良晴:「ん〜。次は何?」
芳雄:「今度はさっ。身体の一部分だけコピー出来るコンタクトレンズ。なずけて(ピンポイントコンタクトレンズ)だぁ〜!」
良晴:「・・・・あっそ。」
芳雄:「あっそって・・・なんでそんなリアクションなの?」
良晴:「ええ。だってさ、身体の一部分だけコピーしても面白く無いじゃんか。お前もそう思うだろ。」
芳雄:「・・・・まあな。」
良晴:「だったら今は寝かせてくれよ。昨日は夜中にゲームをやりすぎて眠いんだよ。」
芳雄:「・・・・うん。」
秘密のコンタクトレンズ「ピンポイントコンタクトレンズ」(前編)
眠そうに机に頭をへばりつかせる良晴。
今は学校の昼休み。良晴は眠っているところを芳雄に起こされて少し機嫌が悪い。
芳雄の相手もそこそこに、また眠りにつく。
芳雄:「使い道あると思ったんだけどなぁ。」
良晴:「Zzz・・・」
芳雄:「なあ良晴。お前も考えてくれよ。」
良晴:「ぅぅん・・・・もう、うるさいなぁ。だってそれならこれまでのコンタクトレンズの方がよっぽどマシじゃないか。」
芳雄:「それはそうなんだけど・・・顔もコピー出来るんだ。」
良晴:「・・・・・んっ!顔もっ!」
けだるそうにしていた良晴が、急にむくっと起き上がる。
良晴:「顔もコピー出来るのか?」
芳雄:「ああ。でもピンポイントだから、例えば口や鼻といった具合に、一つずつのパーツしか出来ないけど。」
良晴:「はぁ?鼻だけコピーしても何の意味も無いじゃないか。」
芳雄:「だからピンポイントコンタクトレンズ。」
良晴:「・・・あっそ。もういいからおとなしくしていてくれよ。俺は眠いんだから。」
芳雄:「何だよ。せっかく作ったのに。一度試してみてくれよ。」
良晴:「試すのはいいけど、今は眠いんだ。また今度な。」
芳雄:「ちぇっ。じゃあお前のカバンに入れておくから。使ったらちゃんとどんな感じか教えてくれよ。」
良晴:「ああ・・・・Zzzz・・・」
芳雄はもう少し興味を持ってくれるかと思っていたので残念そうだ。
少し落ち込み気味の芳雄は良晴のカバンにコンタクトレンズの入った箱を入れると、自分の席に戻っていった。
芳雄の足音がだんだんと小さくなっていくのを感じながら、実は密かに良晴はあることを思いついていたのだ。
良晴:「これは使えるぞ・・・・」
そう思いながら、そのまま眠りについたのだった・・・・
・・・・・そして放課後。
教室からはあっという間に生徒がいなくなる。
良晴や芳雄も例外ではない。
二人とも帰る用意を済ませたあと、さっさと教室を出た。
芳雄:「なあ、なんかいいアイデアは浮かんだか?」
良晴:「何の事?」
芳雄:「何の事って・・・ピンポイントコンタクトレンズのことだよ。」
良晴:「ああ、あれか。全然考えてない。」
芳雄:「なんだよそれ。」
良晴:「それよりさ。俺、寄るとこあるから先に帰っていてくれよ。」
芳雄:「お、おいっ、良晴っ!」
良晴は芳雄を置いて廊下を走って行った。
芳雄:「なんだよ。自分が使いたい物だけ使って興味の無いものはほったらかしかよ・・・今度から貸してやらないぞ・・・」
ぶつぶつ言いながら芳雄は帰った。
その頃良晴は、クラスのマドンナ、永子のいるバレーボール部のところにいた。
体育館で必死に練習をしている永子を見ながら、良晴は芳雄がカバンに入れて行ったコンタクトレンズをはめた。
そして永子の喉元をじっと見つめる。
動くのでなかなか照準が合わないが、ちょうど先生がみんなを呼んで輪になったので
今がチャンスと必死に永子の喉元を見る。
すると、良晴の喉元がだんだんかゆくなり始め、喉仏が小さくなっていく。
さっきまで喉を押し上げていた喉仏がウソのようにすっきりしている。
良晴:「・・・・」
かゆみの止まった良晴は、口元を緩めながら無言で家に帰った・・・・
日がゆっくりと落ち始める頃、良晴は家の前に着いた。
玄関先で初めて咳払いをする。
良晴:「ウ、ウンッ!」
なんともかわいい咳払いだ。
その声にニヤリと笑った良晴は、玄関を開けた。
制服で口を塞ぎ、出来るだけ低い声で
良晴:「だだいま」
という。
すると、声が雲ってすこし男の声に聞こえた・・・感じがした。
母親:「おかえり」
奥の方から母親の声がする。どうやら気付いていないらしい。
良晴はそのまま自分の部屋に入っていった。
カバンを置き、ラフな格好に着替えたあと、ため息を一つつく。
良晴:「ふぅ〜。ばれるか心配だったけど大丈夫だったな。」
それは良晴の男らしい声ではなく、あまりにかわいい永子の声だった。
良晴はピンポイントコンタクトレンズで永子の喉をコピーしたのだ。
良晴:「よしよし。かわいい声だなぁ。やっぱりこの声を使ってイタズラしなければ。」
そう言うと、うれしそうに携帯電話を非通知モードの切り替えて電話をかけ始めた。
プルプルプル・・・プルプルプル・・・プツッ!
