3章 入れ皮り

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アヤコを縛り付けて、セックスしていた男とは、
もちろん、サトルだった。
「…ぁヤコちゃん… はぁ はぁ… 気持ちよかったよ… はぁ はぁ」
そう言い、気を失ったアヤコにキスをした。
サトルは、息を整え落ち着いた後に、
「… でもね、アヤコちゃん… まだ足りないの…全部欲しいの…」
とつぶやく。
「気を失ったみたいね。都合がいいわ。」
と、不敵な笑みを浮かべた。
そして、アヤコの手や足を縛っていた縄を解く。
目隠しも取り、口に詰め込んでいた布をとってあげた。
アヤコの目は、涙を流した痕跡があった。
次に、あらかじめ用意したビンから、ネバネバした液体を
手に垂らし、アヤコの体に丁寧に塗り始めた。
足、腰、おなか…
股の中やお尻もくまなく塗りたくる。
胸、 手、顔、 
そして髪の毛まで。
ネバネバした液体は、肌色に近かったが、透明でツヤがあり、
アヤコの体全体がそれで覆われた。
「これでよし…っと。これで5分待つのよね。
5分したら、これがゴム状に固まって…」
ビンの説明が書きを読み上げるサトル。

「これで、アヤコちゃんの全てが… ぐひぇ ぐぃひぃぃい」
サトルは、不気味な声で笑った。

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アヤコは、また気絶から、目を覚ました。
目を開けて見ようとすると、
今度は、なにやら濁った肌色のビニールでも被せられているのか、
はっきりと物が見えない。
でも、さっきと違い、ぼんやりと景色は見えるようだ。
体全体にも、そのビニールで覆われているのか、
変な密閉間があった。ピチピチのゴムで
拘束されているようで、うまく動かすことができない。
視界に、ぼんやりとした人影が見えた。
そしてそれは、近づいてきた。おそらく、これがアヤコを強姦した張本人に違いない。
残念ながら、ぼやけているせいではっきりとは顔はわからなかった。
「アヤコちゃん、おはよう。」
と、可愛いらしい声。アヤコの声色を真似することはやめないらしい。
「これから、アヤコちゃんの全てをもらうからね…」
んあぁー んまぁー
―アンタなんかに、何をぉ!―
さっきよりは口が動くが、口もゴムみたいなもので覆われている。
うまく声にならない。
「あら、怒ってるの? 怒ってるアヤコちゃんも可愛い… ふふっ♪」
んあぁーー!
―アンタなんか、アンタなんかぁ―
憤怒の感情がこみ上げてくる。
そして、ゴムの体でジタバタする。
「ぃやん、暴れないで。 …と、そろそろ5分よ。」
と言うと、アヤコは体を力強く横に押された。
アヤコをうつぶせに倒れる。
今度は一体何をされるのか。
抵抗しようとしても、うつぶせになったアヤコの上に男が馬乗りになり、
思うように逃れられない。
「いくよ、アヤコちゃん…、ああぁ…」
そして、後ろの首のあたりのゴム状の皮を、掴み引っ張った。
チョキン…
と音がする。どうやらハサミでゴムを切っているようだ。
続いてハサミでチョキチョキとアヤコの首周りのゴムを切っていった。
次に男は、ゴムの切り目に手をいれて、
ズルズルと、アヤコの首からそれを脱がせていった。
アヤコは、ゴム皮を脱がされて、はっきりと目が見えるようになった。
いつものアヤコの部屋、ベッドに押し付けられているアヤコ。
アヤコは、顔のゴムが取れて、普段の顔になっているはずなのだが、
何かへんな感じがした。顔全体がスゥスゥとする。
また、肩にかかるはずの髪の毛の感触がなくなっている。
顔を横に振ってみても、髪が視界に入る事はなかった。
後ろにいる強姦者の顔を見ようと、うつぶせながらに上を見ようとしてみた。
すると、裸の男が何かを頭から被っている最中だった。
ゴム上の、…皮。
その皮は、人の顔をしている。
髪の毛もついている。
そしてそのゴムの皮は、なにか
くしゃくしゃのビニールのようなもので覆われている。
ゴムのせいで、どこか歪んでいるが、その顔には見覚えがあった。
そして男は、皮を首まで被ったら、しっかりと手で押さえつけて、
顔の位置を合わせていった。
次に、何かのスプレーをその顔に吹きかけていく。
すると、ゴム皮上の顔の周りについた、
くしゃくしゃのビニールがパラパラとこぼれだした。
男は、ビニールを両手で払ったり、顔を振ったりして落としていく。
そのビニールの下から現れた、皮の顔の目が開いた。
肩にかかる髪の毛、切れ長の瞳。上品な眉毛、
白い肌。うっすらとツヤのある唇。
ゴム上の皮…だったのだが、今ではゴムには見えない。
人の顔…、どこからどうみてもアヤコの顔であった。
―え? なんで…―
アヤコは驚きで、声を出せない。
この男は、たった今アヤコの顔に変装したのだ。
男は、アヤコの顔で口を開く。
「…ふぅ。これで、完成っと。」
体は男、しかし、顔と声は完璧にアヤコになっている。
「どう?アヤコちゃん。私、綺麗?」
といって、にっこり笑う男…いや、アヤコに変装した人。
「鏡、見てみようっと。」
といい、男はアヤコの上から移動していった。
アヤコは、ここぞとばかりに、ゴムで動きにくい体を引き起こす。
「あはっ、アヤコちゃん… アヤコちゃんの顔、可愛いよ…」
と男は、鏡を見てうっとりしていた。手で顔を撫で回し、
髪の毛を触ったりしていた。
「あふんっ、 あぁ  ぁ」
顔や声はアヤコだが、体は男であった。
「髪の毛からも、いい匂い… あはあぁ…。」
と、髪の毛の匂いを嗅ぐアヤコ…いや、アヤコの顔をした男。
可愛い顔をしながら、下半身には巨大な肉棒が、そり上がっている。
妙な違和感があり、とてもいやらしかった。
男は、自分がアヤコの顔をしている事に興奮しているのか、
肉棒を手でしごいている。
しこしこっ しこしこっ
「ぃやん ああぁ ああん いくぅ!」
と、アヤコの顔で、アヤコの声を出す。
目を潤ませて、とろけるような顔をする。
眉間にしわをよせ、どことなく、より目をしており、
焦点があっていない。
きゅっと突き出した唇からは、
つややかなヨダレをこぼした。
その表情は頬を赤く染め、とてもいやらしかった。
アヤコは、自分がもてあそばれているような気持ちになり、
とても屈辱的だった。…が、しかし、なぜかその姿に
無意識に興奮してしまっていた。自分の顔がいやらしい表情で、
欲望にもだえている。体は、その顔との性と
一致しておらず、股間の巨大なペニスが隆起していた。

