うしろまえのつづき

 うしろまえのつづき。




「ま、いいか」
 スーツがうしろまえだということに気がつきながらも、寝ぼけていたヒロオは、そのままファスナーを上げ、スーツを着込んでしまった。
「あっ! だめだって!」
「前が見えない……
「当たり前だよ」
「やっぱり無理があるか……。あれ? ファスナーが……。ねえねえ、ちょっとコレ、脱がしてもらえない?」
「無理だよ。そのスーツ、一度着たら48時間は脱げないんだから」
……あ、そうだった」
「どうすんのよ、そんなんで」
「ま、なんとかなるでしょ。とりあえず、服取ってくれないかな?」







「どう? 変じゃない?」
「だから、うしろまえだっちゅうに……


(おしまい)

 

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