「おねぼく ―あこがれのおねえさんに憑依してしまったぼくの日常―」 作・JuJu 【第10話(全10話)】 「成桐くん。ベッドに座って」 そう言ってぼくは、本体のぼくの手を取るとベッドの端に座らせた。 それからぼくは彼の目の前に立つと、両手をアンキモのスカートの裾に伸ばした。 本体のぼくが、驚きと期待顔でスカートを見つめる。 そう。彼が想像しているとおり、ぼくはスカートをたくし上げてパンツをみせてあげることにしたのだ。 これは朋さんとのレズセックスで、彼女が最初にしてくれたことだった。 あの時の興奮は、いまだに忘れられない。目の前にいるぼくも自分同士なのだから、きっと喜ぶに違いない。 ぼくはスカートの裾をつかんだ。それからゆっくりとスカートの裾をまくりあげる。 本体のぼくの目が、ぼくのパンツに釘付けになっている。相手は自分だというのに、見られていることが恥ずかしくなってきた。これは瑚さんの体だから、ぼくの体じゃないのだから、はずかしくないはずなのに、体がエッチな状況に興奮しているのがわかる。 左手でスカートをまくったまま、右手で本体のぼくの手をつかむとぼくの胸に導いた。本体のぼくは少しとまどっているのか、腕にわずかな力をこめて抵抗していた。が、ぼくが彼の目を見つめてやさしくほほえむと、その抵抗も消える。 本体のぼくの手を瑚さんの胸に当てた。ブラジャーをしていないので、アンキモの制服のブラウス越しに、本体のぼくの手の温度が伝わる。 「やさしく揉んでみて」 本体のぼくの手は、言われたとおり五つの指を開いたりつかんだりし始める。 その動きに合わせて、胸から快感が生まれた。ブラウスの布地が乳首に擦れて、すごく気持ちがいい。 本体のぼくを見ると、顔をまっかにしつつ、うつむいてぼくのパンツを凝視している。そして彼の股間を見ると、ズボンが盛り上がっていた。 ぼくはスカートを掴んでいた左手を放して元に戻す。本体のぼくの手を握っていた右手も放す。そしてベッドの端に座っている本体のぼくに近づき、ひざ立ちになる。 両手でズボンのファスナーを下ろした。 「えっ、瑚さん!? ちょっとまって!」 恍惚な表情を浮かべてぼんやりとしていたぼくの本体も、お姉さんが何をしているのか気がついたらしく、おどろきながら、あわてて両手で股間を隠し、やめさせようとする。 そこでぼくは、「いいからいいから」と楽しそうな笑顔で、むりやりズボンを下げた。 「大丈夫。お姉さんにまかせて」 ぼくがむりやり、股間を隠しているぼくの本体の手をのける。さらにパンツも脱がすと、激しく勃起したおちん〇んが顔を出した。 「もう。成桐くんったらおち〇ちんをこんなに大きくしちゃって」 本体のぼくは、自分のおちん〇んが立っていることを目撃して驚いている。 それはそうだろう。ぼくだってお姉さんの知識がなければ、なにかの病気になってしまったのかと思っていたところだ。だって今までおち〇ちんが大きくなったことなんてなかったし、自分のおちん〇んが大きくなるなんて考えたこともなかったのだから。 でも、お姉さんの知識がある今なら、この状態はよくわかる。これは勃起といって、セックスのできる状態になっているのだ。 「なんだ成桐君の体も、すっかり大人の男の仲間入りしていたのね。これならばセックスができわね」 「セックス……?」 セックスという単語をしらない本体のぼくは、ふしぎそうにたずねる。 「セックスって言葉自体知らないのね。今から教えて上げるわ。 それから、おちん〇んが大きくなったことだけど、大丈夫、これは病気でもなんでもないの。男の子の体が成長すると、自然とこうなるようになっているのよ」 ぼくは改めて、本体のぼくのおち〇ちんを見た。 股間にあるのは、皮のかむった子供のおちん〇んだった。これじゃ快感もいまいちだろう。 ぼくはなるべく痛くないようにと思い、お姉さんの舌でおち〇ちんをなめて、たっぷりの唾液でぬらしつつ、お姉さんの指でおちん〇んの皮を少しずつむいていった。 