「はい。もしもし?」
電話の向こうからは聞きなれた女性の声がする。
良晴:「あ、私。誰だか分かる?」
「えっ?誰なの?」
良晴:「うん。永子だよ。分からなかった?」
政美:「あ、永子。ごめんごめん。電話かけて来るのはじめてだから。」
良晴:「うん。ごめんね、急に電話かけたりして。今忙しい?」
政美:「ううん。ぜんぜん大丈夫だよ。どうしたの?」
良晴は永子のフリをして政美に電話をかけたのだ。
政美はてっきり永子から電話がかかってきていると勘違いしている。
良晴は笑いを堪えながら話を始めた。
良晴:「あのね、良晴のことなんだけど。」
政美:「え、良晴?」
良晴:「うん。政美って良晴と親しく話してるよね。」
政美:「そ、そうかな・・・」
良晴:「だって付き合っているんでしょ。」
政美:「付き合っているというか・・・まあよく喧嘩してるだけなんだけどね。」
良晴:「ふーん。ねえ、良晴のこと、好きなんでしょ。」
政美:「ええ?」
急にそんな事を言われても・・・・
政美は返答に困ってしまった。
良晴:「実はね。私、良晴に身体あげちゃったんだ。」
政美:「・・・・えっ!?」
良晴:「だからね、良晴は私の全てを知ってるの。」
政美:「う・・・うそ・・・」
良晴:「ほんとよ。良晴って結構激しいんだ。政美ももう良晴にあげちゃったんでしょ。」
政美:「あ・・・・いや・・・・それは・・・その・・・・」
永子があっけらかんと言うので、政美は怒るに怒れない。
付き合っているのなら普通は怒るものだ。
良晴:「もしかしてまだ良晴に身体あげてないんだ。それなら悪いんだけど、良晴のことは忘れてほしいの。
だって良晴、私の身体が忘れられないって言ってずっとせまってくるんだもん。」
政美:「な、永子、ちょ、ちょっと待って!さっきから何言ってるのか分からないよ。」
良晴:「だ・か・らっ!私と良晴はもう結ばれたの。で、政美には良晴と別れてほしいんだ。」
政美:「ど・・・どうして急にそんな事・・・」
良晴:「だって政美、いつも教室で見てるけどすごく奥手だから良晴がかわいそうだったんだもん。それで私が声をかけたらすぐに
飛びついてきて。私も良晴のこと、大好きだよ!」
政美:「そ・・・そんな・・・ひどい・・・・」
政美が電話の奥で声を震わせている。
良晴:「もし政美が良晴のこと好きなら、早く良晴に身体をあげたら?そしたら私は身を引くから。
じゃあね!」
政美:「ちょっと、永子っ!」
すでに電話は切れていた。
非通知なのでかけ直すことも出来ないし、それほど親しい仲でもないので電話番号を知らないのだ。
政美:「・・・・うそでしょ・・・・そんなこと・・・・」
政美はベッドに倒れこみ、目を閉じる。
その目からはうっすらと光るものが見えていた・・・・
良晴:「ははははっ!政美の奴本気にしてるよ。しかしバレないもんだなぁ。」
永子の声で高笑いしながら、まんまと騙したことに優越感を覚える良晴。
良晴:「さて、次は・・・・」
また別のところに電話をかけ始めた。
プルプルプル・・・プルプルプル・・・プツッ!
