おじさんズ
グニョニョニョニョ~っと変形して姿を変えるのは、まるで機械人間のようですが(^^
「仕方ないですな」
「娘がどのような友達と遊んでいるのか……。親としては知っておきたい所ですから」
「それにしても恥ずかしいのぉ。ワシは孫の姿に変身するわけじゃから」
「それは私だって同じですよ。でも、一度は見ておかないと」
「そうですね。一度は見ておかなければ」
「……ではそろそろかのぉ」
「今なら誰も見ていませんし、この薬を飲んで娘の……秋吉さんは孫を脳裏に思い浮かべてください」
「分かりました。それでは……」
グニョニョニョ~ン……。
「おお。上手くいきましたよ。ううんっ。声まで変わっている」
「お二人とも、なかなかのものですな」
「ワシも孫の姿に見えるかの?」
「見えます見えます。しかし、そのしゃべり方ではおかしいでしょ。私も人の事はいえませんが」
「ですな」
「じゃが、ワシはこのしゃべり方しか出来んのじゃ。孫のしゃべり方なんて無理じゃよ」
「大丈夫。練習すれば何とかなります。例えば……ねえ、早く学校に行こうよ。皆が待ってるよ!」
「「おおお~!」」
「簡単なものですよ。さあ、お二人も娘や孫の様にしゃべって見てください」
「よ、よし。それでは……わ、分かったよ。私、学校に行くわ。だって学校は楽しいんだもん」
「やるのぉ。じゃあワシも……私は孫じゃよ。早く学校に行くのじゃ!」
「いやいや秋吉さん。それではまったくお孫さんのしゃべり方になっていませんよ。お孫さんは【行くのじゃ】なんて言わないでしょ」
「そうよ。私達、今は女子高生なんだよ。おじいさんみたいなしゃべり方なんかしないんだからね」
「むむむぅ~。なかなか難しいものじゃのぉ。ワシが孫の様にしゃべるのは時間が掛かりそうじゃ。お二人さん、しばし付き合ってもらえんか?」
「いいですよ。私たちももう少し練習した方が良いですから。そうでしょ?」
「ええ。分かってる。皆で練習しましょ!」
「すまんのぉ。それじゃ……よろしく頼んだわのぉ」
「ええ……」
こうして三人は娘と孫の姿で夕方になるまで練習した。
そして学校に行くと、すでに生徒達の姿はなくなっていたそうな……。
ちゃんちゃん!
……ってな感じですかねw