良晴たちに手伝ってもらわなければ仕返しできない政美。
芳雄にもナイショで政美の身体に皮膚のようにまとわりついている良晴は、
政美の弱み(?)に付け込んで今日一日、政美の身体を自由に
使えるように約束を取り付けたのだった。
 

政美:「やだなぁ・・・次の時間・・・」
 
 
 
 
 

政美が仕返ししたいのは・・・(第5話)
 
 
 
 
 

・・・うわぁ!やっぱり女子更衣室は最高だぜっ!
 

白いブラウスを脱いでブラジャーをあらわにするあそこ女の子。
スカートを穿いたまま青いブルマーを穿く隣の女の子。
良晴の目には、彼女達がありのままに見せるその着替え姿が
遠慮なく映し出されていた。

もちろん政美の身体で・・・だが。

そう、次の時間は体育だった。
1時限目を保健室で過ごした政美は、休み時間になる前に
教室に戻った。
すぐにチャイムがなり、男女が別れて更衣室に向かう。
しばらく政美に身体の主導権をまかせた良晴は、何もしなくても
自然に女子更衣室に連れて行ってくれる政美に感謝していた。

政美はかなり戸惑っていたようだが、仕方なしに更衣室に
入ったのだ。

誰にも気付かれずに堂々と更衣室に入れるのは、年頃の男に
とってはもちろんうれしい。
PPZ−4086を使って幽体離脱し、女子更衣室を覗くなんて
簡単な事。でも、それじゃあスリルってものがない。
政美や女子生徒に乗り移って更衣室に入る事だって出来る。
でも、それはそれで乗り移った女の子のマネをしなければ
ならないし、色々気を使うのだ。
それに比べ、今回は政美が自分で身体を動かし、他の女子生徒と
会話をする。良晴は何も気を使わずに彼女達の着替えを
見る事が出来るのだ。これほど気楽に覗き見できる方法も
なかなか無い。
 

・・・あの子、あんなに胸大きかったのか

・・・うおっ!あいつ、めちゃくちゃ毛深いな
 

そんなことを思いながら女の子を見ている。
政美は良晴が見ている事を知っているので、なんだか恥ずかしそうだ。
かなりすばやく体操服に着替えると、さっさと更衣室を後にした。
 

政美:「あ〜あ、私のせいで良晴にみんなの裸、見られたくなかったのに・・・」
 

・・・そう言うなよ、俺だって見たくて見ていたんじゃないんだから・・・へへっ!
 

思い切り本心を隠しながら、政美に任せてグランドに向かう。

今日は体力テストで、100mを走らなければならない。
少しすると、男女ともグランドに集まってくる。
ぞろぞろと歩いている奴もいれば、体力テストという事で
早速準備体操している奴もいる。
でも、女の子は殆どぺちゃくちゃしゃべっていた。
 

キーンコーンカーンコーン!
 

2時限目が始まるチャイム。
先生がみんなを集めて点呼をとる。
そこには、やはり良晴の返事は無かった。
 

芳雄:「あいつ、体育好きなのに・・・」
 

何も知らない芳雄は、まだ良晴の事には気付いていないようだ。
点呼をとり終わると、二人一組になって準備体操を始める。
政美も仲のよい瑞恵(みずえ)と共に準備体操を始めた。
瑞恵が座って足を広げる。
そして政美は、後ろから背中を押してやる。
瑞恵の腰がグッと曲がると、いとも簡単に胸が地面についてしまう。
 