おち〇ちんをなめるなんていやだけれど、本体のぼくの痛みを少しでもやわらげるためには仕方がないことだ。それに、自分のおちん〇んだと思えば、それほど嫌悪感はなかった。 相手はもうひとりの自分なのだ。お姉さんになったぼくが本体のぼくにしていることは、つまりお姉さんがぼくにしてくれていることと同じことなのだ。お姉さんがぼくまのおち〇ちんをなめてくれていると思えば、むしろ嬉しくなってくる。 やがてぼくのおちん〇んは、根本まで完全に皮がむけた。 皮のむけた自分のものを見て、本体のぼくは叫び声を上げた。 「おち〇ちんが、壊れちゃった!?」 そうか。ぼくはお姉さんの知識があるからわかるけれど、本体のぼくはおちん〇んの皮がむけることもしらなかったんだっけな。 あわてふためいている自分に苦笑しながら、さとすように言った。 「あわてなくていいわ。これもおち〇ちんが大きくなったのと同じ理由よ。男の人は大人になると、おちん〇んの皮がむけるの。成桐くんのおち〇ちんは、ちょっと早めに大人のおちん〇んになったのよ」 本体のぼくって、セックスはおろかおち〇ちんが大きくなることも知らないんだよな。エッチな知識なんてまるでないんだ。なんだかウブでかわいいな。よしそれじゃ、お姉さんになったぼくがいろいろとエッチなことを教えて上げるね。なんたって自分同士なんだから、遠慮なんてしなくていいんだよ。 「うふふ。成桐くんかわいいわ。これからお姉さんが、いろんないいことを教えて上げる」 ぼくは立ち上がり、ベッドの端に腰をかけいるぼくからわずかに離れる。それから見せつけるように、彼の目の前に胸を突き出す。朋さんがしていたように、襟のボタンを残して、ブラウスの胸の部分のボタンをはずした。さっきアンキモの制服に着替えたとき、ブラジャーを脱いでからブラウスを着たので、ボタンをはずしたとたん胸がはだける。 本体のぼくの目が見開く。それはそうだろう。瑚さんはしているはずのブラジャーをしていなかったのだ。 瑚さんの豊満なおっぱいを目にして、起立していたぼくのおちん〇んが、さらに上を向いた。 「最初は、フェラチオをしてあげるね」 ぼくはひざ立ちになると、ふたたび本体のぼくに近寄った。お姉さんの知識を駆使して、おち〇ちんを両手でやさしくつかむと、口を近づけた。お姉さんの口を使っておちん〇んの先を舌でなめたり、しゃぶったりした。 フェラチオという行為だ。 お姉さんも知識として知っているだけで、実際にしたことのない行為だから技術的にはうまくはないはずなのだが、それでも本体のぼくは満足そうだった。 気持ちよさそうな本体のぼくを上目で見ていると、ぼくもなんだか嬉しくなってくる。さらにおち〇ちんをなめる舌の動きを速(はや)める。 ところが、されるがままになっていたぼくの本体が、とつぜん目を見開いて叫んだ。 「待って! だめだよ瑚さん! なんだかおしっこがでそう! このままだと、おしっこが出ちゃう!」 「それはおしっこじゃないわ。出して良いのよ」 お姉さんの知識から、そう答える。それはおしっこではなく、精液とよばれるものらしい。 さらに気持ちを込めておちん〇んの先をなめ続けた。すると一段と大きくなったと思ったその瞬間、おち〇ちんから勢いよく白い液体が噴射された。たっぷりと出た液体は、ぼくの顔にかかった。 これが精液というものらしい。 お姉さんのフェラチオで精通するなんて、ぼくの本体はなんて幸せ者なんだろう。 しかしこの精液というのは、粘つくし、生臭いのにはこまった。自分の精液とはいえ、こんなものを顔にかけられると、ちょっとつらいものがある。 精液をかけられたことに困っていると、申し訳なさそうに本体のぼくが言う。 「……お姉さんごめん」 「いいのよ。ちょっと驚いただけ。それにわたしが出していいっていったんだから」 ぼくは気を取り直すと、部屋にあったウェットティッシュで顔を拭った。 ベッドの端に座っている本体のぼくが、心配そうに上目遣いで質問してきた。 「ねえ、ぼく病気になっちゃったのかな?」 「どうして?」 「ぼくのおしっこ、白かったし」 「ああ。