人生のリコール 第2章 人権没収と解雇
 作:Sachi



では、社長。

喬木は解雇にして下さい。

はあ。
社長は困りながら、承諾した。

社長、あなたにもいい話しだ。
あなたは、警察が来ると聞いて怯えたのではないですか?

うっ

脱税

我々がわかってないとでも、思いましたか?

社員全員を調べ、売上、営業利益、その部分も見させて頂きました。

喬木に罪をかぶせて、解雇にすればいい。

!なっ

それだけでは、ありません。
ここに五千万ある。
はした金ですが、受け取って下さい。

さあ、社長どうしますか。

わかりました。
高木正則を脱税を手引いたとして、解雇致します。

それで、よろしい。

では、高木くん
君は解雇になった。
これから、我々と一緒に来てもらいたい。
女性として生活できるように、訓練をしてもらう。

はい。

そして、これだ。
犯罪者の気持ちを知る為の心理テストなんだが、5000問もある、しかし、本当は森山の行動パターンや友人関係を知る為に書かせたアンケートだ。

真面目に書けば、刑期を軽くするとウソを伝えてな。

君には、これを覚えてもらう。
そしてテストがある。

テスト?

ああ。
なりすますのに、本人の事がわからなければ、ボロが出る。

我々が考えているのは、完璧な入れ替わりだ。


この内容をすべて暗記し95%以上を正解しないと、この話はなしだ。

はっはい。
おっと忘れていたよ。
君の他に試験を受けるのが、2人いる。

!話が違う。もし落ちたら、僕だけ、全て失うじゃないか!必ずなれるのじゃないかよ?

他人の人生手に入れるのは、そんな甘い話しじゃねぇんだよ。
リスクは伴うぜ。

やるしかねえんだよ。

高木と一緒に試験を受けるのは、
29歳の女装の男性
20歳の女性の二人だ。

まあ、頑張ってくれ

クソ、はめられた。

何がなんでも、受かるしかない。
そして、来年、女子社員として入社するんだ。




心に決める。

そして、警察達は帰って行った、夕方、解雇が伝えられ、異例のスピードで処理された。

新聞にも載ったが枠は非常に小さく、脱税による社員一人の解雇だけが載っていたのだった。


そして僕は働く場所を失った。

10月、奴らの言ってた寮に向かった。町のはずれにある寮は静かだった。不気味に隣は廃墟のようなビルが佇む。

ふー
寮のドアを開ける
こんにちわあ

はあーい
女性の人が現れた、40歳くらいだろうか。
あの、この寮に入る事になった高木と申します。よろしくお願いします。
あ〜あなたが、高木くんね!
じゃあ全員揃った訳ね。
えっ全員?

さあ、上がって頂戴!

寮の中を案内された。
茶の間に通された。
そこには、自分と同い年くらいの男性が2人座っていたのだった。

紹介するわね。

あの子は、小林加奈子ちゃん候補の佐々部くん
こっちの子は、鵜川麻衣ちゃん候補の矢板くんよ
2人共、この子は、森山茉莉奈ちゃん候補の高木くんよ
仲良くしてね。

はい。
静かに三人が返事をする。

さて座ってね
これからの事を説明するわね。

今回、あなた達は、人権没収となった三人の女子達としての、人権と生活を手に入れる為の候補生よ。

あの窃盗事件は、
鵜川麻衣
小林加奈子
森山茉莉奈
の三人の女子によって行われたものよ。

そして、あたな達は、それぞれのなりたい女子と、なんらかの形で接触をしており、常に、女子としての生活を夢見ていた人。

三人は仲が良かったわ
そこで、あの三人のように仲良くなるように、共同生活を行い、女子としての教育をあたしが指導していきます。

そして、1月に行われる、最終試験に合格して、その人生を掴み取りなさい。

私は、中条眞由美です。

よろしくね。

はいっ

まず、持ってきた物を出しなさい。

カバンから服や本などを取り出す。

ふーん。
あんた達は、女の子になりたいんだよね?

あっはいっ
何、男モノの服なんか持ってきてるの!捨てるわよ!
えっ
えっじゃない!女の子にトランクスなんて必要ありません!

僕たち三人は持ち物のほとんどを処分されてしまった。

服を脱ぎなさい。
まるで女王様だ。怖い。
三人とも無言で服を脱いだ。

全く、女の子になるのに、裸になる抵抗が全くないね。恥じらいなさい。
まあ徐々に教えてあげるわ

そういうと中条さんは、ロープのようなものを取り出した。

そして、足の膝から股したまでを固定し、足が開かないようにし、手は肘から肩までをぐるぐる巻きにした。

とりあえず、一週間、絶対に外さずに過ごしな。
寝るときもだよ!

僕たちは三人で、過ごす事になった。
体をロープのようなモノで縛られた生活はぎこちなかった。
食べ物は、三食でたが、量は極端に少なくサラダばかりだった。
アルコールはもちろん禁止。
女性向けの、美容サプリメントを飲まされた。
お風呂は一日二回、90分ずつ、男性臭いを消す為、女性に人気のあるボディソープやシャンプーで何回も洗う

服は女性モノだが、可愛さはない。いたってシンプルなモノ。白いショーツに、スポーツブラ、普通のシャツにデニムのスカートだった。

授業内容は、女性になる為の内容である
まず、女性的な話し方や話し言葉。
女性的な仕草のレッスン。座り方、歩き方、など、正しい姿勢より、女性的に見える座り方などを指導される。
女性文化、化粧やファッション、女性としてなら、当たり前の内容を勉強する。
などが初期段階であった。


僕たちは頑張って学んだ。

それぞれ、なりたい女子の名前で呼び合うようにしていた。

麻衣、加奈子、そしてあたしが、茉莉奈だ。

そして11月下旬、拘束具が外された。
すると、座る時に無意識にペタンコ座り、女の子座りができるようになり、手の動きも、走る時に横に降りるようになり、より女の子に近くなった。

僕たちは、一歩一歩女子に近づいていた。

女性の恋愛と結婚についても学ぶようになった。

僕たちは、恋愛対象がよくわからなかった、しかし、これから女性になるにあたって、女の子に興奮ばかりできない。男に抱かれる事に喜びを感じなければいけない。

ひたすらイメージトレーニングが始まった。

リクルートスーツ姿の女性の写真を見せられ、
中条先生に、これは?
可愛くて、綺麗な足ですね。
ダメ、あんたも同じ格好をするのよ、いちいち、そんな事を思わなくていいのよ。このスーツの女の子は同性よ。加奈子、麻衣、茉莉奈、あんた達と一緒の女の子。
友達になれるかも、しれないけど、恋愛にはならない。そう認識なさい。

この写真は?
女の子がいっぱい。あっこの人イケメンですね!
そうそれでいいのよ。

でも、全く、同性になる女性の目線を気にしないのもダメよ。自分がどう見られているか、周りに溶け込めるファッションなのか。
よく意識しなければいけないのよ。

はい、わかりました。

そして、12月女性ホルモンの投与が始まったのだ。







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