暑い夏の過ごし方
 作:T-MC


毎日、暑い日が続くなぁ…。
俺は家に帰って自分の部屋へと入ると、いつもの通り服を脱いで全裸になった。
ベッドに寝っ転がって大の字に手足を伸ばす。
これだけでも十分涼しいってもんだ。
エアコンも使わずに済むし、これが一番のエコってやつだよ。

ただし男の姿で全裸って言うのも、ビジュアル的にちょっとね。
というわけで、俺はいつも”他人の姿”に変身して過ごしている。

そう、何を隠そう俺には特殊な能力がある。
それは「コピー能力」
この手で触れた相手の姿形を完コピする事が出来ると言うもの。
その為には衣服越しじゃなくて、直接肌に触れなければならないのだが、
一度でも肌に触れさえすれば、いつでも何度でもその姿に変身する事が可能なのだ。

今日は…たった今触れた女性、
さっき玄関で母親と話をしていた、多分保険のセールスレディだろう女性の姿に変身した。
きっとまだ玄関で何かを一所懸命セールストークしているところだろう。
自分と同じ姿の人間が、まさか二階で、しかも全裸でこんなことしているなんて、想像もつかないだろうさ。

ベッドから体を起こすと部屋にある鏡の前で、今の自分の全身を写して見る。
「おほっ、ナイスバディ!」
普段の自分の声じゃない、この身体の持ち主の透き通った甲高い声が部屋に響く。
「むふふっ、こりゃ当たりだったな。それに…」
「えー、こほん…、はじめましてぇん♡これからもよろしくねぇんっ♡」
鏡に映った女性がそう言いながら全裸でしなを作ってポーズを決める。
「くぅ~っ、声も顔も俺の好み。」
俺は、両手でこの女性の顔を撫でまわす。
「あはぁ~っ、いつもはクラスの女子の身体で楽しんでいたけど、こういう大人の女性ってのもいいよな。よいしょっと」
鏡を移動して、ベッドに座る自分の姿が映る様に調整しておく。
そして、両膝を抱えるとそのまま鏡にお尻が移る体勢で横になった。
「おほおおぉっ!?これがこの人のアソコかぁ。なんかすげぇエロい感じがするんだけど…
 特にここなんか、同じクラスの女子たちでは無かった感じだぞ。前にコピーした…え~っと…」
俺は同じ体勢のまま、保健室の先生に変身した。
「そうそう、この保険の千夏先生のに近いや。この身体も、結構感じやすくて気にいってるんだけどね。あはぁん」
全裸の千夏先生がそう言いながら自分の尻を揉んで吐息を漏らして見せた。
そして、その揉みしだいたままの体勢で徐々にセールスレディの姿へと変わっていく。
「でも、今日はこの姿メインで楽しもう。おっと、ケツは先生よりこっちの方が大きいな。」
俺は両手で自分のお尻の肉を掴むと円を描くように大きく揉みまわしてみた。

「さてさて…肝心の場所をチェックしないとなぁ…むふふっ」
そう言いながら俺は早速自分の股間をいじってみる。
「おお~っ!ちょっと触れただけでエッチな汁がびちょびちょじゃないか。この女性、実はすっげえ淫乱なんじゃないか?」
ただ単に俺がスケベであそこが濡れているだけなのだが、この人の身体のせいにした。
でも、濡れやすいってのは確かって事だよな。
「あっはぁん、おねが~ぁい、私のアソコを~、あなたの手でぇ~、もっといじってぇ~♡めちゃくちゃにかき回してぇっ♡」
俺はこの人の声でわざと卑猥な言い方をする。

「そうですかっ、それじゃ遠慮なくっ!」
腕と手だけを男である自分に戻した俺は、十分に濡れた俺のアソコにその指を挿入した。
「うほほっ、簡単に俺の指が入ったぜ。同じクラスの委員長のアソコなんか自分の指一本でも痛かったのに。
 大人の女性はやっぱり経験が違うわねぇ~っ、おっほっほっほ!」
俺は遠慮なくアソコに指を突っ込みまくる。別に姿が違うとはいえ自分の身体なんだし。
「はぁっ、はぁっ、あ~、なんだこれっ!超気持ちい~っ!」
「ちっ…乳首もっ…コリコリッ…して…ビクビク起ってる…っ!超敏感っ!」
両腕だけ男の腕をしたセールスレディが、一心不乱にオナニーにふけっていた。
「ううっ、射精したい…っ!けど…今俺、女だし……」
「ん?あ、そっか!」

