餓鬼
作:Necro



「よーし、じゃあ、ゆき、お前が鬼だぞ」
ずっと前に持ち主が出て行ってから荒れっ放しだった屋敷。
そこで今私たちは隠れんぼしていた。
私はみゆ、みんなと一緒に隠れる側。

私の他には、ゆうじくん、まことくんの男の子の二人。
そして、まやちゃん、えりちゃん、ちなつちゃんの女の子三人。
私も入れて六人で隠れる側。
ジャンケンで負けたゆきちゃんは一人鬼役。

「じゃあ、何処に隠れる?」
「とりあえずここから離れようぜ」
鬼役のゆきちゃんのいる部屋から廊下にとりあえず出た。
左にも行けるし、右にも行ける。
「さて、まず左と右どっち行こうか」
そう言ってゆうじくんはみんなに意見を求めた。
みんなはバラバラに左や右と言い合ってる。
私は前から屋敷に来てちゃんと下見をしておいたので、良い情報を明かした。
「隠れるのにいい場所、私知ってるよ」
そう言って私は左を指差した。
「じゃあ二手に分かれようぜ」
ゆうじくんはそう言い出した。
「俺とまやとちなつが右に行く。お前らは左な」
ゆうじくんは素早くみんなを二つの部隊に振り分けて他の二人を連れて右へ行った。
「じゃあ、俺達も早く隠れようぜ」
まことくんが私に向かってそう言う。
私はまことくんとえりちゃんを連れて左に行った。

「それで何処に隠れるんだ?」
「この部屋だよ」
そう言って私は一つの部屋のドアを開けた。
中は薄暗く、電球は無い。
窓から入ってくるわずかな太陽の光が部屋の中を照らす。
「この部屋のどこに隠れるの?」
えりちゃんが部屋に入って辺りを見回す。
部屋には整理箪笥やベッド、衣装棚ぐらいしかない。
「ちょっとそこで待ってて」
二人にそう言って私はベッドに近寄ってシーツをめくった。
シーツの下からは大人の女性の等身大の人形が六体出てくる、それぞれ二体ずつ向き合って重なっていた。
六体の人形の内、三体を持ち上げて床に置いた。
「人形?何でこんなとこに・・・不気味だけど、よくできてんなー」
そう言ってまことくんは人形をじろじろと見る、少し目付きがいやらしかった。
「この人形の中に隠れるの」
私がそう言うとえりちゃんは少し怖がって、表面上まことくんは嫌がったけど口元が緩んでいた。
「大丈夫、絶対ばれないって」
そう言うと本来の目的、隠れんぼを思い出したのか俄然やる気が出てきてまことくんは隠れようと言い出した。
私は人形の背中のファスナーを開けてえりちゃんに渡した。
「本当にこの中に入るの?」
「見つからない為だよ」
少し強引にえりちゃんを人形の中に入るよう薦める。
まことくんも私に同調してくれたおかげでえりちゃんも人形の中に入るのにやっと同意してくれる。
そこで人形の一体をうつぶせにして中にえりちゃんを入れた。
えりちゃんの顔は人形の胸元辺りにあって、足先は人形のひざ辺りまでしかない。
両手は上に上げた状態で入ったので、人形の首辺りに指先があたるかあたらないか、それぐらい人形との体の大きさに差がある。
無事にえりちゃんが中に入ったのを確認して人形の背中のファスナーを閉めて人形を持ち上げた。
中からえりちゃんが苦しそうな声をあげる。
えりちゃんの足先は空洞で、人形の股間部分にえりちゃんの股間部分が乗っかって空中に浮いている。
だから股間部分に自重がかかる、股間の痛さに耐え切れなくてえりちゃんが人形の内側から人形をどんどんと叩いた。
そこでえりちゃんの入った人形はベッドに寝かせた。
「じゃあ、まことくんね」
そう言うと私が何かするまでもなく、まことくんは自分で一体人形を手に取りファスナーを開けて中にさっさと入った。
「これなら絶対ばれないな、じゃあ閉めてくれ」
まことくんがそう言うのでさっさと人形の背中にあるファスナーを閉めてあげた。

えりちゃんの入った人形とまことくんが入った人形を二つベッドに並べた。
「子供は単純なんだから・・・」
私はそう言って整理箪笥から黒い液体の入ったビンを取り出す。
それを適量、えりちゃんの入ったに人形の口、まことくんの入った人形の口に流し込んだ。
人形の内側から二人の声が聞こえる。
ただ二人は人形の厚い皮膚で覆われているので何を言っているのか明瞭には聞こえない。
人形から出ようと二人はもがくが、人形そのものが二人の体を押さえつける。
そして人形の外へ出る為にはファスナーを下ろして開けなければいけないが、内側からファスナーは下ろせない。
構わず私は二人が入っているそれぞれの人形を外側から揉みしだいた。
しばらく人形を揉んでいると二つの人形ともぺこんっと腹、下腹部、太股の部分がへこむようになった。
それを確認して、まずえりちゃんの入った人形の背中のファスナーを開けた。