政美:「相変わらず瑞恵、身体が柔らかいよね。」

瑞恵:「へへっ。身体だけは柔らかいんだ。バレエやってるしね。」

政美:「私もバレエやったら身体が柔らかくなるのかなあ。」

瑞恵:「やってみたら?始めは結構きついかもしれないけど
          少しづつ身体がなれてくるかもしれないし。」
 

政美が何度か瑞恵の背中を押す。

すると・・・・
 

瑞恵:「きゃっ!」

政美:「わっ!ご、ごめんっ!」

瑞恵:「ま、政美っ。やだっ、やめてよ。」

政美:「わわっ・・・ちょ、ちょっと・・・もうっ!」
 

政美の手の動きが止まった。
さてさて・・・

政美の手は、瑞恵の背中を横にスッと滑ったかと思うと、脇の下から
両胸をムギュッと掴んでいたのだ。
そのまま瑞恵の胸を揉みつづける政美の手。

・・・いやぁ、彼女の胸も柔らかいねぇ、政美の胸より大きいんじゃないか?
     それなら政美も負けていられないなあ・・・
 

瑞恵:「どうしたの?急に・・・」

政美:「ち、違うのよ。ちょっと手が滑っただけで・・・」

瑞恵:「ビックリしたわ。私の胸、急に揉んだりするんだもん。」

政美:「えへっ。ちょっと・・・・どのくらい大きいのかなって・・・あは・・ははは・・・」

瑞恵:「もう・・・政美ったら・・・・」
 

瑞恵が話しながら政美の胸をじっと見ている。
 

政美:「ん?」

瑞恵:「ま、政美・・・・そんなに胸・・・大きかった?」

政美:「えっ?」
 

そう言われ、政美が胸を見てみると・・・
いつもの政美の胸とは明らかに違う胸の大きさになっていた。
Eカップはありそう・・・
 

政美:「えっ!えっ!・・・」
 

政美は思わず両手で胸を隠すようにしてしゃがみ込んだ。
 

瑞恵:「き、急に大きくなったような・・・」

政美:「う、ううん。ち、違うの。瑞恵が見間違えてるだけよ・・・」
 

・・・なんだよ、折角胸を大きくしてやったのに。隠さなくてもいいだろ。
     仕方ないな。少しだけ小さくしてやるよ。
 

政美:「良晴ったら・・・・あっ!」
 

政美がスッと立ち上がり、胸をグッと張るような仕草をした。
そして、少し小さくなった・・・それでもDカップはある胸を
両手で下から持ち上げるようにしながら瑞恵に見せる。
 

政美:「ち、ちょっ・・・・・・」

瑞恵:「・・・・す、すごい・・・・」

政美:「・・・・・・ち・・・違うの・・・・」

瑞恵:「いつの間にそんなに大きくなったの?」

政美:「う、ううんっ!違うの。わ、私・・・ブラジャーにパット入れてるから・・・」

瑞恵:「・・・・そ、そうなんだ・・・・」

政美:「・・う・・うん・・・・ちょ、ちょっと胸を大きく見せたくて・・・」
 

何とも苦し紛れな言い訳をしている。
瑞恵は不思議そうな顔をしながらも、まだ両手で胸を持ち上げている政美に
対して、もしかしたらイヤミをしているのではないかと思ってしまうのだった。
 

瑞恵:「わ、分かったから・・・」

政美:「う、うん・・・・」

瑞恵:「分かったから、もう胸を持ち上げるの、止めたら?」

政美:「・・・・うん・・・」

瑞恵:「ほら、男子が見てるよ。」

政美:「えっ・・・」
 

政美が振り向くと、何人かの男子生徒たちが政美の方をじっと見ている。
 

政美:「や、やだっ!はずかしい・・・」
 

そう言いながら、政美の身体はその男子生徒たちのほうに向き、
そのまま両手で胸を上下に揺らした。
 

男子生徒:「おおっ!」

政美:「や、や〜ん・・・やめてよぉ〜・・・」

・・・いいじゃない。大きな胸は自慢なんだから。

政美:「もういいからぁ・・・よ、良晴・・・・・」

・・・ちぇっ、仕方ないな。やめてやるよ。
 

政美の両手が胸から離れる。
そして政美の身体が自由に動くようになった。

政美は赤い顔をしながら俯いている。
男子生徒たちは、急に政美があんな事をしたのでいいものを見たと
喜んでいる様子。
 

政美:「こんなことしなくったって・・・」

・・・そんなに自分の身体を見せびらかすのが嫌なのか?