「ぁあんっ ああぁん! アヤコのおち○ぽ イっちゃうよぉっ!」
しこしこっ しこしこっ
男の被っているアヤコの顔が、かわいらしく目をつぶる。
ビクン、とペニスが一回り大きくなった気がした。
 
「ぁ、 だめぇーー!! あああんっ」
と、艶っぽい声で叫ぶ男。
そして、大きく腰をそり上げて
どぴゅぅぅうっ!!
と、勢いよく精子を鏡に発射した。
男は、アヤコの顔と声でイッたのだった。

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男が、オナニーしている間に、
アヤコは少し冷静さを取り戻していた。。
そして、男が射精した隙にこっそり、
逃げ出そうと、男の後ろを通り抜けようとした。
射精の瞬間は、さすがに目を閉じて、こっちに注意がいかなくなるだろうと思ったのだ。
「あああんっ」
アヤコの顔で色っぽく、絶頂を迎えた男。
思ったとおり、目をつぶって、ガクンとその場にうなだれた。
アヤコは、それを見て、ゴムの体に包まれてはいるが、なんとか歩いていく。
音を立てないように、なるべく早く。
男は気づいてない。
―よし!逃げれるっ―
と思った瞬間、鏡に映った自分の姿に違和感を感じた。
思わず、もう一度横を見る。
鏡に写っているのは、見たことのない顔だった。
…いや、顔なのだろうか。
色は肌色ではなく、ピンクと赤の中間くらいである。
眉毛や髪の毛、耳すら見当たらない。
顔の起伏がなく、骸骨に申し訳程度に肉がついているような顔であった。
唇がないため、口の部分は、歯がむき出しである。鼻も、鼻骨のあたりが、
少し盛り上がっているが、ほとんどなくなってしまっている。
ひどく、醜い顔であった。
アヤコは状況が飲み込めない。
これは、間違いなく鏡である。
少し首をかしげてみた。
その醜い顔も首をかしげる。
体にはビニールのようなもので包まれていて、その下は裸である。
見慣れた自分の裸。
この醜い顔が自分の顔??!
「いやぁーーー!」
あまりのショックで、大声を上げてしまった。
男は、その声でアヤコに気がついた。
「…アヤコちゃん、どうしたの?…ああ。その顔ね。」
アヤコの醜い顔とは対照的に、男は可愛らしい顔をしている。
アヤコは、だんだん状況が飲み込めてきた。
「そう。アヤコちゃんの顔、もらっちゃったの。その顔についてる肉ごと、皮を剥いで。ね♪」
ニコリと可愛らしい顔で笑う男。



「返してっ! その顔、かえして!」
と叫ぶアヤコ。頬の肉や、眉毛やまつげ、唇がないせいで、怒っていてもあまり表情が
変わらない。
必死で男に近づいて、男の首から上を取ろうとした。
しかし、なぜか皮のつなぎ目が見当たらない。
引っ張っても、とれそうになかった。
「ぃやん、痛いったら。だめよ。これは一度つけたら、特別な薬品じゃない限り取れないの。」
そしてそう言いながら男は、逆に近づいてきたアヤコの首をつかむ。
「次は体よ… アヤコちゃんの、可愛い体…」
と、うっとりとした顔でささやく。
「え?! いや…だ、だめ!!」
と、アヤコが言った時には、もう遅かった。
首の部分から、勢いよくズルリと皮をむかれてしまった。
必死で抵抗するが、油断していたせいで、一気に腰の辺りまではがされる。
赤ピンクの体がむき出しになる。
その体には女の象徴である胸がなかった。
ふくよかな、お腹のカーブや、柔らかい肩、その全てが失われ、
骨の周りについた硬そうな肉だけになる。
両手で抵抗するアヤコだったが、
足を男にゴムごと思い切り引っ張られたせいで、転んでしまった。
「いゃ…いたい」
転んだ勢いとともに、下半身の皮も全て剥がされてしまった。
「だめ…返して 私の皮…!」
アヤコは腰を打ち付けてしまったらしく痛い。
それでも、何とか起き上がって、皮を取り戻そうとする。
しかし、そんなアヤコの努力も虚しく、起き上がったところを
