然の告白にプロデューサーは驚きを隠せない。思わず上体を起こそうとするプロデューサーを押し倒すように顔を近づけると、『美穂』は囁くようにして続ける。
「はじめてのお仕事の時に緊張してる私を励ましてくれたこと、失敗ばかりでくじけそうな時に優しい言葉で励ましてくれたこと、最初のライブステージが成功した時、誰よりも喜んでくれたこと…。そんな私の中の大切な思い出がそのままプロデューサーさんへの想いになってるんですよ?」
腰のストロークをゆったりと行いながら『美穂』は普段のはにかんだ笑顔を見せる。それは本来彼女が心の底にしまい込んでいた感情。
(決して表に出しちゃいけない。今の私は、アイドルだから)
そう心に決めて今までずっと頑張ってきた。例えどこかで吐き出してもきっと叶わないのだと、どこかで割り切ろうとして。
そんな彼女の想いすら踏みにじって、『美穂』は全てをプロデューサーへと曝け出す。
「良かったですよね?プロデューサーさん、きっと『美穂の好きでもない相手に初めてを奪わせてしまった』って思ってたんでしょ?
ホントは好きで好きで堪らない。そんな相手に捧げられたんだから本望なんですよ…っ!だって……んんっ!身体がこんなに悦んでいるん……だからぁっ!」
少しずつ腰の振りを激しくする『美穂』。既に血を洗い流すかのような勢いで愛液が溢れ出し水音が肌をぶつけ合うたびに響く。
「うぅ……美穂、美穂ッ!」
歪んだ形であれ想いを受け取ってしまったからか、それとも全てが壊されて精神が逃避しようとしたのか。
プロデューサーは美穂の名前を呼び続ける。それが決して届くことが無いとしても。
「プロデューサーさん、来てっ……!私の中に沢山出して……っ!」
一際膣内がギュッと引き締まるような感覚、それに応えるようにモノは一気に精液を放出する。
ドロリと濃厚なそれはとめどなく吐き出され、美穂の中を埋め尽くしていく。
「あぁ…あぁっ……!熱いのが……プロデューサーさんの精子が私の中で蠢いてる……っ!私、大好きなプロデューサーさんに中出しされちゃったぁ……!」
蕩けるような表情で呟く『美穂』。その余韻を愉しむかのように虚空を見つめる。
「……頼む。美穂を解放してやってくれ。……俺はどうなってもいい。
……ここまでしたんだ。俺を恨んでるなら俺自身だけを狙ってくれ。……もう、美穂を巻き込まないでくれないか。」
プロデューサーは弱々しく懇願した。既に覇気も無く、自暴自棄にも見える態度だ。
未だ繋がったままのモノも既に大量に出し切った反動か、既に膣内に居ながら硬さを失いつつあった。
「……折角の『私』の初めてをあげた感想がそれ、っていうのもちょっと物足りないですけど……まぁ、『ご主人様』はそれなりに満足したみたいですし、ちゃあんと約束は守りますよ」
「そ、それじゃあ……!」
プロデューサーの目に光が戻る。これで美穂が帰ってくるのだと。
もしこの後二度と会えなくなったとしても、それでもいい。
そんな思いさえ彼の中にはあった。
しかし、彼の思いは全く予想しない形で裏切られることとなる。
『美穂』の両手がドロリと溶ける。
まるで粘土細工、いや、スライムと言うべきそれはプロデューサーにボトリ、ボトリと垂れていく。
「お、おい!?美穂は返してくれるんだろ!?一体何が起きてるんだっ!?」
身体が崩れつつある『美穂』の姿に混乱を隠せないプロデューサー。
今も少しずつだがその姿はドロドロと溶け始めていた。
繋がっていた下腹部もすでに溶け出してプロデューサーの身体をスライムが覆い始めていく。
「……だから、『美穂ちゃんの身体を返す』んですよ。と言っても、ちょっと趣向を変えた形にはなりますけどね」
楽しそうな笑顔を浮かべる『美穂』。しかしその顔も次第に崩れ始め、遂には人型を保てなくなったスライムの塊がプロデューサーへと覆いかぶさっていく。
碌な抵抗もできぬままスライムの中へと溺れていくプロデューサー。薄れゆく意識の中で彼は最後まで美穂の身を案じていた。



「……さん、小日向さん!」
「……ん………ふぇ?」
ゆさゆさと身体を揺すられる感覚。
重い瞼をゆっくりと開けると、目の前にはスタジオのスタッフが少し困った表情でのぞき込んでいた。
「すみません。機材の準備出来ましたんで呼びに来たんですけど、なかなか返事ないから失礼させていただきました。
……その、お休みのところ申し訳ないですが。」
「……っ!」
急に顔が熱くなるのを感じる美穂。
そうだ、私は……
『控室で少し眠気を感じてソファでほんの少しだけ横になろうとしていた』んだった。
「すす、すみません!!」
床にぶつけそうな勢いで頭を下げる美穂に、スタッフも「いいんですよ。機材が不調で遅くなっちゃったんですし」と笑って返した。
「そういえば、そちらのプロデューサーには先ほどお会いして色々とお話を…」
プロデューサー、その単語を聞いたとたん美穂はふと『何か』がおかしいと感じた。
しかし、その違和感の正体はまるでモヤがかかったように不鮮明で、思いだそうにも自分の手から離れていくような感覚を覚えた。
「……あの、大丈夫ですか?」
「あっ、すみません……。大丈夫ですよっ!」
うわの空で聞いていたことに少し怪訝な表情をしていたスタッフに慌てて言い繕うと、とりあえず考えを中断してその後の撮影スケジュールを確認し、スタッフは「では後ほど」と部屋を後にした。
「……えっと……そういえばさっきは何を疑問に思ってたんだろう?」
部屋に残された美穂は先ほどの疑問の正体を考えようとしたが、既にそれが何だったかも分からなくなり、「それほど重要なことではないのだろう」と頭を切り替え仕事の準備を始めた。
恐らく、彼女は今後も思いだすことは無いのだろう。彼女……『小日向 美穂』は元『プロデューサー』だったことに。
正確には、小日向美穂というスライムの殻を被せられた、と言うべきだろうか。
勿論、外見だけではない。これまでの美穂としての記憶や人格なども全て無意識のうちに植え付けられている。
ただ一つ、プロデューサーに関する事以外は。
それらは全て記憶から奪い去られ、『彼女』の頭からは消え去ってしまっている。
今日の出来事さえも。
「……あれ?」
不意に美穂の頬を涙が伝う。
「何で、涙が……あぁっ、いけない!そろそろスタジオに向かわないとっ!」
そして、その涙の理由さえ分からぬまま、美穂はまた自身の日常へと戻っていく。
……今までと同じ、それでいて歪な日常へと。
その一部始終を満足そうに眺めていたスライムの塊はするりと部屋の窓から抜け出して何処へと消えていった。
「……あのプロデューサー、突然居なくなったことで事務所じゃ当然騒ぎになるだろうな…
ま、安心しな。順番に『楽しませて』貰ってからしっかり後処理しておいてやるからよ」
そう、不敵に笑いながら。










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