政美:「はぁ〜、もう・・・恥ずかしいんだから・・・」

・・・へぇ〜、俺なら思い存分見せびらかすけどなあ

政美:「もう目立つ事はやめてよ・・・」
 

独り言のようにつぶやくと、先生の近くに歩いて行った。
準備体操が終わった生徒達も先生の前に集まる。

全員集まったところで、先生の指示に従って2列に並んで座る。
そして順番に測定を開始。
政美もみんなと同じように列に並んでいた。
 

・・・政美は足が遅かったからな、今日は俺が助けてやるか。

政美:「・・・あっ!・・・・ま、また・・・・」
 

身体の自由が利かなくなる。
強制的に右手が動きはじめると、地面になにやら文字を書き始めた。
 

政美:「・・・・俺が走ってやるから身体の力を抜けって・・・そんなこと
         言って、ちゃんと走れるの?」
 

また地面に文字を書く。
 

政美:「・・・大丈夫。俺に任せろ・・・って、ほんとに大丈夫なの?」
 

不安になりながら2人ほど前の生徒達が走っている姿を見る。
 

政美:「わっ!」
 

政美の身体が急に立ち上がると、ブルマーに付いた土を落とすために
両手でお尻をパンパンと叩く。
 

政美:「あっ・・もう・・・」
 

その後、少しくい込んだブルマーの太もものところに指を入れて
元通りにする。
 

政美:「そ、そんなことまで・・・」

・・・いいだろ、くい込んだままよりもさっ!
・・・そんなことより次だぜ、気合入れて走るからな。
 

政美の前にいた生徒がピストルの合図と共に走り出す。
その姿があっという間に小さくなると、すぐに政美の番だ。

所定の位置に立つと、ゆっくりとしゃがんで両手を前につく。

・・・たしか、政美は100mを16秒くらいかかってたよな。俺が
その記録を抜いてやるよ。
 

生徒:「用意っ!」
 

その言葉で、政美はくんっとお尻を上げた。
 

政美:「あんっ、そんなにお尻、上げないのに・・・」
 
 

ピストルの音:「パンッ!」
 
 

政美:「あっ!」
 

いきよいよく地面を蹴りつけた政美の足。
そのまま低い体勢で走り出すと、徐々にスピードを上げる。
 

政美:「はぁっ、はぁっ、はぁっ、やだっ!こ、こわいっ!」
 

いつもとは違う走りとスピードに戸惑いを感じた政美は、
思わず止まろうとする力を身体に加える。
しかし、その力に勝る良晴は、そのまま力ずくで走りつづけた。
 

・・・そらそらそらそら〜っ!

政美:「はぁっ、はぁっ、はぁっ・・・」
 

自分の力で身体を動かしていないとはいえ、胸が左右に振られると
肺が動かされて、息をしなければならない。

足が絡んで転倒するのではないかというフォームで走り、
何とかストップウォッチを持った生徒を横切った。

10メートルほど走り抜けたあと、ゆっくりと歩き始める政美。

・・・ふぅ〜、どうだ。結構いいタイムだっただろ・・・

政美:「はぁ〜・・・怖かった・・・・もうっ!無茶するんだから・・・」
 

そう言いながら、記録係の生徒に近づく。もちろん良晴が動かしているが・・・
 

政美:「ね、ねえ・・・・何秒だった?」

生徒:「・・・うん。かなり早かったよ。13秒2。」

政美:「じゅ、13秒2・・・・ほ、ほんと?」

生徒:「うん。」

政美:「そ、そっか・・・・13秒2なんだ・・・」
 

政美はそうつぶやくと、少しうれしそうな表情をした。

・・・お前が身体に力を入れなかったら、もう少し早いタイムが出せたのに・・・
 

良晴が政美に身体の主導権を譲る。
 

政美:「・・・なんかウソみたい。でも・・ありがと、良晴。」

そう言うと、今度は政美がストップウォッチで計測する係になった・・・
 

・・・ふぅ、なんか今ひとつ面白くないな・・・
 

良晴は何となく退屈。
ぼーっと考え事を始めた。
政美の仕返しをどう手伝ってやろうか・・・
そんなことを思いながら、当日のことをぼんやりと考えていたのだった・・・
 
 
 