待ってましたといわんばかりに、男は縄でぐるぐるとアヤコを縛りあげていく。
「いやぁ… だめ、返して … 」
アヤコは、泣いている。しかし、表情は不気味な無表情である。
体も、全体が、赤ピンクで、まるで、理科室の人体模型の人形のようだ。
性別すらわからない。
アヤコを一通り縛り上げて、大声を上げないように、口に布をつめて猿轡をする。
「よし。アヤコちゃん、大人しくしててね…あ、もうアナタは、アヤコちゃんとは呼べないかな…」
とニヤリと笑い、
「こんなに醜いんだもの。これからは私が、アヤコよ…見てて。」と付け足した。
そして、先ほどアヤコから脱がした体の皮を、手に取る。
首の部分の穴を思い切り広げて、それに足を入れていった。
「ぅぅん。さすがに首の部分から体を入れるのはきついわ。」
それでも、なんとか、ずるずると腰の部分までそれをあげていく。
中身がない皮の部分は、グニャグニャしている。
「んー んふーーっ!!」
アヤコの声は言葉にならない。
何とか、肩の部分まで皮を着ていく男。
そして、足の指や、お尻、股の場所を直していく。
手を最後に入れて、うまく調整した後、首の部分をしっかりと合わせた。
また、仕上げとしてスプレーをかける。
透明なビニールみたいなものがパラパラと落ちていき、
顔の時と同じように、丁寧に払った。
程よく、上向きな綺麗な形をした胸。
お腹が柔らかいラインを描き、
それが、股へと続く。
股にあった隆々とした男の肉棒は、見る影もない。
太ももはふっくらしており、白い肌にところどころ、
青い血管が浮き出て、色っぽかった。
そして、男はその姿を鏡で確認する。
「…これが、私?」
どこからどう見ても、憧れていたアヤコそのものなのだ。
アヤコの顔、髪、胸、お腹、そして女性器…
その全てを、身に着けて、アヤコ自身になったのだ。
「かわいい…かわぃいよぉ、 えへ… ぐひぇいぇひぃ… ぐはぁはぁはあっ」
どこからどう見ても、可愛らしい女の子の姿をしながら、
下品で、不気味な笑い声が出た。興奮のあまり、素になったようである。
「ほら、見てごらん… アヤコちゃんの全てをもらったんだよ…」
「んーぅぅぅうっ!!」
精一杯怒りと抵抗を表すアヤコ。
しかし、どうする事もできない。
「この可愛いおっぱいも、全部、私のモノ… ぁああんっ」
アヤコの皮に包まれた男は、自分の胸を揉み、思わず声を出す。
「すごぃ… はんっ!」
胸を揉んだり、乳首を触ってみたりする。
「ぁやぁんっ… この吸い付くような肌も、全部 私のモノなの… 
私がアヤコなのよ… ああぁんっ!」
左手は、胸を揉んだまま、乳首を刺激し続ける。可愛らしいその顔は、目がとろんとしてきて、
とても気持ちよさそうな表情をした。
そして、そのまま右手をゆっくり下へと伸ばし、お腹を這うように移動する。
アヤコの皮のお腹や肌を堪能しているようだ。
やがて右手は、お腹を通り過ぎ、太ももの間にたどり着く。
そして、サラサラと陰毛をかぎ分けていく。
「はぁ…はぁ…私… アヤコ。 アヤコいけない子なの… 」
と、アヤコに成りすました男は言う。
右手は、股の上を覆うようにかぶさっている。
そして、
「…アヤコ、オナニーしたいの…」
と、言うと同時に、右手の中指を茂みの中へと
沈めていく。陰毛の辺りは、体液でうっすら湿っている。
ぐちゅる…
「あぁああぅん!」
指先が、アヤコの皮の女性器の部分に入ったのだ。
アヤコの顔で、目を瞑り、頬をそめる男。
ビクンっと体が反り返った。
「すご… ぃ… 女の子って、すごいよぉ…」
と言いながら、目を潤ませて色っぽい顔で、つぶやく。
快感のせいか、口からだらしなくヨダレがこぼれた。
そして、また指を徐々に奥へと入れていく。
ぐちゅ…。ぐちゅぅ…。
「あぁああんっ!アヤコ、気持ちいぃ… っくぁん!」

