ロッカールーム
 
 

「いやぁっ!やめてぇっ!」

夕暮れ時、テニススクールのロッカールーム。
大学1年の清水響子は、悲壮な顔つきで叫んでいた。
彼女が嫌がって頭を左右に振ると、黒くて長い髪が白いテニスウェアの背中を左右になびく。
すでに人気が無くなったロッカールームに一人きり。
そう、彼女一人しかいないのだ。
 

「何するのよっ、勝手にそんなことしないでっ!」
 

必死に抵抗する響子。
そうやって、声を裏返して叫びながらも彼女はどこから持ち出したのか、細い手ぬぐいを
両手でグルグルとねじると、口に咥えて頭の後ろできつく縛った。
 

「うううっ!う〜っ…」
 

自ら猿轡し、声が出なくなった響子はうめきながら、ゆっくりと壁に埋め込んである大きな鏡の前へ歩いて行く。
その鏡の前で少し足を開いて立つ彼女。
身体は動かそうとせず、必死に首だけを左右に振っている。
その目には涙がたまっているように見えた。

白いテニスウェアにスコート。

スコートから伸びる細くて長い2本の足。
その両足は、白いが健康的な感じだ。
そして短めの靴下にピンクのスニーカー。
男性を引きつけるだけの魅力を、彼女は十分すぎるほど持っていた。
 

「ふーっ!う〜っ」
 

何か言いたそうな彼女。
彼女の両手がゆっくりと動き始めたかと思うと、お腹の上を優しく撫で始める。
ウェアの上から身体をいたわるように・・・・いや、そうは見えない。
その手つきはとてもいやらしい感じに思える。

下腹部の上から白いスコートを這うと、今度は太ももの上を優しく円を描くように撫でる。
中途半端に開いた足。
太ももの内側を指でなぞると、響子の身体がピクンと反応する。
 

「ん〜っ…ふう〜ん……」
 

自分が取っている行動に相反するかのように、彼女はこもった声を出して
必死に首を振っていた。

鏡の前で少し前屈みになる響子。
太ももを撫でていた両手が、今度はウェアの襟元に付いている2つのボタンを外し始める。
その光景を、潤んだ目を見開いて見ている彼女。
プッ…プッ…とボタンを外し終えると、鏡には開いた襟元から深い胸の谷間が現れた。
響子がわざとウェアの襟元を掴んで、胸が見えるようにギュッと引っ張る。
すると、白いブラジャーに包まれた豊かな胸がはっきりと鏡に映ったのだ。
 

「んん〜っ!んん〜っ!」
 

こんな事したくないっ…そんな風にも取れる叫び方。

でも彼女はその姿を楽しむような仕草を取っているのだ。
白いウェアの襟元を引っ張ったまま身体を左右に振る。
すると、ウェアの中でブラジャーに包まれた胸が左右に優しく揺れているのが見える。
もちろん普段は鏡の前でこんなことをする彼女ではない。
前屈みのまま両手を背中に回し、不器用な手つきでウェアの上からブラジャーのホックを外すと
プルンと彼女の胸が震え、ウェアの中に肩紐だけで止まっているブラジャーが落ちる。
 

「んんん〜っ!」
 

信じられないと言う表情で鏡の中を覗き込んでいる響子。
また両手がウェアの襟元を掴んで引っ張る。
すると、ブラジャーから解放された二つの柔らかそうな胸がはっきりと見えた。
胸の突起は既に硬くなっているように見える。
 

「……」
 

その胸をウェアの上から両手でグッと掴むと、真ん中に寄せて胸の谷間を強調する。
 

「ん〜…」
 

邪魔なブラジャーを無視しながら、ゆっくりと胸を揉み始める…
 

「う、ううう〜……」
 

響子は鏡から顔をそむけると、目を瞑ってその姿を見ないようにした。
優しく揉んでいる手には、胸の突起の硬さがよくわかるようだ。
ウェアの上から二つの突起を指でツンツンと弾いてみる。
 