・・・あっという間に放課後・・・
 
 

最後の授業を受け終わる。
すぐに部活に行く者。帰る用意をする者・・・
とうとう最後まで、誰にもバレずに過ごした政美&良晴。
芳雄にもバレなかったのは、なかなかの演技だ。
と言っても、芳雄の前では良晴、おとなしくしていたから。
良晴はまだ本領を発揮していないのだ。
 

芳雄:「あ〜あ、結局良晴の奴、学校に来なかったな。」

政美:「う、うん。そうね。」

芳雄:「まったく・・・あいつも無責任な奴だ。」

政美:「・・・・そんなこと言ったら・・・」

芳雄:「いいんだよ。あいつの性格はこんなもんさ。一緒に計画を
          立てようって言ってたのにさ。たまんないよ。」
 

・・・こ・・こいつ・・・
 

政美:「そ、それはそうなんだけど・・・・あっ!」

芳雄:「い、イテテテテテッ、わ、わにふるんやよっ!(な、何するんだよっ!)」

政美:「ち、違うのっ。わ、私じゃなくて・・・」

芳雄:「いひゃいいひゃいっ!(イタイイタイッ!)」
 

政美の両手が芳雄のほっぺたを思いっきりつねっている。
もちろん政美自身がつねっているわけではないのだが・・・
 

芳雄:「いってぇ〜っ・・・どうしてつねるんだよ。」

政美:「そ、そんなこと言ったって、私じゃないの。」

芳雄:「今、お前がつねったんじゃね〜か。」

政美:「だから・・・・私じゃなくて・・・あっ・」
 

申し訳なさそうな顔をしていた政美が、急にニヤニヤと笑い始める。
そして、俯きながらその場にしゃがみ込んだのだ。
 

芳雄:「な、なんだよ・・・・何してるんだ、政美?」
 

しばらくすると、政美は無言のままゆっくりと俯いた状態で立ち上がった。
心なしか・・・・いや、制服越しでも分かるスタイルのよさ・・・
 

芳雄:「・・・・ま、政美?」
 

政美がゆっくりと顔を上げると・・・・
 

芳雄:「ま、まさ・・・・えっ!!」
 

目の前にいたのは、政美・・・・ではなく、井上美月だったのだ。
いつの間にか、政美が井上美月になっている・・・・

ビックリした芳雄。
でも、髪型は政美のまま・・・ってことは・・・

芳雄はすぐに理解した。
 

芳雄:「・・・・ったく・・・・・俺としたことが・・・全然気付かなかったよ。」

政美:「な、なんか身体がおかしい・・・」

芳雄:「そりゃそうだよ。今、政美は井上美月の姿になってるんだから。」

政美:「えっ!うそっ!」
 

その言葉で、身体の自由が戻って来る。
ハッとして下を見ると、そこには窮屈そうな制服が見えた。
その下には更に細くなっている足が・・・
 

政美:「や、やだっ。ちょ、ちょっと!」
 

政美がまたしゃがみ込む。
 

政美:「やめてよもうっ。みんなにバレたらどうするのよぉ。」

芳雄:「そうだよ。やめろよ良晴。」

・・・うむむ・・・まあいいか・・・
 

政美のスタイルが元通りに戻る。
しゃがんだまま確認した政美が立ち上がった。
 

政美:「ふぅ・・・・」

芳雄:「しかし、朝からずっとその調子だったのか?」

政美:「うん。ちょっとしたなりゆきで今日1日、良晴の言う事聞くことになっちゃって・・・」

芳雄:「はめられたな、良晴に。」

政美:「仕方ないよ。仕返しを手伝ってもらわないといけないんだから・・・」

・・・・そうそう。そのとおり!

芳雄:「おい良晴。ちゃんと計画立てないと失敗するんだから政美の身体から
         離れろよ。みんなで相談しようぜ。」

・・・・なんでだよ、今日1日は俺の自由なんだからさ。

政美:「あっ。」
 

政美の頭を左右に振ってイヤイヤする。
 

芳雄:「お前がそれなら別にいいぜ。もう何も貸してやらないから。」

・・・・そ、それはまずいんじゃない?