今度は腕を元のこの女性のものに戻し、股間だけ自分の元の姿、つまりこの女性からイチモツが生えてるという状態になった。
俺は女性の手でそれを掴むと、勢いよくしごきだす。
「あはあっ、女の手でっ、握られるとっ、それだけで感じちゃうんだよね…それに…!」
もう片方の手は、乳首をコリコリとつまんでいる。
「こっちの女としての快感も感じちゃうからっ……ああっ…もうっ…出るぅっ!」
女性の手で手コキされながら、自分の乳房を揉みしだきながら、Wの快感で絶頂に達し、
早くも射精してしまった。

「はあっ、はあっ、はあっ…出ちゃった。」
全身汗だくで口からは涎を垂れ流して、股間に俺のものをぶら下げた女性がベッドに横たわっている。
涼しむ目的のはずが、なぜが全身から汗を垂れ流すほどに暑い思いをしてしまった。
「あーあ、シーツがこの人の汗でびちゃびちゃ。でも、ま、俺の汗よりか良いけどさ。何か女らしい良い香りもするし。」
俺は、さっき自分が脱いだ男物のトランクスとTシャツをその姿のまま着ると、バスタオルを持って1階に下りた。
玄関ではまだセールスレディが母親と話をしている。
そのすぐ近くを、男物のトランクスとTシャツを着た自分と同じ姿の人間が通り過ぎたのに気がついた様子も無かった。

その女性の姿のままシャワーで軽く汗を流した俺は、洗面所の鏡で自分の今の姿を改めて眺めてみた。
「う~ん、色っぽいなぁ。また、ムラムラしてきちゃった。」
でもそこはこらえて、またさっきのトランクスにTシャツ姿になると、廊下にでる。
バスタオルで髪を拭きながら何気なく玄関を見ると、セールスレディの女性と目が合ってしまった。
(やべっ)
「あ、こんにちわ~。」
女性が俺に声をかける。
慌てて俺はバスタオルで顔を隠すと、急いで適当な顔に変えた。
(ふぅ~、あぶなかった。逃げよ。)
俺はそのまま二階へと駆け足で上がって行った。
玄関では…
「素敵なお嬢さんですねぇ。」
「いえいえ、うちは息子しかいませんよ。」
「え?でも今…」
といった会話が聞こえていたが…。

俺は自分の部屋に入ると鏡を見る。
「おっと、慌てて変身したから髪型はそのまま顔だけ俺に戻ってる…うげっ」
俺は慌てて顔だけ変身した為、ついうっかり、自分の顔になってしまっていた。
一旦、髪も含めて顔だけを本来の自分の顔へと戻した。
顔だけ俺、首から下はさっきまでの女性の肉体という、奇怪な姿が鏡に映っていたが、俺は気にせず自分の服に着替えた。
「ズボンのお尻の所が…ちょっときついな」
自分の服を無理やりこの女性の身体で着たから、ちょっとアンバランスだがまあ何とか着る事が出来た。
「う~ん、胸のふくらみとヒップがちょっと目立つかな?ま、いいか。この顔でまさか女の身体をしているとは誰も思わないだろ。」
俺はその姿のまま財布を持つと、玄関へと降りて行った。

丁度、話も終わった所の様でセールスレディの女性も玄関を出るところだった。
「ちょっと出かけてくるよ。」
俺はそう言うとサンダルをはいて、その女性の脇に立った。
「あ、私も失礼いたします。」
俺たち二人は並んで玄関を出る。
目線は…全く同じだった。
それはそうだ。首から下は全く同じ身体なんだから。身長も同じになって当り前だ。
「長い時間お邪魔してしまいましたね。ごめんなさいね。」
女性は俺に話しかけてくる。
「あ、いいえ。むしろ有難う御座います。これからもお世話になります。(あなたの身体に!)」
「は?はあ…それじゃあ、お母さまにもよろしくお願いします。ではまた。」
「ええ、また。直ぐにでも。」
女性は軽く首をかしげながら、会釈をすると歩いて行った。
それとは反対の方向に歩き出した俺の顔は、既に今の女性の顔になっていた。
「早速またお会いしましたわねっ♡ なんちゃって」

俺はその姿のまま、近くのデパートへと向かった。
この姿でこの衣服と言うのはさすがにちょっとファッションセンスを疑われるだろう。
綺麗な顔をした大人の女性が、男物のジーンズにTシャツ、サンダル履きなのだから。
とはいえ、他人の姿なら別に恥ずかしくもなんともないものだ。どうせ恥ずかしいのは俺じゃない。
周りの好奇の目線も、まるでコスプレを見られているような感覚。
俺はセールスレディの姿のまま、堂々と婦人服コーナーへと足を運んだ。

