欲望の果て(前編) 作:Howling 「はぁ~・・・・いいなぁ~・・・・・」 雑然としたアパートの一室。 ところどころにビールの空き缶や雑誌、空のカップ麺などが乱雑に散らかっている。 そんな中、電気も点けずに1人の男がテレビを観ながら呟く。 男は20代。しかし、髪はくしゃくしゃで無精ひげが生え、腹はでっぷりとしていて 品性の欠片もない。着ているジャージも、所々がほつれている。 彼の名前は、加藤俊男。フリーターである。 彼は今、ある映像に夢中である。 「あ”ぁ”~・・・夏穂たんマジで天使ぃ~・・・・・」 そう、彼を夢中にしているのは、アイドルの木原夏穂。 21歳で、彼女の抜群のプロポーションは多くの男性を魅了する。 俊男も例外ではない。 「夏穂たん、僕のものにできたらなぁ・・・・・・ぐふへへへ・・・・」 下衆な笑みを浮かべる俊男。 夏穂が出演している番組の映像を観終えた後、俊男はスマホでネット情報、当然夏穂の情報を観漁る。 人間関係も希薄な俊男にとって、この瞬間こそ至高の楽しみだ。 「さぁ~てぇ・・・・・って、あれ?何々・・・・おおおおっ!!!」 俊男は、肉で潰れかかった目を見開く。 そこに書かれた内容を見て、俊男は欲望にギラついた目を輝かせていた・・・・・・・ 数ヶ月後。 俊男は、夜の街を歩いていた。 ぱんぱんに膨れ上がったTシャツとジャージが悲鳴を上げている。 周囲が避けるのも、俊男はまったく気にしていない。 なぜなら、俊男はある計画の成功、それだけを考えていたからだ。 俊男はこの数ヶ月、夏穂に関する情報を手当たり次第にかき集めていた。 その結果、彼女は定期的にある場所に通っていることを突き止めた。 「・・・・・ココだ!!!」 俊男が足を止めた場所。そこは高級フィットネスクラブだった。 GYM AURORA。ごくごく少人数の会員制フィットネスクラブで、 入会者には専属のコーチがつく。 ワンツーマンでのトレーニングができることから、入会希望者が後を絶たない人気の会員制ジムだ。 夏穂もまた、ここに定期的に通っている。 俊男は、物陰に隠れて待つ。 ある人物が出てくるのを・・・・・ 「来た!!!」 俊男は、ある人物が外に出てきたことで色めき立つ。 ジャージ姿の女性だった。 身長はぱっと見で170センチ以上、スレンダーかつ抜群のプロポーションを誇り、伸ばした髪を後ろで束ねポニーテールにした女性。 彼女の名は芦屋奈々美。彼女こそ、夏穂の専属トレーナーである。 俊男の狙いは、彼女だった。 彼女の姿を認めた俊男は、リュックサックからあるものを取り出す。 ケースに入ったそれは、注射器のようだった。 「ぐふふ・・・・・これを使えば・・・・・」 そう呟いて、俊男は奈々美の後を追いかけた・・・・・・ 「はぁ~・・・・今日も疲れた~・・・・」 そんなことを1人つぶやきながら、奈々美は家路についていた。 『夏穂ちゃん、どんどんスタイル良くなってるわね。次はどんなトレーニングにしようかしら・・・』 奈々美は、夏穂の次のトレーニング内容を考えていた。 考えることに夢中になるばかり、周囲の状況に気づくことはなかった。 彼女の背後から、ぶくぶくとした大きな手が迫る!!!! 「むぐぅっ!?!?」 突如口を塞がれる。脂ぎった手の感触に吐き気を催す奈々美。 助けを求めようにも、家に帰る近道のため、人通りのほとんどない裏道だった。 「動くな。おとなしくすれば危害は加えない。」 「ふぐっ!?」 奈々美は、背中に鋭い何かを突きつけられている感触を味わった。 『ま、まさかナイフ!?い、いや・・・・・』 突然のことに恐怖した奈々美は、自分を襲った男の言うとおりにするしかなかった。 促されるまま、裏路地に連れて行かれる。 5分くらい、歩かされる。時折、背中にチクチクと鋭い何かが当たっていた。 ナイフのような何かを未だに突きつけられていることが奈々美を恐怖させた。 いつまでこんな目に遭わされるのか・・・・ そんなことを思っていた矢先、 チクッ! 「むむっ!!」 奈々美は、首筋に痛みを覚えた。 何かでチクりと刺されたような・・・・ それからしばらくして、男はおもむろに手を離した。 奈々美は、すぐに駆け出そうとする。 「きゃっ!!」 なぜか、奈々美はバランスを崩し、転倒した。 「いたたた・・・・」 起き上がろうとする奈々美、しかし、手に力が入らない。 「な・・・・何、これ・・・・」 奈々美は、自分に起きた変化に驚愕した。 自分の手が、空気が抜けたかのようにしぼんでいた。 バランスを崩した足下を見ると、手と同じように脚がしぼんで靴が脱げてしまっていた。 身体に力が入らない。空気がしぼむように、厚みをなくしていく。 「た・・・助けて・・・・・た、たす・・・・・」 恐怖に駆られたその言葉は、最後まで紡がれることはなかった。 とうとう、奈々美の上半身もしぼみ始め、眼球もしぼんで消え去り、やがて奈々美の身体は、厚みを完全になくし、 彼女の皮だけが残された。 