人形の中には小さなゼリーとぺらんぺらんの皮になったえりちゃん。
ゼリーを取り出し、それを整理箪笥に入れて置いたカップに入れて箪笥の中へ。
まことくんの入った人形の背中のファスナーを開けると、えりちゃんと同じように皮になったまことくんとゼリーが出てくる。
同じようにまことくんのゼリーをカップに入れて元の場所へ。
えりちゃんの皮とまことくんの皮を取り出して、二人の皮の背中に整理箪笥の中に入っていたハサミで切れ目を入れる。
二人の皮に切れ目を入れた後、まずえりちゃんの皮をえりちゃんが入っていた人形に被せた。
えりちゃんの皮に比べて人形はとても大きいので、えりちゃんの皮はやぶけそうなぐらい伸びる。
顔や首の部分はぴたっと合ったけれど、首より下だけ皮が伸びきって大人の体型になっていて少し不気味。
人形に皮を全て着せて、皮の背中の切れ目の部分をペロペロとなめて唾液をつける。
木が焼けるようなチリチリと言った音がして、切れ目は消えていった。
同時に人形はえりちゃんの元の体格に合わせて小さくなって行く。

目を覚ます事の無いえりちゃん人形を抱えて、壁際まで移動する。
そして壁によりかかるようにしてえりちゃんを置く。
「あと4人・・・・」

ドアをそっと開けて廊下を見る。
遠くにゆきちゃんの姿が見えた。
「探してる、探してる・・」
わざとドアを閉める時に音を立てて閉じた。

バタンッ
そのドアを閉める音は、誘惑の音、沼に沈む音、それは恐怖への扉・・・。

ぱたぱたぱたと走る音が聞こえた。
来た来た・・・。
「ゆうじくん?まことくん?誰でもいいから出てきて・・・、あたし怖いの・・・」
そう言ってドアの前に来て止まった。
「脅かさないでよ、絶対。脅かしちゃ、ダメなんだからね・・・、返事してよね、ちゃんと」
私は逃げも隠れもせず、ちょこんっとドアの前に座った。
ドアが開かれると、不安で一杯のゆきちゃんの顔がそーっとドアの向こう側から出てくる。
「みゆちゃん!!」
「あはー、見つかっちゃった」
「良かったぁ、一人じゃ怖くて・・・他のみんなは?」
「えりちゃんならそこ」
そう言って私は壁際でぐったりしているえりちゃんを指差した。
「え、えりちゃん?どうしたの?」
「気分が悪くなったんだって、ちょっと見てあげて」
「大丈夫?えりちゃん」
そう言ってえりちゃんを覗き込もうとゆきちゃんが屈んだのを見て、私は口の中に少量の黒い液体を含む。
そして、ゆきちゃんの肩をトントンと叩いた。
ゆきちゃんが振り返る。
「みゆちゃん、えりちゃん寝てるみた・・・」
そこへ私はキスをした。
思いっきり強いキス、そして黒い液体を口から流し込んだ。
「ん!!んんん!??!」
ゆきちゃんは混乱してる。
何が起こったのか分からない。
「あ・・ああ・・・」
唇をぱっと離すと、ゆきちゃんは体が痺れて動けなかった。
黒い液体は量によって効果が少し違う。
適量与えると対象を皮に、でも少量なら相手を痺れさせる効果がある。
「あ・・・、いや・・・」
ゆきちゃんの体が意志とは無関係に痙攣している。
自由意志で動けないことを確認すると、ゆきちゃんの体を持ち上げてベッドの上に移す。
ベッド上で転がっている人形を一つ手に取る。
ロングヘアの金髪碧眼の人形の中にゆきちゃんを入れた。
言葉を発せ無いけど、その時のゆきちゃんは目から涙が出ていた。

ゆきちゃんの体を人形に完全に納めて、人形の背中のファスナーを上げる。
その人形を少し持ち上げゆさゆさと振ってみる。
「ん、大丈夫」
そして私はまことくんの皮を取り出す。
まことくんの皮の背中を広げ下半身だけ入れる。
すると、私の下半身が変化して、小さいながらもちゃんと硬くなる男の性器を手に入れた。
「ゆきちゃん・・・」
私はその小さなモノを、ゆきちゃんが中に入っている人形・・・その股間にある穴に差し込んだ。
「・・・・!!!!」
人形の中で肉体と人形が擦れる音が聞こえる。
でも私は気にしない、小さなモノで思いっきり突きまくる。
まことくんの上半身は着込んでいないので、生気を失ったまことくんの顔が自分の下半身にぱたぱたとぶつかる。
命を感じない瞳、そう、さっきまで動き回っていたまことくんを私は支配した・・・。
それがさらに私を興奮させた。
「あ、ああ、気持ちいい」
「・・・!!・・・!!!」
ぱんぱんと人形と肉体がぶつかる音がする。
無情の音、欲望の音、超越の音、有機の音、無機の音。
そして、怪物の音。

「あ・・ぐ・・あ・・・」
人形からその声が聞こえたのを最後に、人形の中身は何も動かなくなった。
私はつまらなくなったので、自分の棒を人形から引き抜く。
まだ達していないけれど、それは体の未発達も関係あるんじゃないかと思った。
「さてと・・・」
自分の下半身に手をかけまことくんの皮を脱ぎ、再び少女の下半身に戻る。
そしてゆきちゃんが入っている人形の中に黒い液体を注ぎ込む。
気を失っているおかげで順調に皮になって行く。

「出来たっと」
人形の背中のファスナーを降ろし、中から皮になったゆきちゃんとゼリーを取り出す。
「ふふ、じゃあ次はどうしよっかな」
そう言いながら、しっかりとゆきちゃんの皮を掴み、ゆっくりと手足を皮の中へ滑らせた。
少しずつゆきちゃんの皮が膨らみだす。
外側はゆきちゃん、でも中身は全くの別人。誰がそんな事を信じるだろう?
「ふふ、残りのみんなも・・・全員皮にしてあげる・・・・」
そう呟いて、ゆきの姿で鬼ごっこを続けた。

餓えた鬼に、誰も気付かないまま・・・


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