政美が仕返ししたいのは・・・(第4話)
 
 
 
 

昨日、政美の家で細胞均一化チップを試した良晴、芳雄、政美の3人。
今日は学校で日曜日の計画を立てる予定だったのだが・・・・
 

1時限目も始まろうかという時間。
教室には、良晴がまだ来ていなかった。
 

芳雄:「まったく・・・・あいつ何してるんだよ。」

政美:「さあ、計画立てすぎて寝坊でもしてるんじゃないの?」

芳雄:「携帯に電話してみるか。」

政美:「多分出ないんじゃない。寝てたら絶対起きないから。」

芳雄:「それはそうだけどさ。今日計画立てとかないとなあ。」

政美:「そうねえ・・・・そのうち来るかもしれないし。」

芳雄:「そうだな・・・・」
 
 

そう話しているうちにチャイムが鳴ってしまった。
二人はそれぞれの席についた。
 

すぐに先生が入って来て授業が始まる。
 

先生:「誰に読んでもらおうかな・・・」
 

国語の先生が教科書を誰かに読ませようと生徒達の方を見た。
でも、みんな読みたくないから下を向いている。
しかし、そんな中、手を挙げた生徒が一人・・・・
 

先生:「ほう・・・自分から読むとは偉いな。じゃ、65ページから頼むよ。」

「・・・・はい。」
 

手を挙げたのは・・・そう、政美だった。珍しい話だ。
政美は椅子を後ろに押して立ち上がり、本を両手に読み始めた。
 

政美:「そこには大きな石が5つ並んでいた。そして、その石の・・・・あうっ・・・一つに・・・・は・・・・」
 

声が途切れ途切れで聞き取りにくい。
 

政美:「青い模様が・・・・あ・・・・描かれていて・・・そ・・・その・・・・んっ・・・・・」

先生:「どうしたんだ?」

政美:「んんっ・・・・な、何でもありません・・・」
 

政美はいたって普通の顔で先生に答えた。
しかし、その声は少し震えているようだった。
 

政美:「はぁ・・・はぁ・・・・その模様が、太陽の光に照らされてとても綺麗だ。私はカバンからカメラを
         取り出し、その模様をカメラに収めようとした。」
 

順調に読んでいるように見える。しかし・・・
 

政美:「しかし、カメラのレンズを覗いてみると、そのには綺麗な・・・・・も・・・・模様が・・・・はっ・・・・
         映って・・・・いな・・・・・ぅ・・・・・・・かった・・・・うっ・・・・・んんっ・・・・」

先生:「もういいよ。気分が悪いのか?それなら保健室で休んでいてもいいぞ。」
 

政美は何ともないような笑顔をして先生を見ていたが、その口から出る言葉は正反対だった。
 

政美:「ちょっと・・・・ほ・・・保健室に・・・・あっ・・・行ってきます・・・・」
 

口元がかすかに震えているのを芳雄は見た。
 

芳雄:「どうしたんだ?政美のやつ・・・」
 

政美はなぜか笑顔で元気そうに教室を後にした。
 

先生:「本当に気分が悪いのか?」
 

政美の笑顔を見た先生が、不審な顔をしている。
芳雄も同じ感覚を覚えていた・・・・
 
 

