政美は1年先輩にあたる男子剣道部の「川西伸吾」に馬鹿にされる。
みんなの前で恥をかかされた政美は、それまで喧嘩をしていた彼氏(?)の
良晴と、その悪友芳雄に仕返しを手伝ってほしいと頼んだ。
ちょうど面白いアイテムを作って披露したかった芳雄は、その「細胞均一化チップ」を
使用して川西伸吾に仕返しする事を提案、二人は同意した。
あまり乗り気ではなかった良晴も、細胞均一化チップの素晴らしさを実感する事で
やる気だ出たようだ。
しばし政美の身体に「皮」となって貼り付いた良晴。
その後、三人は計画を立てて、日曜日に川西伸吾を呼び出し、
政美が良晴の力を借りて、川西伸吾と付き合っている「井上美月」になりすまし、
仕返しをしようとしたのだ。
 
 
 
 
 

政美が仕返ししたいのは・・・(第6話)
 
 
 
 

・・・月日は過ぎ、日曜日の13時。
 

政美の家のインターホンを鳴らす音が聞こえた・・・・
 
 

政美:「あ、芳雄が来たっ!」
 

政美は自分の部屋から出て、玄関に向かう。
その姿は既に「井上美月」だった。
良晴が政美の身体にまとわりつき、美月の身体に
変身させているのだ。
 

・・・・政美の奴、きっと驚くだろうな・・・
 

幸いこの時間、家には誰もいない。
玄関で靴を履き、鍵を開けて扉を開ける。
 

政美:「さあ入って、芳・・・」
 

目の前に立っている人物を見て、言葉を失う。
 

政美:「・・・・ど・・・どうして・・・」
 

心臓が止まりそうになる。
瞬時に計画がばれてしまったと思った。
だって、玄関の前に立っていたのは・・・
 

美月:「入るわよ。」
 

そう、井上美月、本人だったからだ。
 

政美:「あ・・・・や・・・・そ、その・・・・」
 

どうして美月が政美の家に来たのか?
まったく訳の分からない政美は、ただおどおどとするしかなかった。
だが、政美の身体は勝手に美月を家の中に導き始めたのだ。
 

政美:「よ、良晴・・・ど、どうしよう・・・」

・・・心配するなって・・・
 

動揺する政美をよそに、政美の身体は良晴の力で部屋に向かって
歩いて行く。美月も靴を脱ぐと、そのまま政美・・・いや、政美が
変身している美月の後をついて行った。

そして政美の部屋・・・
 

美月:「はい、これ。」
 

美月は手に持っていた紙袋から、自分と同じ髪の毛の色、すなわち
少し茶色がかった肩より少し下まで伸びているストレートのカツラを
取り出した。
 

政美:「・・・・・」
 

受け取ってよいものか・・・
躊躇(ちゅうちょ)している政美の手は、またしても良晴の意思で動き出し、
美月からカツラを受け取る。
 

美月:「これをつけて。」
 

次に手渡されたのは、小さなケースに入ったコンタクトレンズ。
 

美月:「目に付けたら私の喉をじっと見るのよ。」
 

良晴が代わりに受け取る。
しかし、さすがにコンタクトレンズを政美の目に入れるのは危ないので、
そのまま政美に身体の主導権を渡す。
 

政美:「これって・・・あの時の・・・」

美月:「そう、ピンポイントコンタクトレンズよ。」

政美:「これが・・・」
 

始めて見たコンタクトレンズを、そっと両目にはめる。
そして、戸惑いながらも言われたとおり、
美月の喉元をじっと見つめた。
 

政美:「あれ、なんだか喉がかゆい・・・」
 

そう思いながら、じっと見つめていると時期にかゆみがなくなる。
 

政美:「これでいいの・・・・えっ!」
 

自分の声に驚き、思わず両手で口を塞ぐ。
 

美月:「これで私の声をコピーできたわね。」

政美:「・・・・す、すごい・・・これが私の声・・・」
 

初めて他人の声を出した政美はとても信じられないと言った表情。
改めて自分の声を確認する。
 

政美:「あ〜、あ〜・・・ほんとだ・・・美月・・さんの声・・・」
 

本人が目の前にいる手前、呼び捨てには出来ない政美は
とりあえず名前の後ろに「さん」をつけた。
 

美月:「ふふっ・・・じゃあ私の服に着替えて。」
 

美月は紙袋からジーパンと少し厚手のブラウス、そして下着を取り出した。
 

政美:「それが美月さんの服・・・」
 

政美は、美月と同じく少し大人びた声で問い掛けた。
 

美月:「そう。でもこの服を着るんじゃないの。」
 

そう言うと、今着ている服を脱ぎ始めた。
 

政美:「えっ?」

美月:「んふっ・・この服を着るの。」
 

美月は薄い水色の長袖Tシャツを脱ぐと、更に白い刺繍の入ったブラジャーを
外した。
 

政美:「・・・・・・」
 

美月はニヤッと笑って政美を見つめながら、白くて非常に短い短パンの
ボタンを外すと、ジッパーを降ろして足元に脱ぎ捨てた。
白いパンストの下にはシルク生地で作られているセクシーなハイレグパンティ。
美月の視線は、政美の目を見て・・・いや、その少し上のおでこのあたりを
見ている。そこは・・・良晴の目があるところだ。

・・・もう最高だよっ!やってくれるじゃないか・・・

良晴はとても喜んでいる様子。
ただ、今のところは何も出来ないのでじっと我慢している。

美月の両手の親指が、腰のあたりにあるパンストのゴムの中に入ると
そのままパンティごと下にさげ始める。
スルスルと太ももを降りて行き足首まで到達すると、パンティごと
脱いでしまった。
 