それは精液といって、おしっこじゃないのよ。それも、大人の男の人になると、出るようになるの。 じゃ、次はセックスを教えて上げる」 ぼくはそういいながらベッドの上に乗ると、横たわった。 「さ、お姉さんのとなりにいらっしゃい」 ベッドをぽんぽんと叩く。 本体のぼくは、おそるおそるベッドに乗った。 「仰向けで寝ころんで」 ぼくがそういうと、本体のぼくは素直に仰向けになる。 ぼくは、仰向けになっている下半身を丸出しのぼくの上にまたがる。彼の股間に腕を伸ばして、おちん〇んをつかむ。ぼくのものは、いままでさわったこともないほど熱くたぎって、堅くなっていた。 おち〇ちんの先をおねえさんのあそこに合わせて、ゆっくりと腰を下ろす。 「んっ……!!」 おちん〇んの先が、お姉さんの体のあそこに当たったのが分かる。 さらに腰を沈める。 「ああっ……!! 成桐くんの……成桐くんのおち〇ちんが、わたしの中に入ってくる」 「瑚さん……!」 ぼくはお姉さんの知識を使い、ぼくの本体の上で大きく腰を振った。 腰の動きに合わせて、股間から快感が広がる。 思った通り、朋さんとレズセックスしたときよりも気持ちがいい。朋さんとのレズセックスもかなり気持ちが良かったけれど、おちん〇んがもたらす快感はそれ以上だった。 お姉さんの体の中で、ぼくのおち〇ちんが暴れる。 やがて頭の中が真っ白になり、ぼくはひたすら腰を動かして快感をむさぼった。 「出る! また、白いおしっこが出ちゃう!」 本体のぼくが叫ぶと、さきほどのフェラチオの時と同じように、ぼくのおちん〇んが、お姉さんの体の中で膨らんだのを感じた。 もうすぐ、本体のぼくから精液が吐き出される。アソコの中で精液を出すのが、セックスのなかで一番気持ちがいいらしいと、お姉さんの知識が言っている。 「出して! 成桐くんの精液、一杯出して!! わたしの中に精液を出して、わたしと成桐くんは恋人になるの!!」 ぼくのおち〇ちんが、お姉さんの体の中で精液を吐き出した。 その感覚が、ぼくを絶頂に導く。 「あああ! 本当だ、気持ちいいー!」 ぼくは叫んでいた。 瑚さんの体は、吐き出された精液を一滴も逃さないように、吸い付くようにおちん〇んを搾っているのが感じられた。 その感覚を味わいながら、ぼくは思った。 ぼくとお姉さんはセックスをした。 今ぼくとお姉さんは、恋人同士になれたんだ。 【エピローグ】 ぼくの本体とのセックスを終えたぼくは、瑚さんの部屋に戻ってきた。 お姉さんのベッドの端に腰かけて、目をつむって思いにふける。 今日は良い日だったな。瑚さんや朋さんのアンキモのウェイトレス姿が見られたし。朋さんとレズセックスもできたし。なによりも、お姉さんの体でセックスまでしちゃったし。 ぼくはあこがれのお姉さんと、恋人同士になれたんだ。セックスするってことは、恋人同士になったことだって、お姉さんの知識がいっているし。まあ、憑依が解けるまでの、一時的な恋人なんだけどね。それでもうれしい。 幸福を噛みしめていると、急に体が上に引っ張られる感覚におちいった。気が付くと勝手に瑚さんの体から幽体が抜けていた。それから自分の家に引っ張られていく。 驚いている内に、幽体になったぼくは、自分の部屋にいた元の自分の体に戻ってしまった。 「ああ、そうか。ゼリージュースの効力が切れたから、元の体に戻ったんだな。 お姉さんの体を抜け出ちゃったことは少し残念だけど、瑚さんになれたから満足だ」 改めて、今日の幸福を噛みしめる。 「うん。今日はいい日だった。 お姉さんがぼくの部屋にやってきて、アンキモの制服姿を見せてくれたと思ったら、セックスっていうのをしてくれたし」 あれ? すこし記憶がおかしい。 「今日は、ぼくが瑚さんになって、この部屋に来てぼくとセックスをしたんだんだよな。 いや違う。 ぼくの部屋にいたら瑚さんがやってきて、セックスしてくれたんだ」 やっぱり、記憶が変だ。 「瑚さんになって、ぼくとセックスをした記憶もある。 同時に、瑚さんがやってきて、ぼくにセックスを教えてくれた記憶もある。 …………。 そうか! わかったぞ! 瑚さんになったぼくと、本体のぼくが合体したことで、瑚さんになったぼくの記憶も、元のままのぼくの記憶も、その両方の記憶があるんだ。 記憶だけじゃない、瑚さんになってセックスしたぼくも、瑚とセックスしたぼくも、両方とも、ぼくが経験したことなんだ」 ぼくは、へやのすみに捨てられてるように置かれていたゼリージュースの空きビンを手に取った。 「男の快感も、女の快感も、両方体験できたんだ。ひとりで、ふたりぶんの経験ができたなんて、なんてすごいジュースなんだろう」 残念ながら、この不思議な飲み物は一本きりだった。ゼリージュースはもう手に入らない。 けれど貴重な体験ができて、ぼくは満足をしていた。 (おわり) ◆あとがき◆ にゃんぱすー! ジュジュです! 今回が初めましての方も、いつもお読みいただいている方も、よろしくおねがいします! さて。まずは登場する人物たちの名前もいいかげんですみません。 「ネト充のススメ」の「もりもり」さんみたく、イカしたネーミングができればよかったのですけどねー。才能が足りなくてー。 (※もりもりの名前の由来は、作者がこのキャラにオッパイを盛るようにしたため。「おっぱいもりもり」が名前の由来だそうです) あと、今回はTSするアイテムとして「ゼリージュース!」を使っておきながら、ゼリージュースとはあまり関係なくてすみません。 TSするためのアイテムを考えるのがめんどくさくって‥‥‥。(テヘペロ☆) そして、TS解体新書さん、このたびは開設15周年と一〇〇〇〇〇〇〇ヒット、おめでとうございます。 〈売上とは作家の戦闘力よ!〉とは、敬愛するライトノベル作家、山田エルフ先生のありがたいお言葉ですが、さしずめここでのヒット数は、SSホームページの戦闘力といったところでしょうか。 また、このような作品の発表の場を作っていただいた、Toshi9氏ならびによしおか氏に感謝いたします。 最後に。 この作品を読んでいただいたすべての人へ、ありがとうございました。 最後まで読んでいただいた、ささやかなお礼として、「後日談」をおまけで書きました。 読まなくても、物語的に全然問題ないですし、おまけですから超短いのですが、よろしければ最後の最後までおつきあいくださると幸いです。 それでは、よろしければまた次回作でお会いしましょう! チャオ! JuJu拝(作家の戦闘力 5(←ゴミ)) ―――――― ―――― ―― 【後日談】 ゼリージュースを飲んで、朋さんとレズセックスをしたり、瑚さんとセックスをしてから、一週間が過ぎた。 ぼくが町を散歩していると、お姉さんを見かけた。お姉さんの隣には朋さんもいた。 ふたりは、じゃれ合うようにしながら歩いている。見ようによっては、友達以上に親しいように見える。 「あ! 成桐くん!」 朋さんがぼくを見つけて駆け寄ってくる。そしてぼくを抱きしめた。顔に胸を押しつけられて、うれしいけれど、息ができなくて苦しい。 「ちょっと朋。もう放してあげなさいよ。日宵くんが苦しがっているじゃない」 「そういう瑚だって、本当は成桐くんを抱きしめたいんじゃない?」 「そ……そんなことは……」 照れながらも、瑚さんは否定はしない。 あの憑依をした日から、なぜか急に、瑚さんはぼくのことを好意的に見てくれるようになった。 そして瑚さんの紹介で(というか、ぼくと瑚さんが並んで歩いていたら、それを朋さんが見つけて、好みの男の子だからあたしに紹介しろと瑚さんに求めたのだけど)朋さんとも仲良くして貰っている。 憑依をしたあの日以来、ぼくと瑚さんと朋さんの三人は、なぜか互いに引かれ合うようになった。ぼくの気のせいかもしれないけれど、心の深いところで三人がいつも繋がっているような感じがする。 とにかく、憑依したあの日以来、ふたりの年上の女性に囲まれるようになり、ぼくはとっても幸せな日々を送っています。 (後日談・おわり) ーーーーー クランクアップ ーーーーー ーーーーー 二〇一七年十二月二十六日 ーーーーー |