廊下に出た政美はしばらく歩いたあと、階段の前で立ち止まった。
今まで笑っていた顔が、急に感じているようなセクシーな表情に変化する。
 

政美:「ああ〜・・・あ・・・あ・・・や・・・やだ・・・・やめて・・・お願い・・・ねえ・・・よ・・・良晴・・・・」
 

政美はその場にしゃがみ込んで、自分自身をギュッと抱きしめてうずくまった。
 

政美:「んんっ・・・・も・・・もう・・・・そんな事まで・・・していいって・・・あっ・・・言わなかったでしょ・・・」
 

そう言いながらも、スッと立ち上がった政美。
さっきのセクシーな表情が、ニヤッと不敵に笑っている。
しかし、その表情は微妙に震えているようだ。

政美は階段を駆け下りると、1階の保健室の前まで歩いて行った。
そして、ガラリとドアを開けたとたん、急に苦しそうな表情を見せたのだ。
 

政美:「も・・・もうっ・・・良晴ったら・・・・」
 

苦しそうな表情の政美が独り言を言ったあと、保健の先生が話し掛けてきた。
 

先生:「どうしたの?」

政美:「先生・・・ちょっと気分が悪くなって・・・」
 

ほんとに気分が悪そうな表情をしている。
本人はそんな事ないと言いたいのだろうが・・・・
 

先生:「じゃあ、ベッドで少し休んでいなさい。薬、飲む?」

政美:「いえ、いいです・・・」
 

そう言うと、靴を脱いでベッドに横になった。
 

先生:「大丈夫?顔色はよさそうだけど・・・何かあったら先生を呼んでね。」
 

政美が向こうをむいて、コクンと肯く。

先生がやさしい言葉をかけてくれた後、カーテンを閉めてくれた。
 

政美:「もう・・・こんなところに来てどうするのよ。」
 

と、小さな声でつぶやいた政美は笑っていた。
身体を仰向けにした後、ぎゅ〜っと両手を上に伸ばして背伸びをする。
 

政美:「うっ・・・・そんなに身体、伸びないよぉ〜・・・・」
 

気持ちよさそうな表情をしているが、口から出るのは、か弱く苦しそうな言葉・・・

そのあと、両手をグッと天井に伸ばしたあと左手を上に広げて、
左手の手の平に右手の指でゆっくりと文字を書き始めた。
それをじっと見つめる政美。
 

政美:「ん?・・・す・・・こ・・・し」
 

左手の手のひらにゆっくりと書かれるひらがなを、小さく声を出して読んでいる。
 

政美:「ま・・・さ・・・み・・・の・・・か・・・ら・・・だ・・・で・・・・
          あ・・・そ・・・・ぶ・・・か・・・・ら・・・・」
 

一文字ずつ読んだ後、改めて頭の中で漢字変換する。
 

政美:「ええと・・・少し政美の身体で遊ぶから・・・・・って・・・なっ・・・や、やだっ・・・
          ダ、ダメよ。約束が違うでしょ。」
 

思わず大きな声で叫んでしまった。

先生が歩いてきて、カーテンの隙間から顔を覗かせる。
 

先生:「どうしたの?」
 

政美は両手を下げて、また苦しそうな表情を見せた。
 

政美:「な・・・何でもありません・・・」

先生:「苦しそうね・・・・ほんとに大丈夫?」

政美:「ほ、ほんとに大丈夫です。」
 

政美の表情が少しやわらぐ・・・・
 

先生:「それならいいけど・・・」
 

そう言うと、先生はまた向こうにある机の方に歩いて行った。
 

政美:「だ・・・だめよ。勝手な事しないで。練習だって言うからOKしたんでしょ。」
 

しかし、政美の頭は左右に振られてしまう。
 

政美:「そんな事するんだったら私の体から離れてよ。」
 

その言葉の後、また先ほどと同じように左手の手のひらに文字を書き始めた。
 

政美:「て・・・つ・・・・だ・・・つ・・・・て・・・・や・・・ら・・・な・・・い・・・ぞ・・
         ・・手伝ってやらないぞ・・・そんな・・・」
 

政美の右手が、「OK」マークを作っている。許可を求めているようだ。
 

政美:「・・・・そんな事言ったって・・・・」
 

政美がとても困っている。しかし、良晴は政美の両手、「OK」マークを作って
政美の目の前にちらつかせ始めた。
 

政美:「・・も・・・もう・・・あ・・・・あんまり・・・・目立つ事・・・しないでよ・・・」
 

どうやら政美は渋々ながら許可したようだ。
政美の両手が、親指をつきたて「イエ〜ィ」と手を作っている。
その仕草がやけにうれしそうだ。
 

政美:「その代わり、ちゃんと手伝ってよね。」
 

政美はそう言ってため息をついた。
 

政美:「一体何をするのよ・・・・」
 

良晴たちに手伝ってもらわなければ仕返しできない政美。
急に身体を操っていた力が抜け、自分の意思で動かす事が
出来るようになった。

何となく疲れたのでベッドで横向きになりカーテンを見つめる。
 

政美:「やだなぁ・・・・次の時間・・・」
 

不安になりながらも、今日は良晴の言うとおりにするしかなかった・・・
 
 
 