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サトルは、片方の手で胸を円を描くように揉みながら、
もう片方の手の指をゆっくりゆっくり、体の内部へと入れていった。
体の奥がジンジンとあつくて、しびれるような快感だった。
自分が憧れのアヤコに、完全に成りかわったという事も、
興奮を増徴させる。
醜い自分の体は、今では、可愛いアヤコそのものなのだ。

「…ぁはんっ ああん」
女の子の花ビラを刺激する指が、どんどん奥に入っていく。
そして、とうとう、指の付け根まで到達した。
ねっとりとした愛液が指に絡みつく。
くちゅぅ…くちゃ…
と指をうねらせてみる。
「きゃあぁんっ!あああん、 すごっ…ああ 」
腰が、ビクンと動く。乳首にも血が集中してくるのがわかる。
コリコリと乳首が勃起した。
「うはぁんっ! うはあぁんっ!」
ちゅぱぁ ちゅあぱあぁ… くちゃくちゃ…
指の動きが、快楽を求めるためにどんどん加速する。
「んっ! んっ!! いいぃっ!!」
腰を上下に動かし、指を膣から出し入れする。
快楽であふれんばかりの愛液が、そこらじゅうに飛び散る。
ちゅぱんっ ちゅぱああんっ!
「ああぁん!! ああ 、 だめぇ … アヤコ、いっちゃうよぉ!!」
くちゃくちゃんっ 
狂おしいほどの女の快楽が、サトルを襲う。
頭の中が白くなっていく。
「あぁんっ! ああぁうん!!」 
くちょくちょっ
「ああ!! アヤコのオマ○コっ
イクぅ… いく… あああ!!!だめぇえええええ!!!」
とアヤコの声色のまま、大きく喘ぎ声を出し、
右手の指を、思い切り膣に突き入れて、
そして、次の瞬間、
シャアアア…
という音とともに、女性器から、勢いよく体液を噴出した。
そしてビクビクっ と大きく体を痙攣させたあと、
後ろにのけぞった。
サトルは、アヤコの皮を被り、髪や顔、胸やお尻、そして性器まで、
アヤコになり、自慰をして女性の絶頂を迎えた。
こうして憧れのアヤコを、全て、手に入れたのだ。

