ヒーローの最終決戦 作:CA_KOIKE @ 薄暗い部屋には悪の頭領がいた。 私は…昔から何かを破壊することが好きだった。 成長してもそれは変化しなかった。テロ行為に及んだのも一度ではない。 同じ志の人間は思ったより多くいたようで…気が付けば巨大犯罪組織の頭領となっていた。 『ピー!! 侵入者アリ。繰り返す。侵入者アリ!!』 施設に警報が鳴り響く。 しかし、警報音を聞いても頭領は動かない。 それどころか優雅にコーヒーを飲んでいた。 部屋の扉が開けられ、スーツ姿の男性が部屋に入ってくる。細身であるが、軸のぶれないしっかりとした身体。 腕に装着されたブレスレットが光り輝いている。 「見つけたぞ!! 今すぐ悪事をやめるんだ!!」 こいつには散々と邪魔をさせられた…。この男の変身後の姿は強力で…何度も壊滅させられた。 敗れていった仲間の姿が脳裏によぎる。 だが…それも今日までなのだ!! 「よく来たぞヒーロー…最終決戦と行こうじゃないか」 頭領は腕を大きく広げ話しかける。逃げる必要もない…そう言っているようだった。 「ほれ、先に変身するといい。儂は寛大だからな」 「舐めやがって…!!」 (だめだ…まだ笑うな…) 口角が上がりそうになるのをぐっと堪える。ヒーローが変身を始めるのを静かに見守る。 「《変身!!》」 部屋にヒーローの声が響いた。 A ヒーローの体が淡く光っている。肉体が…細く華奢に変化する。表面に浮き出ていた筋肉が見えなくなり、柔らかな肉に変わっていく。 「なっ…?いったい何が…」 胸がゆっくりと膨らむ。ヒーローは咄嗟に腕で押さえているがもう遅い。 髪が伸び、男らしい引き締まった顔が、女らしい顔へと変貌を遂げる。 涙目で股間を抑えているが… 「俺のちん〇が…」 股間を抑えてもじもじとするその姿は…正直とても可憐だ。 羞恥に顔を染めた女性…直前まで強力なヒーローだったといわれて信じる人間はいないだろう。 「ずいぶんとそそる変身じゃないか。誘っているのかね?」 「っ…俺に何をした!」 口では強気だが…股間を抑えて座り込む。彼…いや彼女は今トイレに行きたくて仕方がないのだ。 そう設定したからな。 「君には何もしてないさ。ちょっと変身に干渉するようにこの研究所を改造しただけで…」 「そんなことが…」 彼女が体をこわばらせる。敵の目の前だというのに体をぎゅっと縮こまらせ、目をきつく閉じる。 どうやら尿意の限界の様だ。 だが…まだ終わらせない。仲間たちが受けた雪辱を晴らさてもらう!! 「どうした?まだ変身の途中だろう?」 「えっ…?」 身長がさらに小さく縮む。女性らしかったが引き締まっていた顔が、幼児らしい顔に変わっていく。おなかがぽっちゃりと少しだけ膨らみイカ腹となる。 ぶかぶかになっていた服が粉となって霧散し…光が体に纏わりつく。 「くくっ…可愛らしくなったではないか」 「しょんなっ……!!」 舌ったらずの可愛らしい声で幼女が叫ぶ。 胸元に可愛らしいイラストがプリントされた女児用ワンピースを揺らしていた。 勇敢な姿はどこへやら…恐怖に震える幼女が出来上がっていた。 「なんでっ…わるいやつをやっつけないといけないのに…」 「おとーさんをやっつけるのかい?ミミ?」 その弱弱しい身をゆっくりと抱きしめてやる。 もうこの少女の意識は、私の娘のミミなのだ。 ちょっとかわいがってやれば… 「やだぁ…とまってよぅ」 「ミミはいつもおもらししているじゃないか、恥ずかしくないよ」 「……そうだっけ?」 スカートを捲ってやる。女児向けのアニメキャラクターがプリントされたパンツはぐっしょりと濡れていた。 