 
 

政美が仕返ししたいのは・・・(第4話)・・・・おわり
 
 
 
 
 

あとがき

短い・・・・
短いですね。
ちょっと区切りがよかったもので(^^;
あとがきで補足説明を行います。
 

今回の話、良晴に対する細かい事を書いていません。
知らずに読んでいると、まるで憑依のお話ですね(^^;

授業中、政美はどうして苦しそうに・・・・いや、気持ちよさそうに本を読んでいたのでしょうか。
読む声が途切れ途切れになっていましたよね。
あれはですね!
今回、良晴は芳雄にナイショで政美の「皮」として学校に登校していました。
もちろん、「欠席」扱(あつか)いですけど!
良晴はスライム状になっているので、政美の身体に対していろいろな事が出来るのでした。
本を読んでいる間。そして廊下に出て階段の前・・・・
政美に対して、色々な悪戯をしているのです。

まず、教室で政美の手を挙げた(挙げさせた)のは、良晴。
仕方なく本を読みだした政美。
政美は良晴のことを他人に気付かれてはいけないと思っていますから(特に芳雄に。。。)
別に気付かれてもいいんですけどね(笑)
本を読んでいる時に、良晴は一体何をしたのでしょうか?
良晴は、まず背中の上から下に指1本でなぞるような感覚を政美に与えました。
それが、本文の中にある政美が本を読んでいる始めの部分「・・・あうっ・・・」でした(笑)

「皮」となった良晴ですが、形は自由に変えることが出来るのです。
背中を指1本で押さえるようにスライムとなった自分を押し付けます。
そのままその押し付けている部分を下に降ろせばいいわけです。
ちょっと文章で書くと回りくどいですね(笑)
要は、政美の身体に対して表面上は好きなことを出来る、好きな感覚を与える事が
出来るのです。もちろんその感覚は良晴だって味わう事が出来るのです。

良晴は、太ももを撫でるような感覚や、おなかを擦るような感覚をずっと与えていました。
だから、だんだんと気持ちよくなってきた政美の声が途切れ途切れになっていたんですね。
わざと胸や股間を触らないように刺激する事が、かえって政美に快感を与えているようです。

顔の表情をコントロールできるように、瞼や唇など、かなりのところまで覆い尽くした良晴のスライム。
政美は気持ちがいいので眉がゆがんでしまいそうなのですが、そこは良晴がコントロール!
政美はいつもと変わらぬ表情で本を読む事になります。

良晴には、政美の足が震えていたのがよく分かっていました。
でも、それを他人に分からせないようにしているのは、やはり良晴だったのです。

本を読み終わり、廊下の階段で・・・
良晴は政美に対して,執拗に悪戯を続けていました。
まるで、政美の身体となった自分を楽しむように。

首筋をなぞるような感覚を与えると、政美の身体がビクンと震えるのが分かります。
もちろんそのゾクッとする気持ちよさは良晴だって味わっています。

階段の前では、一瞬、身体と顔のコントロールを政美にゆずります。
その場にしゃがみ込み、セクシーな顔をしている政美。

でも、すぐに自分でコントロールして表情を変えてしまうのです。
保健室に行っても、わざと苦しそうな表情をさせるのです。

こうやって、政美の身体を弄んでいるのでした(笑)

さて、政美の「皮」となった良晴。
これから政美の身体で何をして遊ぶのでしょうか?
次の時間割は何?
次回は良晴の感情を入れて書きたいと思っています。
 

それでは、最後まで読んで下さった皆様、どうもありがとうございました。

Tiraでした。 inserted by FC2 system