スキンチェンジ雑論

                      雑談・よしおか

 

 まあ、フレッシュイアさんのあとにこんなことを書くなんて、無謀なのですが、暇つぶしにお相手してください。

 

 以前も、論議の的になったとこのある「皮」ものについてなのですが、肉体的変化がないからTSではないとか、いや、変化して女性になっているからTSだとか、いろいろと、意見があったのですが、いまでは、TSFの一ジャンルとして暗黙の中に了承されているみたいです。

 ところで、「皮」ものとはいったいなんなのでしょうか。それは、変身したい異性と、同じ姿の着ぐるみを着ることによって、その異性に変身するという行為です。「皮」とはつまり、変身したい外見のこと。憧れの異性の姿のなれる手段です。

 なぜ、皮なのでしょう。それは、これらの作品が、物語っていると思います。

それは、中国の奇書のひとつ「聊斎志異」の「画皮」という話には、布に描いた袋を着て美女に化ける鬼が出てきますし、日本の昔話の「瓜子姫と天邪鬼」の東日本版には、瓜子姫の皮をはいで、天邪鬼が、瓜子姫に化けます。それに、有名なお話では、「かちかち山」では、おじいさんに捕えられたたぬきが、おばあさんの皮を剥いで化けています。これらの意味することは何でしょう。

 それは、化ける相手の姿を写し取るということです。つまり、皮を剥ぐ行為は、相手の姿を、そっくり剥ぎ取ることができます。そして、それを着ることによって、相手の姿を奪うことができるのです。それは、相手のすべてを奪うことになりますが、根本は、自分のままなので、変身の一種といえるでしょう。

それと、皮を使って、化けるという方法ですが、海外では、「SUIT」もしくは、「BODYSUIT」として、(異性への)変身譚の一ジャンルを確立しているようです。「NuGen」というボディスーツ(日本で言う【皮】)さえあるぐらいですから。

母親に化けたり、妻になってみたり、ガールフレンドや、身近な女性や、見知らぬ美女になって見たりと、けっこうお話は作られています。(詳しくは、海外サイトで、「SUIT」もしくは、「BODYSUIT」で、検索してみてください)

 

さて、日本ではどうでしょうか?「皮」の一般化に大きな貢献をしたサイトに、サマーさんの「エンドレス・ストーリー」をはずすことは出来ません。そして、ここで書かれていた「あさぎり」さんの「皮女」や、あと別名で書かれたりしているので判りませんが、それらの方々の作品によって、認められてきたといえるのではないでしょうか。うさ吉さんの「か・ん・づ・め」。八雲さんの「セクシー・ドール」。そして、復活されて、「皮」の定着に貢献された「サイファー」さんの「カメラ」シリーズを含めた作品群も、忘れてはなりません。ほかには、イアさんも、作品内で出されていた『ドラえもん』の『フリーサイズ着ぐるみカメラ』もそうですね。

「皮」モノとはいったいなんなのでしょうか。それは、フレッシュイアさんの説明をお借りすれば、「異性装」となると思います。服装ばかりではなくて、外見も異性になりたい、それも、憧れの異性に。だが、それはあくまでも異性を装うこと。心底、肉体から異性になることではありません。

あくまで、異性を装っているという点が、ぬぐいきれないのです。この点で、「皮」が、TSではないと思う方が出てくるのでしょう。なぜなら、「皮」による変身は、外見の変化が、前面にあるからです。そして、その下には、変化してない本来の肉体がある。外見と内側の相反した性。これが、「皮」をTSと認めにくい原点ではないでしょうか。

じゃあ、入れ替わりや、憑依、変身は?とおっしゃる方もおられるでしょう。中身が、異性という点では、同じではないかと・・・

この点が、実は、「皮」と、ほかのTS方法との大きな違いなのです。姿を変えるのに、服を変えるのと、美容整形をするほどの違いがあります。いや、それよりも、単行本と、文庫ぐらいの違いというべきでしょうか。単行本の文庫化が、今までのTS方法とすれば、「皮」は、本のカバーを変えただけ、といえばお分かりでしょうか。

そう、「皮」は、外見が変るだけなのです。ですが、それだけでも、かなり世界が変ります。人は、外見にかなり左右されるからです。それともうひとつ、「皮」は、特別な方法も、ましてや、能力や、機材は要りません。ただ、なりたい姿の「皮」があれば、いつでも、どこでも、だれでも、変われるからです。

つまり、「皮」さえあれば、好きなときに姿が変えられるのです。この点、簡単すぎて、つまらないとおっしゃる方もいるでしょう。そこにどう面白さを見出すかは、作者の腕でしょう。(他力本願だなぁ。われながら)

じゃあ、「皮」って、なんなのだ?TSか?とおっしゃる方も居られるでしょう。その点については、わたしもわかりません。ただ、わたしが言える事は、「皮」とは、変装から出てきたものということです。そうです。「皮」の元は、前にも書きましたが、「ボディスーツ」なのです。

じゃあ、ボディスーツって、なに?とおっしゃる方も出てくると思います。そんな方には、「怪人福助」氏や、「いわきのぞみ」氏の「WABE−2」シリーズや、「京」氏の作品群。それに、「フォスター」氏の「エステサロン ラバーみゆき」、それに、「最遠寺近緒」氏の作品群をお勧めします。(これらの方の作品は、どれもかなり面白いものなので、興味を覚えられた方は、ぜひどうぞ。)これらの方々の作品の中に、ボディスーツが出てきます。時には、いたずらのために異性に化ける道具として、ある時には、異性になって楽しむための手段として、そして、ある時には、相手を異性にして、もてあそぶために・・・

異性装としての「変装」。これが、変装サイトのボディスーツの使い方です。

 

さて、「皮」は、TSなのでしょうか?それとも・・・

あなたは、どう思われます?

 

補足

 まあ、思いつきで書き綴ったこの雑論に補足など書き加えることがあろうとは思ってもいませんでした。と言うよりも、書きっぱなしでほとんど読んでません。^^;

 さて、何かというと、最近「皮モノ」と言われるものには、大きく分けて二種類あるということです。

 そんなの知ってる、ジッパーとファスナーだろう?と言うボケはしないでくださいね。二つとは、わたしが今まで話してきた「ボディスーツ」タイプによる姿のコピー。もう一つが、さっき言いましたファスナー等を使った肉体強奪です。

 そう、皮といわれる物には、大きく分けるとこの二つなのです。そして共通点は、肉体を持ったまま、どちらもそれを着込むということです。

 さて、それではどちらが早いのか!と言う点で正当性を決めようとする方も居られるでしょう。ところが、この二つは、ほぼ同時期、と言うか、皮の一般化に大きく貢献したサイトとしてご紹介したサマーさんの「エンドレス・ストーリー」にどちらも出てきているのです。「ボディスーツ」タイプは、相手の皮を剥ぐと言う形で(薄皮を剥ぐみたいな感じなので、元のままか、若返ったりします)、もう一つの「肉体強奪」タイプは、謎の機械によって身体の中身を溶かしたり、背中につけられたファスナーで身体を奪われたりします。となるとどちらも「皮」と証してもおかしくないと言うことでしょうか?

 ま、正当性うんぬんを問題にするほうがおかしいのかもしてませんね。

 こうなると、「皮」のジャンルは、「変装」と「憑依」の性格を併せ持ったTSアイテムと言うことでしょうか?ますます、謎を深める「皮」ですね。

 

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