「ほら…いつものようにオムツしてあげるから。そこにごろんしてごらん」 「えっ…?えっ?」 混乱している。無理もないだろう…オムツをしていた記憶などないのだから。 しかし、おとーさん大好きな幼女は素直に床に寝転がってしまうのだ。 たとえ、頭領を倒さなければいけないという認識が残っていても… 女児パンツを脱がして、足を開いてやる。恥ずかしいのだろう…顔を真っ赤にして体をこわばらせている。 ヒーローとしての記憶が邪魔をしているのだ。 頭を撫でてやる 「おとーさん…」 リラックスした穏やかな顔つきに変わっていく。大好きなおとーさんに撫でられたミミは頭の中がふわふわしてしまうのだ。 「ほらオムツつけ終わったよ」 「わぁーい。おとーさんだいすき!」 立ち上がって、おぼつかない足取りで抱き着いてくる。 その姿に元の面影なんてなかった。 B 「…………」 ヒーローの意識は部分的に戻してやった。 しかしヒーローは喋らない。 彼は今、園児服を着用して、街中をベビーカーで運ばれているのだから。 最初のころは喚いていたが…ヒーローであることを公開すると伝えてからは静かなもんだ。 幼女になりきっていた時の記憶は消していない。逆らったらどうなるかよくわかっているのだ。 「ママー!あの子オムツしてるー!」 「やだぁ…」 道行く園児が声を上げる。自分がいかに恥ずかしいことをしているのか知覚させてやる。 羞恥心を最大にしてやったのだ…顔から火が出るほど恥ずかしいだろう。 「恥ずかしくないよ」 「やめてっ…なでなでやぁ」 いくら抵抗しても口からは幼児の言葉しか出せないし、手足をばたつかせるだけなのだ。 傍からは幼児が駄々を捏ねているようにしか見えないだろう。 なでなで…なでなで… 「あっ…………すぅ」 強制的にまどろみの中に落としてやる。あのヒーローが撫でるだけで寝息を立てて無防備に寝てしまう、無力に変わる。 計画の成功を半場確信しながらほくそ笑む。 ちゅぱ…ちゅぱ… 元ヒーローは無意識に指をなめている。無意識のしぐさまで幼児に染まりつつある。 計画を次のステップに進める時が来たようだ…。 C 「ん…ここは…」 目が覚めると知らない部屋にいた。 ぬいぐるみやおもちゃが視界に入る。壁にひらがなで《ひまわりくみ》なんて書いてある。 俺は確か…ベビーカーで運ばれて…恥ずかしい思いをさせられたんだ。 倒すべき頭領にいいようにされて… 「気分はどうだいヒーロー?幼児の生活はよかっただろう?」 「くそがっ………喋れる?」 口からは幼児の言葉は出てこなかった。忌々しい強制口調変化が外されていた。 「あまり圧倒してもつまらんからな。チャンスをやろう」 「チャンスだと…?」 「ああ、好きなように攻撃してくるがいい。最もその体でできることは限られるだろうがな…」 屈辱的だが…チャンスだ。ここで必殺技を決めてやればこいつを打ち倒せる! 全力で一気に決めてやる? 力強く立ち上がり、必殺技の準備をする。部屋を見渡し、目的の物を見つけ…腰を下ろす。 体を大きく揺らす 「くくっ…一体何をしているんだい?」 俺は、ゆらゆらと揺れる馬型の乗用玩具にまたがっていた。 両手でしっかりとバーを握り、前後に揺れる。 これが俺の必殺技だが…頭領は倒れない。 「貴様の実力はそんなものか?気合外れだな…」 「なっ…まだだ!」 頭領の前に立つ。 「オムツを外してくれ!」 「いいだろう」 頭領の手によって俺のオムツが外される。 部屋の隅に置かれていたおまるに跨って、腰を下ろす。 これで最後だ! 「くらえっ………あれ?あれっ?」 脳はパニック状態だ。おまるでおしっこさえできれば頭領を倒せるのに…。 