水着コーナーを見ていると、ショップの店員さんが近づいてきた。
こういうところの店員さんだけあって、とてもスタイルの良い綺麗な女性だ。俺の好みだ。
ファッションのセンスも、今の俺と違って抜群に良い。
「どんな水着をお探しですか?」
俺のこのダサい格好に対して何を言うでもなく、営業スマイルで話かけてくる。
「う~んと、おススメのやつってどれですか?」
俺がそう答えると、ハンガーにかかっているフリフリの付いたかわいいビキニを取り出した。
「これなんかいかがでしょう?お客様にきっとお似合いだと思いますが?」
「ふぅ~ん…って、げっ!高えっ!水着なのにこんなにすんの?もっと安っすいやつ無いの?」
俺は付いていた価格を見てぎょっとしてしまった。
「そうなりますと、古いモデルの水着がただいまバーゲン中ですが…?」
俺は店員さんに案内され、ワゴンに入った水着コーナーへと向かった。

セール用ワゴンの所には確かに手ごろな値段の安い水着が山積みになっている。
俺はその中でも特に安っぽそうな、でも露出は激しいタイプのものを数点探し出した。
「すんません、試着ってアリっすか?」
俺はさっきの店員さんに聞いてみる。
「え?ええ、下着の上からでしたら…大丈夫ですよ。」
俺は選んだ水着を店員さんに渡すと、ついでに店員さんの手に触れた。
「よしっ、コピー完了。」
「え?何ですか?」
「あ?いえいえ、何でも無いですよ~。へへへ」

試着室で結局全裸になった俺は、選んだ水着を次々試着していった。
下着の上からって言われたけど、下着はトランクスなわけで、そんなものの上から来てもさすがに様にならない。
「おおっ、これなんかサイズが小さいからちょっと食い込んで良い感じだな。しかも、Tバックってやつだよな。」
俺はポーズを決めると鏡に映った自分の姿を堪能した。
「どれ、ついでに…」
そのまま、先ほどコピーした店員さんの姿へと変身して見る。
「おほ~っ、こっちもいいんじゃない?うっふぅぅん♡どうですかぁ♡お客様ぁん♡」
俺がそんな事をしていると、まさか自分と同じ姿の人間が中でセクシーポーズを決めているとも知らずに、
店員さんが今の俺と同じ声で話かけてきた。
「どうですかぁ?」
「あっ、はいはい。決めました、決めました。」
「え?」
慌てて答えたものだから、店員さんの姿のままそう答えてしまった。声が違うから驚いている様だ。
(あ、やべー。え~っと…)
「えっと…のどの調子が…こほん。ええ、決めましたわぁ。おほほほほ」
俺は元のセールスレディーの姿に戻ると、わざとらしくそう答えた。

安い水着を仕入れた俺は、デパートをでると近くのプールへと向かった。
着ている服装はさっきのダサい格好のままだが、着ている人はさっきまでと違っていた。
「おしゃれなショップ店員さんが、まさかこんなダサい格好で街中を歩くなんてね。」
見た目と格好のギャップがより一層目立っていたが、周りの目も気にせず堂々と店員さんの姿で歩いてやった。

プールに到着した俺は、店員さんの姿のまま女性用のロッカーへと向かった。
「へへへ、今の俺は正真正銘女性なんだから、気兼ねなくこっちで着替えていいんだよね。」
ロッカーでは女性客たちが、水着へと着替えている。
「おほぉ…いいねいいね。堂々と覗き放題。」
俺は店員さんの顔で鼻の下を伸ばしながら、周りの着替えを視姦していた。

「さて、俺も水着に着替えよう。…でも、その前に、ちょっともよおしてきたぞ。」
俺は、ロッカーに水着を入れるとトイレへと向かった。
「あ、そっか。ここって女性用の更衣室なんだから、個室トイレしかないのか。」
個室トイレに入って、店員さんの姿のまま用をたす。
「ふぃ~っと。すっきりした。」
俺はしたたる滴をトイレットペーパーでふき取る。
「あはぁっ…いつも思うけどこの瞬間ちょっと気持ちいいんだよな。俺のふきかたがいやらしいんだろうか?」
用をたすときはいつも他人の姿で行うのが最近の日課だ。もちろん女性オンリーだけど。
大の時も小の時も、わざわざ誰かに変身しては、排泄を楽しむようにしている。
その度に、お尻を拭くとついムラムラ来てオナニーしてしまうのだ。
今回も例外なく、店員さんの姿のままオナニーをしてしまった。

個室で快感にふけりながら、今度はセールスレディーの姿に変身しトイレを出た。
「さて、それじゃ水着に着替えるか。」
ロッカーに戻ると周りの人が、俺を見ていた。
先ほどの店員さんとは違う容姿をした人が、同じ格好をしている事に興味があるようだ。
綺麗な女性が2人もこんなダサい格好をしているのだ。
(へへへ、まさかどっちも同じ人間だとは思わないだろ。この格好が流行しちゃったりして)
俺は服を脱ぐとトランクス1枚になる。
また、周りの人たちが驚きの表情でこっちを見ている。
(そりゃそうだ。堂々と男物のパンツをはいてる女性なんていないって。ましてやこんな公共の場所で。)
俺は周りの目も気にせず、水着に着替えると颯爽とプールへと向かった。