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アヤコは、自慰を終えた、もう一人の自分の姿を見ていた。
声を出す気力もなくなっていた。
体液を股の間から、噴出して部屋をびしょびしょに汚している
艶やかで淫らな少女。それが、顔や体、声までもアヤコそのものなのだ。
現実とは思いたくなかった。
しばらくして、その淫らな自分の姿をした男が起き上がり、
そそくさと、アヤコのカバンをあさり始めた。
そして、その中にあった携帯を取り出し、どこかへ電話をかける。
「…はぁ… はぁ… あ! ママ?」
と話す男。もちろん声はアヤコである。
ママに電話?なんで??
「ごめん、やっぱり、タクシーで帰ってきちゃったぁ。…
…うん。
ごめん…。
うん、わかった。
じゃあありがとうね。」
と何かを弁解して、電話を切った。
「ふぅ… これで完璧…。 ああ、気持ちよかったぁ。アヤコ、これから毎日オナニーしよーっと。」
と、勝手に宣言する。
アヤコの体をもてあそぶ気でいるらしい。
そして、さっきまで、膣に入っていた指を美味しそうに舐めた。
「ちゅっ。んはっ♪私のオマ○コ、エッチな味がするよ。」
次に、ティッシュで膣と、床をふき取り、
そこら辺に落ちていたショーツとブラジャーを身に着けた。
黒いソックスもである。
「あはん、ぴったり。ブラジャーって可愛いっ。」
そして、アヤコの制服を着て、
「私…アヤコ…  可愛いでしょ。えへへ」
と鏡でいくつか、ポーズをする。
そして、男は…いや、元男というべきか、いまや完全にアヤコの姿のそいつは、
縛られたアヤコに近づいてきた。
「これからは、私がアヤコだからね。」
と可愛らしくウィンクする。
「アナタは、うーん。…あ、当分この中に入っててもらうね♪」
と、大きなダンボールを指差した。
「ぅんうー!!」
必死に抗議の声を上げるが、アヤコは、アヤコ姿の人に、
抱えられて、ダンボールに詰め込まれてしまった。
そして、蓋を閉める時に、
「あ、逃げ出しても無駄よ…。考えてみて。アナタと私、どっちがアヤコだって思われると思う?」
今は、アヤコは醜い赤ピンクの肌、鼻や頬の肉がなく、髪の毛もない。
胸や、膣もなくなっているため、性別すらわからない。
一方、この犯罪者は、今はどこをどうみても女の子である。
柔らかい髪の毛、切れ長で瞳の大きい目。つぼみのように膨れる唇。
体も、丸みを帯びていて、大きな胸がある。腰のカーブも女性特有のものであり、
美人そのものであった。そう、アヤコの体そのままなのだ。
「ね。もう、私がアヤコで、アナタはもう違うの。
もしかしたら、この体に飽きたら、皮も返してあげる…かもね♪
それじゃ、バイバイ、アヤコだった人。えへっ」
といって、段ボールの蓋を閉めた。
そして最後に、
「捨てられたくなかったら、おとなしくしててね、きゃははぁっ♪」
と楽しそうに、可愛らしい声で付け足した。
アヤコは、暗闇の中、絶望に陥った。
しばらくして、下の階から話し声が聞こえた。
母が帰ってきて、それに「おかえり」という私の皮をまとった犯罪者。
家族の幸せな談笑が聞こえる。
母も私の皮をまとった男に気がつかなかったのだ。
いつもどおりとても楽しそうに笑う母。
アヤコは、真っ暗な中それを、泣きながら聞いていた。


終わり



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