美月:「政美も裸になって。」

政美:「えっ・・・」

美月:「これを身に付けて行くのよ。早く。」

政美:「・・・・」
 

政美が迷っていると、やはり良晴が服を脱ぎ始める。
スウェットの上下を一気に脱ぎ捨てたあと、少し苦しそうに
胸を締め付けているブラジャーを外す。
 

政美:「ちょ、ちょっと、勝手に・・・」
 

文句を言いながらも、政美の身体はパンティまで脱いでしまう。
 

政美:「・・・・」
 

全裸になった政美・・・と言っても美月の身体だが・・・

政美の部屋には、全裸になった美月が二人・・・
まるで双子のようだ。髪の毛は少し違うのだが・・
 

美月:「それじゃ、これを穿いて。」
 

さっきまで美月が穿いていたパンティをパンスト。
受け取った政美の手が、勝手に足を通し始める。

少し残っている美月の温かさを感じながらパンティを穿き終えると
今度は白いパンストを片足ずつ通していく。
ふくらはぎから太もも、そしてお尻を覆い尽くしたあと、腰まで
引っ張り上げる。
 

美月:「じゃあ、次は短パンね。」
 

絨毯の上に落ちている短パンを拾い上げると政美に手渡す。
手渡された政美は、同じように短パンに足を通し、
ジッパーを上げたあとボタンを止める。
ムチッとしたお尻。
短パンが短いので、お尻が少しはみ出しそうだ。
 

政美:「・・・ちょっと恥ずかしいな・・・」

美月:「じゃあ次は・・・」
 

政美の言葉を無視しながら、ブラジャー、長袖Tシャツを渡す。
それを良晴が政美の身体を操りながら着込んでいく。
 

美月:「最後に、そのカツラをつけて。」
 

美月の指示の元、政美・・・いや、良晴はカツラをかぶった。
 

美月:「ふふ・・・私がもう一人・・・」
 

美月の目の前には、もう一人の美月がいた。
長袖Tシャツに、白い短パン姿。
その短パンから白いパンスト姿の細い足が伸びている。

それを見た美月は、持ってきた下着と、ブラウス、ジーパンを身に付けた。
 

美月:「その姿・・・伸吾には刺激的過ぎるかな・・」
 

そう言うと、政美の首筋にチュッとキスをした。
 

美月(政美):「んっ・・・」
 

美月:「ね、私のしゃべり方、この前に会った時に分かったよね。伸吾に対しては
          少し冷たい態度を取っているの。だって彼、私以外の女性にも
          声をかけるんだから。でもね、私が電話で伸吾に他の女性に
          声をかけないのならセクシーな格好でデートしてあげるって
          言っておいたの。だから、今日はその姿で・・
          そして、少し甘えてやると、伸吾は喜んで図に乗ると思うわ。
          そこで政美が甘い言葉をかけながら・・・・でも、最後には
          仕返しするの。分かった?」

美月(政美):「・・・うん。分かった。」

美月:「そう。それじゃ、私はもう帰るから・・・後は頑張れよ、政美。」

美月(政美):「あ、ありがとう・・」
 

美月(政美)がもう一人の美月を送り出す。
美月が帰ったあと、自分の部屋に戻った美月(政美)は、鏡に映る姿をじっと眺めた。
さっきまで目の前にいた美月と瓜二つの姿・・・
 

美月(政美):「ほんとに美月になっちゃったんだ・・・」
 

頭の先からつま先まで、そして声も・・・
全てが「井上美月」なのだ。
心臓がドキドキしている。興奮しているのだ。
ちょっとうれしい気分になる。何でも出来るような気がした。
よくサングラスをかけると他人の目が気にならなくなって
気分が大きくなるのと同じ・・・

他人の姿になるという事が、こんな感じだとは思わなかった。
 

美月(政美):「でもこの姿はちょっと恥ずかしいな・・・」
 

長袖のTシャツと言っても生地が伸縮する素材なので、
身体の線がきっちり見えるのだ。
胸のあたりは、ブラジャーの後がうっすらと見えている。
腕だって生地が密着しているので、その細さを強調している
ようだ。
こんな姿で街中や遊園地を歩くのか・・・

そう思うと、やっぱり恥ずかしいのだ。
 

美月(政美):「でも、あいつに仕返しするためだもの。頑張らないと。」
 

美月の声を借り、政美は待ち合わせの場所に向かう事にした。
もちろん、美月が置いていった白いスニーカーを穿いて・・・
 
 
 

政美が仕返ししたいのは・・・(第6話)・・・おわり
 
 
 
 

あとがき

直接、井上美月が現れるとは・・・
彼女は一体どうしたんでしょうか。
恥ずかしげもなく服を脱ぐし、どうやら良晴のことを意識していたようですが・・・
それに、最後のセリフ、少し男っぽかったですね(^^

今回も良晴の出番は余りありませんでした。
美月の身体を作っているだけですね。
折角美月の身体になっているのだから、色々とやってほしいものです。
でも、それは次回に回しましょうか。
伸吾と合流した美月(政美)は遊園地に行き、美月のフリをしながら
仕返しの時を待ちます。
その間に良晴が、政美の身体を操って少し刺激的なシーンを
伸吾に見せるのです。
政美自信も、自分の身体ではないので少し気が大きくなっているかも
しれませんね!
女の子だって、気持ちいいものは気持ちいいのでしょうか??

・・・しかし、なかなか終われないな・・・

それでは最後まで読んで下さった皆様、ありがとうございました。

Tiraでした。
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