男は、その様子を楽しげに見つめる。 男は、俊男だった。 「ぐふふふふ・・・・本物だったんだ・・・・これで・・・・・」 俊男は、奈々美に打ち込んだ注射器を改めて見つめる。 数ヶ月前、俊男は、人を皮にして着込むことのできる禁断の秘薬の情報をネットで目にしていた。 俊男は、ヤミ金に借金までしてそれを得た。 そして、夏穂に近づくため、専属トレーナーである奈々美をターゲットにしたのだった。 「ぐっふふふ・・・奈々美さぁん。怖がらなくていいんですよぉ。 今日から僕が、貴女に"皮"るんですから・・・・ぐふふふふう・・・・・」 俊男は、抜け殻になった奈々美の皮を手に取り、着ていた服を剥ぎ取った。 そして、奈々美の皮だけを取り出す。 少し力を入れるだけで、皮の背中に割れ目ができていた。 「ぐふふふぅ・・・・」 俊男は、普段触れることのない女性の芳しい匂いに興奮していた。 口元からよだれが垂れる。 今から自分はこの女性のすべてを奪うのだ。 そのことが俊男をより一層興奮させた。 俊男は、その場で服をすべて脱ぎ捨てる。 醜悪な、でっぷりとした肉体が露わになる。 しかも、こともあろうに俊男の逸物は勃起し、その先端から先走り汁が垂れていた。 俊男は、ボンレスハムのようなでっぷりとした右脚を奈々美の皮に入れる。 圧倒的にサイズが合わないが、無理矢理入れる。スレンダーな美脚だったはずの奈々美の脚が無様なほどに膨れ上がる。 そのまま左脚も奈々美の皮に入れる。 そのまま腰まで入れる。 腰から下は奈々美の皮だが、でっぷりした脚、そして欲望ではち切れんばかりになっていた逸物が強く主張し、 ひどい有様だった。 「んん・・・・んほぉっ!!!」 突如、俊男は腰から下がむずむずする感触に声を上げた。 もこもこと脚の肉がうごめき、脚がどんどん細くなっていく。 やがて、奈々美本来のスレンダーな美脚ができあがっていた。 さらに、はち切れんばかりに主張していた逸物も、徐々にしぼんでいき、 女性特有のなめらかな恥丘ができていた。 「おほぉっ!!!!!これはいいものですな~・・・・」 そんなことを言いながら、上半身も着始める俊男。 脚と同じくでっぷりとした腕を通し、首から下まで着終えた。 「おおおおおっっっっ!!!」 すると、再びもこもこと身体が変化し、形のいいくびれや、胸が形成された。 「おおおおっっ!!!これは素晴らしいですな、ぐふふ・・・・」 そう言って俊男はおもむろに奈々美の美乳をもみしだいた。 「おおおおんん♪これが、おっぱいの感覚・・・・」 腰をくねらせながら初めての胸の快感に身悶える俊男。 端から見れば気持ち悪いことこの上ない。 「さて、いよいよ・・・・・」 俊男は、最後に残った奈々美の頭を被る。 美人の顔を、自分のものにする。妙な背徳感が、高揚感に変わっていく。 目の位置などを調節する。 形は整えたが、中身の俊男の形になっているため、本来美人とは思えないほど、 奈々美の顔は形が崩れていた。しかし・・・・ 「ううう~~ん・・・・」 顔中にあのもこもことした感覚が広がっていく。 やがて、奈々美の顔の形が整えられていく。 1分もしないうちに、全裸の奈々美ができあがっていた。 170センチ以上の高身長、豊満なおっぱい、スレンダーな美脚、くびれ。 芦屋奈々美のすべてが今、醜悪なストーカー、俊男のものになった。 「ぐふふふぅ・・・・って、声も女になってる。いいね、いいよぉ・・・・・」 今や奈々美となった俊男は、自分の声が女の、奈々美の声になったことに驚き、そして満足した。 「あっ・・・・・」 一瞬、俊男はめまいを覚えた。 しかしそれは、奈々美の記憶や癖などが一気に入ってきたことによる一時的なショックだった。 「ふぅ・・・・・うふふふ・・・・・」 俊男は、奈々美の顔でにやりと笑みを浮かべる。 今の俊男には、奈々美の記憶や癖が手に取るように分かるのだった。 俊男は、奈々美が着ていた服を取り、再度着直す。 捨てられた鏡には、今まで通りの奈々美が映っていた。 しかし、彼女はもう奈々美ではない。 中身が、あのストーカー男の俊男なのだ。 俊男は、奈々美の顔で、本人がやらないようないやらしい顔で笑う。 「ぐふふふふぅ・・・・今日から僕が新・芦屋奈々美をやりますね。 よろしくお願いしま~す。」 「あ~ん、俊男様。私の身体を乗っ取ってくださりありがとうございますぅ。 私、あなたのようなふくよかな殿方に入ってもらえて心底幸せです。 私の身体、好きに使ってくださ~い・・・・」 俊男は、奈々美が本来言わないようなことを嬉々とした表情で言ってみる。 彼女のすべてを支配した快感が俊男を満たす。 「おっと・・・・目的はこれからね。 待っててね夏穂ちゃん。たぁっぷり、イイコト、しましょうね・・・・ぐふふふふ」 俊男、いや新・奈々美は夏穂への欲望をぶつける日が近いことを夢想し、下衆な笑みを浮かべ、 彼女の家路へと急ぐのだった・・・・・ |