「んっ…」
 

たまらず上ずった声を出した響子。
身体もピクンと震えたようだ。
両手の指がそのままコリコリと胸の突起を摘んでは弄んでいる。
 

「んっ…う……んんん‥」
 

顔をそむけながらも鼻にかかった喘ぎ声にも似た声を漏らしてしまう。
そんな響子の右手がスコートを捲り、アンダースコートの上から優しく股間を刺激し始める。
 

「ん‥んっ……う〜」
 

ギュッと目を閉じて、何か我慢しているように見える。
しかし、彼女の手は快感を高めようとする行為をずっと続けていた。
アンダースコートの中に右手を入れると、直接感じるところを指で刺激し始める。
 

「んうっ!」
 

驚いた彼女が目を開いて鏡を見てみると、それはテニスウェアのまま
一人エッチをしている自分の姿だったのだ。
 

「ふう〜っ!ふぅっ〜‥‥」
 

彼女の顔は必死に抵抗しようとしているように見える。
でも、彼女のしている事は明らかに「一人エッチ」なのだ。
 

「うっ…んぐっ…んううっ…」
 

下半身が熱い。
ヌルヌルしたところを指で何度も何度も刺激していると
身体もビクッ、ビクンと震えてしまう。
 

「はあっ…あ…あう‥」
 

彼女は眉を歪め、うっすらと目を開けて鏡に映る自分の行為を見ていた。
まさか自分がこんなところで、こんな行為をしているなんて…

それも…

彼女の意思ではないのだ!

彼女は淫らな行為を「やらされている」のだ。
やりたくもない事を強制的にやらされてしまう……
 

「んんっ‥はぁ…はぁ……んっ…んん……」
 

すっかり濡れてしまった下半身。
いつの間にか息も荒くなっている。

彼女は一旦アンダースコートの中から手を抜くと、もう片方の手は胸を揉んだままで
ゆっくりと歩き始めた。そしてロッカーに立てかけていたテニスラケットを持って、また
鏡の前に戻ったのだ。

鏡にはわざと目の前でラケットをちらつかせる自分の姿が映っている。
両手でグリップに付いていた少量の砂を綺麗に掃って(はらって)いるようだ。
 

「……」
 

響子の脳裏は、最悪な結末がよぎっていた。

まさかこれを…

顔をふるふると震わせる。
彼女はラケットを床に置くと、アンダースコートを脱ぎ始めた。
 

「うっ…うううっ!んううううっ!」
 

それだけは嫌ぁっ!

そういう想いが彼女の表情から読み取れた。
靴を穿いたままアンダースコートを片足ずつ脱いだあと、床に置いていたラケットを右手で拾う。
股間に手をあて、ヌルッとした液をラケットのグリップに塗りつけている。
 

「んんっ!ふううううんっ!」
 

そして、ヌルヌルとしている股間部分へグリップの先をそっと当てた。
 

「んぐぐっ!ふぐぅっ!」
 

必死で抵抗しようとする響子。
でも、彼女は鏡の前で足を蟹股にして左手で入口を開くと、右手に持っていた
ラケットのグリップを徐々に彼女の中へと入れ始めたのだ。
 

「んんっ!!…はあっ…あああ‥」
 

痛いという感覚はまるで無い。
それよりも、彼氏より大きなものが自分の中へと入ってゆくという快感の方が強いようだ。
彼女の中へ少しだけ入り込んだグリップ。
左手を鏡面に添えた彼女は、右手でグリップを上下に動かし始めた。
 