いくら下腹部に力を入れてもおしっこが出てこないのだ。 悔しくて涙が出そうだ…。 「違うよ、女の子は力を抜いておしっこするんだ」 頭領の口が耳元に近づいて… 「しーしー」 チョロチョロチョロチョロ… こいつの助けがなければ必殺技も打てないなんて…。 だけどこれで… 「どうだ!これが俺の必殺技だ!」 おまるでおしっこをしながら宣言する。 「うわーー(棒)やられちゃうなーーふらふらしちゃうなー(棒)」 よし!ダメージを与えたようだ。頭領はふらふらとした足取りでこちらに近づいてきて両手を広げる。 自分に抱き着くように倒れる。 これで世界に平和が訪れるんだ! …あれ…なんか頭が… D おまるに跨った少女はきょとんとした表情でこちらを見ている。 「おとーさん…ミミどうなったの?」 もうその目に敵意はない。あるのはぱっちりとしたとした目だけだ。 「ミミはね、悪い奴をやっつけたんだ。もう戦わなくていいんだよ」 「本当!? やったー!」 おしっこを出しながら無邪気に微笑んでいる。 彼女のおしっこが止まると立ち上がり… 「おとーさん!オムツかえて!」 足を大きく開き、園児服のスカートをたくし上げる。 私はオムツを当ててやり、テープでオムツを固定する。 ミミは一人でオムツを替えられないのだ。 「ミミは明日からずーっと幼稚園に通うけど…大丈夫かい?」 「こわいけど…がんばる!」 変身後の姿は成長しないのだ。姿も…思考も。 目的を達成したと思い込んでいる彼女は変身を解くこともない。 「さぁ、帰ろうかミミ」 「しゅっぱーつ!」 変身前はよくバイクで現場に移動していた影響だろうか。嬉々として三輪車に跨って移動する。 おむつが丸出しであったが…彼女は笑顔だった。 ヒーローの無力化計が完遂された瞬間であった。 E 一年後 「おとーさん?」 ミミはおぼつかない足取りで私に近づく。足を閉じられないほどの大きなオムツを着用していては歩くのも難しいのだ。 服装は新生児服、俗にいうプレオールを着用している。赤子が着用するのと比べて大きなものだ。 「催眠解除だ。ミミ」 その一言でミミの顔が絶望的な表情に変わっていく。彼女は今、自分が何をやっていたのかを正しく認識しているのだ。 「全世界は私の手に落ちたのだよ」 「そんなっ…ほかのヒーローは…」 「みんなこの部屋にいるじゃないか」 「嘘だっ…」 部屋にはミミと同じくオムツをした幼児が遊んでいる。 彼女たちの顔は、とても純粋で…笑顔だ。 世界を救わんと戦っていたその姿の面影もない。 「特別に変身を解除してやろう」 ミミの姿が…特に変わらない。何も起きない。 「なんで…」 「お前はもう身も心もミミという存在に染まっているんだよ。今のお前の意識は仮初の物でしかないのさ」 「ちがう…俺は頭領の娘のミミで…ちがう…」 苦しそうだ。早く終わらせてあげるとしよう。 優しく体を抱きしめてやる。 「大丈夫だよミミ。次起きたらもう戻ることはないからね」 「やめてぇ………………」 必死に抵抗しようとしているようだが…瞼がゆっくり下がっているのは隠せていない。 体からも力が抜けており、もう抱きしめていなければ立っていられないだろう。 「すー…すー…うにゃ…おとーさん…」 やがて優しい寝息が聞こえてくる。 「次は娘としてたっぷりかわいがってやるからな」 F あれ?ミミなにしたんだっけ? えっと…おとーさんがきて…それから… …わかんないや。 「どうしたんだいミミ?怖い顔して?」 あっ…おとーさんだ! えへへ…なでなでされちゃった。 「えへへ…」 ミミ…おとーさんだーいすきなのっ! |