政美:「ぅっ・・」
 

政美の顔が急に切ない表情になる。
胸の前で両手の指を絡ませて、おねだりするような仕草を始める。
 

芳雄:「ダメダメ、政美の身体を使ってそんなことしても無駄なんだからな。」
 

今度は良晴、政美の手で芳雄の手を握ると、目をウルウルさせながら
そっと政美の胸に押し当てた。
 

芳雄:「や、やめろって!」
 

芳雄が力ずくで手を引っ込める。
 

・・・・はぁ・・・折角今日は政美の身体で楽しめると思ったのに
こんな事ならもっと楽しんでおくべきだった・・・
 

ガクンと方を落とした政美。
そのあと、カバンに詰めたノートを取り出し、なにやら書き始めた。
 

芳雄:「俺、このまま政美の身体を離れたら裸を見られちゃうよ。
          俺の家まで行こうぜ・・・・う〜ん、それもそうか。」
 

芳雄の顔を見た政美が、ニコッとしてウィンクする。
 

芳雄:「仕方ないな。それじゃあ良晴の家で計画を立てるか。」

・・・・仕方ないか・・・また楽しめるよな・・

政美:「はぁ、やっと自由がきくようになった。もう、良晴ったら・・・」
 

何とか話を先に進める事になった二人、いや、三人は良晴の家に向かったのだ・・・
 
 
 

・・・良晴の家で
 
 

政美:「早く服を着なさいよ。」

良晴:「分かってるって。」

芳雄:「いつまでもそんなお粗末なもの見せるんじゃない。」

良晴:「うるさいよ。」
 

トランクスにTシャツを着た良晴。
良晴の部屋、3人で計画を立てる。
 

政美:「あの・・・井上美月の髪型はどうしよう。」

芳雄:「それなら任せとけよ。知り合いに美容院経営している人がいるから
          その人に同じようなカツラを借りてやるよ。」

政美:「声は?」

芳雄:「ピンポイントコンタクトレンズを使うよ。」

政美:「でも、学校にいる間に声をコピーすると、そのあとバレないようにするのが
          凄く大変だし。」

芳雄:「ああ、それは当日に何とかするよ。」

政美:「当日って、日曜日に?」

芳雄:「ああ、任せとけって。」

良晴:「服はどうする?あの女の服をわざわざ買うのもなあ。」

芳雄:「それも当日に何とかするから大丈夫さ。それより実際にどこに行って
          どういう事をするかを考えないとな。」

政美:「どこだっていいんじゃない。美月が行きたいところならどこにだって
          ついて行くと思うけど。」

良晴:「それじゃあ遊園地にすれば?そこでさ、お化け屋敷なんか入ったりして!
          そんでさ、俺がドロドロと政美の身体から剥がれ落ちるフリをするんだよ。
          目の前の美月がドロドロと崩れ落ちる姿を見たら、絶対気絶するぜっ!」

政美:「それ、面白いねっ!」

芳雄:「別に政美がそれでいいなら構わないけどさ。」

良晴:「もっと致命的なイベントがいいか?」

政美:「う〜ん・・・」

芳雄:「完全に2人を別れさせるとか!」

政美:「それは・・・ちょっとかわいそうな気もするけど・・・」

良晴:「いいや、そんな事ない。俺の彼女をコケにした奴はゆるさんっ!」

政美:「よ、良晴っ・・・」
 

政美の顔が、ポッと赤くなる。
 

良晴:「な〜んてね、あ〜あ、あほらしっ!」

政美:「な、なに〜っ!」

芳雄:「まあまあ、そんなことより俺、かなりいいアイデアが浮かんだんだ。」

良晴:「どんなの?」

芳雄:「まあ、一つはさっき良晴が言ってたお化け屋敷でいいんじゃないか。
          気絶しないまでも、きっとその場から逃げ出すだろうしね。
          そのあと、元通りの美月の姿になってしばらく過ごすのさ。
          で、夕暮れに遊園地の横にある海辺で2人、いいムードで過ごすんだ。」