「はい。もしもし?」
電話の向こうからは聞きなれた男の声が聞こえてくる。
良晴:「あ、もしもし。私のこと、誰だか分かる?」
「えっと・・・その声はもしかして、永子?」
良晴:「うん。よく分かったね、芳雄!」
良晴がかけたのは芳雄の家。
芳雄も永子からの電話だと思っているようだ。
良晴:「ごめんね、急に電話して。今忙しい?」
甘ったるい声を出しながら話しかけると、芳雄はすぐに返事を返してきた。
芳雄:「ううん。全然大丈夫さ。それよりどうしたの?永子が電話をかけてくるなんて初めてじゃないか。」
良晴:「うん。実はね、芳雄は私のこと、どう思っているのかなって思っちゃって。」
少し恥ずかしそうな声で芳雄に話しかける。それはどこまでも永子の声だった。
芳雄:「えっ!どういう事?」
芳雄の声が上ずっている。
良晴:「・・・・あのね、私は芳雄のこと・・・・」
わざと次のセリフを言わない。
芳雄:「俺のこと・・・・どうしたの?」
良晴:「・・・うん。芳雄のことが・・・・すき・・・・だよ。」
芳雄:「・・・・・・」
しばらくの沈黙。
良晴は笑いを堪えるのに必死だ。
芳雄:「・・・・今、何て言ったの?」
クラスのアイドル、永子から好きだと言われたのだ。そりゃ確かめたくもなる。
良晴:「なんども言わせないで・・・・・芳雄のことが、好きです。」
けなげな永子の雰囲気を出すようなしゃべり方。
これには芳雄も参ってしまった。
芳雄:「マ・・・マジで言ってるのか・・・」
良晴:「うん。ほんとよ。ずっと前から思ってた。でも、いつも良晴と一緒にいるからなかなか伝えられなくて・・・
今日は思い切って告白しようと思ったの。」
芳雄:「・・・・・お、俺も永子のこと、大好きだ!」
芳雄の鼻息まじりの声が受話器から聞こえる。
なんて単純な奴だ・・・・
そう思いながら話を続けた。
良晴:「ほんと?私のこと好きなの?」
芳雄:「当たり前じゃないか。お前はクラスのアイドルなんだぞ。そんなお前に告白されて断る奴なんていないさ。」
良晴:「私がクラスのアイドルだからなの・・・」
少しさびしげな声で話す。
芳雄:「あ、いや。そういうことじゃなくて、ほんとに好きなんだ。永子のことが。」
良晴:「信じていいの?」
芳雄:「ああ、もちろん。」
良晴:「ああ、よかった。思い切って告白して。」
明るい声で話した良晴。
イタズラはまだ終わらない。
良晴:「ね、芳雄って私の身体、どう思う?」
芳雄:「どうって?」
良晴:「私、そんなにスタイルいい事ないし・・・」
芳雄:「そんな事ないって。」
良晴:「だってこの胸もそんなに大きくないし。こうやって持ち上げても軽いんだもん。」
良晴は電話の向こうで胸を持ち上げているような話し方をした。
それは芳雄の妄想をかき立てる。
きっと、片手で受話器を持ちながら、開いた方の手で胸を持ち上げてるんだ・・・・
そう思っているのだ。
芳雄:「そ・・・そんな事ないと思うけど・・・・」
良晴:「私ね、いまピンクのキャミソールに白いシルクのパンティ姿なんだ。だから胸がないの、よく分かるんだよ。」
芳雄の妄想が更に膨らむ。
服装の情報を得た芳雄は、頭の中で悶々と永子の仕草を想像した。
キャミソールの上から胸を持ち上げたんだ・・・・
芳雄:「だ、だってみんながスタイルいいって認めてるんだから。」
良晴:「あ〜あ、もうちょっと胸が大きかったらなぁ・・・あんっ!」
芳雄:「ど、どうしたの?」
良晴:「あ、ううん。なんでもないの。胸を触っていたらちょっと感じちゃって。へへっ、ごめんね、変な声聞かせちゃって。」
芳雄の妄想は爆発しそうだった。
あのクラスのアイドルが胸を触りながら喘ぎ声を出したのだ。
それは好きな異性から聞く声。