「うっ……んん‥あっ…」
 

ラケットのグリップが股間の中へ入っているのが鏡越しに分かる。
上下に動かすたびに、彼氏とのエッチでは考えられない快感が
身体中を襲っている。

そして徐々にグリップの侵入が深くなる。

こんなところを誰かに見られたら…

そう考えるだけでもドキドキしてしまう。
私がこんな事を…

クチュクチュと股間からいやらしい音が聞こえてきそうだ。
 

「あっ…あ…ああ…んっ……はぁ‥はぁ…あっ‥」
 

喘ぎ声だけが彼女の口から漏れている。
今まで味わった事の無い快感を得た彼女は、もう鏡に映る自分の姿を
素直に受け止めるしかなかった。

もうグリップの半分くらいの長さが彼女の中に入り込んでいる。
そして、彼女の透明な液体がグリップや右手を伝って柄の部分にまで垂れる。
 

「んんっ…あっ…あっ‥あっ…」
 

鏡に添えていた左手が、彼女の頭の後ろに回ると手ぬぐいを外してしまった。
 

「はあっ!」
 

猿轡(さるぐつわ)され、こもっていた彼女の声が鮮明になる。
 

「あっ…んっ‥やっ…はぁ…はぁ……あっ…あんっ‥や、やだっ」
 

それは他人から見ても、絶対に「一人エッチ」をしているようにしか見えなかった。
彼女はそういう表情をしているのだから。
たとえ身体を操られていても、彼女自身がどうしようもなく快感を求めてしまうのだ。
 

「い‥あっ……いいっ‥はぁ…す…すご‥い……んあっ…」
 

グリップの先端が少しだけ大きくなっているせいで、彼女は何とも言えない至福の
快感を得ていた。
彼女の中でゴリゴリと上下に動いているグリップ。
足がガクガク震えているのが良く分かる。

それでも彼女は鏡の前に立ったまま、ひたすらラケットを上下に動かしていた。
 

「あっ‥あっ‥あっ‥ひんっ…んんっ…ん…ん‥だ、だめっ‥あうっ‥」
 

まるで自分で右手を動かしているようだ。
いや、自分で動かしているなら、もう力は入らないだろう。
でも、彼女の意思ではない右手は、さらに激しい動きを続けるのだ。
 

「やぁっ‥はぁ…はぁ…あっ…そんな…‥ああ‥…くぅ…あっ‥」
 

たまらないといった表情で俯く響子。
いやらしい音が耳に届いている。
 

「はっ…あ…あんっ‥あんっ‥あ…だ…だめ…そんなの…いやぁ〜…」
 

奥まで押し込まれたグリップは、円を描くように彼女の中を掻き回す。
気持ちいいのと痛いのが混ざり合い、頭の中はパニックになりそうだ。

こんなにすごいのは初めて…

彼女は快感の頂点へ登りつめてゆくのと同時に、頭の中で何かがはじけるような感じがした。
 

「ああっ…だめ……も‥もう‥…あっ…はぁ‥んんっ!‥や…やあ‥ああああああ!」
 

グリップをギュッと締めつけた響子。
右手の動きが急に鈍くなる。
 

「あ……あ……ああ……‥」
 

口をパクパクさせながら中途半端に呼吸をする。
 

「はぁっ‥…あ…はっ…ああ……」
 

そして、その目が一瞬、クワッと見開いたかと思うとゆっくりと閉じてゆく…
 

「はぁ…はぁ…あっ……」
 

ヌプッと彼女の中からグリップが抜け落ち、ラケットが床に転がる。
そして、彼女はその場にへたり込むと、そのまま鏡に身体を倒し、気絶してしまったのだ…
 
 
 
 

それから数時間後。
 
 
 

見回りに来た警備員に発見された響子。すぐに意識を取り戻したが、意味不明な事を
叫びだしたので病院へと運び込まれたらしい…
 
 
 
 

ロッカールーム…おわり
 
 
 
 
 
 

あとがき

ひどいなぁ。
ひどすぎるわ、この話。
結構前に書いていたのですが、途中でほったらかしにしていました。
どうも上手く書けそうに無いので書いていなかったのですが、
折角なので最後まで書いてみました。
一人でロッカールームを使用するときは気をつけましょう(^^;

それでは最後まで読んで下さった皆様、ありがとうございました。
Tiraでした。 inserted by FC2 system