プールの中で、俺はセールスレディの姿のまま不格好な平泳ぎをしている。
「ふぃ~っ、気持ちいい。それにしても、この身体、泳ぎは苦手みたいだなぁ。直ぐに疲れてしまう。」
俺はプールから出ると、近くの監視台に座っている監視員の女性に近づいた。
「どうされました?」
「すんませんが、あなた泳ぎは得意ですか?」
「はい?ええ、もちろんです。私ライフセーバーの資格持ってるんですよ。」
「そうなんすか。それじゃ、握手してください。」
「え?はぁ。」
俺はそう言って手を伸ばすとその女性と握手をし、身体をコピーした。
「はい、どうも。それじゃあ堪能させて頂きます。」
顔だけそのままに、身体を今コピーした女性に変身させた俺は、そのままプールサイドからきれいなフォームで飛び込んだ。
「おお~っ、すごいぞ、この身体。筋肉の付き方がやっぱり違うんだろうなぁ。」
さっきまでとはうって変わって、自由自在に水の中を泳ぎまわれる。
「でも、この人胸とお尻はちっちゃいなぁ…」
俺は泳ぎながら、胸とお尻だけ元のセールスレディーの身体に戻した。
多少バランスが崩れたが、それでも泳ぎを堪能するには十分な能力は残っている。
「ひゃっほ~っ、気持ちいい~」

十分泳ぎを楽しんだ俺は、プールから上がるとベンチに腰をかけて鑑賞を楽しむ事にした。
「へへへ、まさか同性から視姦されてるなんて、みんな思わないだろうなぁ」
水着姿のギャルや、JK、若い奥様達等の身体を舐めるように見ているのは、エロい水着に身を包んだ綺麗な女性なのだ。
何人かは俺の視線に気がついたようだが、俺の姿を見ると女性と思って安心したのか直ぐに気にしなくなる。
「役得役得♡気にいった子がいたらコピーしておこうっと。」
お気に入りの子を見つけたら、それとなく近づいて身体に触れる。
「あ、ごめんなさい。」
そう言ってその場を離れると、女性だと思って誰もが気にかける事も無かった。

こうして、十分プールを楽しんだ俺は、相変わらずセールスレディの姿のままで帰路についた。

部屋についた俺は、今日の収穫と言う事で、鏡の前で次々と今日コピーした身体に変身しては、その裸体を楽しむ。
時には、いろんな人のパーツを組み合わせて、理想的なエロボディを創造したり、
顔をモンタージュしたりして、時間が過ぎて行った。
「御飯よ~」
おっともうそんな時間か。
俺は元の自分の姿に戻ると、服を着て1階に下りて行った。
(さぁて、今日は誰にしようかな。)
食事の時、俺はこっそりと口だけ他人に変身する。同じような料理でも、こうすると味覚が変わり面白いのだ。
今日はさっきのセールスレディの口で食べる事にした。
歯も舌も唾液も普段の俺のものじゃないから、いつもの料理が新鮮に違って感じられた。
「ふむふむ、この舌だといつもの味噌汁もしょっぱく感じるなぁ、なるほどなるほど」

また部屋へと戻った俺は、またすぐにセールスレディの姿に変身して全裸になる。
「やっぱり暑い日は全裸に限るよ、うん」
その姿のまま漫画を読んだりゲームをしたりして時間をつぶした。
「う~ん、ゲームも飽きたし、またオナニーでもするかなぁ。」
鼻をほじくりながら、ベッドへと向かった俺は鏡の前で腰をおろし自分の姿を見る。
綺麗な女性が鼻くそをほじくりながらガニ股でにやけている姿が鏡に映った。
「あっはっは、こりゃ下品だな~。」
そのまま立ち上がるとグラビアアイドルの様にポーズを決めて全身チェックをする。
「おおっ?日焼けの跡だ。そっか、プールで日に焼けたんだな。」
女性の身体の胸と腰にはくっきりと日焼けの跡が残っていた。
「ん?日焼け…? ……。」

「ぐわぁぁぁっ!!やっぱり~!!」
慌てて自分の姿に戻った俺は、そこに映った自分の姿を見て思わず叫んでしまった。
男の身体にマイクロビキニの日焼けの跡がくっきりと残ってしまっていたのだ。

そうして俺は今年の夏、友達と一緒に海に行くこともプールに行くことも温泉に行くことも出来ない、
さびしい夏休みを過ごすことになってしまったのだった。

「ま、いいさ。こうやって女の姿になってればこの日焼けの跡があっても変態じゃないんだし。」
今日もプールにはダサい格好をした女性が来ては、エロい水着でプールを満喫しているのだった。


おわり








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