自分で憑依しても言うのとは訳が違う。
芳雄:「う、ううん。永子の声だったらどんな声だって聞いちゃうよ。」
良晴:「ふふっ。私の変な声、聞きたい?」
芳雄:「も、もちろんさ。」
良晴:「あぁ・・なんか芳雄の前じゃ大胆になれるよ。ちょっと待っててね。」
芳雄:「あ、ああ。」
ベッドに寝転がって話していた良晴は、携帯電話の前で手を使い、服をカサカサと鳴らした。
携帯電話から芳雄の受話器に、服を脱ぐような音が聞こえてくる。
芳雄はドキドキしながらその音を聞いていた。
良晴:「ふふっ、おまたせ。」
芳雄:「・・・・ああ。」
良晴:「今ね、ブラジャー取っちゃった。」
芳雄:「ブ・・・ブラジャー・・・」
良晴:「うん。今、キャミソールの中はノーブラなんだよ。」
芳雄:「そ、そう・・・」
良晴:「なんか私、もう感じちゃってるみたい。キャミソールの上からでも立っているのが見えるの。」
芳雄:「た、立っているのって・・・・」
良晴:「んふっ。私の胸の・・・・そんな事まで言わせないで。」
芳雄:「ご、ごめん!」
完全に良晴の術中にはまっている芳雄。
相手が良晴だとも知らずに、一人頭の中で妄想している。
良晴:「ここをね、指で摘むと・・・・んっ・・・・気持ちいいの・・・・あっ・・・」
良晴は切ない喘ぎ声を漏らした。
なかなかの演技派だ。
ゴクンッ!
芳雄が唾を飲み込む音が聞こえてきた。
よほど興奮しているのだろう。
芳雄:「き、気持ちいいの?」
良晴:「んっ・・・うん。こうやって直接触るともっと気持ちいいんだよ。」
芳雄:「えっ・・・」
良晴:「今キャミソールの中に手を入れたの・・・・はぁ・・・・んんっ・・・直接触ると・・・・あんっ・・・・すごくいい気持ち・・・」
芳雄:「・・・・・」
良晴:「あっ!・・・んふっ・・・・よ・・芳雄が聞いていると思うと・・・・あんっ・・・・すごく感じちゃうよ・・・・」
芳雄:「な・・・永子・・・・」
芳雄はなんと、スボンとトランクスを脱いで1人エッチの体勢を取った。
永子の声をオカズにするみたいだ・・・
良晴:「あっ・・・・・」
芳雄:「ど、どうしたの・・・」
良晴:「下の方も濡れているみたい・・・」
芳雄:「・・・・し・・・下の方って・・・」
良晴:「シルクのパンティにシミが出来ちゃった。」
芳雄:「・・・・・」
芳雄の手がムスコを刺激している。
良晴:「見せてあげられないんだけど・・・ここが・・・・ほら・・・・・・んあっ!」
芳雄:「な・・なに?」
良晴:「んんっ!・・・パンティの上から・・・シミの所を指でなぞったら・・・・す・・・すごく・・・いい・・の・・・・」
良晴が少し息を乱すように話す。
芳雄は全く気付いている様子もなく、1人で頑張っていた。
良晴:「はぁ・・・はぁ・・・こ・・・今度は・・・・直接・・・・触ってみるね・・・・ちょっとパンティをずらして・・・隙間から・・・」
良晴が分かりやすいように解説してやる。
芳雄の頭にははっきりと永子の姿が移っていた。
きっとベッドに寝転んで足を開きながらパンティの隙間から指を入れているんだ・・・
芳雄の手が一気に加速する。
良晴:「ああっ・・・はぁ・・・あ・・・・んん・・・・よ・・・・芳雄・・・・す・・すごく・・・・きもち・・いい・・・・」
良晴は、なんだかだんだんアホらしくなってきていた。
何でこんな事してるんだろ・・・
しかし、芳雄は何も知らずに必死に右手を動かしている。
良晴:「あ・・・あ・・・あ・・・よ・・・芳雄・・・も・・・もう・・・・イッちゃう・・・・あんっ・・あんっ・・ああっ!あああああああ!」
芳雄:「うううっ!」
良晴の声に芳雄も一気に気持ちが高ぶり、フィニッシュを迎えてしまった。
なにが「うううっ!」なんだろう・・・