政美:「そ、そのあとは?」

芳雄:「ま、良晴が政美の皮膚の代わりをしているんだ。少しくらい触られても
         我慢してくれよ。」

政美:「ええ〜っ!あの男に触られるの〜っ。何かいやだなぁ。」

芳雄:「そう言うなって。触られたら・・・の話さ。もしかしたら触らないかもしれないし。」

政美:「それはないと思うけど・・・」

良晴:「結局、俺が触られることになるんだろ。」

芳雄:「そういうこと。」

良晴:「それならいいじゃない。直接政美の身体が触られるわけじゃないんだからさ。」

政美:「そりゃそうだけど・・・」

芳雄:「とくかく・・・そこまでなんだ。そこまでやってくれたらあとは俺が何とかするから。」

政美:「何とかって?」

芳雄:「それは当日のお楽しみ。良晴、後で少し相談があるから。」

良晴:「おお、さては良からぬ事を考えてるなっ!」

芳雄:「へへ、まあな。」

政美:「何よ、私にも教えてくれたっていいじゃない。」

芳雄:「政美が今、知ったら当日の楽しみが半減するじゃないか。」

政美:「・・・・そ、そうなの?」

芳雄:「ああ、これはナイショ!」

政美:「・・・・そ、それなら・・・・いいけど・・・」

芳雄:「じゃあ決まりだな。段取りは全部俺がつけてやるよ。二人は当日、13時に
         政美の家で美月に変身しててくれ。カツラや服を持って行くから。」

良晴:「ああ。わかったよ。じゃあ当日な。」

芳雄:「ああ。政美もいいな。」

政美:「うん。でも、うまくいくかなあ。」

芳雄:「大丈夫さ、俺たちに任せろ、な、良晴。」

良晴:「お、おうっ!」
 

何となく芳雄の方がやる気になっている政美の仕返し。
一体どうなる事やら・・・
政美を帰したあと、芳雄と良晴は少しの時間、相談していた。

良晴:「なるほどな。」

芳雄:「絶対別れるって。」

良晴:「お前、ぜったい「悪」だよ。」

芳雄:「お前の政美のためだろ。」

良晴:「まったくそのとおり!」
 
 
 
 
 

・・・月日は過ぎ、日曜日の13時。
 

政美の家のインターホンを鳴らす音が聞こえた・・・・
 
 
 
 
 
 
 

政美が仕返ししたいのは・・・(第5話)・・・おわり
 
 
 

あとがき

すっごく悩みました。
不要なイベント(体育の時間)を入れたことで、話が全然進まなく
なってしまったのです。
他の作品と共に考えていたのですが、まったく考える事が出来ませんでした。
今回、かなり強引に話を進めてしまいました。
いっそ、ストーリーを変更して、直接仕返しするところを書こうとも思ったのですが、
どうもスッキリしないので今回の話となっています。
政美の身体にまとわり付いた良晴に、もっと活躍してほしかったのですが
なかなかよいアイデアが思いつかなかったです。
折角政美が体操服とブルマー姿になったのだから、もう少し楽しみたかったです。
まあ、よいアイデアが浮かび次第書く事にしましょう。

今回は芳雄が張り切っていますね。
一応良晴がメインのシリーズなのですが、たまにはしゃしゃり出たいのでしょう。
多めに見てやってください。

ところで、政美は芳雄が作ったアイテム、どれだけ知っているのでしょうか?
政美自身が使った事のある「秘密のコンタクトレンズ」それに、悪戯された
「ピンポイントコンタクトレンズ」。実は、この2つしか知らないのでした。
怪しいものを作っていることは知っているのですが、実際に見たのはこの二つだけ。
今回、新たに「細胞均一化チップ」を見たことにより、ますます芳雄のことを
怪しい奴だと思ったに違いありません(笑

さて、政美の仕返しはうまくいくのでしょうか?
きっとこの二人がついていれば大丈夫でしょう(^^

それでは最後まで読んで下さった皆様、ありがとうございました。

Tiraでした。 inserted by FC2 system