芳雄のうめき声を受話器から聞きながら、どうせろくな事もしていないんだろうと思い、わざと息を荒くして話しかける。
良晴:「はぁ・・・はぁ・・はぁ・・・・わ・・・・わたし・・・・こ・・・こんな事しちゃって・・・・・は、恥ずかしいよ・・・」
ガサガサ音を立てながら、芳雄が答える。
芳雄:「な、何がだよ。すごくセクシーな感じで感動したよ。うん。最高だった。」
良晴:「ほ・・・ほんと?」
芳雄:「ああ、本当さ。」
良晴:「・・・よかった・・・・・芳雄に嫌われるかと思ったの。」
芳雄:「そんな事ないさ。永子はとても魅力的だったよ。」
良晴:「・・・あの・・・今から会えない?」
芳雄:「えっ!今から?」
良晴:「うん。なんかすごく芳雄に会いたくて・・・だめ?」
芳雄:「と・とんでもない!いいよ、すぐに会いに行くよ。」
良晴:「ほんと!うれしいっ!じゃあ、どこかで待ち合わせしようよ。」
芳雄:「そうだな。どこがいい?俺はどこでもいいけど。」
良晴:「じゃあねぇ・・・」
良晴は最寄の駅前にあるカラオケボックスの前を指定した。
芳雄:「OK!分かったよ。じゃあ30分後にカラオケボックスの前な!」
良晴:「うん。ふふふっ。遅れないでねっ!」
芳雄:「絶対遅れないさ!」
良晴:「ねえ、芳雄。受話器に口をつけてくれる?」
芳雄:「ええっ。い、いいけど。」
芳雄は受話器に口をつけた。
良晴:「へへっ・・・チュッ!」
良晴は芳雄に聞こえるようにチュッと受話器に向かってキスをした。
永子の声を混ぜて・・・
芳雄:「・・・・・」
良晴:「じゃ、後で会おうねっ!」
そう言うと、良晴の方から電話を切った。
プーッ、プーッ、プーッ・・・
受話器から電話の切れた音がする。
芳雄は半分意識が飛んだ状態で受話器を握り締めていた。
受話器の先から、永子のキスが飛んできた・・・・そんな感じがして・・・
芳雄:「へ・・・へへ・・・・や、やったぁ!」
芳雄はうれしさのあまり、大声で叫んだ。
あのクラスのアイドル、永子から告白されたのだ。
しかもテレフォンセックス紛(まが)いの事までして・・・
有頂天になった芳雄は、早速着替えて家を出て行った・・・・
そのころ、良晴は・・・
良晴:「はっはははは!」
永子の甲高い声を上げながらベッドの上で笑い転げていた。
すっかり永子と信じ込んでいる芳雄。
まさか自分が渡したコンタクトレンズで騙されたなんて思っていないだろう。
笑いすぎて横っ腹が痛くなった良晴は、種明かしをしてやろうと着替えをして
家を出たのだった・・・
秘密のコンタクトレンズ「ピンポイントコンタクトレンズ」(前編)・・・・終わり
あとがき
*この作品は、ネモさんがサイトの日記で書いていらっしゃった「ボイスチェンジャー」と設定がかなり似ているので、
メールにてご相談したところ、似ているけれども別物であると確認し、お互い納得出来たという経緯から
アップさせていただくことにしました。
ネモさん、感謝しております。
皆さんが身体の一部分だけをコピー出来るとしたら、一体どこをコピーするでしょうか?
男ならやっぱり女性の○○をコピーするのかもしれませんが、今回は
「声(喉)」をコピーすると言う事にしました。
さあ、声をコピー出来るとすればその声を使って一体何をするでしょうか?
・・・と言う事で、私はイタズラに走りました(笑)
面と向かってイタズラできないので、電話で声だけ伝えるという
なんとも根暗な話ですね(^^
でも、なかなか難しいですね、声だけというのは・・・ねっ、ネモさん!
そして良晴のイタズラ好きにも困ったものです(笑)
そのうち政美に嫌われそう・・・って、もう十分嫌われてるって!
では、最後まで読んで下さった皆様、ありがとうございました。
Tiraより